わたしが先週聞いた作戦会議を思い返すと…逢賀さんがヴァンピレスの行動を追跡してネロ達に居場所を知らせ、その情報に沿ってネロがヴァンピレスに戦いを挑む。
そしてネロがヴァンピレスを引き付けて路地の奥へと誘い込み、身動きが取れなくなった所を逢賀さんが彼の異能力”ヴァンパイア”でとどめを刺す、という流れだった。
しかし、本当にこれで良いのだろうか。
ヴァンピレスが異能力を奪うようになったのは、家族に相手にされなかった過去が影響しているとのことだった。
しかし、そもそもどういう理由で、彼女は他者の異能力を奪うようになったのだろう。
”家族に相手にされない”だけで、そうなるものだろうか?
その辺りの理由をハッキリさせないまま彼女から異能力を取り上げるのは、ちょっと違うのでは…とわたしが考えていると、不意におーいと聞き覚えのある声が聞こえた。
わたしが何の気なしに顔を上げると、目の前にコバルトブルーのウィンドブレーカーの上に黒い上着を羽織った少年…情報屋のミツルが立っている。
わたしはつい、えっ⁈と素っ頓狂な声を上げてしまった。