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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑱

「…それにしても、皆が身内の事を考えてる事の何が嫌なんだ?」
ふとここで、耀平が頬杖をつくのをやめながら尋ねる。
ネロも確かにとうなずき、黎も静かに首を縦に振った。
「やっぱり、恥ずかしいのか?」
「えっ、あっ、いや…」
耀平の質問に琳くんは慌てる。
それを見た師郎はまぁまぁ…となだめた。
「誰だって身内の事で思い悩む事はあるからな」
俺だってそうだったし、と師郎は笑う。
それを見て、そうだったんですか…?と琳くんが驚く。
「まぁな」
これでも我が家は家族が多いから、自分の思い通りにならん事ばっかでな…と師郎は目を細める。
琳くんは目をぱちくりさせ、師郎はそんな彼の様子に気付いてあぁすまんな、こっちの話してと謝る。
しかし琳くんは神妙な面持ちになって前を向いた。
「…ぼくもそうですよ」
急な発言にわたし達は琳くんに視線を向ける。
琳くんはそのまま続けた。

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