「それでは、お待ちかねの席替えでーす!!」
先生が言った瞬間、ワーッ!とみんなが喜び出した。
でも、私は全然楽しくない。
もし君がいたら私もみんなと同じように喜んでいたはずなのに。
どれだけ席替えをしたって君とクラスが違うという事実は変わらない。
・・・悲しい。
気がついたらみんなが順にくじを引いていた。
私の番だ。
ゆっくりと引く。
・・・後ろから二番目の一番窓側。
嬉しくも悲しくも何にもない感情になる。
・・・・・・・・・
ここが今日から私の席の場所か。はぁ、とため息をつきながらふと、窓の外を見る。
!?!?!?
えっ・・・待って・・・。
今まで窓側の席になったことないから気付かなかった。
君が外にいるのが見えたから・・・。
ここは他のクラスの人が外にいるのを見れるってこと・・・?
・・・嬉しい。
そしてまた、窓を見る。
!?!?どうしよう・・・目があった!
ここからきっと・・・始まると感じた。
突き立てられる刃は
きっと
何よりも鋭く 何よりも硬く 何よりも痛い
だから
君の道に足跡を残した
君に貰ったあの日から 私は手放さないでいた
君に預けたあの日から 私は必要としなかった
私は君になれるだろうか 君に私が見えるだろうか
白に黒を重ねたとして 白は汚れず見えるだろうか