光「一旦終わりだねぇ、出番少なくて寂しかったな...」
『大丈夫です。続編では活躍して頂きます。あと光さん主人公のサイドストーリーも用意してます。(出すとは言ってない)』
桜音「本人来た!」
光「ちょっと意外...それにしても、サイドストーリーとか作ってたんだ...」
葉月「題名関係ないし長くないですか?」
『はぅっ』
桜音「やめな、多分図星。」
『ぐはぁっ』
光「二人とも傷抉らないの。まぁ続編の伏線みたいなもんだって、やたろう言ってたし。」
葉月「はぇー」
桜音「続編は6月予定だそうです。」
光「遅くない?」
桜音「なんか、他のもの投稿するらしいです。」
葉月「⁈桜音様を待たせるとは何たる不敬!ちょっとぶっ○しに...!」
光「はいはい、やめてやめて。じゃあ、長々お付き合い頂き、ありがとうございました!」
ありがたいことに、
葉月は放課後まで大人しくしてくれていた。
「あの、御宅の方はどちらに...」
若干申し訳なさそうに聞く葉月。
「いいよ、今日家に来て。そこで話すから。」
夕焼けの中、二つの影が校門を潜り抜けて行った。
to be continue...
私は大学二年の者だ。
ここのところ、大学の授業でうまくいかないことがあり悩んでいた。
「自分に足りないものは何なのか?」「何が不安なのか?」
そう考えるうちに、自分が苦しくなっていた。
そんな日を繰り返していた時のことだ。
その夜、早めに寝ることにした。まずは、日ごろの生活リズムから整えようと思い、
二三時に寝ることにしたのだ。
寝床に入り目を閉じた。
すると、こんな夢を見た。ここからは、夢の中での話だ。
なんと私は、江戸に帰っていた。夢では、今までもたまに江戸に帰っていたのだがこの日は違った。
時の治世者は、8代将軍、徳川吉宗公であった。江戸では、たまに「徳田新之助」
として会うことが多いのだが、この日は、会わなかった。
私は、武士の姿で江戸の町を歩いていた。刻限は、子(ね)の刻(現在の夜11時)
だった。
考えていることは、ただ一つ。己の大学生活のことだった。好きな事だけ取り組み、苦手なことは、後回し。自分の将来を必死で考えているつもりが、結局行動に移さず、考えただけで満足していた。そして大学に入ったときの志を忘れかけていた。
ただただ、悔しい気持ちで学生新聞を見ていた。この時間ということもあり、
人は誰も出歩いておらず、歩いていたのは私一人だった...(続く)
榮を追い始めて暫く。
わたし達はあの少年を追って路地裏を走っていた。
「それにしても何なんだよアイツ」
急に現れたと思ったら消えやがって…とネクロマンサーは呟く。
「まぁそれより雪葉を追わなきゃいけねーだろ」
呼び出した張本人がどっか行っちゃ意味ねーよとコマイヌはネクロマンサーに目を向ける。
ネクロマンサーはそうなんだけど…と口を尖らせた。
「…」
暫く走った所で、先を走る足音が止まる。
するとその場に先程の小柄な少年、榮が現れた。
「榮…」
先頭を走る雪葉が思わず呟いて立ち止まると、榮はゆっくりとこちらを振り向く。
「榮、急に異能力を使って逃げるとか反則だよ」
皆困るじゃんと雪葉は榮に近付く。
「特に君は…」
雪葉がそう言いかけた時、榮は黙って彼女に手に持つスマホを見せつけた。
その画面は電話番号を入力する画面になっていた。
恥ずかしすぎて穴があったら入りたい
って、言うけれど
穴がなくても この恥ずかしさを原動力に
いくつも穴が掘れそうな今日です
種枚さんと白神さんは、自分が鎌鼬くんと出会ったあの場所まで入っていき、そこでしばらく何か言葉を交わしていたようだった。
いつ入っていったものか、そもそも割り込んで良いものか。そんなことを考えていると、突然種枚さんの姿が消えた。
そして一瞬の後、白神さんの斜め後ろに倒れ込むようにして現れた。普段の種枚さんからは想像もできない、まるで走っている途中で躓いて転んだみたいな……。
「……ああクソ、キツいなコレ……。熱なら平気なんだが、電気か?」
「いやぁ、実はわたし、静電気を結構溜め込みやすい体質でして」
「へえ、特異体質どうし、お前が人間なら仲良くできそうだったものを」
「メイさんとしては人間じゃなくても仲良くしてほしいなー、って」
「ハハ、ほざけ」
種枚さんがよろよろと立ち上がり、右手を大きく振りかぶる。以前見せてもらった、遠距離から幽霊を吹き飛ばしたあの技だ。
「触れちゃマズい、ってんならさァ……距離とって殺す技も、揃えてあンのよこっちはァ!」
種枚さんが右腕を振り下ろし、技の余波で白神さんが吹き飛ばされる。
流石に目に見えて問題が起きている以上、もう放ってはおけない。足が半ば勝手に動き出し、自分は二人の方へ駆け寄っていた。
「ちょっと待ってください種枚さん!」
2人の間に割り込むようにして、次の攻撃を放とうと右手を振り上げた種枚さんを制止した。
安売りしよう 君への想い
どうだい 少しは 照れてくれるか
どれだけ売り捌いても
溢れ あまって しかたない
末端価格も狂いだす だって夏がくるから
君のまつげに一曲 君の小指に一曲
君の腰つき一曲 君のくちびる一曲
そのうちゴージャスなフルアルバム
そしてリリースツアーでハネムーンだろ
コード進行乱れだす だって夏が来るから
落葉の厚く降り積もった地面を踏みながら、種枚は人の目の届かない公園の最奥で立ち止まった。
「……私、この場所好きなんだ。落葉って踏んでると楽しいだろ?」
「わぁ感性が幼児」
「うっさい」
「まあ、わたしもこのガサガサの感触は好きだけども」
「お前もじゃねーかシラカミメイ」
2人の会話は、何でも無い雑談から始まった。
「あ、そういやシラカミィ」
「何だいねクサビラさん」
「お前、歳はいくつだい?」
2人の周囲の空気が張り詰める。
「んー? メイさんは大学1年生だから、お酒も飲めないピチピチの19歳ですよー」
「嘘が下手糞だな」
2人の放つ殺気が一層色濃くなる。
「……ウソとは?」
「人に化けられる『妖怪』が、たった2桁の年齢なわけ無エだろうがよ。なァ、“雷獣”?」
「ありゃりゃ…………バレちゃってましたかー」
「ああ、一目見て分かった。なんでそんな奴がただの人間の『お友達』なんかやってンだ?」
「……人外は人間と友情を育んじゃ駄目だと思ってる派の人?」
「まあ、そうだね。人間の居場所に踏み込んだ奴らは全員死んじまえと思ってるよ」
「荒っぽいなぁ……。じゃあわたしも?」
「察しが良くて助かるよ」
種枚の姿が消えた。
「起きたばっかりなのに何か疲れた……」
「寝汗ひどいよ。シャワー浴びてきたら?」
「うん行ってくる……」
「みんなで力を合わせてハッピーエンド」なんてのは、別に架空の物語でも絵空事でも、綺麗事でも何でもない。
無知で馬鹿で脆弱で愚かな人間って生き物が少しでもマシな道を掴むためのただ一つのやり方なんだ。
「…あ」
不意に雪葉が声を上げたので、わたし達は顔を上げる。
立ち上がる雪葉が目を向けている方を見ると、見慣れない小柄な小学生位の少年がこちらに近付いてきていた。
「榮(えい)」
雪葉はそう言って彼に駆け寄ろうとするが、榮と呼ばれた少年は気まずそうに立ち止まる。
「あれ、どうし…」
雪葉が不思議そうに呟いた時、榮は両目をエメラルドグリーンに光らせた。
「!」
雪葉が驚いたような反応を見せた瞬間、榮の姿は見えなくなった。
そしてわたし達の目の前から走り去るような足音だけが聞こえた。
「エインセル‼」
雪葉はそう叫んで走り出す。
「追うわよ、ネクロマンサーとコマイヌ!」
穂積も立ち上がって走り出す。
「ボクはネロだっつーの!」
ネロは両目を赤紫色に光らせると、同じく両目を光らせた耀平と共に駆け出す。
わたしや黎、師郎もそのあとを追った。
せんちゃんに手を引かれ、歩きだすこと10ちょっと。不意にせんちゃんが振り向いた。
「…そういえば、怪我とかしてない?腹減ってない?」
ゆずは「えっ」と声をあげ、困惑して目を逸らす。
「えっと、」
ぐるるる…次の言葉を続けようとしたとき、お腹が鳴った。
「…お腹空いた」
「なにか食べるか…食い物持ってくる」
「んーん、それは大丈夫!お菓子持ってるの」
「そか。じゃあとりあえずそこで食べな」
せんちゃんに誘導されるまま脇道に逸れ、ゆずはちょこんと座りこむ。
お菓子を取り出しつつ、ちらっとせんちゃんを見上げると、鋭い視線で辺りを見回していた。
「…せんちゃん?」
せんちゃんがゆずを見下ろす。その目に先ほどの鋭さはない。
「んっ?」
「…いや、なんか怖い表情してたから…」
「それは…気にすることないよ」
「そう?」
不審に思いながら、お菓子を口に運ぶ。
_その一口と、せんちゃんの手がゆずの腕を掴むのは同時だった。
榛名千ユリ(ハルナ・チユリ)
年齢:青葉とタメ 性別:女性 身長:145㎝前後
好きなもの:家族、自分、悪霊、飴
嫌いなもの:反抗的な無能、調子に乗ってる無能、身の程を弁えない無能、果汁入りの飴
悪霊遣いの少女。両手の十指に1体ずつ悪霊を封じ、その霊体と霊障を自在に操る能力を持っている。当然霊感もある。現在の手持ちは右手親指に封じた無数の手の霊“草分”、右手中指に封じた大鎧と刀で武装した武者の霊“野武士”、右手小指に封じた暗紫色の炎を纏った左眼だけ嵌まった頭蓋骨の霊“邪視”、左手薬指に封じた身長約2.4mの女性霊“私の愛しいエイト・フィート”の4体。
家族が大好きで心の底から尊敬している。特に名付け親でもあり、霊感があることから経験してきた様々な怪異の話を寝物語として語ってくれた母方のお祖母ちゃんには滅茶苦茶懐いている。“私の愛しいエイト・フィート”もお祖母ちゃんの因縁から受け継いだもの。
家族が大好きなので、家族から血や縁や名や才や姿やその他様々なものを受け継いで生まれ育ってきた自分の事も大好き。
そこまでは良いのだが、家族愛が過ぎて自分の認めた相手以外のことは見下しているところがある。
以上の理由で性格はきわめて悪い。他人と会話する時高確率で罵倒か軽蔑か軽視が含まれてる。教師や大人相手でも態度が変わらねえってんだから大したものです。
普段から身に付けているウエストポーチには、飴ちゃんが大量に入っている。その理由については彼女曰く「アタシは軍師だから頭たくさん使うの」とのこと。他人に分けてくれることはほぼ無い。
ちなみに名前の「ユリ」の部分だけ片仮名なのは「千百合」だと「せんひゃくごう」と区別がつきにくいと思ったお祖母ちゃんの意思。千ユリ本人はちょっと変わっているので気に入っている。
エベルソルが口を開く。するとその奥から、無数のぬらぬらとした質感の触手が伸びてきた。理宇はスティックでそれらを叩き落としながら、少しずつ距離を詰めていく。
(ロキ先輩の弾幕は、タマモ先輩のと違って自由に曲がるから、私が壁になってても大丈夫なはず。こいつの意識を、私だけに集中させるんだ!)
僅か2mほどの位置まで接近し、両足を踏ん張って触手の撃墜を続ける。その隙に、ロキが生成したインキの光弾が回り込むようにしてエベルソルの胴体に命中していく。
光弾のうち1発が深くエベルソルに突き刺さり、体内に到達した。
その穴を押し広げるようにして、体内から更に大量の細い触手が伸び上がり、理宇に襲い掛かる。
「えっ、待っ」
突然倍化した攻撃に動揺しながらも、理宇は冷静に防御を続ける。
「……リウ」
不意に、ロキが呼びかけた。
「えっ、先ぱ、うわぁっ⁉」
そちらに一瞬意識が割かれたためか、あるいは単純な注意不足のためか、足下に忍び寄っていた1本の触手に対応できず、左足首を絡め取られ高く逆さ吊りにされてしまった。
「わあぁっ⁉ ろ、ロキ先輩、助けっあああああ⁉」
エベルソルは理宇を大きく振り回し、レースゲームの筐体に向けて投げつけた。
「リウ、無事?」
「っ……がっ、はぁっ……はぁっ……! ど、どうにか……って、うわあっ!」
理宇に再び向かってきた無数の触手を転がりながら回避し、ゲームの筐体の隙間を駆け抜けた。
わたしが自分のそっくりさんを目撃してから30分程。
わたし達はいつもの駄菓子屋の前に座り込んでいた。
「…ねぇ、”人を呼ぶ”って言ってたけど、まだなのか?」
ココアシガレットをくわえながらネロが呟く。
「まだだよ」
相手も色々あるみたいだし、と雪葉は駄菓子屋と路地を挟んで反対側の建物の前でしゃがみ込みつつ両手で頬杖を突きながら答える。
「そうなの~?」
ネロは思わず口を尖らせた。
…”わたしのそっくりさん”に心当たりがあると言った雪葉が誰かに電話をかけてから、わたし達は駄菓子屋の店先でその人を待っていた。
ネロや耀平はヴァンピレスではないかと不安がっていたが、雪葉が違うと言った事、そもそも雪葉にとってもヴァンピレスは厄介な異能力者である事から、その可能性は低いと思われた。
とにかく、わたし達は謎の人物によって待ちぼうけを喰らっていたのだ。
ガガガと音を立て、
今にもぶっ壊れて発火しそうな自動車が、
崩壊したビル群の中を走り抜けて行く。
運転しているのは、10代半ば位の少女。
名前はカナ。
そして助手席には、大きな猫。
名はエミィと言う。
車を運転する少女と猫。
これだけでも充分異様な光景だが、
何より目を引くのは、少女カナの顔である。
物凄い美人、又は不細工、と言う訳ではない。
ただ、左頬に炎の様な跡があるのだ。
そう。ちょうど、火傷でもしたかの様に。
キィ、とブレーキ音を鳴らして、車が止まる。
「ここにしようか。」
カナが呟く。
「うむ」
と答えるエミィ。
カナは車から荷を降ろし、
手早く野営の支度に取り掛かる。
昼休みの種枚さんと白神さんの様子、何というか、違和感があるように思えた。2人がかち合った瞬間、空気が重くなったような、嫌な感じだった。
結局あの場のストレスを引きずっていたのか、4限の講義もあまり集中して受けられなかったし……。
そういえば白神さんも、たしか今日は4限までだったっけ。
「…………5限、サボるか」
そう決心し、講義棟から急ぎ足で出て、まっすぐ正門に向かった。
どうやらタイミングとしては完璧だったみたいで、少し先を歩く白神さんの後ろ姿が見えた。
歩調を早めて、追いつこうと試みる。そして、彼女に続いて正門をくぐろうとして、自然と足が止まった。
白神さんの目の前に、種枚さんが立っている。種枚さんはフードを深く被っていて表情は分からないけれど、何か話しているらしい。
何となく近づけずに距離を取って見ていると、いくらか言葉を交わしてから二人は連れ立って歩きだした。見失ってはいけない気がして、距離を取ったまま後を追う。
2人が向かった先は、自分が鎌鼬くんと初めて遭遇したあの公園だった。その敷地内には日没直前とはいえまだ少し人が残っている。いくら種枚さんといえど、まさか白神さん相手に荒っぽい真似をすることは無いだろう。
きっと大丈夫だと心の中で自分に言い聞かせ、どんどん奥の人目に付かない場所に入っていく二人の尾行を再開した。
2人が現場であるショッピングモールに駆け付けると、外壁には大きな穴が開いておりエベルソルのものであろう巨大な尾がはみ出してのたうっていた。
「……随分デカいのが突き刺さってるな。あの辺りって何屋があったっけ?」
「さぁ……私あんまりここには来ないので……」
「ここって中高生の休日のたまり場の鉄板じゃないの? 私もあんまり来ないけど」
「えぇ……」
「取り敢えずリウ、先行して」
「りょ、了解です」
理宇を前に置き、2人はショッピングモールに入った。逃げ惑う一般人に逆らいながら、2人は外壁の大穴のあった辺り、2階のある地点にやって来た。
「……あー、ゲームコーナーか」
ロキは呟き、クレーンゲームの筐体を倒して暴れ回る巨大なエベルソルにインキ弾をぶつけた。
ナメクジとナマズとヘビを混ぜたような姿のそのエベルソルはのたうち回るのを止め、頭部を2人の方へぐりん、と回した。
「ん、こっち向いた。リウ、頑張れ」
「了解です! ……いやしかしでっかいな……」
インキ製のスティックを両手に、理宇はエベルソルに向けて駆け出した。
しかし目の前の十字路にさしかかった所でわたしはぴたと足を止める。
視線を感じてハッと右手側を見ると、路地の奥に”わたしと瓜二つの人物”が立っていた。
「え」
わたしが思わずそう呟くと、先を歩く耀平達も足を止めた。
「どうした?」
耀平がそう尋ねてきたので、わたしはあそこ!と路地の奥を指さす。
しかし耀平達が路地の奥を覗き見た頃には、そこに誰もいなかった。
「誰もいねーぞ」
「さっきから多いよな、そう言うの」
耀平と師郎がそれぞれ呟く。
「またそっくりさんって奴かい?」
師郎がそう聞くので、わたしはうんとうなずく。
「…そっくりさん、か」
不意に雪葉がポツリと呟いたので、わたし達は彼女に目を向ける。
雪葉はわたし達の視線を感じて、あぁこっちの話と手を振る。
「何、心当たりでもあるのか?」
耀平がそう尋ねると、雪葉はまぁねと答える。
「心当たりがあると言うか、そういう事ができる人を知っていると言うか」
雪葉がそう言うと、穂積はそれって…と言いかける。
雪葉は穂積に目を向けるとこう笑いかけた。
「…まぁ、そういう事さ」
雪葉はそう言って上着のポケットからスマホを取り出した。
こんばんは! 人間素直がいちばん!です!
今日から、僕が見る夢の世界でのお話や、夢での不思議な遭遇などを
小説風に書いてみようと思います!
そこで、僕にとっての初めての企画なのですが、
皆さんにも夢で見た出来事などをポエムで書いてほしいです!
夢でアドバイスもらったこと、夢で恋をしたなど、「夢の中」に関することであれば、なんでもいいです!
#夢からの伝言をつけて書き込んでいただきたいと思います!
期間は、5月末まで!
ぜひ、お待ちしてます!
4時限目の後、白神は帰宅のために大学の正門をくぐった。そのまま歩道に沿って1歩歩き出し、すぐに足を止める。
「……およ、さっきの……千葉さんのお友達」
「よォ。シラカミメイ、だったか?」
「はいメイさんですよ。ちゃんと聞いてたんだ?」
「私は人の話は聞くタチでね」
「で、千葉さんのお友達さん?」
「種枚。呼び名は短い方が良いだろ」
「了解クサビラさん。わざわざ出待ちまでして、メイさんに何の御用で?」
「この場で話すとなると人目が気になるからなァ……良い場所を知ってるんだ。ついて来な」
そう言って白神に背中を向けて歩き出した種枚に、一瞬の逡巡の後、白神も続いた。
「……そういやメイさんよ」
道中、振り返ることも無く種枚が背後の白神に話しかける。
「何ですかいクサビラさん」
「あの子……チバとはどれくらいの付き合いだい?」
「それは長さで? 深さで?」
「とりあえず長さで」
「そんなに長くないよー。後期が始まってすぐくらいの頃に、わたしのいたサークルに入ってきた縁でね。だからまだ……2、3か月?」
「へえ、私とそこまで長さは変わらないわけだ。深さは?」
「週3でお昼をご一緒するくらいの仲だけどクサビラさんは?」
「私はあの子の命の恩人だけど?」
「…………」
「…………」
2人の間に、重い沈黙が流れる。そのまま数分、無言で歩き続け、不意に種枚が立ち止まった。
「……なーんだ、良い場所なんて言うからどこかと思ったら、ただの公園じゃないですか」
「夕方にもなればすっかりひと気が失せるからねェ。さ、行こうか」
ようやく白神に一瞥をくれた種枚が敷地内に踏み入り、白神もその後に続いた。
ヴァンピレスに遭遇してから暫く。
わたし達は路地裏を駆け抜けていた。
「何でヴァンピレスがこんな時に出てくるのよ!」
「穂積を狙ってきたんじゃない?」
「そう言う事言わないでよ雪葉‼」
穂積と雪葉がそう言い合う中、わたし達は路地裏を走っていった。
「…ここまで来れば大丈夫かな」
耀平がそう呟いて道の真ん中で立ち止まる。
わたし達も立ち止まった。
「奴の行動を考えるとどこが大丈夫とかほぼないけど…まぁ、そろそろ休まないとな」
走り続けるのって難しいし、と師郎はこぼす。
だなとかうんうんと耀平や黎はうなずくが、ここで穂積が口を開く。
「…それにしても、何であいつが急に襲ってきたのかしらね?」
やっぱりあたしを狙って?と穂積は腕を組む。
「でもおれ達もよく狙われるから何とも言えないよな」
そう言って耀平は師郎に目を向けると、彼は静かにうなずいた。
「…ま、とにかくさっさと大通りに出て奴を撒いちまおうぜ」
そう言って師郎は歩き出す。
そうだなと言って耀平達4人も歩き出す。
わたしもそう言って歩き出そうとした。
休憩室の扉をノックする軽やかな音が3度響く。
「入ってどうぞ」
ロキが言うと、扉が開き理宇が入ってきた。
「あ、ふべずるんぐ先輩。お疲れ様です。タマモ先輩は……?」
「ロキで良いよ。タマモはこの間の戦いで両腕骨折したからしばらく療養。座ったら?」
ロキに促され、理宇はタマモが普段座っている席の向かいに座った。その斜向かいにロキも掛ける。
「…………あのー……」
「…………」
ロキは理宇の存在を意に介することなくスマートフォンを操作している。
「あの、ロキ先輩?」
「……あ、ん、何?」
スマートフォンから目を離し、初めて理宇の目を見る。睨むようなその視線に臆しながらも、理宇は対話を試みた。
「今日は、何かやることあるんですかね?」
「いや特には」
「さいですか……。あ、これは全く関係ない世間話なんですが、ロキ先輩ってタマモ先輩といつから組んでるんですか?」
「……そろそろ1年かな。何だかんだで私がリプリゼントルになってからずっと一緒に戦ってる」
「へー。どんな感じで出会ったんです?」
「…………まあ、それはタマモ自身に聞いて。あいつが話したがらなかったら諦めてやって」
「あっはい」
しばらく無言の時間が流れたが、不意にロキのスマートフォンから通知音が鳴り、ロキが立ち上がった。
「行くよ。仕事だ」
「はい、了解です!」
「……あれ、あんた何ていったっけ」
「あ、魚沼理宇です」
「うん、じゃあ行こうか、リウ。あいつがいない分、私のこと守ってくれる?」
「お任せください!」
時間が通り過ぎるのを待ち続ける僕は、
ただのかまってほしいだらしない僕か?
待ち続けても、待ち続けても、
音は何もしなくて。
通り過ぎてく人も、何も言わなくて。
ただ、夜が訪れるのを僕は待っている。
まるで臆病なフクロウのようだ。
待つことにはもう慣れた。
いや、慣れ過ぎてもう飽きた。
早く誰かの声を聴きたい。
やがて夜が来た。
十五夜の新月が僕の真上を通り、様子をうかがっている。
このまま朝が来るまで、お月さまと話してみようかな?
11
俺はそのまま騎士団の基地まで連れて行かれた。
着くと、そこには先程のキャラバンが待っていた。
「我々のためにここまでして頂いて...ありがとうございます。一応、ここまでの護衛依頼でしたので、報酬をお渡ししたく...」
成程。だから待っていたのか。
善人の鏡みたいな集団だ。
今じゃ当たり前かも知れないが、昔は違ったからな。
ここぞとばかりにとんずらこいてタダ働きなんてザラだった。
4月9日の夜
目の前の暗闇にうずくまっている自分をのぞきに来たみたく
三日月が微笑んでいる
明後日から大学が始まる。
今の気持ちは表と裏だ。
朝が、星や暗闇を食べるように
僕の不安やもどかしさを消してくれるかもしれないという淡い期待と、
このまま、月や星が誘う、
いや冷蔵庫のノイズだけが響き渡る孤独な夜が
僕の心に宿るかもしれないという濃い不安が
混ざり合って僕の頭を掻きまわしている。
2日後はどんな夜を過ごしてるのかな?
「えぇ…」
ゆずは困惑した。子供とはいえ知らない人が急によくわからないことを散々語り、名前を聞いてきたのだからゆずでなくても混乱はするだろう。
「あ、勝手に手繋いでたわ。ごめん」
今更ながら、さっきからゆずの手を握っていた『先導様』がゆずの手を離した。ゆずはそのままの格好で固まる。
「う〜ん…」
ゆずは考えるのが苦手だ。更に勘だけで生きてきた人間だ。できればややこしいことをうだうだと考えていたくない。ゆずは自分の命運を勘に託すことにした。
「…うん、信じるよ!私の名前は、坂上ゆず。あなたは?」
さらっと名前を言ったゆずを驚いたように見つめ、子供は困ったように微笑む。
「…私に名前はないよ。好きに呼んで」
「ないの?うーん…あ、先導様、だっけ?だったらさ、せんちゃんとか」
「せんちゃん」
「可愛くない?」
「…うん、気に入った!」
先導様…もといせんちゃんと名付けられた子供がにっこり笑った。
「ゆずの家がわかった。まずは下山だな」
「え、ほんと!?」
「ああ。私から離れないように」
せんちゃんはゆずの手を握った。
白神さんと二人して天ぷらうどんを購入し、セルフサービスの水を取ってから、席に戻った。
それから、殆ど手を止める事無くうどんを完食し、残った水を飲みながら一息ついた。
この後しばらく時間に余裕があることもあって、気が抜けて深く息を吐きながら、仰け反るようにして背もたれに身体を預ける。と、真後ろの席に座っていた人に後頭部がぶつかってしまった。
「あ、すみません……」
咄嗟に謝罪しながら振り返り、そこにいた人の姿を見て、身体が硬直した。
「ん、いやこっちこそ」
気に留めていない様子で答えたのは。種枚さんだった。この人、ここの学生だったのか。
「およ、千葉さんや。知り合いかね?」
こちらを覗き込んだ白神さんと種枚さんの目が合ったのだろう、種枚さんの目が僅かに見開かれる。
「種枚さん?」
「…………君、友達いたんだ?」
「失礼な……自分を何だと思ってるんですか。彼女は友人の白神さんです」
「……そうかい」
種枚さんはつまらなさそうに答え、そっぽを向いてしまった。
「千葉さんのお友達? 初めまして白神メイですー」
白神さんの自己紹介にも、種枚さんは反応を示さない。
「ありゃ…………あ、ごめんね千葉さんや。わたしは3限あるから、そろそろ行きますよ。お友達とごゆっくりぃ」
まだ3時限目の開始時刻までは少し余裕があるけれど、やはり居心地が悪くなったのか、白神さんはそそくさと席を立ち、その場を立ち去ってしまった。