そういう訳で、かすみとキヲンはナツィを探しに行くことになった。
しかしめぼしいところはあらかた確認したし、ナツィの家にも帰ってきていないという話は聞いていたのでどこも探しようがない。
それでもキヲンはナツィを見つけたいので、とりあえず協力を仰ぎにキヲンとかすみはピスケスがたびたびいる“学会”の拠点のある大学へと向かった。
「…ナハツェーラーを探しに行きたい、ねぇ」
「うん!」
だから手伝ってピスケス!と“学会”の日本支部がある大学の、レンガ造りの建物の片隅にある小部屋で、ソファーに座ったキヲンが目の前のローテーブルの向こうのソファーに座るピスケスに頼む。
ティーカップに入った紅茶を飲みつつキヲンの話を聞いていたピスケスは、そうねぇ…と右手に持つティーカップをローテーブルに置いた。
「確かのアイツがいないと寂しいけど、でも当人が構うなと言うのなら放っておいた方がいいんじゃないかしら」
ねぇ?とピスケスが右隣に目を向けると、ソファーの肘置きに頬杖をついている露夏が、そうだなと答える。