学校なんていう背の高い建物は、少し離れた距離からでも認識できたため、さして迷うことなく着いた。もとより、歩いて行ける距離だったのだ。
次来る休日に、ここら辺の地理を把握しに出掛けようと瑛瑠は思った。
玄関は広かった。チャールズから昨日、学校についての細かい説明を受けたが、1つずつ思い出す。
『新しいクラス割りが張り出されているはずです。番号を確認し、ローファーは棚へ入れ、靴を履き替えてください。』
ここでは、屋内外で靴を履き替える習慣なのだそうで。それも含めて人間に馴染むこと、それが今日の指令の1つ。
早く着きすぎたのだろうか。
クラス割りは盛り上がるものだそうで、混むといけないと思い、だいぶ早く出てきた。まだ人数は数えられるほどだ。
さっと確認し、ローファーを脱ぐ。そこに、一人の男子生徒と行き交う。目があってしまったので、軽く会釈をすると、彼もそのように返した。
彼の方が先に棚に向かう。
瑛瑠が棚に書かれた自分の番号の確認をする。どうやら、先の男子とは同じクラスのようだ。彼の方が、番号は早いようだけれど。
入れると、横から声がする。
「君――」
みーちゃん》
レス返しどうもありがとう!レス返しや新しい子と関わるのがご無沙汰だったので、とっても嬉しいです(笑)
読んでいるという言葉がどれだけ嬉しいことか…ありがとう。
なんだかとてもかわいい。笑 若々しくてキラキラしてるなあ。
レス必ず返すので、ぜひお暇があれば絡みに来てくださいね。私もかわいいみーちゃんをかわいがりにいきます(о´∀`о)
シェアさん》
書いてて、日本て独特なんだろうなと色々思うところがたくさんあります(笑)
制服しかり、玄関での靴の履き替えしかり……。
そして、きっと見落としているだろうこともたくさんあるだろうなって。笑 内側にいればわからないことだらけですね。
うふふ、楽しみという言葉がとても励みになる今日このごろです。
最近は、昔ながらの名前(?)といいますか(他意はありませんが)、また一回りして子のつく女の子の名前が増えたとか。私は好きですね、子がつく名前。
それにしてもシェアさんは私の知らない本をたくさん知っている…。チェックしておかねばなりませんね。
黒髪に黒い瞳。それも、冷たい眼。
正面からみると、かなりの美形である。チャールズの顔も綺麗だと思ったが、彼も負けていない。
なんて思っていることがバレてはいけないので、社交パーティーでまなんだ微笑みを向ける。
「なんでしょう?」
「前の席、気を付けた方がいい。」
表情は変わらない。いっそ、瞳の冷たさは増したようにも見える。
「……はい?」
あえてこちらも変えずに微笑む。
「どういうことでしょう。」
目の前の男子生徒は瑛瑠を見下ろした。
「どうせ気付いていないんだろ?」
棘のある声に、さすがの瑛瑠も顔をしかめる。
何なのだろうこの人は。
「君、弱そうだしな。」
ふっと笑った彼は、八重歯を持っていた。
え、いきなり同類…?
実はこの世界、俺が知らないだけで魔法使いだらけなのかも!?なんて錯覚に陥りそうになる(笑)
ガラパゴスであることを否定はしないし、それはそれで面白いのだけれど、ときどき ふ、とリセットして、世界基準にも合わせられるようにならないとどんどん置いていかれるもんね…
渦森今日子〜はわりと万人にオススメできる本ですね。文庫版も出ているのでぜひ!
みーちゃん》
ほらあ、そういうこと言うんだもん。笑
私には10個下に妹が二人いるんだけどね、ダブっちゃう。私の言ったこと真似したりなんかして(笑)可愛いったらありゃしない。
みーちゃんくらいの年齢の子とは全然関わりがないから新鮮なんだな。
私がそうじゃないから、素直な子が可愛いと思うし、キラキラしてて眩しいと思う(*^^*)
シェアさん》
ガラパゴス(笑)
ですねえ…競争ないですし、完全な私の脳内孤立状態でのお話なので…いつか淘汰されちゃいますかね、私に関わってくるような第三者がいれば…。笑
そうなんです、ちょっと思ってほしくて書いてた部分があります。なんだか私としては嬉しい(笑)
たまに思うんです、私が知らないだけで、いわゆる宇宙人だとか妖怪だとか、迷信と言われるような存在が、我が物顔で歩きまわっているのではないかと。ここに初めて載せた話はUFOで、次は鬼が出てきましたね。
実は気付いていないだけで、もしかしたら溢れているのかもしれません。もしくは、気付いていないだけで自分自身が彼らに近いなにかを持っているかもしれません。
…私の妄想癖が強いだけでしょうか
そのまま教室へ向かう彼を追いかけるほど、瑛瑠に余裕はなかった。
この屈辱、憤りをどうしてくれようか。初対面である。礼儀とは。マナーとは。
すべてを叩き込んでやりたいと、そう思ってしまった。
怒りにいこうか、それとももう一度話を聞こうか。いや、無視?
そこで、あることに気が付いた。微かに残るこれは
「――魔力。」
魔力は、使う意思のあるときしか原則放出されない。身の危険を守るためや、自らの痕跡を残すため。原則というからには例外もある。
それは、強い感情を持つとき。
意思によって制御している部分が大きいぶん、それに勝るだけの強い感情を持ってしまうと、制御できず魔力が漏れることがある。それゆえ、よく争いも起こる。感情が魔力という形となりやすいからだ。
しかし、代謝のようなものなので、普段意識するようなことでもないことも確かで。
種によって力の相性の良し悪しもあるため、大概は同種族で過ごしている。
長々と説明してしまったけれど、今のこの魔力は、原則の後者だと瑛瑠は考える。居場所を知らせるためでも、テリトリーだと主張するためでもない。
自分は西洋妖怪だと暗に示すために、彼は残した。
もしかしたら魔法が使えなかったから、ぼくはガッコで浮いていたのかな…うむうむ、この世界に呑まれていく(笑)
あ、ガラパゴスって云ったのはピーターちゃんの物語のことではなく、日本と云う国の高校とか、いわゆる社会と云うもののことです。とても狭苦しくて、エキゾチックで異様な世界だったなぁ…と、あの場所を離れてから改めて思うことばかりで。
そう云えばあの鬼って云うのはどう云う存在だったのかな…ニュータイプみたいなもんでしょうか←よけいわかりにくい
しばらくポエム掲示板見てなかったらすごいのがいた。すごい。面白い。こんなんもありか。
次回も楽しみ。
何だこれ面白い。素敵なショートショートだ。
間違えた。これはとんでもないファンタジー小説だよ。面白い。続きが気になる。
シェアさん》
クラスの人気者とか、案外魔法使いだったりして。笑 あれ、じゃあ、吸血鬼や透明人間はどうなるんでしょ…なんて、ね。スルーしちゃってください(笑)
呑み込まれるなんて嬉しいです。
あらま、私の受け取り違いでしたか。ほんと、変な世界ですよね。クラスだけでもある種の国ができてますしね。ほんと、狭い世界なのに、それがあたかも世界のすべてだと思ってしまうことも。
鬼さん、あえていうならconventional type,でしょうか←そんなのあるかわからない
日本人が思い描く鬼をスタイリッシュにした感じですね。見た目は人間でした、一応(笑)絵が載せられたらいいのにと思う一方、読者様に委ねられるのでそれもそれでいいかななんて。
朔と蒼のやりとり好きでした…書かなくなると恋しくなるっていう(笑)
みーちゃん》
長女なのかな?おんなじだ、苦労が多いねえ…笑
ピーターパンなんて呼びにくくない?(自分で決めといて笑) 呼びやすいので構いませんよ、ピーターちゃんなんて言われてにこにこしてるような生き物なので笑
語彙力は常に私も求めています(笑)大人っぽいだなんてそんな。畏れ多い笑
ただただ難しい言葉がいいって訳でもないのがまた難しくて。幸せなことに、一人称がいっぱいあって、平仮名,片仮名,漢字,今じゃアルファベットでも。こうして目に見える言葉は表現のしかたがたくさんあって面白いですよね。私、本当に日本人でよかったって思います。笑
mementoさん》
はじめまして、ですね。
レス、ありがとうございます。純粋に嬉しいです。短い言葉ほど伝わりやすいものはないですね。
ぜひぜひ、一緒に楽しんでください。
なんてお呼びしましょう…笑
では、崩壊を英語で(笑)勝手にすみません。
Collapseさん》
はじめましてですね。
続きが気になる、なんて最上級の褒め言葉です、ありがとうございます。
ぜひ、続きもよんでくださいね。読んでくれる人が増えてくれるの、レスを書き込んでくれるの、嬉しくてたまりません。
『どうせ気付いてないんだろ?』
彼は相当な実力者だろう。人間に1番近いウィッチの魔力をキャッチできるほどのアンテナだ。瑛瑠は一切使っていなかったのに。
確かに気付いていなかった。腹立たしい。筋違いとわかっていても、彼にさえ腹が立つ。
そこまで思って、息を吐いた。このままでは、自分がとらわれてしまう。今 暴走しても、止めてくれる人はいない。
歩を進めながら考える。彼の種は、大体予測できた。
1人、見つけた。やはり話しかけようか。
そう思ってかぶりを振る。チャールズに止められているのだ。それだけではなく、まだ彼とは話せない。どれだけ信用のおける人物か、わからない。会って早々あんな態度で、会ったこともない人を気を付けろと言う。
『どうせ気付いてないんだろ?』
再び思い出す。
『君、弱そうだしな。』
この手の差別は受けたことがなかった。が、実際にあるのだと痛感する。
こう言われた理由。
――私が、ウィッチだから?
レスありがとうございました。
はじめまして、クラムボンといいます。
(大体の方はクラムボンちゃんかボンちゃんって呼んでくれます!)お返し遅れてしまって申し訳ないです(^^;
宮沢賢治先生、わたしの1番好きな詩人です
(まだまだわたしの知識は浅いですが…)
擬態語、擬音語が使われている作品が多くて
新しい作品を読むたびにワクワクします。
やまなしは特に好きで幼いカニの兄弟に、儚くて美しい水中の描写。そこで語れる死生観的な『クラムボンは死んだよ。』という生々しい?言葉。
素敵な世界観だなぁと思います。
その言葉、わたしもどこかで聞いたことがあります。以前友達と悲しまれて死ぬのと笑顔で見送られて死ぬののどちらがいいかと話をしたことがあって、ポエムはそこから創作しました。セカオワ先生の曲に『マジック』が有るのですが、歌詞に『僕がさこんなに頑張って生きてきたのに~生まれてきてよかったと僕は本当にそう思うんだよ』というのがあるんです。たとえ大切な人を失っても、大切な人に出逢えたという事実がその人の人生を価値のあるものに変えるのかなぁと思いました。とてもいい曲なのでぜひ聞いてみて下さい。
こちらも長々とすみません!
みーちゃん》
日本人じゃなければ、日本語はきっとわからなかっただろうなって思います。
この話を書いてても、1文でどうとでも変えることが出来る。その時に合ったベストでかけたらいいな、そんな気持ちで書いています。
ほんとは、もちょっと情景描写を入れたいのだけれど。ファンタジーの世界に設定はつきもので、別枠で説明するのは野暮かななんていうポリシー(っていえるのかな?)で、まあ、主要人物を知ってもらうために長々と。笑
まだ先の話かな。瑛瑠にも私にも、余裕がないからね(笑)
ボンちゃん》
かわいい。こう、呼ばせてもらいます(笑)
死んだよの方か(笑)
かぷかぷっていう音が好きだから、私は笑った方が好きだな。
宮沢賢治は、私が初めて触れた近代文学作者です。注文の多い料理店は、当時小学生だった私に、大きな衝撃を与えた本です。だから、宮沢賢治は色んな意味で特別。
ふふ、ご紹介ありがとう。聴いてみます。
セカオワ先生、独特の世界観持っていますからね。個人的に、ある曲で吹っ切れたんだなと思うことがありました。特に、そこからの曲が私は好きです。
今の中学生が大人びているのか、ここに集う子たちが異彩なのか(褒め言葉 笑)。
私の中学のときとちがうなあと思ったり思ったり。
とりあえず今日は様子見。そう割りきって教室に入る。玄関での人数のわりに、思っていたよりも人はいた。
基本的に静かではあるが、既に話している子も中にはいる。中等部から一緒の子だろうか。だとしたら、人間だろう。一年の期限つきの自分達は、高等部からの新入りである。そう、チャールズに聞いた。
黒板に張られた紙から、自分の席を探して机の上に鞄を置く。前の席には既に人が座っていた。
すると、こちらを振り向いた。
先程気を付けろと言われただけに、身構えてしまう。
「おはよう、初めましてだね。
ぼく、長谷川望(はせがわ のぞむ)って言うんだ。
名前、教えてもらえる?」
優しくにっこりする彼に、拍子抜けしてしまう。
「祝 瑛瑠です。」
「祝さんかー。なんて読むんだろうって、ずっと思ってたんだ。名前も、可愛いね。瑛瑠さんて呼んでもいい?」
感じのいい微笑み。
だめだ、ひとつもこの人が危険だなんて思えない。
いや、危険とは言われていない。気を付けろ、だけだ。
やはり あの彼の真意は図りかねる。
「もちろんです、よろしくお願いします。」
瑛瑠が微笑んで言うと、望はまたにっこりして言った。
「こちらこそ、よろしくね。」
ああああ...。伏線が見える気がするぅ。
すごい面白いです。身構えちゃいます。次が楽しみ。
俺もなんか書こうっと。
PS;
中高一貫校に通っている祝 瑛瑠。
私は中高一貫校に通っていたわけではないので、もしかしたらおかしな点があるかもしれません。
調べたところ、高入りのない学校では入学式はないとか。つまり、高入りある学校ではあるということらしいのですが(そりゃそうだ)、なしということでお願いします。あくまで、実在しない学校ですので。
加えて、ここがどこの世界かの明記はしておりませんので、なんでもあり前提でお願いします。ファンタジーですので。なんでも、似たような世界があるとかないとか……ご想像にお任せします。
わ!わ!わ!
むっちゃ久しぶりに見ました!笑
何ヶ月か前ももうやってないのかなーって思ってたんですけど、新しく出てて凄い嬉しいです!笑
これから、また楽しみができました 笑
頑張ってくださいー!
mementoさん》
わあああ嬉しい。笑
そうやって色々予測してみてください。私は出来るだけいい方向に裏切れるよう、言葉を磨いていきます。
こうして輪が広がるのは嬉しいことです。
mementoさんの作品、読みました。哲学的ですね。私、思考実験的なものは好きです。分厚い思考実験の本は、未だに全ての問題には手をつけきれていませんが…(汗)
ぜひ、他のテーマでも読みたいものです。
みーちゃん》
わーん、季節感がぁ……(涙)
忘れがち。始業式。不覚…。
こうしてお話を書くと、ついつい季節感なくなるという。熊本の夏は暑そうだね。
こういうことしてると、詩もかきたくなったりするのだけれど。とりあえずは見る専かも、なんて。
しずくちゃん》
そんなそんな、ちゃんとすべての名前をいれてくれるだなんて。
私の名前のごてごてした修飾語はとってくれて構いませんよ。
ピーターでもピーでもお好きにお呼びくださいな。
レス、ありがとう。いい夢を。
daichiさん》
お久しぶりです!!
いつか鬼ノ業をあげたときもかけつけてくださって…!あのときも嬉しかったです。
何ヵ月前とかもここに来てくれていたのですか!?ああ、嬉しい限りでございます…(涙)初めましての方が多い中、お久しぶりの方との再会は本当に心踊る想いがします。
daichiさん、16歳になられてる…!あのときの私と同じですね。勝手にお姉さん面なんてして。笑
一応、まとめにして更新を待っているのですが、なかなか…(汗)
少々手間がかかりますが、ぜひ 私の書き込みを遡ってみてください。また、楽しんでいただけると嬉しいです。
またここに遊びに来てくださいね、読んでくれている人がいること、励みになります。
返答ありがとです。
ちなみに俺のとこは中高一貫でしたが、入学式なかったです。大丈夫っすよ。
mementoさん》
ご丁寧にありがとうございます!
そうだったのですね、学校によって違うんだなあ…。
勉強になりました。もしまた気になることがあれば、答えてくれるとありがたいです(*^^*)
持ち上がりが多いためか、初日のわりにクラスはざわついている。もしかしたら、望のようにフレンドリーな人も多いのかもしれない。気を付けろなんて、言いがかりだと思ってしまう。
「ねえ、瑛瑠さん。担任の先生、どんな人だと思う?」
うしろを再び振り返って望が聞く。
学校の制度は学んだことがある。しかし、クラス形式での学びは初めてなので、担任の存在は知っていても、どんな人かなんてまるでわからない。
「大人数をまとめあげる統率力のある方、でしょうか。」
馴染めとはまた強引な指令である。今さら気付いてしまった。
瑛瑠としては精一杯考えたつもりだったが、求められていたのはそういう答えではなかったらしい。
さすがに瑛瑠とて苦笑いくらいわかる。
「すみません、質問の意図を取り違えてしまったようで……。」
「ううん、そうであってほしいよね。
ぼくは優しい先生がいいなあ。」
そういうことか。ため息が出そうになる。
いつかぼろが出る、そんな気がしてならない瑛瑠だった。
やっぱり宇宙人だww
でもなんかムカつくなぁ、こいつ…←
たぶんイケメン嫌いの所為です(笑)
担任も怪しいぞ〜!
ってあれ…もしかしてこっち来るのは16歳ばっかりなんですか?
わざわざ遡ってレスくれたんですね、ありがとうございます。品格保持ですか。もやっと敬語を使えない(使っていない)人を失礼ながらアホっぽいなと思っていたので敬語=教養を表すというところにかなりすとんと府に落ちました。
LOST MEMORIES始まったんですね!ちょっと読んできます。
全部読んできました。続き楽しみにしてます。
シェアさん》
望のことでしょうか、玄関でのあの彼のことでしょうか(笑)
あの彼はひたすらのイケメンさんですね、私の中では。笑 望は彼の言葉通りの見た目で。
まだ文字だけの担任さえ疑われるという笑
こちらへ来るのは16歳ばかりですよ、イニシエーションなので。一応、情報共有で明かされますが、ちょっと小出しにしてみました。西洋妖怪の中では、16歳が成人、これは変わりません。
まあ、10年前にはそのことに関して誤りがあったとかなかったとか……とりあえず、今の世代はみんな16歳ですよ(*^^*)
シェアさんとのやりとりは危ないですね…ここまでチェックしてる方がいるのなら、余計に(笑)
朔さん》
いえいえ、なんにもです。
府に落ちたと言っていただけてよかったです。
始まりました!わざわざ遡ってくださって…(涙)
ありがとうございます。
ちょこちょこ書いていくので、見てくれると嬉しいです。
まもなくして大人の人が入ってくる。50代くらいだろうか。男の人である。どうやら担任の先生。寝癖だろうか、朝起きてそのままのような状態の頭の彼は細身で、いかにも低血圧といった感じがする。瑛瑠の思う統率力のある先生のイメージとは、かけ離れているといっても過言ではなかった。少なからず、このような人を王宮の中では見たことがなかった。
教卓の前に立つ先生。
「おはよう。今年一年このクラスの担任をやる鏑木(かぶらぎ)だ。
今日の日程は事前に紙で見ていると思うが、始業式のみ。昼には完全下校。」
なかなかの単刀直入タイプであった。たしかに、事前に予定は知らされていた。もちろん、チャールズ経由ではあるが。
「今日は時間がないから、クラス内での自己紹介や委員等の決め事は明日。
これから職員会議だから、静かに教室にいること。勉強でもしとけ。」
気だるそうに言う先生を、瑛瑠はまじまじと見つめる。
先生はそのまま教室をあとにした。
あんな先生、あんな大人は初めて見た。
クラスで話し声が聞こえる。
「ねえねえ、鏑木先生だったね!超嬉しい!」
「ほんとほんと!嫌な先生だったら1年間おしまいだもん。」
生徒間の人気は高いようだ。
今話している子達は中等部からの付き合いなのだろうと思いつつ、やはり彼の人柄は疑問だった。
「瑛瑠さんは高等部からの人?」
振り返るのは望だ。
「そうですよ。長谷川さんは?」
「ぼくもだよ。鏑木先生ってどんな人なんだろうね。」
話についていけない組発見。静かにとは言われているが、あくまで静かにだから、許容範囲だろう。それぞれやっていることはまちまちだ。
おぉ〜。とうとう担任登場!
…どうやら怪しくはなさそうですね(笑)
あ、ヤなのは望くんです←
なんか〜アタマの良し悪しは別として女の子に軽そうで(笑)
これからもびしばしチェックいれてきますよ〜!と云うのはハッタリで、ミステリ読むのも好きだけど推理とか一回もしたことないです←
ピーちゃん(更に略していくスタイル)いちいちお返事をくれるから嬉しくって、書かなくていいことまで書いてしまいます(笑)
シェアさん》
あらあらまあまあ、担任の先生、怪しくないなんて思っちゃっていいですかね??笑(反対方向に煽るスタイル)
望くんですか!やはり書いている側と読んでいる側では違うものですね。
どんどんチェックいれてもらって構いませんよ(笑)でも、私もミステリは好きですが謎解きはしないですね。なんででしょう、謎解きしてくれる人が中にいるからかな。私が介入しようとは思わないんですね。
ピーちゃん(笑)たいそうかわいらしい。さながらインコ(笑)
私もシェアさんからレスいただけるの嬉しいです。一読者様の近い声が本当によく聞けるので。望の件しかり(笑)
引っ張られませんので、ぜひぜひお話お聞かせください。
みーちゃん》
涼しいというか寒い?笑
まわりに半袖いませんもん。高校生運動部くらい(笑)
私もまだまだ長袖です…。
教室全体を見回して、ある男子生徒に目が留まる。
「瑛瑠さん?」
本を読んでいるようだ。
「あの、長谷川さん。彼のこと、知ってます?」
今 本を読んでいる、と付け足す。
望は首をかしげる。
「いや、知らないよ。」
ですよね。
思って応えずにいる瑛瑠を、望は訝しげに見る。
「どうしたの?」
まさか、本人に言うわけにもいくまい。
「いえ、ホームズなんて 洒落ているなと思っただけです。」
別に、何でもないと答えればよかったのだが、嫌味を言いたくなってしまった。自己満足でしかない答えに、望はさらに不思議に思うのだった。
みーちゃん》
わー、そうなのか…。なんだか雨で大変みたいなニュースを目にしたよ、大丈夫かな?
本当に、同じ日本なのに、全然違うんだね。
PS;
ここで何の本を挿入するかで、個人的にめちゃくちゃ悩みましたことを明かしたいと思います(笑)
はじめ、ドストエフスキーの「罪と罰」にしようかと思ったんですけど、始業式早々読むかと。重すぎやしないかと替え、夏目漱石も考えたのですが、やはり海外の作家が崩れないかなと。どうせなら意外性を求めようと思い「星の王子さま」も考えたのですが、ちょっと遊びすぎだなと。できるだけ知らない人がいない作品がよくて、結果ホームズに。うーん、いまだに何がよかったのか…やはりだまってドストエフスキーにシテオケバよかったですかね…。なんて、書くときめちゃくちゃ悩んだシーンなんです(笑)
職員会議を終えた先生は、軽く説明をして、生徒を廊下に並ぶよう促す。先程と変わらず、必要最低限のことしか話さない。番号順に並べということだったが、この団体行動に 瑛瑠は驚かずにいられなかった。
前も後ろも、廊下中に人、人、人。
チャールズが言うには『まわりの人の真似をしてください。式中はただ座っていればいいです。』
ふと、あの彼が目に留まる。
まわりの様子をうかがうでもない。
自分と同じような境遇であるなら、慣れていないことだらけではないのだろうか。
つかめない人である。
「瑛瑠さん、隣同士みたいだね。」
不意に声がかかる。望だ。長谷川と祝の間に人はいなかったので、どうやらそういうことらしい。列は2つということだ。
「ぼーっとしてたみたいだけど、大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
言い辛そうに口を開く望。
「あの……別に、敬語じゃなくていいよ?」
呆気にとられる。
どうして急にそんなことを。たしかに、そうかもしれないが。
「癖のようなものですから、気にしないでください。」
それでも納得には至ってないように見える。
「……長谷川さん?」
「う、ううん、癖ならしょうがないよね!」
そう言って、前を向いてしまった。
基本敬語だ。それは、そうマナーとして教えられたからに過ぎない。チャールズやお世話係、メイドに使わないのも然り。立場云々ではなく、その場面には相応の対応があるということだ。
だからといって相手に強要する気はないし、自分と違うからといってどう思うわけでもない。口調も、個性のひとつだ。大切にされるべきものである。
と、瑛瑠は考えるので、唐突な望の発言には、どうしても疑問を抱いてしまうのであった。
『真似をしてください』だなんて、大丈夫かと不安な瑛瑠であったが、驚くほどみな同じ行動をするのだった。同じ場所へ集まり、イスを並べ 座る。その並べ方もまた、縦横揃い、見ものであった。
この国の式というものを、なんとなく理解した。どこも、ほとんど構造は変わらない。そして、集会で1番人気のないメインイベントも同様に。
相変わらずどこにも"偉い人"がいることに変わりはなく、彼らはお話をする。聴衆の興味の有無は関係ない。それが、有るべき姿であり、有るべき形なのだ。
学校のトップの話を健気にも聞いていた瑛瑠は、父が国民の前でする演説とは、覇気がまるで違うなと、そんなことを考えていた。
被ってなかったです、何度もすみません。
そのかわり、話数を間違えておりまして。
正しくは、ⅡⅩⅡですね。
長い長い集会とやらが終わる。
教室に戻るとまもなく先生がやって来て、朝と同内容を繰り返す。
「今日はこれで終わりだ。明日、自己紹介や委員等を決める。
今後についても、明日時間をとって話す。
授業は明日から。
以上。質問のある奴はいるか?」
相変わらず簡潔。どこよりもHR.が早いのでは、と思ってしまう。
はーい、と女の子が手を挙げる。
「先生も自己紹介は明日なんですかー?」
「全員が先生のことしってるわけじゃないと思いまーす。」
みんなくすくすと笑っている。
瑛瑠は、ざっと確認する。
今笑っている子達はほぼ省いていい。逆に、今不思議そうな顔をしていた人達は、高等部からの人に違いない。そして、その中に同種がいると思っていいだろう。
思わぬタイミングだった。
ふと先生を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
まるで、嫌な予感を感じ取ったことを露骨に表したかのような顔。
「まったくお前たちは……」
大人とこんな付き合い方も出来るのかと、半ば感心する瑛瑠。自分は とてもじゃないけれど、こうした関わり方は真似できそうにはない。
人と同じようにしようとは思わない。けれど、そんな関係もまた、瑛瑠の目に魅力的に映ったのも確かで。
学校の魔力、だろうか。
一言。鏑木だ、改めてよろしく。
そう言った先生が、自己紹介という名の質問攻撃にあったことは言うまでもない。
生徒たちが満足し、疲れたような先生がさようならと号令をかける。明日からは委員長が言うからなと、今日は代打で先生。
初めてのことばかりの驚きと魅力に、瑛瑠は精神的に疲れていた。明日からの生活が、心身ともにもつか疑問である。
帰ろうと鞄に手をかけると、祝、と声がする。一瞬、自分だと気付くのに遅れた。
も〜!ほんと切り方がうまい(笑)腹立つぐらい←
あ-、あったあった…と思い出し笑いをしながら、つくづくガラパゴス列島だったのだなぁと苦笑い。なんともまぁ、生きにくい世界でしたねぇ…
おやすみなさい、ピータん(ちょっと訛ってみるスタイル。タマゴみたいだね←)
シェアさん》
そんなに褒めても何も出てきませんて!笑
嬉しすぎて目が据わっちゃいます。
どこにでも典型的はいるものだと思います。
そして、もしかしたら気付いてないだけで、私もある種の典型的だったりして、なんて。うーん、あんまり型にはまりたくないって思うのは、めんどくさいやつなのかなあ…。
おやすみなさい、シェアさん。
卵ですね、黒い(笑)でも、音はかわいいです。笑
声の主は鏑木先生。
「は、はい!」
手招きをしている。
手をかけた鞄を置き、先生のもとへ。一体何だろう。
「これ、家の人に。」
家の人に。渡せ、ということだろうか。
これ、といって渡されたのは封筒。
「わかりました。」
ありがとうございますと伝え戻ろうとすると、呼び止められた。
「慣れそうか?」
慣れそう、とは。
『慣れが早いですね。』
チャールズの声がよみがえる。
応えあぐねていると、
「高校。」
と返ってくる。チャールズがよくわからないことを言うから、普通の質問にさえおかしな反応をしてしまうではないか。
チャールズを心の中で睨み、先生に応える。
「はい、楽しそうなクラスだと思いました。」
「そうか。」
初めて先生が笑うのを見た。
この先生が好かれていることが、なんとなくわかるような気がした。
「いい奴らばかりだから、すぐ馴染めるさ。
じゃあ、気を付けて帰れよ。」
「はい。また明日、先生。」
大人とは。先生とは。学校とは。
鏑木先生とは。
また明日,と、そう言ってしまった。また明日も自分は来ると、みんなと会うと。
自然に出てきたその言葉に、何より自分が驚いている。
そして、今日のクラスメートと先生のやりとりを思い出す。出来ないと思っていたこと。もう少し時間がたてば、もしかするともしかするかもしれない。
敬服すべきは鏑木先生の人柄なのだろう。難しいこの年齢に対応できるだけの力量が、彼にはあるのだと瑛瑠は思う。
クラスには、まだ数人残っていた。
そのうちの、瑛瑠の近くの席で話している女の子2人に声をかけてみた。
「初めまして。ちょっといいですか?」
2人は驚いたように顔を見合わせる。
そして、笑った。
「初めまして。」
「大丈夫だよ。」
楽しそうに笑う2人を、瑛瑠は首をかしげることで笑う理由を問う。
ひとりの子がにっこりする。
「初めましてって、使い道あるんだね。
そうやって話しかけられたの初めて。」
そういうことか。では、何と言うのだろう。
尋ねると、ちょっと考えるようにしてもうひとりが答える。
「ねえねえ、とか?」
そう言いながらまた2人は笑う。
声をあげて笑うことが、今までにあっただろうか。はしたないと言われたか。はたまた、そもそもそこまで楽しいこともなかったか。
なんだか、羨ましいと思ってしまう。
「ごめんね。で、どうしたの?」
顔を向けてくれた。
「鏑木先生のことなんですけど……。
お二人は、中等部からの方ですか?」
「うん、そうだよ。」
「あ、瑛瑠ちゃんもファン入り?」
にこにこする彼女たちに瑛瑠は驚く。
「どうして私の名前……」
もちろん瑛瑠は彼女たちの名前は知らない。
「珍しい名前だったから、黒板のあの張り紙見て覚えちゃった。かわいくていい名前だよね。」
今日はたいそう名前が褒められる日のようだ。
「鏑木先生の何を知りたいの?さっき十分質問に答えてたと思ったけど。」
面白そうに彼女たちは聞いてきた。
「鏑木先生、なぜあそこまで人気なのかと。
お二人は、どんなところが好きなんですか?」
二人は再び顔を見合わせる。
「瑛瑠ちゃんておもしろい子…。」
「超直球じゃん。」
目を丸くしてから答える。
「なんだろ、先生っぽくないところかな。」
「基本生徒は放置だよね。放置っていうか、任せてるのかな。」
「うんうん。ひとりの人間として見てくれてるよね、子どもとか高校生とかの前に。」
「ほら!さっきもさ、勉強でもしとけって言ってたじゃん?鏑木先生なら、勉強しろとは言わないんだよねー。」
「でもさ、鏑木先生に勉強しろって言われたらやる。」
「言えてる。やっぱ鏑木先生担任でよかったよねー。」
よほど好かれているようだ。
「ずっと人気なんですか?」
「うん。先輩から代々受け継いできてるの、鏑木先生の評判は。」
代々……。
「どれくらいここにいらっしゃるんですか?」
「んー……10年は確実にいるはずだよ。10年前の写真に載ってたの見たもん。」
「え、長くない?」
「10年前ここにいて、どっかの学校いってまた戻ってきたとか?」
「なんで誰も何年いるか聞かなかったんだろ。」
迂闊だったと言って笑う二人。瑛瑠は黙って聞いていた。
「そういえばさ、今年から担任らしいね。何年ぶりかで。鏑木先生担任とかずるいって、先輩方言ってるの聞いた。」
「おー、恐っ!女子人気高いしなー。」
脱線は続くよどこまでも。
「今年からなんですか?担任職。」
瑛瑠技師の軌道修正。
「そうそう。まあ、年齢的に管理職だしね。副主任とか学年主任とかさ、生徒指導部とかでも全然アリなのに。」
「去年なんだっけ。わー、覚えてない。」
瑛瑠はこんなやりとりを見るのも初めてだ。ここまで話は拡大するのか。
鏑木先生が好かれる理由を聞こうとして、思わぬ情報が沢山はいるものだ。
「じゃあ、どうして今年担任なんだろ。」
「何かあったとか?」
「鏑木先生に限ってないでしょ。」
「ウチらのクラスに問題児いるとか?」
「えー、初日早々やめてよ。」
「ごめ。まあ、こんなことは聞けないしね。」
肩を竦める女子。
話題を変えようとする。
「あとはね、笑うとかわいい!」
切り替えのはやさが凄まじい。
「あ、わかるー。少年みたいだよね。」
「50のおじさんにかわいいはいかがなものかとも思うけどね。」
ここは瑛瑠も笑う。
「私も、先生の笑顔は素敵だと思います。」
そう言うと、
「立派なファンじゃん。」
「同士だね。」
と微笑む二人。
色々、収穫があった。
「ありがとうございました。そろそろ失礼しますね。」
二人は頷いて手を振る。
「うん、また明日ね。気を付けて。」
鞄を持ち、扉に手をかける。
もう一度手を振ろうとして振り返った。
「あ、ねえ瑛瑠ちゃん。」
すると、瑛瑠よりも先に口が開かれる。
「はい?」
輝くような笑みは相変わらず眩しい。
「瑛瑠ちゃんさ、笑った方が断然かわいいよ。」
何を言われているのかわからなかった。
「わたしたちみたいにツボ浅いのもアレだけどさ、笑うと楽しくなるから。少なからず、これからは学校にいる間がほぼ1日を占めるんだからさ、楽しまなきゃ。どうせ同じ時間、みんな与えられてるんだしね。」
「知ってる?表情筋上げるだけで人って明るい気持ちになるらしいよ。」
そう言って頬を指さす。
なんて底無しに明るい子達だろう。これも、楽しくしよう意識しているのだろうか。
「今度こそじゃあね。引き留めてごめん。」
首を振り、微笑む。
「うん、またね、二人とも。」
手を振って教室をあとにした。
不思議な場所である。不思議な人たち。
思い返せば、瑛瑠には友人らしい友人はいなかった。
よく、この経験したこともない大人数との交流に、不安らしい不安を抱かなかったな自分。
妙なことに感心しながら情報を整理する。
玄関での彼、その彼に忠告された長谷川望の存在。そして鏑木先生。と、彼からもらった封筒。しっかりと封をされているそれには『祝 瑛瑠さんの保護者様』と明記されている。
「保護者様……ね。」
10年前にもいたという担任の先生。チャールズも10年前に人間界に来た。ここの学校だろうか。
チャールズの存在も然り。
前日の彼との会話の、自然すぎる不自然なやりとり。瑛瑠は忘れてはいない。 彼についても、謎。
帰路につく瑛瑠。
時は正午。
歩く瑛瑠の影は、朝よりも短かった。
みーちゃん》
うふふ。うふふふ。にやける。
なんと今はね、14度。ちょっと寒すぎるかも笑
十年前…
やっぱ怪しいわ、このセンセ←行き当たりばったり
みーちゃん、ほんと可愛いよね(笑)
シェアさん》
なんだかやりすぎかなってくらい強調しまくってて反省しています(笑)
ほんとはもっとあからさまにやりたいところだらけなのをこれでも抑えてるんです(大泣)自分で書いててあれですけど、いわゆるネタバレしたいってやつ…笑
かわいいですよね(笑)
だから私もあんなノリになってしまいます…
ついにガッコ…
嗚呼、とてもいびつな世界なのでしょうね(笑)
エル(今や珍しくもない名前ですね…苗字はさておき)の目からどんな世界が見えるのか、楽しみにしていますね。
渦森今日子は宇宙に期待しない(最果タヒ)の須磨さんのように、不思議ちゃん宇宙人なのか、それとも普通に溶け込んでしまうのかも楽しみ…!