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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑫

「ぼくの異能力…”ヴァンパイア”は”他者の記憶を奪い取る”能力だ」
つまり、きみやヴァンピレスとあまり変わらない、と逢賀さんは目を光らせるのをやめて続ける。
「だからきみは、ぼくのアシストをしてくれればそれで良いんだ」
最後に手を下すのは、ぼくだけで十分、と逢賀さんは前を見た。
「あの子…ヴァンピレスが異能力を発現させて、人々の記憶を奪うようになってから、ぼくはずっと罪悪感を抱いてきた」
ぼくの妹のせいで多くの人が困っているのを、見ていられなかったんだと逢賀さんは呟く。
「最初は説得で何とかしようって思ってたけど全然上手くいかなくて、もうほとんど諦めてた」
でも、きみ達…ネクロマンサー達の存在を知って、ぼくは希望を持つことができたんだ、と逢賀さんはネロの方を見やった。
「きみや、その仲間達みたいな強力な異能力者がいれば、きっと彼女を止められる」
だから、ぼくの手助けをしてほしい、と逢賀さんは言う。
「これ以上、彼女によって、記憶や異能力を失う人をなくすために」
そして、きみ達自身が、安心してこの街で暮らせるように…と逢賀さんはネロの目をじっと見た。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑪

「異能力を取り上げるって、まさか…」
「彼女自身の記憶を取り上げる、そういう事だ」
わたしが言い終える前に、逢賀さんはそう言い切る。
わたしは…そんな、と呟かざるを得なかったし、ネロ達も驚いているのか何も喋らなかった。
逢賀さんはそんなわたし達に気付いたのか、仕方ないんだと悲し気に呟く。
「今までに何度も彼女に、他人の記憶をやたらめったら奪うのはやめなさいって言ったのに、彼女は聞く耳を持たなかった」
だからもう、強硬手段に出るしかない、と逢賀さんは自分の手元を見た。
彼の両手は、彼の意志を反映するかのように力強く握られている。
わたし達は彼の言葉に何も言えずにいたが、ふとネロが…そんな事かよとこぼした。
「そんな事でボクの異能力を使いたいっていうのか?」
ボクは嫌なんだけど、とネロは逢賀さんを睨む。
しかし逢賀さんは、そこまで言ってないよとネロに笑いかけた。
「彼女から異能力を奪い取るのは、ぼくの役目だ」
そう言って逢賀さんは両目を鮮紅色に光らせる。