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革命のエチュード

何時からでしょう。
貴方がエチュードを弾かなくなったのは。

何時からでしょう。
貴方のその白魚の様な指に、銀の枷が付くようになったのは。

何時からでしょう。
私を呼ばなくなったのは。

何時からでしょうか。

貴方にとって、私は前座に過ぎなかったのでしょうか。
所詮は練習台だと。そう言う事なのでしょうか。

そうであっても、そうでなくても、構いません。
革命の狼煙を上げるのは、貴方の仕事なのですから。

然し乍ら、私は、記憶しております。
貴方のその白魚の様な指が、軽やかに舞う様を。
陽の光に微笑む貴方を。

未練がましく懐古しているうちは、私はまだエチュードに過ぎないのでしょうね。

さあ、革命を。
私は、何時迄もお待ちしております。
明日も、明後日も、何年先でも。
お待ちしておりますので。


「フレデリック・フランソワ・ショパン作曲
エチュード『革命』」

  • ショパン様申し訳御座いません。
  • クラシック
  • 懐古
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