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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ㉓

「とにかく、自分の意思によるって所だな」
おれ達的には、と耀平は手元のメロンフロートを一口飲んだ。
わたしは思わず黙り込む。
自分の意思、か…
それなら、わたしの意思は”これ”しかない。
「みんな、ありがとうね」
思わずそう呟くわたしを見て、ネロ、耀平、黎、師郎は不思議そうな顔をした。
それに気付いて、わたしは慌てて、あ、なんでもないよ!とごまかす。
それを聞いた彼らは、すぐにまた他愛のない会話に戻った。


そんなこんなで、わたし達はフードコートでおやつを食べ終えた後にまたショッピングモールをぶらぶらした。
そして夕方になったので。ショッピングモールをあとにして、いつものように寿々谷駅前で解散することにしたのである。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ㉒

「俺達みたいな頻度で会っているっていうなら、友達を優先するかもしれないが…」
人による、って奴かねと師郎は呟く。
わたしは人による…?と反復した。
「そう、相手にもよる」
ソイツが自分にとって大事な存在であるかどうかが問題だな、と師郎は続ける。
「世の中には友達っていっても、ちょっと一緒にいるのがメンドいな~って奴もいるし、ずっと一緒にいたいって奴もいるだろ?」
だから自分にとってその友達が大事な奴かっていうのが重要なんだ、と師郎はテーブルに肘をつくのをやめてイスに座り直した。
「え~師郎珍しく良い事言うじゃーん」
不意にネロがそう言ったので、師郎は笑いながら、なんだよ普段はもっとテキトーだって言うのか?と彼女に言い返す。
「俺はこれでもこのメンツの中で一番年上なんだぞ⁇」
「それそんな関係ないでしょ~?」
そこの一般人は置いといて、ボク達は過去の異能力の持ち主の記憶を引き継いでいるんだしー、とネロは師郎に対し口を尖らせた。
師郎はそうだなと笑う。
と、話がひと段落した所で、耀平がわたしの方を見やって、ま、師郎の言う通りだと言った。
「友達を優先するか、自分を優先するかは、その友達が自分にとってどういうものか次第だ」
耀平はわたしの目を見ながら続ける。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ㉑

「友達って言っても、色んな種類がいるじゃん?」
ズッ友とか、たまに話す程度、とかさーと耀平は笑った。
「とにかくどういう友達かにもよるな」
その提案は、と耀平はテーブルに肘をついた。
わたしはつい、うーんと唸る。
どういう友達か、そこまで考えていなかった。
でもこの場合、ネロ達の事はどういう友達と言えばいいのだろう?
「…で、その友達とやらはどういうのを前提にしているんだ?」
耀平が続けざまに聞いてきたので、わたしはハッとしてえ、えーとと答える。
「定期的に会って連んでる、くらいの仲…?」
「なんだそりゃ」
わたしの言葉に耀平は拍子抜けした。
わたしはご、ごめんあやふやで…と謝る。
すると師郎が…いや、それはいいんだけどもと口を開いた。
「定期的に会う程度なぁ…」
難しいな、と師郎は頬杖をついた。
「定期的に会うって言っても、その期間にもよる気がするぜ」
なぁ?と師郎が隣に座る黎に目を向ける。
黎はチョコレートのかかったオールドファッションのドーナツを食べつつうなずいた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ⑳

「あのさ、例えばの話なんだけど…もし誰かに、自分が得をするけど友達が損をするような提案をされたら、その提案って受ける?」
例えばの話として挙げたが、ヴァンピレスからの提案の話をオブラートに包んだだけでのことである。
ヴァンピレスがどこかで見ていたらマズいかもしれないが、それでも”例えば”の話だし、ネロ達には本当の話だって言っていないからきっと大丈夫だ。
まぁ、ネロ達が訝しまないかが心配だが…
「うーん、例え話か」
ネロは腕を組んでそうこぼす。
「それ、提案の内容がどういうのかにもよらない?」
ネロがそう尋ねるので、わたしは、だから例え話だよと付け足した。
「とにかく自分には利益が出るけど、友達にはどう考えても出ない…みたいな」
「ふーん」
耀平はメロンフロートのカップの中身をストローで吸い上げながら呟く。
「その友達が、どういう友達かにもよらない⁇」
耀平がストローから口を離しつつ言ったので、わたしは、ど、どういう事?と聞き返した。
すると耀平は、いや、さーと続ける。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ⑲

「普段なら、こう…ガンガンおれ達の輪に溶け込もうとするのにさ、今日は全然じゃん⁇」
何か変だなーって、と耀平はネロと一緒に頼んだメロンフロートのアイス部分をスプーンですくった。
わたしはそ、そう…?と首を傾げてみせたが、今度はここで師郎が、まぁそうだよな、と会話に入ってくる。
「さっきゲーセンにいた時から気になってたけど、お前さん、今日は妙に大人しいし」
その上周りも気にしてるし、何かあったのか?と師郎はわたしの目を見た。
ネロも黎もわたしの方を見ているし、何だかその場の雰囲気がわたしに”話したら?”といった感じになっていく。
わたしは、ヴァンピレスとのあの件を話すべきか迷った。
話したらネロ達は助けてくれるかもしれないが、いつもどこからともなく現れるヴァンピレスが、どこからこの様子を監視しているか分からない。
どうしたら…とわたしは思ったが、このまま場を微妙な雰囲気にしておけない。
だからわたしは、あえてこう話すことにした。