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LINkerWorld LINearWaltz / MIraculous-Ephemeral 8

「ていうかきみ、この街じゃ見かけない顔だけどどこから来たの?」
「……」
「なんていうか、すごくかわいい服だねそれ」
「……」
「そういえば、さっきの武器、もしかして……」
「うるさい‼︎」
 ミラが背後から一方的に質問攻めにする中、薄桃色の髪の人物は急に立ち止まって叫んだ。その言葉にミラはびくりと身体を震わせるが、「……ごめん」と少しの沈黙ののち謝る。
「この前線都市で見ない顔だったから気になっちゃって」
 「嫌な気持ちにさせてたら……」とミラは言いかけるが、言い終える前に相手は振り向いた。
「どうして、私についてくるのよ」
 薄桃色の髪の人物は冷たい目をミラに向ける。ミラはその目に一瞬どきりとしたが、臆せず「いやだって……」と苦笑いした。
「さっき助けてもらっちゃったからありがとう言わなきゃって思ったし、それに……」
「感謝なら結構」
 ミラの言葉を遮るように相手は冷たく言い放つ。
「私はディソーダーがいたから義務として倒しただけよ」
 「別にあなたを助けようだなんて思ってない」と薄桃色の髪の人物はミラから目を逸らした。その言葉にミラは「えっじゃあもしかして……」と目を見開く。
「きみもリニアーワルツ⁈」
 その声に、薄桃色の髪の人物はびくりとした。ミラは気にせず「すごーい!」と飛び跳ねる。
「だって、ディソーダーを倒せたってことはきみはリニアーワルツで、さっき持ってたのはジェミニってことでしょう⁈」
 「カッコいい〜!」とミラは目を輝かせた。相手はその姿にポカンとするが、ミラは気にせず「あ」と呟く。

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フリー世界観『世界の終わりと山姥少女』②

・”バーバ・ヤーガの使う魔法”
バーバ・ヤーガが使う魔法は、大きく2つに分かれる。
一つは外敵を排するための『外向きの魔法』。
もう一つは、内部の住人を饗すための『内向きの魔法』。
基本的に前者は対象に危害を加えたり防御する戦闘のための能力であり、後者は対象に利益を与えたり『箱庭』や人間にとって有利に働きかける能力である。それぞれがどのような魔法になるのかは、個体ごとに異なる。
また、バーバ・ヤーガが魔法を使うためには、肉体の一部が自分の”鶏小屋”に接触している必要がある。バーバ・ヤーガとは『家を守ること』を至上命題とした生物であり、その力は「招かれざるものを排し、招き入れたものを饗す」ためのものなので、家との繋がりが切れれば魔法を使う意味も無くなるためだ。
1㎜でも離れれば魔法が使えなくなるし、布1枚隔てた状態でも駄目なので、バーバ・ヤーガには素足で活動している者が多い(足裏を着けていれば魔法発動条件を満たせるため)。

・”ルイニ”
”鶏小屋”内部は、広大な箱庭空間になっている。バーバ・ヤーガに保護された避難民が入るのは、この『箱庭』側である。しかし、バーバ・ヤーガだけは外見通りのあばら家の屋内空間に入ることができる。このあばら家の内部空間を”ルイニ”と呼ぶ。バーバ・ヤーガ専用の生活の場であり、”ルイニ”に入れるのはバーバ・ヤーガと、その”鶏小屋”を所有するバーバ・ヤーガに許可された者だけである。ちなみに、別の”鶏小屋”のバーバ・ヤーガも自由に他所の”ルイニ”に入れる。基本的にはバーバ・ヤーガ専用の空間なのである。

・”ストゥープカ”
細長い臼のような形状の乗り物。所有者であるバーバ・ヤーガが上に乗ることで浮上し、所有者の意思で自在に操作できる。普段は”ルイニ”の隅に置いてあり、外出の必要がある際はこれに乗って移動することが多い。”ストゥープカ”に乗っているバーバ・ヤーガは、それに接している間『外向きの魔法』のみ使うことができる。

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フリー世界観『世界の終わりと山姥少女』①

勝手に使って良い世界観を用意したので、使えそうな人は使ってどうぞ。

・世界観概要
約1000年前。ジーザス・クライストに続く新たな”救世主”の誕生によって、『西暦』で数えられる時代は終わりを告げた。
しかし、そんなのは些末な話。重要なのはそこから先のこと。
彼の者の奇蹟により、世界は”科学”の時代から”魔法”の時代へと移行を遂げた。愚かにも数千年積み重ねてきた科学を捨てきれなかった人類と異なり、新たな真理である魔法の力を最初に使いこなしたのは、本能と自然に忠実に生きる『動物』たちだった。
後に『魔獣』と呼ばれることになる、魔法の力を自在に操る彼らを前に、人類の抵抗はあまりにも無力だった。科学では理解の及ばぬ超常の力に、人類は滅亡するほか無かった――かに思われた。
だが実際はそうでは無い。
四つ足の”鶏小屋”を駆り、魔法の力を操る少女たち”バーバ・ヤーガ”。彼女たちの出現によって、人類は辛うじて生き延びることができたのだ。
人類は彼女らの操る”鶏小屋”に逃げ延び、魔獣の脅威から守られて日々を過ごしている。

・”バーバ・ヤーガ”
魔法の力を操る才能に長けた、人類から進化した新生物。どのように繁殖するのか、どこから現れるのかは不明。
少女の姿をしており、時間経過によって外見は変化せず、寿命も理論上は無限である。成長も老化も起きないため、外見と知能や精神年齢にギャップがあることも多い。
外見年齢は最低5歳相当、最高17歳相当の個体が現状確認されている最大範囲である。

・”鶏小屋”
バーバ・ヤーガたちが駆る建造物。細部に違いはあれど、基本的には木製の粗末な小屋に、4本の異常に長いニワトリの脚が生えている。それらの脚を作動して自由に歩行移動が可能。全高は脚部含め20~30m程度が平均。
また、外見に反して屋内空間は異常に広大であり、『屋内』というよりは『箱庭』のような様相である。内部には泉や森林、農地なども確認され、避難民が自給自足の生活を送ることも可能。上空は昼夜の移行や太陽・星も確認される。
内部空間のディテールも所有者のバーバ・ヤーガによって異なり、そのバーバ・ヤーガの心象風景を写しているのではないかとする説もある。

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 7

「ぜ、前線都市って壁にちゃんと囲まれてるはずだよね……?」
 「なんで都市の外にいるディソーダーがここに……⁈」と、ミラはにじり寄る敵から逃れるため立とうとする。しかし驚きと恐怖の余りうまく立ち上がれず、後ずさるだけで限界だった。それでもディソーダーたちは容赦なく迫り、ミラ自身も後ずさるうちに建物の壁にぶつかってしまう。
 このままでは自分の身が危ない……そうミラは思い、思わず手の中のキーホルダーを握りしめた。そのときだった。
「€;$+|”|‘=・,‼︎」
 不意に目の前に人影が飛び込んできて、手に持つ刀のようなもので目の前のディソーダーを切り伏せる。ディソーダーは不快な悲鳴を上げて真っ二つになった。それとともに周囲のディソーダーたちが目の前の人物に飛びかかってくるが、その人物はディソーダーたちを避けたり、手に持つ刀のようなものでディソーダーたちを両断していく。ミラが呆然と見ている間に、目の前の人物はディソーダーたちを全て倒してしまった。
「……」
 ディソーダーを軽々と斬り捨てた人物は、ちらと座り込むミラの方を見やる。長い薄桃色の髪の一部を桜の形をした髪飾りで結わき、桜色の官帽と軍服のようなワンピースを着たその姿は、ミラが少し前に街中でぶつかった人物と一致していた。
 ミラはそれに気づくと「あっもしかして!」と声を上げる。
「さっきお店の前でぶつかった……」
 ミラがそう言いかけると、相手はミラに背を向けてその場をあとにしようとした。ミラは「ちょっと待って!」と立ち上がる。
「どこに行くのー?」
「あなたには関係ない」
 薄桃色の髪の人物は地面に投げ捨てていたと思しき革製ケースを拾うと、手に持つ刀のようなものをしまった。ミラはその中身をつい覗き込もうとするが、相手はミラの興味を吹き飛ばすように音を立ててケースを閉じる。そしてまたツカツカと歩き出した。
 ミラは思わずその人物を追いかける。

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雨に愛と心を

土砂降りだ
理由(わけ)もないのにただ降ってる
この雨はいつ止むのでしょう
誰かの前でもいつの間にか雨が降ってきちゃう
このクセどうにかできないかしら
貴方は言う
自分を許し、自分を信じ、自分を愛せるようになったら
きっと空は晴れるでしょう

雲多めの晴れですね
一時よりは良いかしら
君の前でもう雨は二度と降らせないって決めた
けれど雲一つない君の空に憧れている
人によって空は違うらしい
貴方は言う
愛を知り、誰かを愛し、誰かに愛されるようになったら
きっと空は快晴でしょう

君は言う
貴女ならきっと、いや、だれもが絶対
心が愛で溢れていたら
最期に虹がかかるでしょう

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いつか

私の願いを誰かに伝えられないのはなぜだろう
私の思いを貴方に伝えられないのはなぜだろう
貴方の本音がわからないのはなぜだろう
いつかいつかいつの日にか
貴方を見つけられるのだろうか
いつかいつかいつの間にか
正直になれるだろうか
そうすれば、きっと、分かりあえる。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑧

「だから1つ、きみの方から彼らに、お願いしてもらいたい」
逢賀さんがあまりにも真剣な眼差しでわたしを見るものだから、余計わたしは困惑してしまう。
…確かに、彼の妹を止めたい気持ちはよく分かった。
しかし、あのヴァンピレスの身内からの提案という事で、ネロ達はひどく警戒してしまいそうな気もする。
だが彼女を止めなければより大変な事になる可能性があって…
わたしがそんな風に考えを巡らせていると、逢賀さんはあ、そんなに悩まなくていいよと笑みを浮かべる。
「きみが彼らにお願いするのが難しいなら、ぼくが直接あってお願いするよ」
だからきみがそんなに気負う必要はないよ、と彼は再度手元のホットココアを飲んだ。
「は、はぁ…」
わたしはポカンとして、そう呟かざるを得なかった。

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 6

「それにしてもここ……ちょっと怖いなぁ」
 路地裏を歩きつつミラはそう言って辺りを見回す。昼間とはいえ、ひと気がなくしんと静まり返っている小道は、普段表通りしか歩かないようなミラにとって不気味に見えた。
「……」
 ミラはつい立ち止まって、手の中にあるキーホルダーに目を落とす。いくら路地裏が怖くても、先ほどぶつかった人物が落としたキーホルダーを届けなければならない……
 「だからあの子を探さなきゃ」とミラが思い直して顔を上げたとき、目の前の道の角になにかが隠れたような気がした。
「?」
 「なんだろう」と思いつつミラは角の建物に近づく。さっきの子かなと思いつつ角の向こうを覗き込もうとすると、陰からなにかが飛び出してきた。
「‼︎」
 ミラは飛び出してきた“なにか”を避けようとするが、腰を抜かして尻もちをついてしまう。その“なにか”……けばけばしい色合いで多脚の大型節足動物のような生物は、地面の上をガサガサと動く。ミラがつい辺りを見回すと、周囲の建物の壁や地面には体長1メートルほどの節足動物のような生き物が複数うごめいていた。
「こ、これって、ディソーダー⁈」
 自身の周りを囲む奇妙な生き物たちを見て、ミラはつい声を上げる。まだ戦場に出たことのないミラにとっては初めて実際に見るが、自身が生み出され戦闘訓練を受けた“ラボ”の資料や仮想訓練シミュレータの映像で何度もその姿を見せつけられてきたため多少の見覚えはあった。禍々しい見た目をした、奇怪な存在……異界における人類の敵・ディソーダーだ。

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親の愛情を一身に受けた事が何よりの自慢だ

兄妹が多くても、誰1人えこひいきしないで育ててくれたよね。

食卓テーブルはいつも賑わっていて楽しいよ

愛してくれて…ありがとう

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笑顔

私の気持ちが沈んでるときに

君の笑顔を見ると

優しい気持ちになれるんだ

自然と笑顔になれるんだ

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百舌鳥と愉快な仲間たち_14

ブケファルスの意識が覚醒したとき、ブケファルスはユニシンクトゥスの小脇に抱えられていた。そこにいたはずのアリエヌスは消滅しており、身体を動かそうとすると痛みが走った。
「!?…??どういう…どういう状況……あ!?俺って気絶した!?」
ブケファルスがそうやって騒いでいると、カメルスがブケファルスの顔を覗く。
「おお!起きたか!いやービビったぜ…お前もろに食らって吹っ飛んだからマジで死んだかと…」
「ふ、吹っ飛んだ…!?」
カウダとフスもブケファルスの顔を覗き込む。
「まあ、君がギリギリまで頑張ってくれたおかげでアリエヌスの討伐自体は成功したけどね」
「全身を打ってたからあんま動かない方が良いと思う…あ、今は後処理の人が来るの待ってるとこ」
ブケファルスが曖昧に頷きつつ上を向いてユニシンクトゥスを見ると、彼もまたブケファルスを見下ろした。
「…無事で良かった」
「無事…ではないけど…ありがとう」
状況が飲み込めて少し落ち着いたブケファルスは呟いた。
「…それより俺のレヴェリテルムどこ?」

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 5

 暫くの間その場に微妙な沈黙が流れたが、やがてウェスト管理官が「行くぞ」とミラに声をかける。ミラは「うん……」と再度店内に入ろうとするウェスト管理官のあとに続こうとするが、不意に踏み出した足元になにかが当たる感覚がした。
「?」
 ミラが足元を見ると、そこにはきらきらした桃色の花のキーホルダーが落ちていた。
「これって」
 ミラが思わず拾い上げてそう呟くと、ウェスト管理官が「どうした?」と振り向く。ミラはそれに答えずじっとつまみ上げたキーホルダーを見つめていたが、やがて「ウェスト管理官」と口を開いた。
「ちょっと、行ってきてもいい⁇」
 ウェスト管理官は「は?」と呟いた。

 前線都市・ヘスペリデスの路地裏。ここを1人の小柄なコドモが歩いている。黄緑色の髪のその人物……ミラキュラスことミラは、手の中のきらきらしたキーホルダーを見て「どこ行ったんだろ、あの子」と呟いた。
 というのも、ミラは先ほど街中で不思議な人物とぶつかったときに、ぶつかった相手が落としていったと思われるキーホルダーを拾ったからである。とても綺麗なものだった上、もしかしたら相手の大切なものかもしれないと考えたミラは、監視役のウェスト管理官の制止を振り切ってぶつかった相手を追いかけているのだった。

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 4

「ちょ、ちょっとミラキュラス!」
 「なにやってるのよ……」とウェスト管理官は転んでしまったミラに対してツカツカと歩み寄る。ミラは「ご、ごめん……」と苦笑いするが、ウェスト管理官は「謝るならぶつかった方にしなさい」とミラの腕を引っ張り立たせた。そのときになって、初めてミラはぶつかった相手を見る。
 その人物の姿は、どこか奇妙なものだった。
 というのも、薄い桃色の長髪の一部を桜の形をした髪飾りで結わいており、桜色の官帽を被って帽子と同色の軍服のようなワンピースを着た、随分と華のある容貌をしていたからだ。ついでに背丈もそれなりにある上、革と思しき素材でできたなにかのケースを持っていて、このヘスペリデスの街中ではミラと同じくらい目立っていた。
「……」
 ミラとぶつかった桃色の髪の人物はすでに立ち上がっており、ワンピースの裾を、汚れを落とすように少しはたいている。ミラは相手の華やかな容姿にわずかな間見とれてしまったが、相手がその視線に気づいて訝しげな目を向けたことでハッと我に返った。
「あっ、さっきはぶつかってごめんなさい」
 「どこか痛くなかった?」とミラは付け足すが、相手は「別に」と目を逸らす。
「そっか」
 「ならよかった」とミラは言いかけるが、ミラが言い終える前に相手はツカツカと先ほど進んでいた方向に向けて歩き出した。「あっ、ちょっと……」とミラはつい呼び止めようとするが、早歩きする相手はあっという間に通りの横の細い道に入って見えなくなってしまった。ミラはポカンとした様子で言葉を失う。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑦

「だから、ぼくはあの子の兄として、1人の異能力者として、ヴァンピレスを止めたいと思っている」
それでも、ぼく1人の力じゃどうにもならないんだ、と彼はわたしに向き直る。
「…もしかして、ヴァンピレスが他の異能力者の異能力を奪って回っているから?」
わたしがふとそう言うと、彼はそうだねとうなずく。
「彼女が”他者の記憶を奪い取る”能力以外にも、さまざまな異能力を他の異能力者から奪っているのもあるね」
お陰で彼女は寿々谷でもトップレベルに凶悪な異能力者になっているし、と逢賀さんは呟いた。
「…だから、きみがよく一緒にいるネクロマンサー達に、協力を依頼したいと思ってる」
「えっ?」
彼が不意にそう言いだしたので、わたしはついポカンとする。
逢賀さんは驚くのも無理ないよねと苦笑した。
「でも、ぼくは本気で彼女を止めたいと思ってるんだ」
このまま放っておいても、彼女が余計寿々谷で嫌われ者になってしまうからね、と彼はわたしの目を見る。

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 3

「私が通行人の道案内をしている隙に、勝手に前へ進むんじゃない」
 「トラブルにでも巻き込まれたらどうするんだ」と厳しい表情で言うウェスト管理官に対し、ミラは「えーいいじゃーん」と笑う。だがウェスト管理官はますます厳しい顔をした。
「リニアーワルツはあくまで異界開発機構が保有する、対ディソーダー戦のための戦力なんだ」
 「だから前線都市内で行動する際は、管理官の監視の下でしか行動できないと……」とウェスト管理官は言いかけるが、ミラは「えー厳しい〜」と口を尖らせる。
「自分はペアがいないから戦力外なのにー?」
「こういうときにその話を持ち出すんじゃない」
「そんな〜」
 ウェスト管理官に諫められて、ミラはついがっかりする。そんなミラを見ても「お前が勝手な行動をすれば、私も処分の対象になりかねないからな」と冷たいことをウェスト管理官は言い、ミラに「ほら、突っ立ってないで」と声をかけた。
「訓練中の仲間たちのために焼き菓子を作るつもりでいたんだろう?」
 「店にさっさと入るんだ」と管理官はミラの肩に手を置いて、店内へ入ろうとする。ミラも「うん」と頷いてウェスト管理官に続こうとした。
 しかし急に歩道を通りに沿って走ってきた人物にぶつかりそうになってしまう。ミラは相手を避けようとしてよろけて尻もちをつき、相手も前方へ転んでしまった。

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 2

 しかし、この鼻歌を歌うリニアーワルツ・ミラキュラスことミラは少し事情が違う。というのも、このリニアーワルツは十分戦える状態であるはずなのに、ペアとして適合するリニアーワルツが見つからないのだ。
 リニアーワルツは生み出されると異界開発機構の上層部が保有する高度なAIによって膨大な組み合わせシミュレーションが行われ、その予測結果の中から一番戦闘において相性がいいと考えられる相手とペアを組ませられる。だがミラは、この組み合わせシミュレーションでもペアとして適性の高いリニアーワルツがあまり見つからず、結局”有事の際の予備“という名目で生み出された基地のある前線都市・ヘスペリデスにい続けているのだ。そのため、基地内ではペアのいないミラを“戦力外のお荷物”として邪険に扱う者も少なくない。しかしながら、ミラはそのことをあまり気にせず、ペアが見つかるまでのんびりと待機の日々を送っているのだった。
 そうこうしているうちに、ミラは小さな商店の前で立ち止まる。小さいながらも小綺麗なその店には、“MARUS GROCERY”という看板が掲げられていた。
 ミラは看板を確認すると、店の自動ドアに近づこうとする。しかし背後からの「おい」という鋭い声に呼び止められて、くるりと振り向く。そこには背が高く、ヘスペリデス基地で働く職員の制服を着た女が立っていた。
「どこへ行っていたんだ、ミラキュラス」
 睨みつけてくる女に対し、「あ、ウェスト管理官」とミラは間の抜けた声で返す。ウェスト管理官と呼ばれた女は「お前なぁ…」と呆れた。

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Saturn

我の輪がいつか亡くなれば
なんの意味のないガスの集まり
太陽なんかに愛されることなく
ただビッグクランチを待つだけ
曜日で並べても 月 火 水 木 金 土 日
場所が変われば人気ないSaturn
地球から見ればこの輪がきっと
何よりも美しいからずっと
太陽系惑星6番目
大きさで見れば2番目
人間なんかよりすごいSaturn
仲良くなるための"友達の輪"
好きになってほしいなBaby
だって我は美しいSaturn
逃げれば何もないからBay bay
輪が消えないからずっとJump jump
君が笑顔でいるからDance dance
ターンはだけにも負けないYes yes

ほらI LOVE Saturnって言って...

5

Selene

海の音が
頬を伝う
落ちていく
流れ星の様に

感情の空に
浮かぶ小さな大きな星
昇ってきた月は
満月だ。

きっと今日も
貴方は空で見守ってる
私を守り抜いてくれるでしょう

太陽に照らされ
輝く月の様に
誰かの恩を
返せる人でありたいな
ずっと側には居られないけれど
いつかの誰かに届きますように

海の光が
降りそそいでいる
まるであの日の
誰かの様に

静かに音を立てる
波の笑い声
きっとあのときの
思い出は生きてる。

きっと明日も
貴方は空で見守ってる
心のエリュシオンになるでしょう

煌めいたのに
いつか消える
私の灯火にも
貴方の様に
いつか途切れようと
光の道が私たちを繋いでいる
今日も明日も
明後日も来年も
ずっと

太陽に照らされ
輝く月の様に
誰かの側に
いてたいな
限りあるこの時だけど
いつかの貴方に語りかける様に

太陽と結ばれて
微笑むあのセレネの様に
誰かの温かい
所でありたいな
満ちては欠けていくけれど
いつかの夢になる様に

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 1

「……ふんふふ〜ん」
 午後の暖かな日差しが辺りを照らす異界の前線都市・ヘスペリデスには、商店街がある。資源獲得のために開発が進む異界で働く多くの人々の生活を支えるため、人類の生まれた世界から決して少なくない数の人々がやって来ては、人々の生活に必要な仕事に就いているのだ。その業種は多岐に渡り、小売業やサービス業、運輸業……と人類が生まれた世界と同じように人々は働いている。異界の開発の拠点だけでなく、異界で働く人々を支えるために前線都市が存在していた。
 そんな街の商店街の大通りを、のんきに鼻歌を交えながらスキップしている奇妙なコドモの姿があった。
 そのコドモは短い黄緑色の髪に緑と赤のベレー帽を被り、黒いシャツに緑と赤のネクタイを締めた上に緑のブレザータイプジャケット、緑と赤のストライプ柄の膝丈ズボンを身につけて、足元は白い膝下ハイソックスに黒い革靴を履いている……といったいで立ちだ。
 パッと見たところは人間のコドモのそれだが、この華やかな容姿は本来であれば見る者に違和感を生じさせるはずである。しかし、ヘスペリデスの街中を行く人々は誰も気に留めない。なぜなら、このコドモは異界で働く人々や前線都市を、謎の敵・ディソーダーから守るために生み出された特別な存在——リニアーワルツだからだ。
 異界を開発する過程で人類や前線都市を襲撃するようになったディソーダーへの対策のため、異界開発の中心的存在・異界開発機構が生み出したこのヒト型存在は、二対一組で造られる合体・分離兵器……ジェミニを使いこなし、相性のいいリニアーワルツとペアを組んで前線都市の外へ戦いに赴くことが任務となっている。人々や前線都市を守るリニアーワルツたちは、異界で働き暮らす人々にとって自分たちを守ってくれる”英雄“であった。

2

あなたへ

頑張ってるね。

困ったときはひとりで抱え込まずに相談してね。

あなたは一人で事を片付けようとするから

心配です。

一人で事を片付けようとするのは優しい人の特徴でもあるけども、

頼って欲しいな。

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雨が降って枯れた川は笑顔
泣いても虹はできないくせに
日に照らされて空に色がつく
半円だけど笑ってくれる
あの恋も実るように願う
色がついたなら アーチは光る
色がついたなら 私たちを見守ってくれる
色が消えようと 窓辺でLalala...
色が消えないように 空は雨を降らせる

2

涙とは

泣いたのは、苦しかったから。貴方のせいじゃないよ。
泣いたのは、悲しかったから。自分に呆れちゃったんだ。
もう、自分を信じられないかもしれなかった。
泣きたきゃ泣けばいいって言っても、もう涙は出てこないよ。いや、出てこなかったんだね。
いくら自分を大事にって聞かされたかわからない。でも信じられない。
でもとりあえず我慢してる自分が鬱陶しい。というか、鬱陶しかった。

泣いてるのは、嬉しかったから。貴方のせいで。
泣いてるのは、自分が好きになったから。私のせいで。

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見栄を張るために嘘をつく
自分を守るために嘘をつく
空気を良くしたいから嘘をつく
誰かを悲しませないように嘘をつく
「嘘は泥棒の始まり」って何回も言われたけど
嘘が全て悪いことではなさそう。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑥

「あの子は異能力を発現してから、他者の”幸せ”な記憶を奪うようになったんだ」
「…そうなんですか?」
わたしは思わず彼に尋ねる。
彼はうん、とうなずいた。
「彼女の異能力…”他者の記憶を奪い取る”能力は、使う時に対象の記憶を閲覧することができるんだよ」
もちろん使い手の技量がないと、どの記憶を選んで奪うかができないんだけどさ、と逢賀さんは続ける。
「それで、他人の記憶を奪う時は”手に入れる記憶を選ぶことができる”はずなんだ」
「…はず?」
わたしは彼の言葉に引っ掛かりを覚え、思わず聞き返した。
逢賀さんはわたしの目をじっと見て言う。
「彼女は意図的に、他人の記憶をごっそりと奪っているんだよ」
彼は手元のホットココアのカップに口をつけてから言う。
「ぼくも、彼女が他人の記憶を奪う現場に直接出くわしたことがある訳じゃないけど、彼女に記憶を奪われた人は本当に”なにも分からなくなるレベル”の状態になっていることが多いんだ」
…もちろん、そうなる人ばっかりじゃないけどね、と逢賀さんはカップをテーブルの上に置いた。

0

考える

ヒトは考える。
何のために?それについても考える。
1番の命題は考えることなんだろうか。

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I LOVE ME

知りたいなら知ればいい
きっと恋の海に沈むだ
もう抜け出せないよ?
もうあなたは自分の愛にに溺れてる

恋の海の水は薬で
自分しか愛せない副作用
だから君を溺れさせたい
させたかったのに

あぁI LOVE ME 恋の矢自分に刺さる
自分をギュって抱き締めて
あぁI LOVE ME 君になんか興味はない
自分を認めたい 許したい

泣いてるふりして締めつける
それは自分から逃げているだけ
愛して 心を藍色にして
誰からも愛されなくていいから
あぁI LOVE ME 笑わせて
ほら 笑わせて...

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★BlacK Star★

闇と光の狭間の私
天国と地獄のような感覚
咲いた花は乱れ散る
笑顔な友達とはBay Bay

気付けば真上にオリオン座
星はいつも同じ並びで
私も星座になれたなら
こんな私を救う愛と哀があるなら
  
絶対光を捕まえて
枯れた花に水をあげ
笑顔の花を咲かせるぞBaby
いつか笑えるようになるから

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑤

「ぼくは、彼女の兄なんだ」
「…へっ」
わたしはなんの事か分からず変な声を上げる。
彼は気にせず続けた。
「ぼくは、あの子が街で他人の異能力や一般人の記憶を奪って回っているっていうのを前々から知っていて、なんとかできないかって思ってた」
それで時間がある時に妹の動向を追いかけたりしてたんだ、と逢賀さんはテーブルに両肘をつく。
「…で、きみに遭遇したって訳」
「は、はぁ」
わたしは衝撃の事実にポカンとしていた。
あのヴァンピレスにお兄さんがいて、そのお兄さんも異能力者だなんて…
「…あの子は元々病気がちで、昔は病院に入退院を繰り返しているような子だったんだ」
その頃は今と違って、もっと気弱だったんだけどと彼は苦笑する。
「でも両親は仕事が忙しくて彼女になかなか構ってやれなかったし、ぼくも学校に通っていたからあまり彼女と一緒にいられなかった」
だから、なのかなと逢賀さんは不意に窓の外を見やった。

2

自然

きれいな青空と
背中を押してくれる太陽。
美しい星空と
見守ってくれる月。
自然って、すごいよね。きれいとか、美しいとか、そういう感情以上に
すごいパワーを感じる。
植物も自然で、星も自然なら、
人間だって自然じゃない?

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notitle

地上に宿る街灯

歩く影

歩く影が待つのはお月様

どうか月の光

私の憂いを魔法に変えてよ