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冬の朝

窓の結露をひとりなぞった
指先に伝った一筋の雫
ぽたりと落ちた


冬の朝はこんなに眩しくて

ふっとあなたの温もりが

恋しくなる季節

あなたとわたし
ひとつのマフラーで繋いだ

真っ赤なマフラーに染み付いた
あなたの香りがこんなにも
懐かしくなるだなんてね

小指絡めたあの日

あなたは覚えていますか?


不意に昇華して消えた


一瞬の余韻に止まった街は

なにも無かったかのようにまた忙しなく

動き始めるのね


濡れた指先朝陽に翳して

きらきら光った雫

ぽたりと落ちた


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風の強い日

僕、風にのって空を飛んだのなんてはじめてだったよ

にんじん畑をあらしてしまってごめんね
新しいお家もこわしてしまってごめんね

すっかりほどけてしまってたけど
マフラーの糸の先にいるのは君って思ったら
ちっともこわくなんかなかったよ
いや、そりゃ ちょっとはこわかったけどね

今年の冬はさむいね
君は風邪、ひかないようにね

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LOST MEMORIES ⅢCⅥⅩ

瑛瑠はそのあと、しっかりと責任をとって英人にかけられた不名誉な疑いを晴らした。
彼にしては珍しく表情を顔に出し、不機嫌そうにする。
「すみませんて、英人さん。」
「僕を犯罪者にでもする気か。」
歌名の座っていた椅子に座った瑛瑠は、向かいの英人に謝る。
そっぽを向いてしまった英人に瑛瑠は困ってしまい、歌名と望に目で助けを求めるが、ふたりとも苦笑いを返すのみ。
「今回は、瑛瑠が悪い。」
「紛らわしい言い方はよしてよ、瑛瑠さん。ぼく、本気でぞっとしたから。」
ここまで言われてしまったら、反省する他ない。
瑛瑠は英人をつつき、再度困ったように謝る。
「犯罪者にする意図はまったくもってありませんでしたし、英人さんなら犯罪じゃないですから。」
そういうことではないし、そういうところだぞ祝瑛瑠。
3人が、完全に諦めた瞬間だった。呆気にとられている歌名と望を置き、一足先に冷静になった英人は、深いため息をひとつつき、苦笑する。
「もういい。瑛瑠はもっと表現力を学ぶべきだ。」
きょとんとする瑛瑠に、さらに言う。
「無防備なのは僕の前だけにしてくれ。」
その一言に対する狼男と透明人間の抗議により、朝の時間はさらに賑やかになるのだった。

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Advent 12/13

「なあ、今度みんなで集まらないか? あの場所で、もう一度 別に今すぐ、行くかどうか返事しなくていい。当日でもOK」 
「12月1日 14:12 既読済み」
「25日なんだけど、みんなはどうする? 俺は迷ってる。本当は行きたいけど…」
「12月12日 16:38 既読済み」
「…」
スマホの画面をスクロールする手が止まる。そもそも、そこまでたくさんスクロールするほど、見るメッセージはない。
新たなメッセージが来たのは、つい昨日の夕方の、4時くらいのことだ。
最初は、誰かが決断したのかと思った。でも違った。想定外の展開、まさかの確認みたいなメッセージだった。
もちろん、新たなメッセージの送り主は、最初の”彼”とは違う人だった。
これで分かったことは2つ―1つはみんな、互いの様子を見ていること。
もう1つは―まだ、みんな迷っているということ、つまり決めていない。
多分みんな、行くかどうか迷ってるんだろうと思った。ということは、全員あの場にそろう可能性があるということ。
「私も行きたいけれど―」 
今のこの状況で、行けるのか? 会場には6人の中で一番近いとはいえ、親が行くことを許すだろうか。
(受験生、時間帯、約束―)
どうすべき? 私はどうすべき? 親に反対されるのなら、行かないほうがマシ?
それで志望校合格できなかったら、何を言われる―?
何気なく、窓の外を見た。最初のメールの送り主のところは、もう雪が降ったんだっけ?
「いいなぁ、12月で雪が降るんでしょ? じゃあ、ホワイトクリスマスじゃん! すっごい素敵~」
「はぁ⁉ 雪かきめんどいよ? なんなら、東京みたいに、年に1回降るぐらいがいんじゃね? こっちなんて、雪の夜は全然ロマンチックとかじゃないからな。真っ暗だよ、ふぶいてたりもする」
「いつか行ってみたいな」
「あ、イチゴもイチゴも!」
「あの~こっちも雪降るんですが~」
「いいね! いつかみんなの家、行ってみたい!」
「俺ん家はちょっと嫌なんだけど」
「えー、恥ずかしいのかよ~」
「兄妹がめんどくさいだけだよ」
ワイワイ笑いあった、あの日。また会おうと約束した、あの場所。
もしできるのなら、叶うのなら―
「どうでもいいけど、今日はふたご座流星群あるんだっけ」
ふと、そんなことを 思い出した。

0

三角形

冬の大三角を探す。
名前覚えてないけどね。
繋いでみる、

まるで、僕と君と彼みたい。
君は彼しか見てなくて、
僕は君しか見ていない。


見たらわかる、僕に勝ち目がないことは。
ただの片想いってことは

乾いた笑いで
涙を浮かべる

とある日の夜

1

恋の色

はじめて自分で買った真っ赤なマフラー。
冬のにおいがしたからさっそくつけた。
ちょっと派手なんじゃない?って君は顔をしかめるけど。
いいの。
これは私の恋の色。
君のための恋の色。

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No music No life 番外編 SNOW SOUND/[ALEXANDROS]

結月視点



初めてあの曲を聴いた時、素敵だと思った。
あの曲は、雪の降る街で恋に落ちていく男女の話。恋なんて知らないけど、とても素敵だと思った。
ただ一つ確かなのは僕はあの曲に恋をしたこと。

首に巻いた、降り出した雪と同じ色のマフラーに包まれる顔があったかい。
また、音に恋するのかな。



“きれいな
きれいな
雪の音”


そう、ノートに書いて
今日は終わった。


—–———–———–———–———–———–———
初めて番外編書きました。
三題噺に重ねてみました!
どうだったでしょうか?
感想、是非ください!

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終わりの始まり

世界閉ざすフィンブルの冬
世界とぼくを、君のマフラーで繋ぎ止めてくれればよかったのに
すぐそこのラグナロクと、ひとつの恋と、ぼくの歌

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君と私は

夜空を見上げ

ふと思う。

君の誕生日は12月。

それならきっと

射手座か山羊座かな。




君の星座は

どこだろう。

ゆっくり探してみるけれど

射手座と山羊座は

夏の星座なんだ。


君の星座が

見えない夜空。

なのに

私の星座は

この夜空にある。


どうして。



君と私は

いつでもすれ違い。

0

オリオン座の思い出

「あれが、オリオン座。ほら、真ん中にみっつ、星がならんでいるでしょう?」
そういってオリオン座をさした
あなたの細くてしろい指先を
今でもはっきりと覚えている。
オリオン座は砂時計の形に似ているみたいだねって
そういったら
あなたがそうねって
ほほえんだことも。

旅にでた先で
あなたが教えてくれた
あの星をみつけるたびに
なつかしいようなせつないような気持ちになる。

あれは
あなたに会った最後の夜だった。
あの星は
あなたがくれた最後の贈りものだった。

今あなたのところから
オリオン座はみえていますか?


2

走る

久しく乗っていなかった愛機の覆いをとった。8年前俺が恋して止まなかったBMW K1300R。マフラーも取っ替えてボアアップもして、かけがえのない俺の相棒だった。
けれどいつしか、仕事に追われ、色々と言い訳をしながら、ガレージに眠らせてしまっていた。しかし、それも今日で終わる。
三日間部長を説得した後、一週間の有給をとることに成功。こいつも多少整備して、日本縦断旅行をするんだ。この年末の忙しいときに何なんだと散々嫌み言われたけれど、そんなことは気にしない。あの頃のように、気ままに、スロットルを。排気音鳴らして走り抜けるんだ。あの頃の記憶が甦る。眠っていた俺のライダー魂が疼きだした。

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眼球

寒い冬の朝

小さな針に刺されるような

凍てつく寒さに目を開く

知らない間に冬になった街

ひとり置いていかれた僕

凍結した路上

鼻の奥を刺す冷気

それらすべてを知らなくて

ふっと無邪気に息を吹いた

白い煙のように

溶けて消えた

可笑しいくらいに眩しい朝陽見上げて

ころん

目が落ちた

眼球が

ひとつ淋しく転がった

僕の残った目

落ちた目

絡み合う視線

まるで物を隠すように拾う

指先に刹那触れたアスファルト

冷たさが指先にこびりついた

ぎゅっと眼球をもとにもどして

さあまた街に出掛けよう






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茨の矢

あなたの冷たい唇

なぞったあの瞬間

今も横切ってゆくのあたしの目の前

死んだあなた

矢を射った

張りつめた弓

茨の矢はあなたをを貫いて

血を流したハートのエース

オリオン

あなたを夜空に浮かべて

ずっと見ていた

あなたに会いたい

今すぐに

でもあなた

あたしのことを許してくれないかしら

それとももう忘れてしまったかしら

オリオン

あなたが好きよ


✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽✰⋆。:゚・
⛥オリオン座⛦

皆様お馴染みのオリオン座です。狩猟の女神アルテミスとその恋人オリオン。しかしその仲を良く思わなかったアポロン(アルテミスの兄)の仕組みによって、アルテミスは自らの手でオリオンを矢で射って殺してしまうことになる。そして甦らせることも許されず、せめてオリオンを空にというアルテミスの願いによってできたオリオン座。
若干悲しいお話でした。(ギリシャ神話より)

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奪い去る

縋りついたマフラーの
僅かに温もりが残っている手を
そっと胸に引き寄せて

雪上に残して消えていった足跡を
ただ点々と追っていくのみ

晒した手の温度を
冬は無慈悲にも奪い去っていく

胸が痛むのも構わず
必死に掻き寄せるけれど

あなたがいない冬は
冷酷な玄冬の寒さを思い出し
肩を震わせてしまう

空は涙を流さずに
ただ走馬灯のようにゆっくりと
重たい雪を私に積もらせるばかり

あなたの残したすべてが
私から音もなく去っていったとき

熱い雫が一滴
頬を伝っていった

恋の、これが最後の滴である。

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恋の魔法

この街にも冬が来て
どこからかキャロルが聞こえる
街が赤と緑に輝くころ
約束の木の下で待ち合わせ

君はマフラーをなびかせて
駆け足でやってくる
降り出す雪を合図に
そっと君の手を取って歩こう

僕の顔は赤くそまってるのは
胸の鼓動が高鳴るのは
そうさ
きっと恋の魔法だろう





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或るぼっち少年の冬の考察

冬。恋人達が外気温と反比例して熱くなる季節、だと思う。まあ、イベントが多いものな。クリスマスとか、冬至とか。このことに、最近になって気付いた。
まあ、一人でも良いんだよ。僻んじゃいない。
ネックウォーマーと手袋で完全武装して帰途につく。これだと頭が少し寒いな。来年は帽子を買うなりしてみようかな?
マフラーはあまり好きじゃない。理由は特に無い。何となくだ。
冬の夜の帰り道は好きだな。星がよく見える。少し首が痛くなるが、それだけの価値はある。

1

星談議

A「夏の大三角は、ベガ、アルタイル、あと何だっけ?フォーマルハウト?」
B「馬鹿、それは南の魚座だ。デネブだよ。むしろよくフォーマルハウト知ってたな」
A「そうだったね。じゃあ、冬は?」
B「シリウス、プロキオン、ベテルギウス」
A「じゃあ春」
B「アルクトゥルス、スピカ、デネボラ」
A「じゃあ秋は?」
B「ペガスス座の星4つが秋の大四辺形ってことになってる」
A「じゃあ、冬のダイヤモンド、全部どうぞ!」
B「リゲル、シリウス、プロキオン、カペラ、ポルックス、アルデバラン」
A「おー。さすがだ。けど僕は、他のどの三角形よりも、冬のダイヤモンドが一番好きだな」
B「ほう。その心は?」
A「だって、ただでさえ綺麗な冬の星を、6つ並べてダイヤモンドに喩えてるんだぜ。これ以上無くロマンチックってもんだろう?」
B「そうですね」
A「なぜ敬語?」
B「いやさ、冬のダイヤモンドのポルックスって星あるじゃん?双子座の弟サイド。神話でも兄に先立たれて、ダイヤモンドでも兄さんと分断されるって、ちょっと可哀想だな〜、て思ってさ」
A「君はそんなことを考えて生きてたのかい?」
B「それが何?」
A「星が綺麗で素敵だね、それで終わりで良いじゃないか」
B「お前はものを考えなさ過ぎなんだよ」
A「君こそ難しく考え過ぎだぜ。もっと楽天的に生きろよ。シンプルは美徳だぜ」

2

夏の日

ある晴れた冬の日。
学校に向かう道の途中で、
凍結した路面で滑って
後頭部を強打した。
一瞬ぼんやりとした意識の後、
不意にこんなことを思いめぐらす。

嗚呼、夏が恋しい。
太陽の光輝いて
青と緑に溢れる夏が。
それに比べ冬はどうだ。
すべてが灰色の世界、
白々しいイルミネーションだけが
虚栄を張って、
夜空の星と競って瞬く。
コートは重くのしかかる。
毛糸のマフラーは鼻を突く。
かくも駅前を敷き詰める
マスクの人々にくしゃみを一つ。
あわれリゲルは燃え尽きた。
シリウスとうに砕け散った。
一人残された子犬は、
空き箱の中濡れそぼる。

収拾がつかないので立ち上がった。
見ればあの日のフルーツジュース。
そこで漸く悟るのだ、

僕の夏は糸冬わったのだと。

1

無題

冷たい風を受けて思い出した。
「今日からマフラー巻いていいんだっけ。」
クローゼットから取り出したマフラーは昔、貴方に貰ったもの。
貴方がいなくなってもう何年かな。溢れそうな涙を深呼吸で押し込めて、家を出る。
マフラーに貴方の香りが残っている気がして息を吸い込む。離れたくなかったな。ずっと一緒にいたかったのにな。
今更、そんなことを思って切なくなる。
真冬に突然終わった恋。
忘れたかった。忘れたくなかった。

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畢宿の季節になりました.

秘密のお菓子があるの.素敵なお菓子よ.
でもね,何処に在るのかは誰も知らないの.

噂によると,星屑みたいにきらきら光るんですって.魔法みたいに溢れ出すんですって.

そんなことより,三つ星レストランに行きたい……?
ふふ,それもそうね.

ご覧なさい,外は星が降っているわ.
もう,雨降り星の季節なのね.


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

畢宿(ひっしゅく/あめふりぼし)
また、雨降り星とも。

畢宿=おうし座の星(おうし座は冬の星座)

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カシオペア座

鍵に導かれ
カシオペア座の元へ
現れる白い扉
どこまでも続く階段
君の目的は?

階段を抜けた先
待つのは森と海
勇者が集いし時に開かれる鉄の扉

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嫌気がさすよな真夜中

不安で不安で不安で
行きたくない
嫌で嫌で嫌で嫌で
生きたくない

そんな感情が渦巻いてたら
いつのまにか12時だなんて

世界は残酷
この命がいつ終わるかも教えてくれないで

2

おやすみ即興詩。

恋に落ちることなんて、簡単だ。
…ほら、足許をみて?
可愛い「冬」が、マフラー巻いて
じっと見つめてる、瞳をごらん?
凍えた唇を、ふ と緩めて
まじで、恋に落ちる5秒前…



皆さんこんばんは。ユーレイ部員のシャア専用ボールです。三ヶ月ほど前からなんとなく復活している三題噺企画、今月もやりますよ(しゃち、待たせてごめんね)
お題は「冬」「恋」「マフラー」のみっつ。敢えてベタなのを選んでみました…笑
12月も残り半分と少し…よかったら楽しんでくださいな。

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Advent 12/12

「? 何見てんの?」
「別になんでも?」
「ちょっ、見せろや」
「あーっあーっ、ちょっと~」
ホタルは俺からパッとスマホを取り上げると、メッセージアプリの履歴を眺め始めた。
「ふ~ん、なんもしてねぇのか」
「そう」
「さっきの感じからして、恋人とやり取りしているのかと」
「は⁉ そもそも、お前そういうのに興味あった⁇」
「ボクはそういうの興味ないし」
「…その一人称やめたら?」
「フン、やだね。これがボクなのだよ」
「やなかんじ」
変わらない掛け合い。特に一人称については昔から言い続けている。
ホタル、入間ホタル。おれの妹。生意気な小学5年生。
いつからか、自分のことを”ボク”と言っている。そういうの、俺は嫌なんですけど。
「でさ、フェスの件。どうすんの?」
「ああ」
実は決めかねているクリスマスの、”フェス”のこと、俺の周りで知っているのは、こいつ―ホタルだけだ。
こういう悩み事系は、優柔不断な弟のケイではなく、妹のホタルに言っている。
ホタルはこういう性格だから、悩み事は、アドバイスはくれないけれど―流し聞きしてくれている。
そういうのもあって、結構信頼してるんだけど。
「行くか行かないか、まだ迷ってる」
「そういうのは早く父さん母さんに言うといい」
「まぁそうだけど…」
「…行けば?」
ホタルがこっちを見ている。その釣り目が笑っている。
「…とりあえず、みんなに聞いてみよっかな」
「いんじゃね? ボクには異論を言う立場じゃない」
俺はホタルからスマホを取り返すと、みんなへの”言葉”を打ち始めた―

昨日に比べれば、短いかも。もしかしたら、ここはカギになる回かも?

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LOST MEMORIES ⅢCⅢⅥⅩ

ただならぬ望のオーラを感じとり、英人は降参,と手をあげる。
「あのとき嫌な予感はしたが、まさか本当に言うとはな。」
「私は、聞かれたので答えただけです。」
恨みがましく睨み付ける瑛瑠に、瑛瑠は家にいる自分の付き人のように飄々と返す。言い合えるのは、昨日を乗り越えたから。
「どこまで話した?」
英人の問いに微笑んで返す。
「英人さんと喧嘩してしまって、どうやら逆鱗に触れた私は、引かれるまま家へ連れ込まれ、泣いて謝ったという旨を軽く説明しただけです。」
「え?」
「は?」
「……霧、それは本当?」
歌名はそんなことまでは聞いていないという戸惑いを見せ、英人はかすっているようで根本的に何かが違うような脚色を目一杯使っている発言に驚き、望はそのまま受け取った衝撃が怒りへ変換されていく。
この、そうなのだがそうじゃないと言いたくなるような言葉で多大なる誤解が生まれ、英人の取り調べに暗雲が立ち込めたのは言うまでもない。

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No music No life #4 うみなおし

結月視点



目が覚めた。
白い天井が見える。
ああ、そういや僕、倒れたんだっけ。


【続く】

2

シリウス

冷たい空が帳を下ろす

新月の闇

いつもより明滅の少ない

十二月の夜

見慣れた空は違って見えた

なぜだか手のひらが熱かった

寂しいとは思わなかった

ずっと僕は一人だったから

さっきまでが特別だっただけなんだ

もと塵の僕らが

塵に帰ることを

それほどに恐れるのも

滑稽なのかもしれない

胸を焼き焦がしたあの星は

まだ青白く輝いている

誰より近い場所で





シリウス『焼き焦がす者』

2

alone galaxy

わたしの頭を通ったほうき星に
願いをのせて 境界超えて あなたのとこへ
遍くギャラクシー

あなたへの思いを夜空に詰め込んだなら
星が溢れる 思いが溢れる
そうよ あなたわたしの明星だから
おねがい わたしを照らしていて

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アバンチュール

大好き なんて言葉
まぁ本心じゃないだろうね
繋ぐ手があればどこでもいいんでしょ?
テープで貼り付けた言葉だろう

その真紅の口を開いて
甘い言葉を囁く君は
いろんな男を落としてきたんだ
きっと 誰でもいいんだろう

絡み合った糸が解けないなら
いっそ切ってしまおうか
まだ君のことを好きでいるままで
あの夜の口付け越しの約束が嘘になる前に

1

お願い

私もリクエストしてみていいですか??
星の詩を、作っていただけませんか??
星という言葉や星座の名前など、星に関係する
言葉や表現が入っているものを募集します!!
美しい詩が沢山生まれそうなので、楽しみにしています。
タグは
ホシノウタ
でお願いします!

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待宵

待宵草の花明かり

月夜に照らされた鏡台向いて

紅差指を離した

唐紅に染めた唇

かたぶく三日月の輪郭をなぞった

遠くに揺らめいた不知火


あなたをひたすら待って

ひとり虚無な私

また鏡向いて紅を差す

何度も

何度も

なぞった唇と三日月


そのうちに

笹色に厚塗りしてしまった紅

あなたはまだ来ないのね

明け始めた夜は

空蝉に散った徒花



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稲荷大明神〈弍の巻〉♯3

 外で待っていると、千鳥足で出てきた稲荷大明神が、手のひら大の印刷物を僕の目の前に掲げた。福引き券だ。今日が抽選会の開催日だった。
「この近くのショッピングセンターですね。行きますか? どうせテッシュしか当たらないですけど」
 そう言うと稲荷大明神は、にやりとして、いたずらっぽい視線を僕に向けた。
「凄い行列ができてますよ。寒いのに並ぶの嫌だなあ」
「並んだだけの価値がある結果を出すから我慢しろ」
 三十分近く待ってやっと順番が来た。稲荷大明神がおごそかにガラガラを回した。
 特賞が当たった。
「僕、4Kテレビがよかったなあ。旅行って興味ないんですよね」
 帰路、僕は稲荷大明神に言った。特賞は温泉旅行だった。
「正月休み、することあるのか? 友だちも彼女もいないのに」
「……勉強、します」
「たまには息抜きも必要だ」
 稲荷大明神が前を向いたまま言った。

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片思い

あんなに好きだったのに。
半年くらい会わないだけで、こんなにも簡単に薄れてしまうものなのね。
記憶は更新され続け、その波にあなたは押し流されて消えていく。
だけど。
あなたは魔法使いだから。
魔法が使えるから。
私はまたその魔法にかかって、すぐさまあなたの虜になってしまうんでしょう。
そうして逃れられないんでしょう。
でも、あなたはそれに気がつかない。
自分が魔法をかけたことに。
私があなたを好きでいることに。
私がここにいることに。

それでもいい。
それでもいいから。


もう一度、あなたに会いたい。

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This is the way.[Ahnest]17

「ほんで、はっきのはなひのふどぅきなんだけど」
「なんて言ってんのかわかんないわよ」
口一杯にパイを詰め込んで話すアーネストを、シェキナが窘める。アーネストは近くの雪を一掬いすると、口に含んで流し込んだ。
「っん゛、さっきの話の続きなんだけどさ」
「さっきの話って?」
「ほら、君は僕のことよく知ってるようだけど」
「ええ、アーネスト・アレフさん」
「だから、イナイグム・アレフだっての」
「ああ、そうそう、イナイグマレフ」
「うん、けど、僕は君のことなんにも知らないなって」
「アーネストのスペルってErnest?」
『Ahnest』
「あら、そうなの」
「えっ、いましゃべったの誰?」
「さあ、なんだか上から聞こえてきたけど」
ちなみにこの世界に英語の概念はない。彼らが喋るのはフレア語である。
「て言うかそんなこと訊いてない。僕が知ってるのは、君がシェキナ・アビスタシだってこと、貸馬屋の娘ってこと、僕と同じ経済学の講座をとってるってこと」
「それだけ?」
「それだけ」
「それはひどい話ね」
あぐらを組んでいた足を投げ出し、少し仰け反ってシェキナが言った。
「私はあなたがネウヨルク出身ってことも知ってるのに」
「いやごめんっ...てなんで僕の故郷知ってんだよ」
「ライネンさんに聞いたわ」
「おしゃべり......」
「ともかく、別に私のことをわざわざ話すこともないわ。どうせ二週間近く一緒なんだし」
「確かにそうだけど、なんか不公平って言うか...」
「そんなことないわよ。あなた、私の故郷知ってるでしょ?」
「......ソルコムだろ?」
「ほら、おあいこじゃない」
「うーん、なんか煙に巻かれた気が...」
アーネストは焚き火の火をつつきだした。火の粉が再びパッと上がる。
「ま、良いか」
「わかってくれたならいいわ。それより、この間来てた旅の楽士、あの人凄く良くなかった?」
「ああ、覚えてる覚えてる、盲目の六弦琴弾きだろ?」
「そう、私あの声どこかで聞いたことが......」

夜は更けるばかり。焚き火が崩れて、三度火の粉を上げた。

0

青さ

大事なのは

この
一瞬

終わらないでと願っても
忘れぬようにと祈っても
薄れゆく記憶がもどかしい

1

花が咲く頃に

その日夜は彼とLINEをしてた。ただのくだらない話、なんでって彼がそう言ったからそれがいいって。否定はしない。受け入れた。夜更かししすぎて寝坊したwでもそれ以上に昨日の夜が楽しくて、、、クスクス小さく笑う声が親に聞こえないか心配だった。打つ指が自然と気を使っていなかった。くだらなかった。バカでアホみたいだった。でも楽しくて嬉しくてお腹痛かったwさて、学校でも行こうかな。いやサボろうかな笑なんてねw
セミが鳴いている。ひたすら、自分の命が枯れるんまでいつまで。うるさいけどその生き様はいいな。決まってることを最後まで死ぬまで成し遂げる。後悔しないように私も生きなきゃね

0

猫ふんじゃった

みんなは鍵盤を見つけると弾き出すこの曲。
私はピアノを習ってたのに弾けないこの曲。
別に劣等感なんて感じてないけど
みんなとは違うんだなぁって思ったりもする。
そんな私が結構好きだ。

4

シンデレラ

12時でとける魔法

一夜限りの幻

彼女はそのあとの喪失感を

どうやってやり過ごしたのだろう

0

あの夏

自分を思って泣いていたあの人に
会いに行けなかったことを
探せなかったことを
声が聞こえなくなった今
後悔している。

0

稲荷大明神〈弍の巻〉♯2

 そう言って稲荷大明神は着物にハット、インバネスコート姿の老紳士に変化した。
「女子高生でもいいのに」
「女子高生におごってもらってたら格好がつかんだろうが。それに酒も飲みたいしな」
 ついて行くと、蕎麦屋に入った。老舗の有名店である。稲荷大明神はテーブルに着くとメニューを見ずに、「鴨抜きと蕎麦がき、あと雪男を冷やで。それと熱燗」と注文した。
「蕎麦食べないんですか?」
「蕎麦屋で蕎麦食ったら普通だろ」
「普通でいいんですけど……なんかそういう通ぶった感じ、好きじゃないなあ」
「おごってもらうのに文句を言うな」
 鴨抜きと冷やが運ばれてきた。
「抜きに冷やは野暮だってウィキペディアに出てましたよ」
「ははん。じゃあ熱燗とどちらが合うか比べてみろ」
 続いて運ばれてきた熱燗をちょこに注ぎながら稲荷大明神が言った。僕は熱燗を流し込んでから、しゃくしで汁をすくい、すすった。
「冷やのほうが合います」
「そうだろう。通ぶっているわけではない。わたしは美味いものが食いたいだけだ」
 鴨抜きと蕎麦がきを食べ終えた僕はせいろ蕎麦を頼んだ。稲荷大明神はぐいぐい杯を空けていった。
「どうだ。恋愛のほうは」
 稲荷大明神が目を細めて言った。
「あの一件以来、なかなか恋愛する気が起きません。それに僕、恋愛に妥協できないんです」
 稲荷大明神はさらに目を細めた。
「わたしは恋愛に妥協できないという人に問いたいのだが、恋愛以外のことも妥協しないのだろうか。仕事、趣味、遊びも妥協できないのなら恋愛に妥協できないというのもわかるが、妥協的な人生を送っているにもかかわらず恋愛は妥協できないというのは現実をふまえていない。仕事、趣味、遊びを妥協している人間の前に素敵な異性は現れない」
 腹がいっぱいだったが、僕は銚子に手を伸ばした。

0

こんな

こんな感情殺してしまえ
薬液につかして燃やすしまおう
灰にもならずに綺麗な二酸化炭素になれたら
と凄く今になって思います
先輩なんか好きにならなかったらならなきゃ良かった

0

ピンクのヘヤピン

先輩へ
お誕生日おめでとうございます!
明日どんな顔をしていればいいだろうか。
ずっと考えてる。今月に入る前かっこう考えてるけれど答えはなかなか見つからない。
明日、先輩の誕生日に私は部活を辞める報告をしなければなりません。
家庭の事情だから、どうにも出来ませんでした。
先輩なんか好きにならなかったら
もう少しだけ
悲しい気持ちにはならなかったですか?

0

Advent 12/11

「うおーい、おーい、」
べしべし、とワークでたたいても起きそうにない。まぁ、いっか。
あたしはまたテスト勉強に戻った。そうそう、なぜわたしは同じ部活の仲間―雨宮日苗(ひなえ)と一緒に勉強しているのか? その理由は―
「うわ、マジかったるいぃぃぃ…」
「夜更かししてんの?」
「そうだよ」
「え…えっら!」
「いや鈴もめちゃ頑張ってるじゃん」
「日苗も負けてないよ?」
「あそー」
今日はテスト2日目。実施教科は国語と理科と音楽。テストが終わるんたんびに、「あ~死んだぁぁ」
「マジ終わった」
「それなーー!」
こんな調子。あたしはうまくいったと思ってはいるんだけど…
「ねぇ鈴、今日も鈴ん家行ってもいい?」
「全然OK 」
「ココナとか、雪希音(ゆきね)とかは無理らしいけど」
「冷ちゃんも無理らしいね。やっぱあの子は、1人で勉強したほうが気が楽みたい」
「まぁ、そういう子だもん。鈴が勝手に巻き込んでるだけ」
「おい! それはひどすぎるぞぉ~」
「あははははは! じゃ、放課後また会おう! あばよ!」
「日苗…」
こんな会話を、朝教室で繰り広げていたのだ。
で、テスト終了後、こうして家で勉強中…なのだけど。
「今日は寝ないといったのにねぇ」
日苗はばっちり寝ている。昨日もそうだったんだけど。まぁ疲れてるだろうから、放置!
あたしは何気なく、スマホの電源を入れた。メッセージアプリを開いて、ちょっとメッセージを打ち込もうとした、が
「鈴ちゃーん! またねぇーっ!」
別れ際に全身で手を振った、”あの子”。あの時、絶対に来年も―と心に決めた自分。
なんだかあの子―だけでなく、ほかのみんなのことを考えると、今、自分が決断するのは早すぎるような気がした。
(今はまだ―)
「…鈴?」
「あ、起きた。」
「ウチは、今年クリスマスがなさそう。」
「それでも12月25日は来るよ? 受験生でも、崖っぷちでも。」
「さすがは鈴だね―」
日苗はそう言って起き上がった。

昨日のより、長そう(笑) ウチも受験勉強頑張らなきゃ…

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LOST MEMORIES ⅢCⅢⅩⅣ

「もうネタはあがっているのよ、さっさと吐いておしまいなさい。」
「……黙秘権を行使する。」
向かい合う者二名、傍観者二名。
望が、横にいる瑛瑠に、とうとう我慢できずに聞く。
「何しているの、あれ。」
「取り調べだそうです。」
「……霧、何かしたの?」
歌名が英人に問い詰める状態に、望は呆れたように尋ねる。
なぜか、ふたりの間の机の上に、デスクライトとカツ丼が見えた。
事の発端である瑛瑠は、まあ見ていてください,と望に笑いかける。
「弁護士を通してくれ。祝瑛瑠弁護士を望む。」
そう言った英人に、歌名は不敵に笑う。
「彼女は被害者よ。あなたがやったんでしょう?」
しっかりと茶番を演じる約二名。
望はぎょっとしたように瑛瑠を見る。
「瑛瑠さん、霧に何かされたの!?」
望を一瞥した歌名は、にやりと笑って英人に言う。
「はやく白状しとかないと、うちのボスは恐いわよ?」

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christmas lights

多分 世界中の誰にでも 見知らぬ大昔の聖人の誕生を祝う権利がある
昨日 世界のどこかで産まれた 見知らぬ赤子の生誕を祝うのと同じ温度で
望まれてなどいなかったかもしれない
君は泣いてばかりかもしれない
それでも僕は祝うよ

冷たい光の眩しさに顔をしかめるなら
全ての灯りが暖かかった頃の話をしよう
赤い服を着たお爺さんのおとぎ話を

世界は美しくなんかないかもしれない
それでも街を照らす灯りの中
誰の眠りも脅かされぬように

燃やそう
悲しみを 怒りを 憎しみを
光にくべ
天へ
そして地上には愛だけを残そう

世界は君たちのものだよ
メリークリスマス

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境目はどこに

誰かの中で完結した物語を掻き回すような背徳感で目が覚めた。夢だったのか、もう思い出せない。
12月の朝は、やたらと寒くて二度寝をしようと布団を顔まで引き上げた。
お腹が空いてもご飯は勝手に出てこないし、出掛けようよと布団の上から僕を揺する人もいない。「間違っていたのかも」そう震え声で言ったきり、その人は見えなくなってしまったんだ。ごめんとか一度だって言ったことはなかったのに、「明日になれば」なんてそんな期待が頭から離れない。
「なんで」って泣きじゃくる声が聞こえる。それは夢だったのか、もう思い出せない。
嘘ばかりついていたような気がしていた。それなのに、あの朝のコーヒーの匂いと窓から差し込む陽の光だけが僕の頭を支配して、今日が何曜日かもあれからどのくらい経ったのかもちっともわからない。

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瞬間をどう生きる

愛して愛し続けた人にふられ

ひどい喪失感に囚われていても

瞬間(とき)は進む

誰だ

ひどい喪失感に襲われるほど愛した人間は

誰だ

過去最高で号泣できるような恋愛ができた人間は

時間は無限じゃない

人は誰しも

何かを時間の埋め合わせとして

利用する

その埋め合わせに過ぎなかった


いつか

大切な人



時間

そして自分自身を失った自分を

許せるようになる日まで

瞬間よどうか

止まってくれ