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Trans Far East Travelogue67

嫁に長岡のイメージを訊いてみると「河井継之助しか知らん」と返ってきたので「残した言葉はカッコいいけど歴史に残る数々の行動で今でも賛否両論あることで有名な海軍の人も長岡出身だけど知らんの?」と念の為訊いてみると「東郷さんは…薩摩やし,従道さんも薩摩やろ…貫太郎とか?」と返って来たので「山本五十六なんだけど」と正解を出すと「五十六って…あの『やって見せ言って聞かせてさせてみせ褒めてやらねば人は動かじ』の人よね?あの人長岡だったの?」と返って来たので「だから映画で五十六役の役者さんが水饅頭という長岡の甘味を周りの人がその作り方に驚いているのを横目にこれぞお袋の味と言わんばかりに美味しそうにバクバク食べてたんだ。」と教えてやると「地方の食べ物についても知識あるの普通に凄い」と返って来たので「海外の鉄道ファンに日本の鉄道を紹介する動画と東日本の観光地の紹介動画の撮影でJR東日本と北海道の範囲は全て回ったからな。でも,九州は君の方が知ってる筈さ。」と返すと嫁が「任せといて」と言って笑ってる。
すると,仙台支社に移った同期から「今都庁の展望台にいるけど,東京土産はどうする?東京ばな奈で良いか?」とメッセージが来たので「せっかくだから、都庁のお菓子にしよう」と返事をすると知らぬ間に越後湯沢のホームに入線していた。
この列車は浦佐を通過する為、次の停車駅は目的地の長岡だ。
そして,嫁が「私,凄い人と結ばれたんだなぁ」と言っているので「まぁ,新宿のプリンスと呼ばれる位のイケメンだからな。赤坂とか麹町の人には敵わんけど」と冗談めかすと嫁が「貴方って見た目は史実のナポレオンと変わらんけど、中身はチャキチャキの江戸っ子で,しかも私のこと大切にしてくれるから大好き」と言って寄ってくるので軽く小突いてやり、すぐに荷物を纏めて下車し、駅を出ると福島江のせせらぎが聞こえ、見事に出口を間違えたことに気付き苦笑いを浮かべ,嫁は着いてすぐに箱買いした越後名物で俺の大好物の笹団子を呑気に頬張っていて気付いたら一箱が空になっている。
「俺の好物、四公六民の年貢でも半分こでも無ければ嫁に独り占めされてるよ」というため息混じりの呟きが駅のアナウンスと嫁の笑い声でかき消され、箱には団子を包んでいた笹の葉だけが残っている。

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