煤けた視界がふとゆらめいて
それが夜の訪れだった
誰も知らない 僕さえ知らない
かつてあったはずの夜の様相
繰り返し持ち上げては下ろすグラス
溶けた氷がチカチカとけたたましい
5分後にはもう明日が来るような
そんな17時
ステップアンドステップ
踊りだす指先は
君と僕と
その指先が指した
明るい未来だけに見えている
瞼を閉じれば眠りに落ちるよな
それくらい当たり前のこと
眠れない夜 白んでくる
取りこぼしたあの子の気持ち
蕩けた脳味噌が滴るようで
それが夜の訪れだった
誰も知らない でも僕だけが知っている
知ってる、はずだった
とうに空っぽにきらめいてるグラス
溶けた氷くらい飲み干してしまえよ
5分後の僕はきっともう
息も吸えないくらいに
ステップアンドステップ
踊り跳ねる君の
小さな波
そのスカートのシワの先
ありえないほど眩く
強く
脆く
ステップアンドステップ
踊りだす指先は
君と僕と
その指先が手繰った
どうしようもない未来が見えている
空と地の境がさざめくようで
それが朝の訪れだった
朝日が眩しくて涙が出ただけ
そう、ほんとにそれだけ