此処に帰って
3つ数えるうちに
眠るような貴方は
背を伸ばしすぎてる
でもいつも平気な顔して
笑っている貴方が嫌い
私の近くでは
そのままの貴方で居てよ
見ている私が嫌いになりそう
私の近くでは
本当を汚さないでよ
いつか
きっと
ずっと
もっと
貴方が側に来て欲しい。
せめて
どうか
今は
ちょっと
私の前では弱く居て欲しい。
私を見つけて
3つ数えるうちに
泣き出すような貴方は
頑張りすぎてる
でもいつもの笑顔をして
蓋をする貴方が嫌い
私の側では
貴方のありのままを見せてよ。
そうさせられない自分が嫌になりそう
私の側では
嘘をつかないでよ
いつも
ずっと
そばに
いるよ
って言えたらどれだけ楽なんだろう。
せめて
ちょっと
もっと
そばで
貴方を抱きしめてあげたい。
何故泣くの?
わからないよと
小さく包まる貴方は
何を抱えて生きているの?
何かを少しでも分けてよ。
いつも
ずっと
そばに
いれたら
泣くことなんてなかったんだろう。
いつか
絶対
私の
そばで
全部を投げ出していい様に
貴方の愛おしいものは
全て守ってあげるよ
貴方がエメラルドに輝く日まで。
全ては貴方と違う世界じゃない。
月の光がいつか貴方に微笑みかける様に。
かすみとキヲンがピスケスに直談判した結果、2人はナツィを探せることになった。
しかしピスケスが、その前に一旦準備ね、と言って仲間たちを連れて保護者の歳乃とともに“学会”本部の地下へ向かう。
かすみやキヲンは不思議に思ったが、そのままついていくことにした。
「…ここは?」
“学会”本部の地下3階、この敷地を普段使っている大学の学生や普通の教職員、そしてかすみやキヲンのような人工精霊たちも知らないようなフロアの奥にある扉の向こうで、かすみはポツリと呟く。
わずかな明かりしかないその部屋には、大きなパネルとパソコンのキーボードのようなものとマウス、そしていくつもの電子機器のパーツらしきものが繋がったマシンが鎮座していた。
「“学会”がこの街に張り巡らした“結界”の監視システムって奴だよ」
キーボードの横にあるカードリーダーの溝に“学会”の構成員であることを示すカードを通しつつ、歳乃が返す。
すると大きなパネルに無数の幾何学模様らしき線と光の点が浮かび上がった。
あるところに、不器用な生き物がいました。
それはそれは、小さなことで傷つく 脆い心でした
誰かの顔色をうかがっては、自分の色を塗りつぶして
おやおや、また泣いていますね
今日も誰かのために笑っているのでしょうか
隣の芝生が 青く見えているのでしょうね
心が空っぽな時は、愛を探している証なのでしょう。
今日もヒトは、人を演じているのでしょう。
また、あるところに欲張りな生き物がいました。
それはそれは、手放すことができない 臆病な手でした。
それは、「失いたくない」という、
愛ゆえの 愚かさなのでしょうね。
人はそれでも、明日を信じて眠りにつく
絶望の淵でさえ、希望という種を植える。
今日も、人は命を繋いでいくのでしょうか
痛みを知るたびに 優しくなれるのでしょうね
重いまぶたを開けた時は、世界が始まろうとしているのでしょう
あぁ、なんて美しい物語なのでしょう
腕時計は時計は10:30を指していた。
『朝は涼しかったのに、急に暑いですね。』
私は、銀座の取引先の会社の最寄りの駐車場にSUVを停め、久々のダッシュで来た。
ブレザーを脱いで鞄に仕舞うと、取引相手の部下らしき人が、ペットボトルのお茶を置いた。
「もう、ほんと参っちゃいますよ。」
それっぽく私は、口角を上げた。
『失礼します。』1つ会釈をして部屋を出た。
「あ、どうも!すみませんお待たせして。」
私は取引相手が入室し慌てて立ち上がり会釈をした。
『あぁいいよそんな、まぁ疲れたでしょ。エアコン付けるよ。』
「あぁ…」反応に困る。
「すみませんほんと。」
この手、相手のご厚意に甘えたいところだが、私は素直に育てられたゆえ、これからの罪悪感に耐性がない。
…
『あぁ、いいじゃん、こっちでも考えておくよ。』
「あぁ、ホントですか?!ありがとうございます。」
契約は順調。と、いったところだろうか。私は午前の仕事を終え、近くのコンビニに向かった。
交差点、信号をを待っていると、突然電話がかかってきた。
『あ、もしもし中木君?』
「はい、何かありましたか?」
『あ、いや急ぎでこっち戻ってきてほしい、まじで緊急。』
何があったかはよくわからないが、とりあえず私はSUVを走らせ、迂回路を通り会社に向かった。
「…それなら、探しに行きましょうか」
“黒い蝶”を、と言ってピスケスはソファーから立ち上がる。
キヲンとかすみは顔を見合わせて、嬉しそうな顔をした。
「でも、そのためには歳乃に手伝ってもらわないとね」
ピスケスはそう言って部屋の奥の椅子に座る歳乃に目を向ける。
歳乃は眺めていた書類を机の上に置いて1つため息をついた。
「ナハツェーラーはそう簡単に見つからないと思うよ」
ただし、と歳乃は続ける。
「“学会”の結界システムを使えば話は別だけど」
歳乃がそう言うと、キヲンはやったね!とかすみに笑いかけ、かすみはうんと頷いた。
ピスケスはそれを聞いて、じゃあ行きましょうかと言って部屋の扉の方へ向かおうとするが、相変わらずソファーに座って不満げな顔をしている露夏に対し行くわよ、と声をかける。
露夏は少しの沈黙ののち、へいへいと返して立ち上がった。
朝、学校に行く時、いつもとは違う道を通ってみた。人通りが少なくて落ち着く。その道は空がよくきれいに見える。青空を見上げて、深呼吸をする。今日が始まる匂いがして、なんでもできそうな、そんな気持ちになる。この瞬間が、私は大好きだ。
あなたに会う理由をいつも探してる
あなたと話す口実をいつも探してる
何も気にしなくていいはずなのに
私ばっかり意識して
電話とかLINEしようって思うけど
指が動かない
声聞きたいよ
なのに怖くて
嫌われるのとか
引かれるのとか
バレちゃうのとか
怖くて
動けない
分かんないよね
きっと分かんない
みんなにも
あなたにも
「アイツはそういう肝心なことを言わないし…」
「ピスケスは知らないの?」
「一応知っているけど…こういうのはアイツに直に聞いた方がいいかもね」
ピスケスはポツリと呟く。
その言葉にキヲンは目を輝かせた。
「じゃあ、ナツィのこと探してくれるの⁈」
「まだ言ってないわよ」
ピスケスは少し微笑む。
「確かにアイツの発言は、あなたたちにとって引っかかるものがあるでしょうね」
そこの露夏も引っかかってるみたいだし、とピスケスは隣の露夏に目を向ける。
露夏はちらとピスケスに目を向けて、また目を逸らした。
夏は早く長く、アブラゼミはしぶとく生きている。おそらく蝉の寿命が一週間だなんて嘘だと思う。猛暑、猛暑、猛暑…。三寒四温からの真冬日からの春後半、初夏の気温は当たり前だ。まるで今が夏みたいな言いぶりだが間違えない春だ。今言ったのは忘れてほしい、去年の話だ。
変な気温は、頭でわかっていても体は追いつかないみたいだ。
「あれ、沢本は?」
「風引いたって、なんかあれだよ、寒暖差アレルギーか。」
ふーん。
現代人は働き過ぎだ。
「あ、じゃぁ銀座の方まで行ってきます。」
おぅ、と一言言われ、資料だけ取ってすぐさま私は駐車場に戻った。初任給と貯めてきたバイト代で5年前に買ったSUV。ラジオは今日の渋滞情報を流す。
午前8:25分
ー海老名IC付近を先頭に上りに10kmの渋滞………ー
今日は三連休の月曜日。皆は帰宅ラッシュとやら私とは無縁の物にまんまとはまっている。
「まじか…」
一部が高速から時間短縮のために一般道に流れたらしい、少し混んでいる。
……………
完全に止まってしまった。私は今日の契約先と、会社に事態を知らせ1時間ほどの遅れを許してくれた。なんと心の広い。
周りをチラチラしていると車窓の向こうの車窓の向こうから手を振る人がいた
「あ、!さか…」気づいて窓を開ける
「酒井さんじゃないですか!」
『久しぶりだね』
学生時代のバイト先の店長である。
「混んでますねぇ。」一拍置いて酒井は懐から一本のタバコを取り出す『まぁ仕方ないよ。』足を組んで答えた。「酒井店長、タバコ変えたんですね。」ようやくこっちを見た。『あぁまぁ、あんまりうまくないけど、ニコチンとか少ないヤツにしてね、まぁいつかは、タバコを辞めたいな。こんな調子じゃ無理そうだけどな笑。』私は愛想笑いをする。
車が流れ出し、私は会釈をして窓を閉じようとした。
『あ!中木!』
「なんですか?。」すっと酒井は私を指さした。『今を生きろよ、じゃ元気にやれよ。』
「酒井さんこそお元気で。」
こんどこそ窓を閉め、アクセルを踏んだ。
大したものである。
夢を捨ててもなお現実に生きることはしない。反面教師というものだろうか。しかし、それは何も知らないからこそ出た単語であり、私たちにはそれを言う権利すらないのである。
犬が猫の子に文句を言おうと、猫の子には猫の子の理屈があるのは当たり前であり、言わずとも皆わかる。
現実、人間は戦争だの何だの同族嫌悪しているクセに、その応用が効かない生物だ。
「報われてほしい」って 何回思ったかな
言ってみるだけじゃ 意味はないんだよ
やってみなけりゃ 時は動かない
そんな事を考えながら 思いにふける夜
「ねぇ、また今日も独りなの?」そんな事しっていたよ 夜の祈り
また 忘れないんだろうな 覚えて いって ほしんだ
「報われてほしい」って 何回思ったかな
やってみることに 意味があるんだよ
その決意こそが 今日を動かせる
そんなことを歌いながら 進んでいける夜
残光が私にさよならを告げ
また明日会えるといい
消えそうになる。
今日は今日だけなのに
もう同じ貴方には会えないのに。
また今日も繰り返した
昨日と同じ時間を
月は昇り始め、
遠い何処かで沈み始める
太陽とは紙一重。
ブルーモーメントに染まりきった空に
煌めいて見えるのは
きっと過去の希望
まだ信じられない貴方を
いつか思い出す日が来るでしょう。
一人でいる夜に
呑まれてしまわないように
未来に縋り付いて
じっと耐え抜けば
あの隙間から抜けてくる
いつかの香りに誘われてしまうんだろう。
群青が貴方にフラッシュバックして
まだ忘れないでといい
過ぎ去っていく。
過去も過去だけで
もう二度と蘇らないのに。
また今日も繰り返した
昨日と同じ失敗を
雲は暗くなり始め
遠い何処かで崩れていく
星とは無関係。
ブルーモーメントの忘れない想い出に
隠れていくのは
きっと過去の自分
また悔やんでいる貴方を
いつか思い出す日が来るでしょう。
誰かと居られる夜に
呑み込まれても帰れるように
未来を思い出して
ずっと待っていれば
あの窓から見える
懐かしさを覚えていくでしょう。
一人でいる貴方を
一番わかっているのは
きっと私だと思うの
生きていく運命(さだめ)には
別れがつきもの
暗闇に吸い込まれそうになったら
また思い出しに来ればいい
ブルーモーメントと私の逆境に
見つけられるのは
貴方に向けた花
また泣いている貴方を
いつか慰めに行けるのだろう。
全てを思い出す夜に
嘆いても立ちあがれるように
今を愛そうと
そう決めて居れば
何処かに残る
未来を掴めるでしょう。
貴方の中の愛しいものに
私が居るといいなと思う
何かに恋するような
夕暮れを迎えて
そしてまた一人を知り
空を見上げれば
光る星が貴方を抱きしめてくれるから。
「…あら、そんなに驚く?」
「いや、初めて聞いたから…」
ピスケスは笑顔で聞き返すが、キヲンは思わず苦笑いした。
それに対しピスケスは、まぁそんなものよと続ける。
「私は明らかに弱い存在は守って当然だと思ってるけど、どう考えても強い者は守らなくてもいいと思ってるの」
だからあなたたちによくしてる、とピスケスはティーカップに口をつける。
その言葉にキヲンは言葉を失うが、ここでかすみが…でも、と呟いた。
「それじゃナツィは守らなくてもいいってことになるけど…」
「あら、そういうことになっちゃうわね」
かすみの指摘にピスケスはふふっと笑う。
「それでも私は歳乃に言われてアイツと連んでたの」
だから上層部からの命令がない限り、動けないとピスケスはティーカップをテーブルの上に置いた。
少しの間その場に沈黙が流れる。
「…ねぇ、ピスケス」
不意にかすみが呟いたので、ピスケスがそちらの方に目を向ける。
「やっぱり、ナツィのこと、探せない?」
「随分しぶといわね」
「やっぱり気になるんだ」
ナツィが、自分たちと“仲良くしたくない”って言ってた理由を、知りたくて…とかすみは自信なさげに俯く。
ピスケスは…そうねぇ、と顎に手を当てる。
誰かのたったひと言で
人生観が変わるとき
救われるとき
ありますよね
あなたが言った何気ないひと言に
心を打たれ、涙が流れて
救われました
その時の事、私は今でも覚えてます
ありがとう(*^^*)
出会いもあれば別れもある。
今の私にはしんどい。別れのために人生あるような感じというか、うまく言えない。なんか涙が出てきます。
「じゃ、じゃあ、ピスケスがボクたちと一緒にいるのは…」
「強力な人工精霊であるナハツェーラーが、“学会”に反抗したり、敵対組織に攫われたりしないように見守るため、ってところかしら」
驚くキヲンに対し、ピスケスはそう言い切った。
その言葉に、キヲンとその隣に座るかすみは目をぱちくりさせる。
その様子を見て、ピスケスはそんなに驚くことじゃないわと2人に笑いかけた。
「魔術師たちの集まりであるこの組織…“学会”は、一般人に秘匿されている魔術で無関係の人を傷つけないために結成されたものなの」
だから、強力な人工精霊が“学会”関係の魔術師のところにいるとなれば、見張っておかなきゃいけないとピスケスは部屋の窓際の席で書類を眺めている自らの保護者…歳乃の方を見やる。
「だから私はアイツに近づいた」
ピスケスはそう言って、テーブルの上のティーカップを手に取った。
「そ、それじゃ、ピスケスがボクたちによくしてくれるのって…」
「あぁ、それはきーちゃんやかすみがナハツェーラーや露夏と違って弱い存在だからよ」
「えっ」
自らの質問をさらりと答えるピスケスに対し、キヲンはポカンとする。
かすみも少し驚くが、露夏は真顔のままだ。
ウッドの香りに惹き寄せられながら
あなたを想う今日この頃
あっ、今ポテトチップを食べてます
将棋で負けた。
悔しかった。
テクニックだけじゃ勝てない相手もいると
教わった。
「一緒にいるメンツに対してあんなこと言う奴なんか、探す価値もない」
「えーそんな〜」
ヒドいよ露夏ちゃーん、とキヲンは口を尖らせる。
しかし露夏は、別にとそっぽを向く。
「おれは年下にあんなヒドいことを言える奴が嫌いなだけだよ」
だからもうどうでもいい、と露夏は不満げな顔をした。
「…ま、そういう訳で、アイツの捜索には協力できないわ」
ごめんなさいね、とピスケスは微笑む。
キヲンは少し落胆するが、すぐに顔を上げて、でもと続ける。
「ナツィがいないと寂しいよ?」
「きーちゃんたちにとっては、そうかもしれないわね」
「ピスケスたちは寂しくないの?」
「それを言われると困るわ」
ピスケスは苦笑する。
「私は、“学会”上層部からの指示でアイツと連んでいただけなの」
だからきーちゃんみたいにアイツに好意なんて抱いてないのよ?とピスケスは小首を傾げる。
「そうなの?」
「そうなのよ」
アイツが今の保護者の元に引き取られて、この街にやって来たことを“学会”が探知してから、私は“学会”幹部である歳乃に言われてアイツを監視している訳、とピスケスは続ける。
今日も一日お疲れ様です。
あなたは皆の知らないところで困ってる人を助けてるね。私は気付いてるよ。的確なアドバイスや気遣い、周りを癒す優しさは隠しきれないあなたの滲み出る魅力です。
なんだか温かいね。あなたを見ているとホカホカするよ(●´꒳ `●)**
そういう訳で、かすみとキヲンはナツィを探しに行くことになった。
しかしめぼしいところはあらかた確認したし、ナツィの家にも帰ってきていないという話は聞いていたのでどこも探しようがない。
それでもキヲンはナツィを見つけたいので、とりあえず協力を仰ぎにキヲンとかすみはピスケスがたびたびいる“学会”の拠点のある大学へと向かった。
「…ナハツェーラーを探しに行きたい、ねぇ」
「うん!」
だから手伝ってピスケス!と“学会”の日本支部がある大学の、レンガ造りの建物の片隅にある小部屋で、ソファーに座ったキヲンが目の前のローテーブルの向こうのソファーに座るピスケスに頼む。
ティーカップに入った紅茶を飲みつつキヲンの話を聞いていたピスケスは、そうねぇ…と右手に持つティーカップをローテーブルに置いた。
「確かのアイツがいないと寂しいけど、でも当人が構うなと言うのなら放っておいた方がいいんじゃないかしら」
ねぇ?とピスケスが右隣に目を向けると、ソファーの肘置きに頬杖をついている露夏が、そうだなと答える。
見る度に
うんざりするけど
嫌いじゃないの。
またこの空間に閉じ込められるのが
私を壁の花にする。
私は私で居たいけど
また固まっていく私が
今日も鏡に映ってる
見たくない。
行きたくない。
行くしかない。
「これが今日の私だ」と
言い聞かせて。
「ナツィがいそうなところを探してもいないし、家にも帰ってないっていうし…」
どこへ行ったのか全然わかんないんだよ?とかすみは返す。
それに対しキヲンは、でもとテーブルに身を乗り出す。
「ナツィがいないと寂しいし、そもそもかすみの元気がないもん」
だから、探そ?とキヲンは首を傾げた。
かすみはでも…と言いかけるが、キヲンはそれを遮るようにかすみ、と声を上げる。
「かすみはナツィのこと好きなんでしょ?」
「!」
かすみは少しハッとする。
「あれ、好きじゃないの?」
「えっ、いや、嫌いではないけど、でも、なんか…」
キヲンに聞かれてかすみはおろおろし始めた。
「ナツィが自分のこと好いてくれてるから、自分もそれなりに返してるだけで…」
実際どうと言われると…とかすみは困惑する。
キヲンはその様子を見て不思議そうな顔をしたが、とにかくさと椅子から立ち上がった。
「ナツィのこと、探しに行こ?」
ボクも好き好き〜なナツィに会えないの嫌だし、とテーブルの横をキヲンは通る。
「とりあえず、ピスケスや露夏ちゃんに手伝ってもらお?」
ナツィが好きかどうか考えるのはあと!とキヲンは椅子に座るかすみに手を差し伸べた。
かすみは驚いたような顔を少ししたが、キヲンが促すように笑っているので断り切れずにその手を取った。
秋に咲く金木犀
その名のとおりオレンジと黄色が混ざった金色の花が
咲いているのだ。秋に
風に乗られて、甘い香りが漂っている。
だがしかし、花というものは寿命が短い。
だからすぐに、消えてしまう枯れてしまう。
金木犀もそう。
甘い香りが漂わなくなる頃
それは、寿命を終えるといえる
1ヶ月くらいかな
それは、冬のスタートラインに立ったという合図。
今年も玄関出てすぐ前にある金木犀は
もう寿命を迎えてしまったようだ。
眠りについてしまった金木犀たちが
大好きな居場所のまわりに残っている。
また、次の世代が来年咲き誇るのか
短いながらたくさんの生き物をひきつかせた
金木犀は誇らしいことだろう
短い寿命の金木犀は
今年も惜しまれつつ幕を閉じてしまった。
また来年次の世代が咲き誇ることを願って。
宙に舞った僕たちは
星という光をつかもうとしていた…
20xx年のある日、僕たちはいつの間にか
宙に舞っていた。
すべてから解放された感覚や驚きを感じていた。
今は、壮大な星空が広がる世界に僕たちはいる。
数々の星たちが本当に綺麗だった。
まるで歓迎しているかのように
宙に舞った僕たちは、星空を見つめ考えた。
いや考えるではない感じていた。
この世界は'広い!'
無限に道が広がっている。
そして数々の星たちもあちこちに、
この星たちは、まるで僕たちの可能性、希望を表しているようだった。
僕たちは、壮大な世界で
たくさんの星光(ヒカリ)を見つけた。
それは、僕たちの未来像そのもののようだった。
そして宙に舞った僕たちは
また、星光(ヒカリ)にたどりつくまで
舞い始めた。いや走り飛び始めた。
宙よりはるか彼方へと。
Are you HAPPY MOOD?
Yes!I'm HAPPY MOOD!!
この世界に舞い降りて15年
去年のUNhappyを乗り越えて
I'm HAPPY MOOD now!!
and 前へ歩いている。
Hi! Dear me.
It's one question.
Is my world crazy?
Please answer me Yes or No.
Yes! my world is crazy!
私は、頭の中に空想な世界があると言っていたね。
それを止まれと命令していたね。
But myworld can't stop.
Why?まあ頭の中の世界だからね。
たくさんの想像が出てくるんだよ。
I know?
その世界は新しくなったり、進化して進んでいく。
今もそうだよ?
今この歌を書いてるときだって
次々と想像が出てくる。
別にいいやんけぇ!
これは自分にしか出せない生み出せない。
'才能'というもの
My world is crazy!!
別におかしくてもいい。
変でもいい。
Because this is me.
So! This is me.
私しか生み出せない才能だから。
自分らしさだから。
My world is crazy!
What are you world?
それから1週間。
キヲンたちとケンカし、かすみの元から去っていったナツィは喫茶店の物置に姿を見せなかった。
かすみとキヲンは心配していたが、ピスケスは好きにさせてあげなさい、と言うばかりで落ち着いていたし、露夏は不機嫌そうになにも言わない。
そして最初のうちこそ喫茶店によく集まっていた人工精霊たちも、1週間も経てばキヲンくらいしか来なくなっていた。
「…暇〜」
横に2つ並べた椅子の座面に寝転がって呟くキヲンを見て、キヲンに対しテーブルの向こうの椅子に座るかすみはそうだねと寂しげに返す。
「ナツィはどっか行っちゃったし、露夏ちゃんとピスケスもこっちに来ないしー」
つまんないよ〜とキヲンは足をじたばたさせた。
「そう、だね」
かすみは悲しげに返す。
そんなかすみの声を聞いて、キヲンはむくりと起き上がり、ねぇとかすみの方を見た。
「やっぱりナツィを探しに行かない⁇」
寂しいし、とキヲンは椅子に座り直す。
しかしかすみは、そうしたいところなんだけど…と苦笑いした。
悪い子になっちゃいたい
愛してるって言っちゃいたい
もう
ぜんぶバレちゃいたい
そしたら楽になれるかな
全部なくなっちゃうかな
なくなっちゃったら楽になるかな
一喜一憂するのに疲れちゃったの
満たされないのに疲れちゃったの
独りぼっちに疲れちゃったの
絶望するのに疲れちゃったの
人と比べるのに疲れちゃったの
ごめんね、私、自分勝手。
嫌いになっても仕方ないって思うよ
気持ち悪いって思っても仕方ない
めんどくさいって思うのも当然
だからってどうしようもないの
私は好きになった人にも、そうでない男性にも変わらずに接する。男女問わず、すべての人に変わらずに。
でも、好きになった人にだけ、ちょっとだけ、
ツンデレになります
心には水が必要。
それと同時に光も必要なんだ。
傷付いた心には水を注ぐと癒される。
そして光を浴びると心が安心する。
愛情が生まれるんだ。
「俺はアイツらと仲良くしたいだなんて思ってない」
「そんなこと…」
「だって事実だし」
「でも」
「事実は事実なんだよ!」
ナツィはそう叫んで音を立てて椅子から立ち上がる。
膝に乗っていたぬいぐるみは、ぽとりと足下に落ちる。
「…どうして、どうしてみんな」
「ナツィ」
俯いたまま声を震わせるナツィを見て、かすみは近づいて背中をさすろうとする。
しかしナツィはその手を払いのけた。
「!」
かすみは驚いて後ずさる。
ナツィはもういい、と呟いて床に落ちたぬいぐるみを拾い、抱える。
「もう…関わらないで」
ナツィはそれだけ言って、かすみの横を通り過ぎ物置の外に出ていく。
かすみはなにも言えず、目の前を見つめたまま黙り込んでいた。
ナツィがキヲンたちの元から立ち去って暫く。
人工精霊たちが溜まり場にしている喫茶店の2階にある物置部屋の扉が乱暴に開かれる。
そして黒髪のコドモ…ナツィがうさぎのぬいぐるみを抱えた状態で早歩きで入ってきた。
「…ちょ、ちょっとナツィ〜」
ナツィが部屋の真ん中に置かれたテーブルを囲む椅子にすとんと座るとともに、部屋の入り口からジャンパースカートにエプロンをつけたかすみが追いかけてくる。
「いくらきーちゃんが勝手にその子を持ち出しちゃったからって、ちょっと怒りすぎなんじゃ…」
「別にいいだろ」
ナツィは不満げにテーブルに頬杖をつく。
「他人のものを勝手に持ち出すとかどうかしてるし」
「で、でも、ナツィがずっとうちにいるからって」
「そんなのアイツに関係ないし」
「だけど…」
かすみがそう言いかけると、ナツィはなんだよとかすみに冷たい目を向けた。
「かすみもアイツの肩を持つのか」
「そ、そんなつもりないよ!」
でも、自分は…とかすみは俯く。
「お前には関係ないし」
「ンな訳あるか‼︎」
露夏は言い返す。
「おれたちは、友達とはいかなくても仲間みたいなモンだろ‼︎」
その言葉に、知るかよとナツィは呟く。
「…俺は別にお前らのことなんか仲間とまで思ってないし」
そもそもお前とピスケスは俺の“監視役”みたいなものだろ、とナツィは続ける。
「だから、俺に構うんじゃねぇ」
「そんなことない!」
「嘘つけ‼︎」
露夏の言葉を遮るように、ナツィは叫ぶ。
「…どうせ、どうせみんな俺より先にいなくなるんだ」
だから、もう…と声を震わせながらナツィは俯いた。
露夏は思わず言葉を失う。
少しの沈黙ののち、ナツィは屋上の端へ歩いていくと、黒い翼を羽ばたかせて空へ舞い上がった。
「あっ」
露夏はつい呟き、キヲンやクロミス、タイサンボク、中紅も呆然とその様子を見つめる。
ピスケスだけは神妙な顔で、何かを考えているようだった。
う〜ん…そうですね…
これは…よく使うものです。
よくというか、常にって感じです。
世界中の人が種類は違えど使っています。
生活に、人生に欠かせないものです。
これがないとほぼ生きていけないでしょう。
答えは出そうですか?
…スマホ?
スマホ…ではないんですね〜
えっと他には〜
これは…ほとんどの人が持っていて、使っています。
ですが使う能力、受け取る能力が失われる人もいます。
それでも周りが工夫して、なんとか使えなくても
受け取れるよう協力しています。
…そうなんです!とても『良いもの』なんです。
ですが…それを『悪く』使う人もいるんです。
これはクッションにもなりナイフともなる。
人を受け止めることもできますが、
傷つけることもできます。
これはクッションのように柔らかいわけでもなく、
ナイフのようにとがっているわけでもありません。
ですが使い方によって形が変わるのです。
使う人がどんな形で送ろうと、
形を考えずに適当に送ろうと
受け取る人にははっきり形がわかるのです。
人は、これによって人を傷つけ、生命を落とす。
人は、これによって自分たちを守り、生命を繋げる。
良くも悪くも、人になくてはならないものなのです。
私たちも『良く』使っていきたいですね。
さて、答えはわかったんじゃないですか?
答えをどうぞ!
「…あ、ナツィ」
来てたの?とキヲンは立ち上がりかけるが、ナツィは無言でその襟首を引っ掴む。
クロミス、タイサンボク、中紅、露夏は驚くが、ピスケスは落ち着いた様子でその光景を見ていた。
キヲンはご、ごめんね!と慌てて謝る。
「ナツィのうさうさ勝手に持ち出し…」
「謝罪なんかどうでもいい」
とりあえずジークリンデを返せ、とナツィは低い声で言い返した。
「わかったから、まずボクを離してよ…」
キヲンはナツィに笑いかけると、ナツィは冷たい目を向けたままキヲンを乱暴に離す。
キヲンはナツィから解放されると、慌てて足元に落ちたぬいぐるみを拾った。
そしてキヲンは、はい、ナツィのうさうさ、とナツィにぬいぐるみを差し出すが、キヲンが言い終える前にナツィはキヲンの手からぬいぐるみを奪い取り、背を向けた。
「あっ…」
キヲンはつい言葉を失い、その様子を見る露夏はおいテメェ!と立ち上がる。
「きーちゃんに対してその態度はないだろ‼︎」
いくらきーちゃんがヒドいことをしたからって、お前までもそうする必要ねーじゃねーか!と露夏はナツィに近づく。
…うるさい、とナツィは言い返した。
「クロミスとタイサンボクと中紅で、よくやってるんです」
で、今日はきーちゃんも一緒に、とクロミスはキヲンの方を見やる。
ピスケスはそう…と言いつつキヲンの方を見た。
キヲンは不思議そうな顔をするが、ピスケスはその場にかがみつつにっこり笑う。
「きーちゃん、そのぬいぐるみはナハツェーラーのでしょう?」
「あ、うん」
「早く返しに行った方がいいわ」
「え」
ピスケスの言葉にキヲンは驚く。
「返すって、でも」
「なにを考えてるのかは聞かないけど、それはアイツが大切にしているものなの」
だから返しに行きなさい、とピスケスは続ける。
「さもないと、来るわよ」
「ふぇ?」
アイツが…とピスケスはキヲンの後方に目を向けた。
キヲンはつい首を傾げるが、目の前のクロミスたちが急に慌てたような顔をし始めたので振り向く。
その背後には、黒髪でゴスファッションを着て背中に黒い蝙蝠のような翼を生やしたコドモ…ナツィが立っていた。
二人は糊口を凌ぎながら、遂に山麓へと辿り着いた。
星を見た囚人は、整備された山道に気付き、早く登ろうと言った。その言葉で、二人はこの山の安全性を理解することができた。
泥を見た囚人は、もう足が棒だから休もうと言った。その言葉で、二人は久方ぶりに足を止めて疲れを癒やすことができた。
二人が山道を進むと、中腹に小さな村があった。
星を見た囚人は、人形を売って得た金を見せた。村人たちは彼らの価値を理解した。
泥を見た囚人は、下げ慣れた頭を垂れてみせた。村人たちは彼らの礼節を理解した。
二人は一夜の宿を取り、明くる朝山頂を目指して歩き出した。
星を見た囚人は、先陣を切り前を向いて歩いた。その姿で、相方に希望と意志を分け与えた。
泥を見た囚人は、後続して下を向いて歩いた。その目で、相方に安全と道標を指し示した。
小さな二人の手は、山頂に至っても尚星々には遠く及ばなかった。
星を見た囚人は、そういうこともあると慰めた。
泥を見た囚人は、もっと高い山を探そうかと戯けてみせた。
二人の囚人がいた。
一人は泥を見た。星空を夢見る相方が隣にいたから。
一人は星を見た。足元を検める相方が隣にいたから。
メガネを外してみてください。
って言ってみようかな
メガネを外した彼は素敵だから
二人の囚人がいた。一人は泥を見た。一人は星を見た。
星を見た囚人は、いつかあの星を掴みに行こうと言った。その言葉は、二人の希望になった。
泥を見た囚人は、我々のいる場所はこんなにも汚く醜いと言った。その言葉で、二人は現実を見つめ続けることができた。
ある日、牢の錠が外れていた。
星を見た囚人は、今こそあの星を掴みに行こうと言った。その言葉で、二人は自由へ踏み出すことができた。
泥を見た囚人は、我々の行く道はこんなにも泥濘んでいると言った。その言葉で、二人は転ぶこと無く歩き続けられた。
二人は並んで荒野を歩き続けた。
星を見た囚人は、あの山に登れば星に手が届くやもと言った。その言葉で、二人は疲れた足を動かし続けることができた。
泥を見た囚人は、我々の行く道はこんなにも湿っていると言った。二人は泥水を漉して、少しだけ喉の渇きを癒やすことができた。
二人は泥濘の中に粘土を見つけた。
星を見た囚人は、素朴な素焼き人形を作り上げた。温かなその作品は、旅人の胸を打ち小金と交換された。
泥を見た囚人は、無骨な壺を焼き上げた。頑丈なその作品には、旅の荷物を収めることができた。
二人の行く道は、次第に固く乾いた土を纏いだした。
星を見た囚人は、空を暗雲が埋め尽くすのに気付いた。その発見は、二人の喉を潤す清潔な雨水の到来を示した。
泥を見た囚人は、しぶとく根を張る雑草の虫食いに気付いた。その発見は、昆虫と野草という僅かで明確な食料の存在を示した。
「確かに」
勝手に自分のものを持ってかれたら誰だって困るわよ、きーちゃんとキヲンの右隣に座る紅色の長髪とキツネのような耳を持つコドモは腕を組んだ。
「うーん、そうだけど…」
でもこの子がかわいそうだし〜とキヲンは口を尖らせる。
「それに、ナツィは家に帰りたくないってかすみのところにいるから、どうにかして家に帰る気にさせたいんだ」
だから、仕方ないのとキヲンは開き直った。
3人のコドモたちはつい黙り込むが、ここで屋上の塔屋の方から、あらお茶会?と声が飛んでくる。
キヲンたちがそちらの方を見ると、青い長髪のコドモ…ピスケスと、赤髪でキャップ帽を被ったコドモ…露夏が立っていた。
「あ、ピスケス! 露夏ちゃん!」
キヲンが思わず立ち上がると、ピスケスは楽しそうねぇと言いながら歩み寄ってくる。
「クロミスたちが主催なの?」
「あ、はい」
ピスケスがそう尋ねると、クロミスと呼ばれたヒレ耳のコドモは慌てて背筋を伸ばして答えた。
昼、とある大学の敷地の片隅にて。
昼休みの時間になって多くの学生、教職員が食堂や空き教室、敷地内の芝生で昼食を摂っている。
そんな中、敷地の片隅にある建物の、普段は立ち入り禁止になっている屋上で、奇妙なコドモたちがお茶会をしていた。
「…それでそのうさちゃんを?」
「うんそうなの!」
髪が水色で魚のヒレのような耳を持つコドモがウサギのぬいぐるみを抱える金髪のコドモに尋ねると、そのコドモ…キヲンは明るく頷く。
「ナツィがお家に帰らないでかすみの所にいるっていうから、このうさうさもお外に出られなくてかわいそうだと思って」
「へ、へぇ…」
そう言うキヲンに対し、キヲンの左隣に座る植物の葉のような髪を持つコドモは引き気味に返した。
それを見て、どうかしたの、タイサンボク?とキヲンは聞く。
タイサンボクと呼ばれたコドモはい、いや…とビクビクしながら答えた。
「勝手にナハツェーラーのところからその子を持ち出しちゃって、大丈夫かなぁって…」
絶対怒られるんじゃ…とタイサンボクは続ける。
「聞くなよ…」
そうこぼして、ナツィは丸くなった。
キヲンはそんなナツィの様子を微笑ましげに見ていたが、ふとベッドの枕元の見覚えがある白いウサギのぬいぐるみが目に入る。
「…」
それから数分後、部屋からキヲンが立ち去るような足音がしたのでナツィが部屋の入り口を見ようと寝返りをうつと、枕元にウサギのぬいぐるみがないことに気づいた。
「えっ」
ナツィは慌てて起き上がり、辺りを見回す。
「…まさか」
ナツィは思わず呟いた。