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髪型は自由でも周りの生徒が困るというときはある。

染髪はNGだけど髪型は自由な高校だった。
だからロングヘアー、ショートヘアー、ベリーショート、ポニテール、ツインテール、お団子ヘア、他諸々、それぞれ好きな髪型をしていた。それと髪留めもこれはダメ!とかいうものはなかったから、好きな色の髪ゴムやシュシュ、髪飾りをそれぞれしていて、みんな、不満という不満はなかったと思う。生徒会選挙で立候補者が掲げる公約に髪型にまつわるものは一度もなかった。髪型は自由で、ちょうどよかったのだ。
けど自由な髪型とはつまり、自分が選択してその髪型をしている責任がある。自分で髪型の責任をもつ必要があると思う。
 知り合いの一人で、彼女の髪型が周囲の生徒に迷惑をかけていることがあった。彼女はいつも教室の一番前に座っていて、やや背が高い背中をさらにまっすぐ伸ばして座る癖があり、後ろの人からにしたら壁のような人だった。だが彼女はスレンダー体系だったので黒板の文字はまだ見れる。髪型の問題がなければまだ見られたはずなのだ。
彼女はミッキーマウスのようなダブルお団子ヘアをしていた。頭部の左右にそれぞれお団子ヘアがくっついていて、本人は「かわいいでしょ」と気に入っているようだった。だが残念ながら他の生徒はむしろ邪魔な存在だった。その髪型のせいで黒板が見えないからだ。ちょうど黒板の高さ、ちょうど白文字がつらつらと並べられている場所にお団子ヘアが被さり、後ろの人は体を左右に動かしても見えない状況だった。「あのミッキーマウスの髪型ほんっと邪魔!なのなの、あれ?!」と激ギレしながら弁当を食べる知り合いを思い出す。
さすがにわたしもその髪型はないなー……と思い、その子(別クラスなので話す機会は少ない)とたまたま話す機会あったときに髪型について触れてみた。けど相手の感情がかなしむ姿を見たくない想いから「その髪型、後ろの人が黒板の文字見えないからやめなよ」と言えなかった。今にしてははっきり言ってやれよと本当に思うが当時は臆病だったから……という言い訳も通用しない。はっきり言えなかった責任がわたしにもあるので落ち度を認めるしかない。ただわたしの責任だけではなく、件の彼女も髪型について周囲への影響や迷惑を考える場面はなかったのか。かわいいと気に入っていても周囲の勉学を阻んでいるならそれは良い髪型なのだろうか

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