「それにしても俺がネクロマンサーに化けている事に気付かないなんて、お前さんもまだまだだな!」
「っ‼」
その言葉にヴァンピレスは怒りの表情を露わにする。
「貴方、わらわを馬鹿にするなんて…!」
許さないわ…とヴァンピレスは白い鞭を棒状に変化させて、師郎と黎の方に突きつけようとした。
しかし今度はそこへ、おいお前ぇ‼と聞き馴染みのある少年の声が響く。
わたし達が声の聞こえた方…ヴァンピレスの後方を見ると、赤い上着を着て両目を黄金色に光らせた少年と、黒いダッフルコートを着た高校生くらいの男の人が立っていた。
「コマイヌ! 逢賀さん!」
わたしがそう声を上げるとコマイヌは、ってなんでお前いるの⁈と驚く。
それに対し、ネクロマンサーは説明はあとだ!と言ってヴァンピレスから離れるように飛び退いた。
その一方、ヴァンピレスは逢賀さんの姿を見て、目を丸くする。
「…お兄、さま」
どうして、ここに…とヴァンピレスは震える声で呟いた。
対して逢賀さんは”ヴァンピレス”と静かに口を開く。
「⁈」
ネクロマンサーが振り向いた時には、その分身は白い鞭を振り上げて彼女に襲いかかろうとしていた。
このままでは…!とわたしが思った時、そこへ何かが飛んできて分身に直撃する。
飛んできたもの…ペットボトルは、分身をすり抜けて道路に落ち、分身は霧散するように消滅していった。
「今のは…!」
わたしはそう呟いて思わずペットボトルが飛んできた方を見ると、よく見知った2人組が立っている。
そのうちの一方…あまり背が高くない方の少年は、いわゆる投球フォームをし終えたところだった。
「黎! 師郎!」
ネロがそう声を上げると、2人組のうちの背の高い方、師郎は助けに来たぞっ‼と足元に落ちていた空き缶を蹴飛ばす。
空き缶はそのままヴァンピレスの額にぶち当たった。
「うっ」
ヴァンピレスはそううめいてよろけるが、すぐに体勢を立て直す。
「貴方達、わらわの分身で撒いたはずじゃ…」
ヴァンピレスはぎろりと黎と師郎の方を見やるが、まー上手い事かわして消し飛ばしてやったって所さ!と笑った。