「たまたま普通に生まれたやつが
見下してんじゃねえよ!」
教室に響いたその声に、
その場にいた先生までもが凍りついた。
彼女の言葉に誰も言い返す言葉は無いはずで、
この場の主人公は彼女で、
私たちはこの場の静かな観客であれば良い。
それなのに、気づいたらすぐ後ろで
大きな音を立てて椅子が倒れた。
「なんであなたの言う「あなたと同じ」じゃない
だけで、私たちが普通であなたが特別なの?」
思った以上の声量で溢れた言葉に
みんなが私を向く。彼女と目が合う。
永遠と思えた、きっと数秒の沈黙を破るように
彼女が泣き出す。みんながぎょっとする。
「あんたに何がわかるの…」
彼女のその言葉を引き金に
カタッと音がして、1人、また1人と席を立ち
彼女の周りに集まる。
世界が一気にくだらなく思えた。
多様性を履き違えていないか。
優しさって何だろうか。
配慮されるべきは誰なのだろうか。
「普通って何」
もう誰もこちらを見なかった。
その耳にも届いていないようだった。
「ずるい」
彼女の耳に届いてしまえと思った。
人の心の闇が悪を作り出す。
しかしそういった心の闇に愛情を注ぐと悪は生まれてこないのです。
あなたの暖かい愛情で私は救われた
私の中の悪は絶たれたのです
本当に 本当にどうも有り難うございました