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回復魔法のご利用は適切に!_5

「ま、私のことはいいですわ!大事なのはシオンさんの魔力量と精度ですもの!」
「わぁ切り替え早いんだね」
シオンも見よう見まねでそっと種を手で包む。
「そういえばさ、リサちゃんの固有魔法はどんなのなの?」
「あら、ご興味がありますの?もちろん教えてさしあげますわ!私の固有魔法は『爆破』です。少量の魔力を火薬にして、私が五感で把握できる範囲の中で好きなところを爆発させることができますのよ!正確な精度を求められる魔法でして、一家相伝のものですの!家族もみんな使えますわ」
「へぇ…」
勢いに押されて微妙な反応をしてしまったが、エリザベスは気にせず楽しそうに話を続ける。
「シオンさんはどんな固有魔法をお使いになりますの?」
「うーんと…いや、正確にはわかんないんだよね…治れ〜って思ったら怪我を治せるんだけど、割れちゃったお皿とかも直れ〜って思ったら直るの」
「あら、かなり広範囲に使えますのね」
「うん、そうそう、種に魔法使うとね、育ってお花が_」
言っている途中で、シオンの指の隙間から凄い勢いで蔓が伸びてきた。
「……まあ」

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回復魔法のご利用は適切に!_4

魔力測定。1年生で行い、魔力量、魔力出力の精度をはかる測定だ。今年の測定は魔力を含有した種を別物へ変化させるという方法で行われる。
「_と言われてもわかんないよぅ」
「うーん、そうですわね…まずは私がやっているのをご覧になってくださいまし」
エリザベスは両手で種を包み、数秒経ったのちにシオンを見上げた。
「こうして種に魔力を込めます。魔力の多さ、精度の高さに比例して変化後のものの大きさ、精密さが変わりますわ。魔力量が多く、精度が高ければ大型哺乳類に変化することもありましてよ」
「へぇ〜生き物になることもあるんだね」
「まあそれはレアケースですけれど。私は…」
エリザベスがそっと手を開き、息をのむ。
「!こ、これは!」
「?これはー?」
「まっ!なんてこと…コンロですわ!!」
「ちっちゃーい!可愛いねミニチュアみたいだよ〜。これ火つくのかなぁ」
「…魔力量が少ないってことですわ…」
「わ、落ち込むことないよう、すごいじゃん」