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寝る前に浴びてはいけない光のようだ、あなたは

これから自由な夢がみれるはずなのに
そのまぶしさに、どんな自分になりたいだろうって思ってしまう

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鏡界輝譚スパークラー:陰鬱プロフェッサー その⑨

「終わったァッ!」
乱暴に足音を立て、吉代が部屋に入ってきた。
「おつかれ、親友。一応カゲ除けはどこも壊れてないよ。単純にあのカゲが強かっただけみたい」
「ああ、あと、あれと同タイプのカゲ、結構増えて来てたな」
「そっか。じゃあ防衛機構を増やさなきゃかな。もうP.A.はできてるからさ、余裕がある時に取り付けに行ってくれない?」
「あー、じゃあ帰る時にやっとく。場所は?」
「この地図参照」
明晶から図面を手渡され、吉代はちらりと見てから折りたたんでポケットに仕舞った。

「……そういえば」
数十分の沈黙の後、吉代が不意に口を開いた。
「どしたの親友」
「光の力、もう回復したのか? さっき銃3発も撃ってたけど」
「あー、あれね」
明晶はモニターを見つめたまま、自分のデバイスの画面を吉代に向けた。
「……点いてないじゃねーか」
「うん。全然回復してない」
「なんで撃てたんだ」
「カゲ除けと同じだよ、親友。君の光の力を勝手にちょっともらってストックしてたのを、弾倉に詰めてたんだ。この技術、特許申請したらお金になるかな」
「さあ……まあ便利ではあるな」
「勝手に使ったの怒ってないの?」
「俺の光の力は4桁あるらしいからな。今のところ不都合があるわけでも無いし、それだったら天才技術者サマの護身用に役立ててもらった方がずっと有意義だ」
「わぁいありがとー。ちなみにここの設備は全部、君の光の力を吸って動いてるからね?」
「……まあ、許す」
「やったぁ。今日はもう次の改造P.A.製作に費やすから、もう帰っても良いよ? 次は弾道が曲がる銃を作るんだー」
「そうか頑張れ」