どうも、テトモンよ永遠に!です。
3月も折り返し地点に達しましたので、現在開催中の企画のリマインドです。
「何それ気になる!」って方はタグ「魔法少女学園都市レピドプテラ」かテトモンよ永遠に!のマイページから企画設定などを探してみてください。
では以下要項の再掲。
だいぶ前の予告通り、企画です。
タイトルは「魔法少女学園都市レピドプテラ」。
“魔法”と呼ばれる特殊能力を持つ少女たち“魔法少女”が集まる学園都市“レピドプテラ”で巻き起こる物語を皆さんに描いて頂く企画です。
開催期間は3/3(月)〜3/31(月)まで(遅刻投稿大歓迎)で、ルールはこの後投稿する設定と公序良俗を守った上でタグ「魔法少女学園都市レピドプテラ」を付けていただければあとはなんでもOKです!
作品形式・分量・数は問いません。
自由に設定に沿った作品を作って投稿し合うだけの企画ですので、よかったら気軽にご参加ください。
ちなみに企画者はまだ参加作品を完成させておりません(笑)
見切り発車で投稿し始めてもうまくいかない気がするので最後まで書き切ってから投稿しようと思ってるのですが…企画期間内に最後まで投稿できるかどうか。
ちなみに今回以降も企画を開催する予定はあるのですが、正直最近の参加者数を鑑みると期間を設けずにやった方がいい気がしてきたのでこの形での企画開催は最後になるかもしれません。
なので「期間を設けた形がいい!」って方はぜひ参加してみましょう(一文だけのポエムでも構いませんので)。
という訳で皆さんのご参加待ってまーす。
ロノミアは左手に握った直刀“ヒナギク”を振り上げ、照準を定めた。その様子に、ササキアは警戒を強める。
(奴の構え……足を止めている? まさか、遠距離からでも当てられる刀なのか?)
ササキアの装備していた大盾が、2枚のやや小さくなった盾に変化し、両手に収まる。
(奴の攻撃力は把握できた。これで十分対応できる)
「駆けろ……“緋薙躯”!」
振り下ろした“ヒナギク”の刀身が伸長し、ササキアに迫った。ササキアは2枚の盾を構え、防御の姿勢を取る。
刀身は盾に衝突する直前、直角に軌道を変え、防御を掻い潜り切先を首に向けた。ササキアは身体を傾けるようにしてその刺突を回避する。
(刀身の『伸長』と『変形』!)
後退し、ササキアは双盾を構え直した。その隙に距離を詰めていたロノミアが、右手に握った太刀“チゴモリ”で斬りつける。ササキアは双盾で挟み込むように受け止め、そのまま刀身をへし折った。
「あ、テメ! よくもやってくれたな……!」
ロノミアがササキアを睨みながら距離を取り、“チゴモリ”の柄を強く握ると、鎺の隙間から赤い流体が溢れ出し、折れた刀身を埋めるように再形成した。
(あの刀も修復効果があるのか……)
「くそぅ……こいつを直すの、しんどいんだぞ? だから……」
ロノミアが両手の刀を真上に放り上げる。二振りは回転しながら上空で交差し、再び諸手に収まった。“ヒナギク”は刀身の変形効果によって“チゴモリ”と区別のつかない形状に変化している。
「これで、どっちがどっちか分かんないだろ」
「どちらが何であれ、防ぎ、砕く。それだけだ」
「良い答えじゃん」
ロノミアが二振りの刀を提げたまま、再び突撃する。
師郎にぶつかった少年が立ち去ってから暫く。
わたし達は異能力を発動させたネクロマンサーとコマイヌを先頭に、ショッピングモールの通路を歩いていた。
「ねぇ師郎」
わたしがふと前を歩く師郎に声をかけると、彼は、ん?と歩きながら振り向く。
「…どうしてさっきのあの子を追いかけようと思ったの?」
わたしが聞くと師郎は、そりゃああの少年が気になったからだよと答える。
「気になった?」
わたしが聞き返すと、いやだってさと再度前を向く。
「あの少年…ほんの少しだが異能力に匂いがしたんだ」
その言葉にわたしは、え、じゃあ…と言いかける。
すると師郎は、いやと遮った。
「この前のメドゥーサの時とは違う」
俺はネクロみたいに知っている異能力を気配で判別することはできないし、と師郎は続ける。
「別にあの少年は見ず知らずの赤の他人だ」
師郎はそう言いつつ上着のポケットに両手を突っ込んだ。
「じゃ、じゃあ何であの子を追いかけようと思ったの?」
わたしがそう尋ねつつ師郎の右隣に行くと、師郎はさぁ?と言って立ち止まる。
始業開始のチャイムが聞こえた。
「あぁあ…そ、そろそろかなぁ…」
銀色の髪の毛を指に絡ませて呟いた少女_シオンは二学期からこの私立中学校へ通うことになった転入生である。転入という経験は初めてのことで、彼女は妙に緊張していた。
「…ふぅ」
そっと息を整えると、ちょうど担任がシオンを紹介したところだった。
『_では転入生を紹介します。どうぞ』
担任の声と共に教室のドアが魔法によって開く。
「!はい!失礼します」
大きな返事をしてシオンは一歩を踏み出す。_と、その瞬間だった。
「いたっ!」
シオンはドアの枠に頭をぶつけ、思わず悲鳴をあげる。……教室が静まり返った。痛みと空気感に耐えられず俯いたシオンに、担任は声をかける。
「…大丈夫ですか?」
「…大丈夫です」
シオンは緊張で失念していた。自分の身長がとても高く、大体の建物は入るときに頭を下げなければならなかったことを。
周囲にいるショッピングモールの客達も、つい少年の方に目を向ける。
少年は暫しの間震えていたが、やがて自身が周りの目を集めていることに気付くとハッとしたような顔をした。
そして彼は慌てて立ち上がると、わたし達の横を走り去っていった。
「…」
わたし達は少年が去っていった方を黙って見る。
「なんだったんだ」
アイツと耀平がこぼすと、師郎はだなと答える。
だがふと少年が先程座り込んでいた場所に目をやった時、師郎は何かに気付いたような顔をした。
「師郎?」
黎が師郎の方を見て首を傾げると、師郎はそれに答えずさっきの少年がいた場所に近付きしゃがみこむ。
そこには”ZIRCON”のロゴの入った濃いピンク色のキーホルダーが落ちていた。
「これ…」
あの少年のか?と師郎はそれをつまみあげながら呟く。
「そうなんじゃない?」
「確かに」
ネロと耀平はそれぞれそううなずく。
師郎は暫くキーホルダーを眺めていたが、やがてすっくと立ちあがった。
「なぁネロ、耀平」
不意に2人の名を呼んだので、ネロと耀平は目をぱちくりさせる。
「ちょっと、頼めるか?」
師郎はそういて振り向いた。
願い事は声に出すといい
私の願いはみんなの幸せ。
みんなの幸せがあってからこそ人々は栄える。
なるたけ願い事は声に出すといい
言霊の力は宇宙をも創り出すのだから
ロノミアが斬馬刀を振り上げたその時。
「お前ッ! 何をしている!」
背後からかけられた怒声が、彼女の攻撃を引き留めた。
「…………へェ? この領域内で、自由に動けるヤツがいるとは思わなかった」
ロノミアが振り返ると、数m先に軍服風の衣装に身を包んだ魔法少女が立っていた。
「お前がここで一番強いヤツか? それなら朗報だ。『私を倒せば、この学園の異常は解決する』」
ロノミアの言葉に、魔法少女は眉を顰めた。
「……私より強い魔法少女なら、この学園に山ほどいる。私はこの甜花学園の生徒会長、ササキア・カロンダ。皆の信頼に報いるため、お前は必ず倒す!」
「やってみろよ」
ロノミアは“破城”を消し、代わりに一振りの日本刀を生成した。
「“幽鱗”、やるぞ」
身体強化による高速移動で距離を詰め、斬りつける。ササキアは大盾を生成し、それを受け止めた。金属製の硬質な防御に超高速で打ち付けられたことで、刀身に亀裂が走る。
「ははっ! 上手く防ぐじゃんか!」
「この程度の速度で、私を破ろうとしていたのか?」
「いやァ? ……けど、困ったなァ……刀にヒビが入っちまった」
ロノミアが“幽鱗”を掲げると、刀身の罅が全体に広がり、パリンと音を立てて割れてしまった。そして、その下から無傷の刀身が新たに現れる。
(……刀身の損傷を修復した? そういう魔法か)
ササキアが盾を構えると、ロノミアは“幽鱗”を消滅させた。
(何故消した? 損傷は修復できるはず……)
一瞬の思考の後、ササキアは口を開く。
「……今の刀、『修復』の回数は有限なんだな?」
「だったら何だ? どうせ『刀』は他にもある。“チゴモリ”、“ヒナギク”」
ロノミアが新たに、刀身の赤い二振りの日本刀を生成する。
「何、なんか不都合な事でもある?」
「いや、そうでもないんだけどさ」
「えー、じゃーなんでそんな顔するのさ~」
おーいーとネロは師郎をつつく。
師郎はちょっとよせってとショッピングモールの通路の真ん中へ後ずさった。
その時だった。
通路の真ん中に出た師郎と、通路を走っていた誰かがぶつかったのだ。
「⁈」
師郎は倒れることがなかったが、彼にぶつかった小柄な少年はその場に尻もちをついてしまった。
「師郎!」
大丈夫か?と耀平が声を上げながら近付き、ネロや黎、わたしも彼に駆け寄る。
師郎はあー平気平気と頭をかくが、師郎とぶつかった少年はへたり込んだまま何かにおびえたように震えていた。
それに気付いた師郎はあ、お前…と近寄ろうとする。
しかし少年は師郎の方を見ると、あ、わわ…と後ずさった。
「だ、大丈夫か、おま」
「わーっ‼」
心配する師郎をよそに、少年は急に頭を抱えて叫び出した。
わたし達は思わず驚いて動きを止める。
落下しながらビルの外壁を蹴り、ロノミアは一気にアンテレアの結界領域内に飛び込む。同時に、メディウムに封じられた結界術の効果で自身を取り囲む半径1m程度の小さな結界を展開するのと同時に、敷地内の地面に着地した。
「さて……もう始まってっかな? あいつらの魔法が発動しちまうと、どうしようも無いからな……」
ロノミアが飛び降りた直後、ボンビクスは固有魔法を発動していた。
ボンビクスの魔法は、『糸による拘束』。肉眼で捉えられないほど細い、透明な糸を展開し、対象を拘束するものである。
本来、ボンビクスの生成する細糸はその直径故に極めて耐久性に乏しく、出力も不安定なため、実用に足るものではない。
しかし、メディウムに設定した魔法によって固有魔法を強化することで、糸自体の強度を飛躍的に増強すると同時に、その糸が『捕える』対象を概念的なものにまで拡大する。
彼女の放つ『糸』は、その特性を最大限に強化したことで、不安定さも数倍に上昇したのと引き換えに、時空すら絡め取り縛めることが可能となったのだ。
しかし、魔法効果の不安定性自体は据え置きどころか更に悪化しており、ボンビクス一人では自身の強さを発揮できないという、致命的な欠点がある。
それを補うのが、双子の妹であるアンテレア・ヤママイの固有魔法である。彼女の魔法で円形に展開される結界は、領域内において作用している魔法を強化し、更に安定させる。範囲内にさえいれば例外なく効果が適用されるため、味方以外を強化してしまうリスクもある。
しかし、ボンビクスの糸は『時空すら縛める』。領域内にボンビクスの魔法効果が存在する場合、全ての存在及び概念は、安定化しリスクの消滅した拘束糸によって自由を喪失するのだ。
ロノミアが展開した結界内は『双子の領域』から独立した空間となるため、拘束糸は安定性を失う。唯一領域内で安全に活動できるロノミアは、悠然と無警戒に校舎に近付き、魔法を発動し、手の中に全長3m超の斬馬刀を出現させた。
「キッヒッヒ……やるぞォ“破城”。犯行予告のお陰で『守り』は固めてるだろうからな。お前が役に立つはずだ」
諦めないことが素敵だとか
信じ続けることが大切だとか
そんなことが言いたいのではなくて、
諦めたなら、その決断に後悔しないための努力を。
信じられなくなった日には少し立ち止まる勇気を。
それだけでもいい
自分に絶望するよりも、
自分で夢を見ていたいと思った
何度も悩んで選んだこの道を、正解にするための4年間に。
「…アンタ分かる?」
「えっ」
ネロは不意にわたしに聞くが、わたしはすぐに説明できず戸惑う。
「最近クラスでも話題になることがあったけど、なんていうか、その…」
わたしが困っていると、ここで師郎が話に割って入った。
「"ZIRCON"っていうのはな、2年前に結成された5人組ガールズグループで、この寿々谷を拠点にしているんだ」
定期的に寿々谷やその周辺で活動していて、メンバーは…と師郎がちょっとノリノリで語っているのを見て、ねぇ師郎とネロが話を遮った。
師郎は、ん?と返す。
「…もしかしてファンなの?」
「⁈」
ネロの言葉に師郎は飛び跳ねる。
「え、な、何で⁈」
「いやだって楽しそうに話すから…」
「え、そうだった?」
ネロに言われて師郎は驚く。
ネロ、耀平、黎はうんとうなずき、わたしは思わず苦笑いした。
それを見て師郎はそんな~とうなだれる。
雨中家路、歩くことしかできない
アスファルト、靴、金格子の下轟く濁流
柔らかそうな雑草も、吹き去る車道の音も
今は雨でしかない
ゆえに全く自然に、私は自由であった
世界を遮られるほど、断絶の中を歩くほど
傘は頭蓋骨のように、雨を硬く断絶する
歩くことしかできない頭蓋の下
自由で手足が冷えてゆく
いつからついた癖なんだろう
最初はただただ嬉しかったのに
どうしようもないほど手が届かなくて
どうしようもないから全部あきらめた
そしたらなんだか全部正常になって
そのはずなのに、その文字を見るのが
君を描くことが何年も癖になっていて
手を伸ばしていたあの頃のまま
心が止まってしまっているように
また勝手に目を逸らして勝手に悲しくなる
寿々谷市中心部のショッピングモールには”イベントスペース”がある。
建物1階の真ん中、いわゆる吹き抜けの真下に、広々としたスペースがあるのだ。
ここでは年末にお歳暮、夏にお中元と色々な催事が行われることが多い。
常に何がしかのイベントが行われているのがイベントスペースだが、基本的にわたしたちのよなコドモにとって興味のあるイベントが行われることは中々なかった。
しかし、今日ばかりは違ったのである。
「”ZIRCONフリーライブ”か」
ショッピングモールのイベントスペース近くの柱に貼られたポスターを見ながら師郎は呟く。
「今日の3時からここのイベントスペースで開催だってさ」
赤いウィンドブレーカーを着た耀平はそう言って頭の後ろに手を回す。
紺色のパーカーを着てフードを目深に被った黎は静かにうなずいた。
しかしネロは何の話かよく分からないように目をぱちくりさせる。
「ねぇ、”じるこん”って何?」
ボクよく分かんないんだけど、とネロは耀平の上着の裾を引っ張る。
耀平はえ、知らない?と驚く。
「最近話題のご当地アイドルって奴だぞ」
寿々谷を拠点に活動してるっていうさ、と耀平は言う。
しかしネロはよく分からないのかポカンとしている。
大地が揺らぎ
街は跡形もなく
先代の知恵をお借りして
なんとか食い止める候
いいや、自然相手に立ち向かおうとするのは
無謀
逃げて、逃げて、逃げて
鳴呼、ヤオヨロズ救いたまえ
(気が合わないなぁ)
虹汰たち1年生は初めて会った日からそう思った
"あの先生"はとても厳しかった
いつもピリピリしている
人を褒めることなどほとんどない
たまに作る笑顔は口しか笑ってない
努力しているのに簡単に認めてくれない
冷酷無慈悲の魔物そう思っていた
あの時までは…
ある日、"あの先生"がお手本を見せた
"あの先生"が放った1球は
ネットの向こう側に迷いなく吸い込まれていく
虹汰たち1年生は
少しでもあの姿に近づきたい
気付けばそう思っていた
次の日の練習
虹汰はラケットを素早く引いて打ってみる
パコン!
"あの先生"ほどではないがボールは
"あの先生"のいるネットの向こう側に
ヒューッと吸い込まれていく
なかなかいいところにストンと落ちたなぁ
虹汰はそう思った
おめ、うまぐなったな
ずっといってほしかった言葉が聞こえた
見た目に合わない小さい声で
虹汰がその声のほうをみると
少しだけ笑う"あの先生"がいた
終
不定期投稿① ずっといってほしかった言葉
・虹汰 中学1年 テニス部所属
・"あの"先生 テニス部顧問 59歳
はじめまして!スノーパウダーです。
僕はドラマと同じように3ヶ月ごとに物語を変えて投稿していきたいと考えています。また、10〜15話程度の物語を書いていきたいと思います。
そして不定期で短い詩も投稿する予定です。
また、生徒の皆さんからの面白かったことなどもレスしていただければ物語の参考にさせていただきたいと思っています。
自分や周りの毎日のちょっとしたことや面白かったこと、悲しかったことをもとに書いていこうと思っています!スタンプやレス待っています。これからよろしくお願いします。
翌日、陽が西に傾きつつある中、3人は甜花学園を見下ろす位置にあるビルの屋上から、校舎の様子を眺めていた。
「くぁちゃん、どんな作戦で行くの?」
ボンビクスが尋ねる。
「そんなん決まってんだろー? お前ら双子の魔法で『学園全体』を対象に捕える。あとは私が好き勝手暴れて制圧。完璧だ」
「おー……」
「それよりも、だ。お前ら、本当に良いんだな? 友達もいるんだろ?」
「友達、もう帰ってる時間だと思うよ?」
「あーそっかー……なら問題無いな。残ってるのは中等以上だけだし、多少は手応えもあんだろ。そういやさ、果たし状も送ったんだぜぃ? ちょうど今日の朝に着くよう計算して郵送したから、多分今頃厳戒態勢だろうなァ……」
ニタリと笑い、ロノミアは双子に振り向いた。
「覚悟の用意は?」
双子はサムズアップを返した。
「それじゃ、始めようか。散り行く私の、少し気の早い弔い合戦」
「「了解!」」
双子は同時に首飾りのメディウムを握り、強く念じる。
「「変身!」」
ボンビクスは白色、アンテレアは薄緑色のケープコート姿に変身する。
「いくよ、テンちゃん! サポートよろしく!」
「任せてお姉ちゃん!」
アンテレアが手を前に翳すと、薄緑色に輝く光の輪が生成され、学園敷地に向けて射出された。光の輪は敷地全体を取り囲むように広く地面に拡大する。
「お姉ちゃん、準備オッケー! くぁちゃんも行って大丈夫だよ!」
「よくやったぞヤマ子ぉ。モリ子、私のことは気にするな、全力でブチかませ!」
メディウムを握りしめ、ロノミアは屋上から飛び降りた。
「うん、良いよ」
ロノミアの言葉に真っ先に頷いたのは、双子の姉、ボンビクスだった。
「でも、何するの?」
双子の妹、アンテレアもそれに続く。
「うひひっ。悪い子に育ってくれて私は嬉しいよ。流石は初等低学年の頃から魔法に目覚めるような才覚の持ち主なだけはある」
ロノミアの言葉に、双子は誇らしげに胸を張った。
「で、『何をするか』だったか? 簡単だよ。“襲撃”さ」
「楽しそう! いつ?」
「面白そう! どこ?」
積極的な二人の反応に、ロノミアは満足げに頷いた。
「決行は明日。そして、ターゲットは……」
一度言葉を切り、ロノミアは焦らすように視線を双子に向ける。2人は前のめりになって言葉の続きを待っていた。再びニタリと笑い、ロノミアは口を開く。
「“甜花学園”。ここの隣の学区の学園さ」
その言葉に、双子の表情がぱっと輝いた。
「知ってる! 友達が通ってるよ!」
「何度か行ったこともあるよ!」
「ははっ! そいつぁ都合が良いや! 明日の放課後、お前らがここに来たら、そのまま突っ込む。覚悟の準備をしとけよぉ?」
どうしようもなく
不安になる暗黒の中にひとりいた
暗黒の中にいた私の手を握ってくれた
無数の光の正体は…
世界設定
(プチ企画として投稿されたものを一応確認はしてきましたが違うかもしれないです…)
魔法が一般的に使われている世界であり、都心には魔法の使える少女達の通う大きな学校がある。
シオン(主人公)
田舎出身の中学1年生、13歳。魔法についてはほぼ無知、あんまり頭はよろしくなく、ちょっと(かなり)脳筋な女の子。銀色でおかっぱっぽい髪をしている。たれ目で雰囲気はおっとり系だがとにかくでかい。身長も群を抜いてでかいが体格も良い。運動が得意。
ドキドキが止まらない。
茶色の眼鏡が似合うね
最近髪型変えてカッコよくなって、皆からまたモテるあなたを見るたび胸がチクっとするの
私はひたむきに努力する君が大好き
友だち想いなところも
私たちを友だちのように接してくれるところも
みんなと共に物事を達成しようとするところも
動画配信の壁を越えた新しい挑戦をするところも
サプライズプレゼントに涙を流して喜んでくれるところも
嫌われないように常に周りに気を使いながら頑張るところも
私のことをすきと言ってくれるところも
いつかその努力が実った時には共にたくさん泣いてたくさん喜ぶからこれからも私にいろんな景色を見せてね
それが人生を変えてくれたことへのささやかな恩返し
放課後、ボンビクス・モリとアンテレア・ヤママイの双子は、寮の部屋にランドセルを放り投げると、すぐに街に飛び出した。
目指す場所は、アーケード街の一角、小さな駄菓子屋。その脇の人一人通るにも苦労するような細い隙間に、身体をねじ込むようにして潜り込み、建物の裏に出る。
そこから壁の配管を伝って屋根に上がると、彼女らの目当ての人物、魔法少女ロノミア・オブリクァが仰向けになって日光浴をしていた。
「くぁちゃん、来たよ!」
「こんにちは!」
2人の元気な挨拶に、ロノミアは目だけを向けた。
「ん、来たな? ちゃんと見られずに来れたか?」
「うん!」
「ちゃんと見られてないかキョロキョロしてから来たよ!」
「なら良し」
ニタリと笑い、ロノミアは身体を起こした。
「あぁそうだ……モリ子、ヤマ子。自慢話してやろうか」
「なになに?」
「聞きたい!」
「実は私なぁ、明日20歳になるんだよ」
「へー、おめでとー!」
「明日誕生日!」
「んにゃ、誕生日は明後日」
「「…………?」」
首を傾げる2人を見て、ロノミアはケタケタと笑った。
「それでなぁ? 自分の身体だから分かるんだけどさ。多分、近いうちに私は魔法を失う。これまで色々と楽しませてもらったし、別に惜しくはないんだけどさ……最後に1つぐらい、ドカンと派手に暴れたいだろ?」
ずい、とロノミアが前のめりになる。
「そこでだ。我が愛弟子の2人に、私の最後の大舞台に付き合ってもらいたいのさ」
誰かが踏んだ轍をなぞる
ケモノになったあの日を笑う
わたしの恋を捨てたわたしが
鏡のなかで鼻血をぬぐう
好きよ 好きだよ 21時は
だらしない興奮で揺れた
1000のコードで歌っても
1000の言葉で描いても
好きよ 好きだよ 明日まで
なさけない絶望を逃れ
好きよ 好きだよ 眠るまで
2人 弱みを握りあう
誰かが踏んだ轍のうえを
わたしの恋はふらふらとゆく
ロノミア・オブリクァ
Lonomia obliqua(ベネズエラヤママユガ)
年齢:19 身長:168㎝
固有魔法:「刀」の生成
メディウムの魔法:変身、結界術、身体強化、壁や天井への接地
説明:もうすぐ20歳になる魔法少女。自分の魔法の消失を予感しており、最後に何かド派手にバカやりたいと思っている。双子からの渾名は「くぁちゃん」。
ボンビクス・モリ
Bombyx mori(カイコガ)
年齢:12 身長:140㎝
固有魔法:糸による拘束
メディウムの魔法:変身、耐熱性強化、耐寒性強化、固有魔法強化
説明:アンテレアとは双子。こっちがお姉ちゃん。本名は華燦(カサン)。妹と一緒に悪い大人(くぁちゃん)に捕まり、今日も元気に悪さしています。くぁちゃんからの渾名は「モリ子」。
アンテレア・ヤママイ
Antheraea yamamai(ヤママユガ)
年齢:12 身長:140㎝
固有魔法:結界の展開
メディウムの魔法:変身、耐熱性強化、耐寒性強化、固有魔法強化
説明:ボンビクスとは双子。こっちが妹。本名は纏燦(テンサン)。姉貴と一緒に悪い大人(くぁちゃん)に捕まり、どんどん悪いことを覚えていっています。くぁちゃんからの渾名は「ヤマ子」。
あなたは気さくで誰に対しても
優しく接してくださった。
【みんな平等】といった言葉
あなたの行動によって教わった。
そして愛情の意味を教えてくれましたね。
優しさ、人情溢れたあなたの今後の御活躍、
応援しています。
PS、サヨナラは言わないよ(*^_^*)
どうも、テトモンよ永遠に!です。
この度、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は連載再開3周年&連載開始6周年を迎えましたーっ‼︎
いやーこれもひとえにスタンプをくれる生徒の皆さんや掲示板に載せてくれるKGBさんのお陰でもあります。
いつもありがとうございます。
…それでは、近況報告を少し。
「ハブ ア ウィル」は書き溜めが尽きた結果去年の秋くらいから投稿が止まっていますが、今年の春休みに入ってから日々ちまちまと新しいエピソードを書いています。
その結果2エピソード分書くことができましたので、この調子で書いていけば今年の内に最後まで書き切れるんじゃないかって気もします。
…本当に終わりが見えてきたのでちょっと寂しい気もしますね。
まぁまだ書きたい番外編・過去編がいくらかあるので、学生を卒業するまでは暫くこの物語と付き合い続けるかもしれません(笑)
よかったらお付き合いください。
という訳で、今回はこれくらいにして。
作者や「ハブ ア ウィル」に対して何か質問などあったらレスからお願いしまーす。
あと来週から最新エピソード「23.」を投稿予定です、お楽しみに。
では次は「25個目のエピソード記念! 作者からのごあいさつ」でお会いしましょう!
では、テトモンよ永遠に!でした〜!
どうも、テトモンよ永遠に!です。
毎度お馴染み「造物茶会シリーズ」のあとがきです。
どうぞお付き合いください。
今回のエピソードは、きーちゃんの過去話でした。
初期の頃から構想していたエピソードの1つで、色々情報を詰め込もうとした結果だいぶ長い話になってしまいましたね。
しかもこの話を語るために長い番外編(過去話)を書いていたので、総合するとだいぶ長々としたものになってしまいました。
これが原因で一旦投稿休止せざるを得なくなった節もありますし、これからはもっと書き溜めねばと思います。
でもここからのエピソードはだいぶ話が長くなる予定なので、難しいところです。
そういう訳で、今回はここまで。
「造物茶会シリーズ」第10弾もお楽しみに。
…ていうか、造物茶会シリーズももう10エピソード目に突入するんか。
第1弾からもう3年たつもんな〜…それくらい書くものか。
せっかくだから何か記念エピソードでも作りたいですね(余裕があればね)。
あと「ハブ ア ウィル」も投稿開始から今日で6年経ちますね。
そっちも記念エピソードを投稿したいなぁ…
てなことで、テトモンよ永遠に!でした〜
来週からは「ハブ ア ウィル」新エピソードを投稿するし、企画「魔法少女学園都市レピドプテラ」もよろしくね〜!
ヒラヒラと舞い踊る白い花びら
未来の行く末を見守るように
この地を白く染める
先月末にちろっと投げていた企画を、本格的に指導していきたいと思います。
企画名はタイトルにある通り、『文字がぴったり1ダース。』です。
ルールは簡単。ナニガシさんが以前開催した「ピッタリ十数字」と同様、字数制限付きのポエムを投稿しまくろう、というもの。
企画名から何となく察していただけるとは思いますが、ジャスト12文字構成の極めて短いポエムを作って投稿しましょう。
ただ、この文字数というものがなかなかに厄介。
前回は仕様の穴を突かれたので、今回は塞げるところは塞いでいきましょう。
レギュレーションは以下の通り。
・改行、空白は文字数にカウントしない。
・全角、半角問わず文字、記号、句読点などは全て1字としてカウントする。
・「見かけの字数」を文字数として適用する。
例:「⁉」などは当たり判定は1字だけど2字としてカウントします。「⒛」「㎠」などは当たり判定は1字だけど3字としてカウントします。「㍍」などは当たり判定は1字だけど4字としてカウントします。
・例外として、「%」「‰」「‱」は1字としてカウントします。また、半角カタカナの濁点・半濁点は2字としてカウントします。つまり「ガ」や「ピ」は2字扱い。
・セーフかどうか分からなくなった時は、自分を信じてください。
作品が用意出来たら、タグに「文字がぴったり1ダース。」と入れて投稿してください。「ぴったり」は平仮名、「1」は全角、最後の「。」も忘れずに。
期間は3月1日~3月31日いっぱい。遅刻組も歓迎。
皆様のご参加、お待ちしております。
・学園 Academy
“レピドプテラ”に暮らす“魔法少女”が通う教育機関。
“魔法少女”は基本的に10代の少女たちであり、“魔法”を失えば“レピドプテラ”の外へ戻ることができるため、故郷に戻った時に生活で困らないよう設立された。
“レピドプテラ”の外の企業や機関によって設立されており、それぞれが特色ある教育を行なっている。
基本6・3・3制(しかし初等教育の前半部に当たる“魔法少女”はほとんどいない)で、1学期は9月始まり(世界的に見ればそっちの方がメジャーだもんね)。
“学園”ごとに“学区”が存在しており、ある“学園”に通う者はその“学園”の“学区”内に住んでいないといけない。
ある“学園”所属の“魔法少女”が他の“学園”の“学区”に出入りすることは自由だが、仲の悪い“学園”同士だとトラブルに発展しかねないので注意が必要。
一部の“学園”は“レピドプテラ”内で“レピドプテラ総務局”をしのぐ程の勢力を持つ。
・レピドプテラ総務局 General affair office of Lepidoptera
“レピドプテラ”の政治や治安維持、“魔法少女”の管理などを担う機関。
“レピドプテラ”の中心街にある。
トップは市長でその下に市議会がある。
・ヒオドシ本舗 Hiodoshi Store
“レピドプテラ”内で有名な雑貨店。
“レピドプテラ”の中心街にあり、この街の“魔法少女”の必須アイテム“メディウム”の受注販売を行なっていることで有名。
店主は大人になっても“魔法”が使える人間・ニンファリス クサントメラスである。
これにて〈設定〉は以上になります。
何か分からないことがあればレスからお願いします。
・魔法少女 Magical Girl
“魔法”を持つ少女たちのこと。
基本“魔法”を1人1種類持っているが、“レピドプテラ”で暮らすほとんどの“魔法少女”は“メディウム”と呼ばれるアイテムを媒介に変身などの“魔法”を行使したりもできる。
“レピドプテラ総務局”の管理のために“レピドプテラ”の中では「蝶の学名」が魔法少女名として与えられ、“レピドプテラ”内では本名ではなく魔法少女名の方を名乗る。
この世界では“魔法少女”によって世界情勢の不安定化を防ぐため、“魔法”を発現させた少女はその国のしかるべき機関によって否応なく“レピドプテラ”へ連れていかれる。
しかし国や地域によってはその情勢が故に“レピドプテラ”への連行がうまくいかないことがあり、それが原因で悪い組織などに利用されることも少なくない。
最近では20代になっても“魔法”を失わない者が出現し始めており、そういった者たちは大人になっても“レピドプテラ”に留まることになっている。
また、“魔法”を失っても“レピドプテラ”に留まる元“魔法少女”も一定数いる。
・メディウム Medium
“レピドプテラ”に暮らす“魔法少女”のほとんどが持っているアイテム。
高さ5cmほどの六角柱状の宝石っぽい形をしており、お好みでキーホルダーにしたりアクセサリーにしたりできる。
“魔法少女”が固有の“魔法”以外の“魔法”を行使する際に必要で、“レピドプテラ”内で有名な雑貨屋“ヒオドシ本舗”で注文することで作ってもらえる。
使える“魔法”の種類・数は“ヒオドシ本舗”の店主との相談で決めることができるが、高度な“魔法”を使えるようにしたり、使える“魔法”の数を多めにしようとしたりすると制作コストがかかって料金も上がってしまうので、使用“魔法”の種類は比較的高度でないもの、数は多くても5つくらいに留めるのが無難、とされる。
使い方は使い手の半径3m圏内に“メディウム”がある状態で念じるだけ。
とりあえず大抵の“魔法少女”は“魔法少女”姿に変身できるようにするのが定番で、その場合変身すると“メディウム”は衣装の一部になる。
壊れたり紛失したりしても持ち主しか使えないし何か問題が発生する訳ではない。
製法は企業秘密。
〈設定〉その3に続く。
この書き込みは企画「魔法少女学園都市レピドプテラ」の〈設定〉書き込みその1です。
それでは以下設定。
・レピドプテラ Lepidoptera
魔法少女学園都市とも呼ばれる、“魔法少女”たちが暮らす人工島。
太平洋某所にあり、国連の管理下にある。
様々な“学園”が存在しているが、それぞれ共存していたり覇権争いをしていたりする。
また、“魔法少女”たちが暮らす“学園”の寮やアパート、シェアハウスも存在している。
都市の中心部には“レピドプテラ総務局”と呼ばれる、都市の政治や治安維持を担う機関がある。
正直すごく広い訳ではないので背の高い建物がだいぶ乱立している。
主な交通網は路面電車と路線バス。
もちろん“魔法少女”たちの生活を支えるために世界各地から人々が集まっており、そういった人々が営業するお店や施設が数多く並んでいる。
・魔法 Magic
この世界で一部の少女が発現する特殊能力的なもの。
種類は様々で、物理法則に干渉するものや精神に干渉するもの、使い道がよく分からないものが存在する。
10代前半から中盤にかけて発現し、これを持つ少女は“魔法少女”と呼ばれる。
基本1人1種類しか使うことができないが、“レピドプテラ”内で入手できるアイテム“メディウム”を媒介にすることで変身や身体能力強化などの“魔法”を行使できる。
10代後半から20代前半にかけて失うことが多い。
その正体はハッキリしていないが、持ち主の精神から強い影響を受けるものであることは分かっている。
〈設定〉その2に続く。
この書き込みは企画「魔法少女学園都市レピドプテラ」の〈世界観〉についての書き込みです。
それでは以下〈世界観〉です。
いつかの近未来、世界では“魔法”と呼ばれる特殊能力を発現させる少女たち“魔法少女”が現れつつあった。
最初こそは普通の人間と同様の生活を送っていた“魔法少女”たちであったが、“魔法”を制御できないことによる事故や事案、“魔法少女”を利用した事件などが多発するようになり、世界各地で“魔法少女”の隔離や保護を訴える世論が加速していった。
その結果、“魔法少女”による世界情勢の不安定化を憂慮した国連は彼女たちの隔離・保護を名目に魔法少女学園都市“レピドプテラ”を建設する。
そして“魔法少女”たちは“レピドプテラ”へ集められ、様々な“学園”に所属しつつそこで“魔法”を失うまで暮らすことになる。
これはいつか終わる青春の物語。
お次は〈設定〉です!
どうも、テトモンよ永遠に!です。
だいぶ前の予告通り、企画です。
タイトルは「魔法少女学園都市レピドプテラ」。
“魔法”と呼ばれる特殊能力を持つ少女たち“魔法少女”が集まる学園都市“レピドプテラ”で巻き起こる物語を皆さんに描いて頂く企画です。
開催期間はこの書き込みが反映されてから3/31(月)まで(遅刻投稿大歓迎)で、ルールはこの後投稿する設定と公序良俗を守った上でタグ「魔法少女学園都市レピドプテラ」を付けていただければあとはなんでもOKです!
作品形式・分量・数は問いません。
自由に設定に沿った作品を作って投稿し合うだけの企画ですので、よかったら気軽にご参加ください。
それではお次は世界観です!
何で香るんだろう?
香りは記憶と結びつくって。
何処からともなく香るあの花。
可憐に咲く花。
みんな可憐に咲く花。
私はあなたに恋をする。
咳払いをしたら額が温かくなった。
延べられた手は今でも覚えています。