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回復魔法のご利用は適切に!_6

それから何度やってもシオンだけは魔力量精度共に測定不能だった。放課後、魔法学の教員のサポートを受けたがやはり数値は出ず、ついに教員も匙を投げた。
「ただいまリサちゃん、すっごく遅くなっちゃって…こんなにかかると思わなかったよぅ、待たせてごめんね」
「おかえりなさいシオンさん!私は待ちたくて待っているのですからあまりお気になさらず。さ、帰りましょう」
「うん!…あ、待って。お水飲んでいい?」
「ええ、もちろんですわ」
シオンが足早に水道へ行き、おもむろに蛇口を捻ると、いきなり凄い勢いで水が出た。
「うわっ!!」
「どうなさいましたの?」
水圧はどんどん上がっているらしく、水がとんでもない勢いで跳ね、水道から聞いたことのない音が鳴る。
「うわぁ、私もよくわかんないけど…これまずいよ!どうしよう、止められるかな…」
「いえっ!お待ちくださいまし!不用意に近づいてはいけませんわ!」
エリザベスが強くシオンの腕を引く。ふと、溢れ出た水が人の形をとり始めた。
「間違いありません、魔法ですわ」

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