どうも、テトモンよ永遠に!です。
「休日中に〜」と言いつつ月曜日になっちゃったけど、「墓想造物茶会」のあとがきです。
今回のエピソードは前日譚である「緋い魔女」「緋い魔女と黒い蝶」が、どのようにして「造物茶会シリーズ」の時間軸に繋がっていくのかが明かされた回でした。
「造物茶会」の構想初期(高校生のとき⁈)から考えていたエピソードなので、やっと形にできてよかったです。
でも構想段階で細部を詰めきれていなかったこともあり執筆は大変でした(時間もめっちゃかかった)。
お陰で投稿回数40オーバーの長編になってしまったし、荒削りみたいなところもあるけれど、結構いい感じかなと思います。
というわけで、裏話はこのくらいにして。
次のエピソード(造物茶会シリーズ第13弾)の執筆はあまり進んでいないけれど、今年度中に物語が一応終わる気がするのでどうぞこれからもお付き合いください。
あと「ハブ ア ウィル」の25個目のエピソードがやっと出来上がったので、とても長くなりますが楽しみにしておいてくださいね。
これから忙しくなる気しかしないので、今後もここでの投稿を続けられるか心配だけど、これからもよろしくお願いします。
ということで、あとがきはここまで!
テトモンよ永遠に!でした〜。
「だってナツィはおばあちゃんのことが好きなの、バレバレだし」
「ちょっ」
恥ずかしい…とナツィは顔を赤らめるが、それを見たキャップ帽を被るコドモ…露夏は、ツンデレだな〜と笑った。
ナツィはそんなこと言うなしと露夏を睨む。
「まぁまぁ、それでもナツィがちゃんと会いに来てくれたこと、おばあちゃんも喜んでいると思うよ?」
ずっと、ナツィはここへ来たがらなかったからとナツィの保護者は墓石を見つめる。
その様子を見て、ナツィは…ごめん、と呟いた。
「?」
保護者が不意に不思議そうな顔をしたので、ナツィは慌てて、な、なんでもない!とそっぽを向く。
それを見て青い長髪のコドモ…ピスケスはふふと笑った。
「あら、素直じゃないのね」
「う、うるせぇピスケス…」
ナツィはそんなピスケスを睨んだが、仲間たちの笑う声を聞いて恥ずかしそうに墓石を見やる。
墓石は相変わらず、ナツィたちを見守るように佇んでいた。
〈墓想造物茶会 おわり〉
後日、日曜日の昼下がり。
墓石がずらりと並ぶ広大な墓地の細い道を、背の高い1人の老人とどこか異質なコドモたち5人が歩いている。
ひと気のない墓地を歩く一団がやがてそこそこ立派な墓石の前で立ち止まると、先頭の老人が不意に振り向いた。
「ここが、我が家のお墓なんだ」
結構立派だろう?と老人が微笑むと、後ろを歩く金髪のコドモ…キヲンがすごく立派〜と飛び跳ねる。
それに対し空気読めよキヲン、と前を歩くナツィは呆れるが、先頭の老人…ナツィの保護者がほら、ナツィと声をかけてきたので、ナツィは不満げな顔をしつつ抱えていた花束を墓前に供えた。
「…それにしても、ナツィがお友達とお墓参りしようって言うなんて、おじさんびっくりしたよ」
老人がふとナツィたちにそう言うと、ナツィは、別に友達ってつもりはないし…とそっぽを向く。
「そもそもかすみが一緒に行こうって提案してくれたんだもん」
ナツィが隣に立つかすみに目を向けると、かすみはえへへと笑った。
「じゃ、なんで保護者のじいさんのところに帰らなかったんだよ」
「うっ」
露夏に聞かれて、ナツィはついうろたえた。
どうなんだよお前〜と露夏に顔を覗き込まれて、ナツィは少し嫌な顔をするがやがて…嫌だったんだよ、と呟く。
「ばあさんの墓参りに行くの」
ナツィがそう言ってそっぽを向くと、露夏はな、なるほど…?と首を傾げた。
「恥ずかしいのか?」
露夏がそう尋ねると、ナツィはいやそうじゃないしと呟く。
「やっぱり、いない人のことを思うと悲しいし…保護者に優しくされるのがちょっと嫌だから…?」
「なんだよそれ」
ナツィの言葉に、露夏は低い声で返す。
「お前、身近な人との時間は大事にした方がいいと思うぞ」
お前は人間より長生きしちゃうんだろ?と露夏は腰に手を当てる。
「だから、保護者の爺さんとの時間は大事にしろ」
じゃないと後悔すんぞ、と露夏はナツィの目をじっと見た。
「…でも、ちょっと一緒に行くの恥ずかしいし、気まずいし」
「お前は反抗期か」
「でも…」
「でもじゃない」
言い訳を連ねるナツィに露夏は呆れるが、ふとかすみがあ、と呟く。
「ナツィ…こうしてみたらどう⁇」
かすみの急な提案に、ナツィは目をぱちくりさせた。
「ナツィは、優しいね」
「ふぇっ⁈」
驚くナツィを見てかすみは微笑む。
「どうし、て」
「だってナツィは人間のことを想えるから」
だから、優しいとかすみはナツィの頭を撫でた。
「…っ」
ナツィの顔は一気に赤くなる。
「べ、別に優しいっつったって自分が好きな奴限定だからな!」
どうでもいい奴らには、優しくしないしとナツィは続けた。
「別に俺は保護者の爺さんのことなんて、正直どうでも」
「じゃあこの前あの方が危ない目に遭ったときに野良の人工精霊にケンカを売りに行ったのは⁇」
「ちょっ黙れよピスケス!」
ピスケスに突っ込まれたナツィはついそちらを睨む。
ピスケスはふふふふと口元を手で隠し、他の仲間たちも微笑ましくその様子を眺めた。
ナツィは恥ずかしそうな顔をしていたが、やがて足元をまた見やる。
「…まぁそういうわけで、俺は誰かに優しくされるのが嫌でお前らを突き放した」
でも、とナツィは続けた。
「お前らのお陰で、変わってきてる、かも」
「へー、そうなのか〜」
ナツィの言葉に露夏はにやける。
「結局、“事情”っていうのは…」
「うぐっ」
ナツィは驚いたように顔を上げる。
「確かに話の核心まで辿り着いてないな」
「おばあちゃんが大事なのはわかったけど…」
露夏とキヲンもそう不思議がる。
「あらあら、気づいたら話がだいぶ逸れちゃったじゃないの」
ピスケスはそう茶化すようにナツィの顔を覗き込む。
ナツィはべ、別にこの話も重要なんだし…と恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「で、ナツィはどうして構ってほしくないなんて言ったの?」
教えてほしいな、とかすみはナツィに少し近づく。
ナツィはかすみを見て少し顔を赤らめるが、すぐに顔を逸らしてこう答えた。
「それは…その、やっぱり誰かを失うのが怖いから、かな」
うん、とナツィは頷く。
「だって、俺は特別な存在だから人間や他の人工精霊より大事にされるし、それで大事な人たちより長生きしちゃうから…」
大事な人たちは、みんないなくなっちゃう、とナツィは両手の人差し指を突き合わせながら続ける。
「それで昔の大切な主人も、俺を外へ出してくれたばあさんも、いなくなっちゃったから…」
そ、その、とナツィはしどろもどろになり始める。
その様子を仲間たちは不思議そうに見ていたが、かすみだけはナツィの隣にそっと移動してナツィ、と呼んだ。