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うちの七不思議Novel Edition:鉄棒の上の幽霊 その⑧

『サメ』がまた地面の下に隠れた。それと同時に、その場で思いっきり足を地面に叩きつける。まるで地面の下に振動を届けるように。
そしてもう一度。強く地面を蹴り、その勢いで前に向かって飛ぶ。直後、俺の背後で『サメ』が顎を閉じるあの「ガチン」って音がした。
大きく音を立ててまた着地し、また強く踏み込んで、今度は横に向けて跳ぶ。『サメ』の通過する風圧を感じながら逆立ちのような姿勢で手を下にして着地し、手首と肘をできるだけ曲げて衝撃を殺し、できるだけ静かに倒れ込む。そのまま身体を微塵も動かないようにしてしばらく待つ。
実際やってみると、これは結構危険な賭けだったと思う。ちょっとした緩急はつけたが、全く振動を起こさずに行動するなんてことはまず無理だし、そのまま喰われる可能性は十分にあった。
けど、幸運にもあの『サメ』は意外と鈍かったようだ。地面の下から頭を出して、今出てきた地点の周りをぐるぐると回り始めた。もしかしてあいつ、まだ視力も回復してないのか? だとしたら、相当感覚が弱いぞ。
とにかく好都合。静かに立ち上がり、奴がすぐ近くまで泳いでくるのを只管待つ。
(……来た)
奴が正面から泳いできた。思わず口角が吊り上がる。片脚を大きく振り上げ、タイミングを合わせて思いっきり振り下ろす。この一撃は奴の鼻先を直撃し。上手いことダウンさせることに成功したようだ。
「ザマア見やがれサメ野郎が。それじゃ、俺は先生方にバレる前に帰るからな」

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無関心

嫌いじゃない
好きでも無い
そこに残った空白は
伽藍堂で虚ろな空間
無機質なその部屋に
何を置けるか
何を置くのか
それはきっと私次第
でも今はまだ
考えるに値しない。
その空白の名は