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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ㉙

「その状態で”記憶”である異能力を失ったら…」
なんだか、あんまりじゃないかとわたしは心の中でこぼした。
沈黙するわたしを見るミツルは、静かにサワーシガレットをくわえている。
「やっぱり、止めた方がいいかな」
ヴァンピレスから異能力を奪う作戦、とわたしはミツルの方を見やった。
ミツルはさぁ?と言って、分からないと言わんばかりのジェスチャーをする。
「その辺はアンタの”意思”次第じゃないの?」
この街で中立の情報屋をやっている俺には言えたことじゃないよ、とミツルは笑った。
「ま、止めたかったら止めれば~?」
ミツルはそう言って、くわえている内に溶けて小さくなったサワーシガレットを右手でもてあそぶ。
「…ありがとう」
わたしはそう言って立ち上がった。
そして屋上のエレベーターへ向けて走り出した。

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