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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 10.ウロボロス ②

へーとわたしはうなずく。
「ちなみに依頼は情報屋経由なんだぜ」
「え、へ?」
耀平の思わぬ発言に、わたしは一瞬混乱する。
「え…情報屋?」
「そうそう情報屋」
思わず聞き返すと、耀平はうなずいた。
「情報屋は情報の融通だけじゃなくて、異能力者の斡旋もやったりするんだ」
結構何でもやるんだぜ、と耀平は笑う。
わたしは思わぬ場所で情報屋の話に出くわして、ついぽかんとしてしまった。
「ね、ねぇ、情報屋ってどんな人なの?」
わたしはここぞとばかりに疑問を投げかけてみた。
…異能力の存在を知ってしまった”わたし”の事を、寿々谷の異能力者たちに言って回る情報屋。
その正体が知りたいのだ。

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スランプに陥ってしまった
どの言葉もあまり納得がいかなくて
何も思い浮かばない
どうすればいいですか
レス、ください

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あたしいまどこ
いつ出発しようか
ああもう行かなきゃね
アレも足りないコレも足りない
伝えきれない
伝えることすらわかんない
なにがしたいんだろう
慕っちゃうから約束された関係が欲しいって
そんなにおかしいことじゃないでしょ
貴方じゃなけりゃ
人差し指口に指して
どうか誰も黙っていて
2人で迷う麓
独りで放りこまれたあたし

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空の青さを知る君は明日海へ行く

「お兄さん方、何をしているのですか?」
それは、今まで聞いたことがない、とても静かで、とても冷たい声だった。
その声に思わず全員がその声の主の方を向いた。
そこには、彼がいた。無表情なその目はとても冷たく、男達を見つめていた。それのためか、自然とその空間はより、一層冷たくなったように感じた。舞は思わずその雰囲気に身震いした。
「くっ、その服…お前、あそこの学生か…ちっ。」
「こいつらには、敵わねぇ、学生に見えて力は化け物だからな、こっちが危険だわ」
男達は、舞の手を壁に投げつけるように話すと足早に階段を登り消えた。しばらく沈黙が続いたあと、舞は恐る恐る彼の顔を見た。無表情だったが、先程の冷たい空気は消えていた。彼は男達の足音が消えるまで全く舞の方を見なかったが、音が消えるとサッと階段を降り、舞の元に駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか?お怪我はございませんか?」
彼は少し微笑みながら舞に話しかけた。舞は少し顔が熱くなるのを感じつつお礼を言った。
「あ、ありがとうございます。あの、この前も会いましたよね、えっと…」
「お久しぶりです。自己紹介をしていませんでした。若槻優樹と申します。貴女は?」
「舞です。ほんとに、色々ありがとうございました。あの、若槻さんは大学生…とかですか?」
「いえ、まだ高校2年生です。でも、よく大学生と間違えられます。」
「そうなんだ!私と同じだね。良かった、少し肩の荷がおりた…。」
優樹の顔もさっきより和らいでいるように見えた。
「自分のことは呼び捨てでいいですよ。では、私はこれで失礼します。どうぞ、お気をつけて。」
そう言うなり、優樹は素早く音無しに階段を駆け上がっていった。舞はしばらく踊り場に佇んでいた。

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空の青さを知る君は明日海へ行く

あの日、もし、再び彼と出会っていなければ、舞の人生は平凡な日々だっただろう。
公園での出来事から、一ヶ月が経った。舞の学校は夏休みに入り、舞はクラスメイトとショッピングセンターで買い物をしていた。その帰りのことである。いつも乗るバスの時間まで余裕があった舞は地下の書店に寄ることにした。地下へ向かう階段はどことなく薄暗く階段を降りるたび靴の踏み締める音が響いた。そして、踊り場まで来た時、それは起きた。書店まであと少しというところで舞は数人組の男に囲まれた。足元に酒の缶が転がっていた。
「よ〜お!姉ちゃん〜、わざわざ階段使うなんて、えらいね〜!」
「な、なんですか、やめてください。」
「てか、これって運命なんじゃね?よかったらさ、今から俺らと遊ばない?本ばっか読んでねぇさ〜ははは!!」
「や、やめて…」
舞は恐怖を覚えつつ地下の書店に向かおうと間をすり抜けた。しかし、遅かった。右も左も一瞬にして囲まれた。1人は銀色に光るものを持っていた。
「あ〜あ、釣れねぇなぁ〜、こうなったら力ずくで連れてっか!!」
「や、やめてください!!だ、誰か!助けて!!」
その時だった。

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空の青さを知る君は明日海へ行く

数十分後
「優樹…。それを、世間では、「一目惚れ」って言うらしい。君はその方に一目惚れしたんだ。」
「ひとめぼれ…。そうか、聞いたことがある。しかし、世間ではこのような感情を米の銘柄に例えて言うのか?」
隼斗は今、笑いを堪えることに必死だった。だが、とうとう限界だった。
「き、君は…ははは!!天然にも程があるぞ!!ははははは!!!米の…品種…って…。」
「ん?…?あ、いや!違う!少し疲れていただけだ!やめろ〜!それ以上笑うなぁ!!」
その後、お互い笑った。それは、もう、傷口が傷んでいることもわからないほどに。
「…。はぁ、笑った、笑った。」
「…。はは、一生の不覚だ。」
「…。」
「…。」
そして、ふと静寂になった時、優樹がポツリと言った。
「生きれるといいな…。」
「あぁ…。そうだな。」

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ちょっとした催しを開きたい

酒と煙草のできない年齢のうちに、一つちょっとした企画を開きたいと思うので、参加してもらえれば幸いです。

テーマは「異能」。この語を広辞苑で引くと、以下のように出ます。
『人にすぐれた才能。』

そういうわけで、今回のテーマが指すのは、飽くまでもただの人間の起こし得る範疇で、人並外れた才能や技術のことです。人間にできること、人間にできると思うこと、理論上()人間にも可能なこと、またそれが可能な人間をテーマに、小説やらポエムやら、どちらともつかない散文やらを書いていただきたいのです。

期間は5月いっぱい。参加してくださった方は、タグの一つを『異端児たち』としていただければ、参加を確認します。
皆さんの想像力に期待しております故、是非に奮ってご参加ください。

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満月の夜

満月はかつて望月と呼ばれた
読んで字のごとく、誰もがその満たされた姿を望んでいた。
しかしいつしかこの名前は衰退していく。
どうして?
満たされることは無くなり
“望み”から“夢”へと変わっていったからだ。

満たされない現代人は
満月に沢山の名前を付け
見上げ、その姿に夢を見る。

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復讐代行〜第9話 始動〜

屋上に取り残された俺、もとい私は
その場に座り込み、数秒考えた。
“さてと…目立つって言ってもどうするか…”
あれこれと案は出て来るがどれも『いじめ』を連想するものばかりで想像するだけで吐き気がしてしまった。
「ひとまず、髪でも振り乱して遅れて行けば御の字だろ」
そう言ってゆっくりと腰を上げ歩き出した。
その頃教室では
「おい、青路、どこ行ってたんだよ」
「悪いな、少し朝から体調が悪くて屋上で休んでた」
屋上から来たことを見られていても大丈夫な嘘をつく
「あれ?屋上ってことは青路、あの陰キャにも会ったのか」
「え?あぁ闇子ちゃんか、うん、会ったよ」
隠せと言われたがここでわざとらしい嘘をつく方が疑われる気がして普通に答えた。
「朝のことといい、青路、あの時何があったんだ?」
「んー、秘密かな」
今度はわざとらしく誤魔化した。
たとえどんなに小さなことであってもあの場でのことを知られる訳にはいかなかった。
「かなって…お前そんなキャラじゃないだろ」
「可愛く誤魔化したって無駄だからな!」
そう言いながらも2人とも笑っていた。
「ほら、授業始めるぞ」
教師が入ってくる。当然闇子はまだ教室にはいない。
「あれ?青路、あの陰キャとあってたんだろ?まだ来てなくね?」
「青路、まさかお前…」
2人は予想以上にあっさりと
『桐谷青路が喪黒闇子に何かをした』
というイメージを浮かべてくれた。
しかも幸いなのは私がまだ何もしていないことだ。
「そんなに酷くはしなかったつもりなんだけどなぁ」
ここでもわざとらしくそのイメージに乗ってやる。
しかし今回はみんな信じるだろう。
これでいい、計画は怖いほどスムーズだ。

to be continued…

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心臓が無くなったかと思ひ候

「生まれ変わったら何になりたい?」
『何でもいいけど君には会いたいかな』

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空の青さを知る君は明日海へ行く

M市基地男子寮のとある一室
隼斗は先程から隣でずっと机に顔を埋めたまま、1ミリも動かないルームメイトをあっけに取られながら見ていた。
事の顛末は簡単に言えばこうである。隼斗が部屋の自分のベットで寝ていると、ルームメイトである優樹が帰ってきたのだが…。どこかいつもと様子が違う。なぜなら、いつも誰よりも冷静沈着でほとんど無表情、無感情なあの優樹が若干頬を赤らめ、かつ微笑みながら、帰ってきたのである。それも、束の間、一瞬で無表情に戻り、そのまま机に突っ伏した。彼をこんなにも動揺させているものは一体なんなのか、隼人はただただ、気になるばかりだが、あいにく本人は微動だにせず、早30分が経った。個人の事情を探るのはあまりしたくはないが、長年、苦楽を共にしてきた仲間として、優樹をこんなにも動揺させているものが気になった隼斗は意を決して声をかけることにした。
「なぁ、優樹、あのさ、ちょっと、聞きたいことが…」
「隼斗〜!!助けてくれ〜!!」
「うん!?」
優樹に抱きつかれるままに、勢いで激しい音ともに隼斗は床にぶっ倒れたのであった。

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空の青さを知る君は明日海へ行く

彼はサッと屈み舞の顔を心配そうに覗き込んだ。
「大丈夫ですか?何かあったのですか?」
舞はごまかしにならないと思いつつ下を向きながら横に首を振った。舞はさらに何か聞かれるのかと身構えたが、彼は意外にもあっさりと「そうですか。今日は熱中症注意警報が出ているようなので、お気をつけ下さい。」と言うなり、足早に去っていった。
淡々として、大人ぽいのに、どこか寂しそうな後ろ姿に舞はどこか胸が締め付けられる感覚と同時に心臓が高鳴る感覚がした。

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ある人の帰路

踏切に足を止められていると、ふと、目の前の少女に惹き付けられた。手提げの通学バックをリュックのように背負い、ヘッドフォンをした、ストレートボブの女子高生である。ただそれだけなのに、なぜこんなにも惹き付けられるのか。踏切が上がり、少女は歩き出した。スマホを操作し、彼女のイメージに合った曲をかける。もう少し彼女を見ていたい。少し遠回りして帰ることにする。ヘッドフォンをしているからであろうか。いや、そうじゃない。彼女を構成する、すべてが惹き付けるのだ。少女が一瞬振り返り、顔が見えそうになる。いいや、君は、振り返らなくていいんだ。その後ろ姿から想像するのが楽しいのだから。今度は、にわかに少女が足を止める。バス停だった。完璧だ。ここに、1枚の絵画が誕生した。手提げの通学バックをリュックのように背負い、ヘッドフォンをした、ストレートボブの女子高生が、バス停でバスを待つ。なんと美しいんだ。感嘆のため息がもれる。しかし残念なことに、ここで彼女とはお別れだ。怪しまれぬよう彼女を横目に見ながら通り過ぎる。とてもいい時間を過ごさせてもらった。礼を言うよ。
いつの間にか、彼女をイメージしてかけた曲は終わっていた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 10.ウロボロス ①

寿々谷駅前の商店街の裏は、少々不思議な雰囲気を纏っている。
というのも、表通りと違って変わった店や建物がひしめいているのだ。
…正直、慣れている人でないと歩きにくい。
人通りが少ない事もあり、そこはわたし達コドモの溜まり場ともなっている。
もちろん、そこには常人じゃない人間も多く存在するが。
…だから裏路地は独特の雰囲気を持っているのかもしれない。
そしてわたしは今、”彼ら”と一緒に商店街の裏路地にいた。
「ねぇ」
わたしは何か写真を持った小柄な少女に話しかけた。
「…それ、何?」
あーコレ?と少女ことネロは答える。
「今回のターゲットの写真だよ」
ターゲット?とわたしは思わず聞き返す。
「あ、ターゲットってのはな」
わたしの様子を見て、ネロの隣にいる耀平が説明し始める。
「異能力を使っている所を見られたから、見た人の記憶を消して欲しいっていう依頼がネロの所によく来るんだけど、そのターゲット」
つまりこの写真の人は異能力を使っている所を見てしまった一般人だな、と師郎が言い換える。

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空の青さを知る君は明日海へ行く

舞には、かつて大学生の兄がいた。とても、優しくて大好きだった。でも、舞が小学生の時、ちょうど戦争が始まった年だった。両親が共働きで家ではいつも1人だった舞にとって兄はとても大切な存在だった。でも、ある時兄の元に真っ白な封筒が来てそのまま帰ってくることはなかった。そんなことを思い出したせいか、ぽつりと涙がこぼれた。幸い周りに人はいない。舞は小走りに近くの公園に駆け込みベンチに崩れるように座った。ここは、昔、兄とよく遊んだ公園だった。小学生になってからはゆっちとも遊んでいた。そう、ゆっちとも…。
放課後、帰る前に下駄箱で突然ゆっちからもう会えないことを告げられた。最初は、ただの転校だと思った。でも、答えは違った。
「ごめんね、舞、うち、親がこの前の空襲で死んじゃって…その…軍学校行くことになったの。」
軍学校。正式名称は忘れたけど、舞の住むM市には日本最大級の基地がある。その中に学校があることを聞いたことがある。そこは、児童養護施設も兼ねられている。だから、基本的になんらかの理由で親がいない子が通っているらしい。でも、自分の意思で一般校から転校してくる人もたまにいるらしいことを風の噂で聞いたことがある。でも、そんなことは舞にとってどうでもいい。これまでもこれからも関わることなんてないし、それに、通っているのは、どうせ命知らずの人しかいない…と思っていた。あの人と出会う前までは。
夏の公園は、珍しく誰もいなかった。だから、周りは蝉の声とたまに微かに吹く風の音だけだった。舞はしばらく涙がとまらなかった。何度か抑えようとしたけど蝉の声がいっそう心をかき乱した。
どれくらい泣いていたのだろう。暑さと泣いた時の疲れで頭がぼーっとし始めた時、ふと目の前に影が出来た。何事かと驚いて顔を上げると、背の高い高校生くらいの男性が立っていた。格好から軍学校の人だと一瞬で分かった。男性は舞の目の前に買ったばかりであろう水のペットボトルを差し出した。そして、淡々とした、でもどこか柔らかい雰囲気で口を開いた。
「突然、申し訳ございません。どこか体調が優れないように見受けられたので、声をかけてしまいました。良かったこれお飲みください。では」
「あ、ありがとうございます…」
舞はお礼を言おうと、立ちかけてまた涙がこぼれて慌てて手で顔を隠した。でも、相手はそれを見逃さなかったようだ。

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僕の創作っ子

気弱に笑う君 僕にとてもよく似ている
そりゃそうさ
君は「僕自身」を投影した者なんだから
君と一緒にいると とても心が落ち着くよ

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好きな子ほどいじめたくなる

強いあなたが好きだから

あなたならこの程度の逆境、越えてくれると信じているから

ボロボロになりながら戦い続けるあなたの輝きを、もっと私に見せておくれ。

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描く 書く

描けるようになりたい
誰かの心の中に
自分の世界を描けるような人に

なりたい


ぎゅいんと心を掴んで
ぱふぁんと舞わせて
しゅぴっと刺激を与えて
誰かに返してあげたい




書けるようになりたい
私の心の中を
言葉巧みに書けるような人に

なりたい

消した言葉の分も
遺せるような新しい言葉で
丁寧に 丁寧に
誰かに届けたい



描けるようになりたい

書けるようになりたい

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旋律 #3

 その日の迎え時間、事件が起きた。
 私は貴方を待って園庭のジャングルジムに登っていた。今もなお連絡を取り合っている美亜と、アイカちゃんも一緒だった。幼さというのは恐ろしく、数時間たてば二人ともあの険悪な雰囲気などすっかり忘れていた。
 「ねえ、お休みの日、何して遊んだの?」
美亜は私たちの顔を交互に見て尋ねた。
「美亜ちゃんは?」
「私はね、ゆみちゃんと縄跳びしたよ」
ゆみちゃんというのは彼女の妹だ。当たり障りのない答えだった。
 するとそれに対抗するように、アイカちゃんが口を開いた。
 彼女が自慢げに話したのは、なんとも優雅な休日だった。今思えばどう考えても見栄を張った嘘なのだけれど、滞りなく話すアイカちゃんを見ると、幼い私は信じ切ってしまった。
 海辺の別荘、ママの作るアップルパイ、白いリボンのついた麦わら帽子。
 どれも私には縁のないものだった。
 ふと、アイカちゃんを妬んでしまったのだ。
「私は、蓮くんと市民プールに行ったよ。スライダー楽しかったな。そのあとデパートに行って、蓮くんはジュースとぬいぐるみも買ってくれたんだ」
一息でしゃべってからアイカちゃんに目を向けると、起こっているはずなのに冷たい瞳が睨み返してきた。
 何も気づかない美亜が一人何か話していたが、少しも耳に入らなかった。アイカちゃんの刺すような視線を受けると、なぜか罪悪感に襲われた。
 逃げるようにあたりを見回す。門から入ってくるお母さんたちの中に、一人妙に派手な格好の、金色の頭が見えた。遠目でもわかった。
 「蓮くん!」
 アイカちゃんから逃れられたことにほっとして、思わず大きな声を出してしまった。みんなが一斉に貴方の方を向き、当然アイカちゃんも視線を動かした。
 貴方はまとわりついてくる園児をよけるように大股でゆっくりと近づいてくる。ジャングルジムの下まで来ると、のんびりと顔を上げた。

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どうかあなたに祝福を

断捨離中に見つけた 汚れた首飾り
見ると何故か 笑みがこぼれる
何故持っているのか、誰から貰ったかは分からない 曖昧な記憶の輪郭しか思い出せない
だからまだ 手放すわけにはいかないな

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ロータリーのビル風は
留まることを知らない街を象徴するようで
逆らうつもりもない僕に当たり続ける風
休むことは刃向かうことなのか?
風に乗れるならどんなに楽だろう
それだけ軽くなれたら
こんな悩みも一息で飛ばせるのに

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復讐代行〜第8話 遅刻〜

「優しいとしたら?」
「俺の体に対してだ!お前、俺の体で何をメソメソしてくれてるんだよ、なんか気持ち悪いわ!」
言っていて恥ずかしくなって思いっきり顔を背けた。
「あ…あんたの体が悪いんでしょ!私こんなんで泣くような女じゃないもん!」
「女って言うな!パニックになる!」
「私は女だもん!なんなら明日女の服きてやろうか!」
まるで友達かのようにテンポよく言い合いが始まってしまった。
「あぁ!もう!なんでお前とこんな楽しく話さなきゃいけないんだよ!俺とお前はあくまでも体を入れ替えた、というより体を入れ替えられただけなんだぞ!」
むず痒くなったのともしも他人に見られたらという不安から突っぱねたくて仕方なかった。
「…もしかして?意識しちゃってる?しちゃってるんだ!自分の体にー!」
「気色悪いこと言うなー!」
俺が言い返した瞬間にとてもタイミングよく予鈴が鳴った。
「まずい、授業遅れる!」
駆け出して1歩目で気がついた。
「お前、先帰れ…俺が遅れる分には目立つという目的のためにもなるが、お前が俺と会ってて遅れたなんて知れたら計画はオジャンだ」
「わかった!じゃ、お先に!」
足を止めることも無く“俺”は走っていった。
その抵抗の無さと俺の体が明らかな女の子走りしている姿に改めて現実を感じた。
「少しは遠慮しろよ」

to be continued…
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前回の話数間違ってましたね
失礼しました。

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真実

T「発表のテーマを食文化と歴史、どちらがいいかグループで決めてください。」

A「え〜歴史とかつまんなすぎない?」
(食文化やりたい)
B「だよね〜ちょっとね〜」
(お城とか興味あるんだよね……)
C「だね〜」
(歴史、めっちゃ好きなんだけどなぁ……)
D「じゃあ食文化にする?」
(どっちかっていうと歴史やりたかったけど……)
A「そうしよ〜」

誰か教えてください。
この世の中、何が本当ですか?

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気づかないでね、

気づかないでね
いつもよりハイテンションなのは
悲しいことがあったからだけど

気づかないでね
手が震えてるのは
不安と孤独の表れだけど

気づかないでね
早口になってるのは
そんな私を隠したいからだけど

気づかないでね
本当は、本当の本当は
気づいてほしくて堪らないのだけど

0

考査前

蛙の鳴き声で目が覚めて
まだまだこんなんじゃだめだって
手にしたシャーペンは震えてる
0時47分の孤独を
拐ってくれる誰かは何処に。

0

トンネル…

前テレビで聞いた。
タイムワープはもうあるんだって。
それはトンネルなんだって。   
トンネルの入り口は雨でも
出口から出ると晴れの時がある。
もしみんなの気持ちが
トンネルで溶けたらそんなふうになるといいなって思う。
トンネルの入り口は悲しい気持ちでも
出口から出ると明るい気持ちになる
そんなトンネルがあったらいいな
そう思った1日でした

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車…

最近は車が多くなって
だんだん人が増えて
思うことがある
これからどうなっていくんだろう。                 
嫌なこと全て
楽しいこと全て
忘れてしまう日がくるんだろうか。
車が猛スピードで走った時
景色が見えなくなる
そんな風に嫌なこと全て
忘れてしまいたい
そんな日があってもいいな。
みんなの嫌なこと。
忘れたいこと。  
忘れられたらいいな。
みんなの中に
そんな日が来ますように。

からみだいこんはずっと願っています。

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空の青さを知る君は明日海へ行く

舞は少しがっかりしつつ、ゆっちにまた心配されてはいけないと、話を別の話題に変えた。おかげで、放課後には鼻歌を歌うほど、気分は爽快だった。しかしそれは、帰り道に頭上をはやぶさのごとく通り過ぎた戦闘機の爆音にかき消された。

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軽犯罪

重い荷物
・抱きかかえて殺すために寝る
・背負って生かす

私は罪を犯すということ
貴方は自分に罪を与えるの

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泡となる

ある海に 異形頭で鱗の欠けた人魚がいました
その人魚は 周りの人魚たちにからかわれていました
ある日苦しみが限界に達した人魚は
涙の雫をこぼしながら 泡になりましたとさ

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チミツ

細やかに練られた秘密が
とても甘いのを知ってる?

パパやママにさえ 知られない
バカなままでいま 味わえる

くだらないダジャレでも
感じるようになる もうじきに

ハチミツみたいさ 悪戯なsweet/sweet
服、似合ってるよ かなり素敵

つき刺して その先へ
振り出しへ 戻ったって
打ち明けて ボクに 秘密
浮き足で 踊っちゃって

細やかに練られた秘密が
とても甘いのを知ってる?

ハチミツみたいさ

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空の青さを知る君は明日海へ行く

「いいね!行こう!歌いまくって舞の気分あげちゃうぞ〜!お…。…。あ、私、今日、家の片付けあった…」
ゆっちは、笑顔から一気に申し訳なさそうな顔になり、舞を見た。
「そういえば、ゆっちの地域、この前の空襲ですごい被害受けたんだっけ」
「うん…まだ瓦礫とか片付いてなくて、あはは…」

0

空の青さを知る君は明日海へ行く

2xxx年日本
科学が進み、グルーバル化が進み、人々はより、豊かで平和な暮らしをしていた。
ならば、どんなに良いことだろうか。
しかし、世界はそう簡単にまわらないものである。
歴史は繰り返す。戦争も繰り返す。あたりまえという感覚に痺れて。

「舞!おっはよ〜!!この前の空襲、びっくりしたね!!」
「おはよ〜ゆっちはあいかわらず、朝から元気だね〜」
「そういう、舞は最近ずっとなんか、怒ってるように見えるけどどうしたの?」
「別に〜なーんも、月曜日だからだよ、きっと」
そう、舞は最近、確かにイライラしていた。しかし、なぜなのか、自分にもよく分からなかった。舞はゆっちの声に起こされるように、重たい頭を机から離し、ぼんやりと教室を見渡した。朝から昼のテンションでじゃれる男子、机に突っ伏して軽くいびきをかく人、宿題を忘れたのか青ざめながら、声をかけまくっている人、廊下では、他のクラスの女子が固まって何やら、アイドルの話をして盛り上がっている。
何気ない日常。
でも、そんな何気ない日常は、窓をカタカタと揺らす風と爆音で一瞬消え去る。全員が一瞬窓の外を見、再び視線を戻す。
「あ、舞、見て見て!まただ、さっきも飛んでたんだよ、あの戦闘機、最近、よく見るな〜」
そう、舞のイライラの理由はそれにもあった。
今、日本はとある国と戦っていた。気がつけば早6年が経過していた。正確に言えば、日本のある領地に攻めてきたところを守っている、らしい。どちらでもいい。こんな、戦争早く終わってほしい。日本が徴兵制を復活させてから、何百年。過去には第三次世界大戦とか、色々あったらしい。そして、今起こっている、戦争のおかげで舞含め全員がそこそこ楽しみにしていた春の合宿が中止になった。その他にも空襲のおかげで、様々なことができなくなった。この前だって…
「ねぇ、舞?ねぇ、大丈夫?」
舞はゆっちの声でハッと我に返った。その瞬間、一気に周りの雑音が耳に入ってきて一瞬世界がぐにゃりとした。
「ごめん、ちょっとぼっーとしてた。」
「そう?なんか、ものすごく怖い顔してたから、心配しちゃった。何かあったら、なんでも言ってね。あまり、役立たないかもだけど。」
「うん、ありがとう、そうだ!今日放課後カラオケ行かない?」

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おとなる

大人んなってしまったか?
もしかしてそうかも

音 鳴りだしてしまったら
ボクはまた子ども

ボクとキミはドキドキ
ヒーロー 敵を八つ裂き
ま、出来やしないけど

大人んなってしまったか?
もう戻れないと思うけど

音 鳴りだしてしまったら
うまく巻きもどるんだなー コレが

ようやく人に成った
ようやく人に成った
そうは言えどもなんか
まだまだひとでなし

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ⑰

「…まぁ、とりあえず」
話がいったん落ち着いた所で、わたし達の間に耀平が割って入る。
「もう黎のことつけないって事で良いですかね?」
そう聞かれて、恵梨さんははい…とうなずいた。
「すみませんでした」
「分かったんならそれで良いんだよ」
もうつけてくるんじゃねぇぞ、とネロは念押しした。
「…じゃあ、わたしはこの辺で」
恵梨さんはわたし達に一礼すると、駅の方に去って行った。
「これで一件落着かな~」
去って行く彼女を見送りながら、ネロは伸びをする。
「ま、そうだろうな」
あれ程言っといたんだから大丈夫だろ、と耀平はうなずいた。
「んじゃ、俺達も行くかね」
師郎がそう言うと、だなとかだねーと言って、後の3人は同意した。
そして彼らは歩き出した。
「あ」
わたしも…と言って、わたしは彼らの後を追いかけた。

〈9.エルフ おわり〉

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頭痛

頭が痛いと
意識を保つのがしんどくなる
このまま何にもしないで
寝てしまおうか

目を閉じるけど、わかってる
やることあるよね
明日も学校だよね

頑張ろう、少し休んで、そしたら大丈夫。

頑張りすぎないように、でもやることはやる。

とりあえず、少し休もう。

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既読。

いつまで経っても既読のままで
返らないメッセージを開いて
画面の向こうにいるのかすら
分からない君に溜息をつく
どれだけ待っても返さないから
私の語尾が愛想尽かして
もういいよ、って思った時に
返ってくるなんてずるいよ

「会いたい」なんて送れなくて
「ごめんね」ばっかり言い合って
「だいすき」って最後に
君が言ってくれたのはいつだろう

「さよなら」が辛いから
「ばいばい」なんてしたくないから
「ごめんね」が積もる前に
早く「だいすき」って言って
溶かしてほしい、
解いてほしい、
私の思いを大問一個分ほど。



いつまで経っても既読のままで
返らないメッセージを開いて
画面の向こうで悩んでる
君を想像して息を吐く
どれだけかかってもいいから
私の語尾も待ってるから
教えてほしい、ほんとの気持ち
返さないなんてずるいよ

解答期間は「さよなら」までだよ、
「だいすき」で誤魔化さないでね。
何度でも消して、また解いて、
へへへって笑って、「解けたよ」って言って。

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空の青さを知る君は明日海へ行く

序章

「舞さん、僕は明日海へ行きます。もう、戻ることはできません。あなたと過ごせた日々は私にとって、とても、幸せでした。では、さよなら」
彼の声はいつもと変わらず、いや、今まで一番冷たく、悲しげな響きだった。
運命の残酷さを知った。

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つめたいかみさま

 
 自販機にわたしをなぐさめてくれる言葉がひとつもない時、哀しみと引換にいただいた小銭はどうしようもない雨にうたれます。

 「あったかい」 を選んだはずの110円の予言者による自動音声---

「あなたに会えなかったことだけを描きしるす日記が、これから、わたしがある日を過ごした分だけ積み重なるよ。」

---が流れた後、光る赤色のランプは7777。


 だからあしたも、君がいない金曜日。
 君がいてほしい金曜日。

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その笑顔は本物か

あの子はいつも笑っていた
でも 僕には作り笑いにしか見えなかった
ある日「その笑顔、本物?」と尋ねてみた

「あなたのそういうところ、キライ」
あの子は顔を歪めて泣いた
嘘の笑顔はもろかった

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復讐代行〜第6話 進歩〜

「とにかく目立って欲しいの、私たちが入れ替わってるなんて誰も気づかないし思いつくはずもない、だから私にあいつらの目を引き付けて欲しい、そしてできるなら奴らの弱みになりそうなこと、この際、いじめの決定的証拠でもなんでも構わないわ」
「とにかく目立てって、ここまでは用意周到だったのにここだけ急に人任せだな」
ここまで惹き込まれていた自分が情けなく感じられた。
「しょうがないでしょ!自分なんてどうなったっていいっていうメンタルで考えてたんだから!」
さっきまでの毅然とした態度から一転普通の女の子のような甘え様だ。とはいえ、自分の姿でやっていることがどうしても気になってせせら笑うことすら叶わない。
なんとももどかしい…というか気持ち悪い。
「はぁ、まぁ俺のやることはわかったよ、どちらにせよお互いのことを知らなければこの計画は成功しない。下手なバレ方をして面倒なことになるのも避けたいから、お前のことを一通り教えろ、学校での振る舞いはもちろん家の事、家での会話、部屋の使い方、その他諸々だ」
理想やら革命やらという輝かしい言葉に失望した途端に冷静になって必要なことが次々に思いついた。
「やっぱり話して正解だった、私だけじゃ私を大切にできない…だからあなたの…他人の体なら、きっとまだ生きたいって思えるって…」
“俺”は泣きそうな顔だった。
「でも出来なかった…結局私は私のことが嫌いで!自分じゃない誰かになりたくて!自分の体を誰かに押し付けたかっ…」
自分でも何故かわからなかった、しかし俺、もとい私の体は“俺”の体を抱きしめていた。
“何をしている…?俺の意思?違う…体が…勝手に…”
「何?あなた、そんなに優しかったっけ?」
「勘違いするな、俺じゃない、優しいとしたら…」
お前だ、という言葉は出す前に飲み込んだ。
言ってしまったら関係が変な方向に行ってしまう
そんな気がしてならなかった。

to be continued…

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生きてるだけで偉いよ

汚い言葉、凶器に満ちた世界で生き抜くこと
それはそんなに偉いのか
たまにそんな問にぶち当たる
活躍すること、名を残すこと、感謝されること、
偉いことなんて沢山ある
でもだからこそ、
その未来への門の前から逃げないこと
それが偉いんだ
ただ漠然と生きるんじゃない
死にたいという気持ちに打ち勝つことこそ偉いんだ

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We Are Travelers

僕らの失敗が誰かを苦しめて
お互いの荷物の重みは分からない
だけど忘れないで
喜びと後悔似たもんでできてる
誰かと笑えるように

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まいにちまいにち

どうせなにも起こらないのが苦しいの
なにもできないのが苦しいの
おなじクラスじゃないのが苦しいの
一応おなじ空間にいるのもそれはそれで苦しいの
いつまでも思い出にすがっちゃうのが苦しいの
もう君のなんでもないのが苦しいの
どきどきしてたいだけなのそれもそれで虚しいの

もう会えなくなるのもそれはそれで

だけど

おなじ空間にいられるあと一年は
せめてせめて
君がくれたその感情で苦しませて

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ⑯

「…んじゃ、コイツと友達になれば?」
「え」
ネロに突然指をさされてわたしはつい困惑する。
「この人一般人だけど友達ほとんどいないし…」
「いやいやいや」
ちょっと…とわたしはネロに突っ込む。
ネロはえー何だよ、とジト目でわたしの方を見た。
「別に良いじゃん」
アンタも友達全然いないし、とネロは言う。
「この女とお似合いだと思うぞ~」
ネロはそう言ってニヤニヤした。
「…」
わたしは呆れて何も言えなかった。
「ふふふ」
不意に恵梨さんが笑った。
「ん、どうした?」
ネロが尋ねると恵梨さんはこう答えた。
「…いや、仲良さそうで良いなって」
「そうですか」
「そんなワケない」
わたしの言葉を遮るようにネロは否定した。
「…別に、コイツの事なんかどうでも良いし」
ぷい、とネロはそっぽを向いた。

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私を好きなフローリング
抱きしめて離さない
大事な温度を独り占め
冷たい肌に寄せては返す
気怠い波に揺られてる
知らない髪の毛気になるけど
次の重力で瞼は落ちる

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人の本当の苦しみなんて
誰にもわからない
でも
周りの誰かの存在が
いつのまにか自分の支えに
なってたりする
だから
わたしの言葉が
誰かの支えになりますように

大丈夫 ぜったいに大丈夫

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今日思ったこと

夢とか希望とか持てなくなっても
小さい幸せすら感じられないくらい今つらくても
大切に想ってくれる人達からの愛がいろんなとこにある