LOST MEMORIES ⅩⅤⅦ

ノックの音で目が覚める。薄暗い。
「お嬢さま?いらっしゃいますか?」
体を起こす。眠っていたらしい。
「お嬢さま?」
怪訝そうな声の主はチャールズ。
瑛瑠は、まだ完全に働いていない頭で応える。
「……います。」
ほっとしたように扉越しにチャールズは言う。
「大丈夫ですか、もう夜になるというのに全く音がしないので心配しましたよ。」
瑛瑠は立ち上がって扉を開く。
「ごめんね、眠ってしまっていたみたい。」
乱れているであろう髪を手ぐしでとかしながら出ると、チャールズは明らかに驚いたようにした。
「チャールズ?」
顔に変なものでもついているのだろうか。そう、尋ねようとするよりも先に、チャールズが瑛瑠の頬に手を伸ばした。
「どうしたんですか。」
消え入りそうな、心配一色の声。
形のいい親指が、目元の雫を掬う。
「なぜ、泣いていたんですか。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-03 19:14
  • 偶然にはできすぎた夢の中の二人。5歳の少女。十年前。頭を撫でる...。

    うわぁぁぁッ!!!起承転結の転へのパイプがあ!!!
    ますます目が離せないじゃないですか!!!もうダメだ。すでにエンディングが待ちきれないわ。

    最近柄でもない詩ばかり書いてしまい...。ポエム掲示板には伝染病がいるのでしょうかね。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-03 19:59
  • みーちゃん》
    憧れね(笑)
    1度はお姫様みたいな扱いを受けてみたいなんて思っちゃう。それは結局叶うことはないのだけれど…笑

    小5からこんなん始めてたから異常(笑)たいそう妄想が好きだったんだなあ…。今小5のときのやつとかみると、もう恥ずかしくて鳥肌がたつ。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-03 23:00
  • めめんとさん》
    ふふふ、くしゃっとね。笑
    これでもまだ1日目…。エンディングにはまだまだいかせませんよー!笑

    柄でもないだなんて。私は好きですよ、めめんとさんの詩。確かに、ちょっぴり意外だなーなんて勝手に思っちゃいましたけど(笑)
    パンデミックですねー。なかなかに個性的な人の集まりですから(笑)みんなみんな発生源ですよ、きっと。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-03 23:04

LOST MEMORIES ⅩⅤⅧ

そこで初めて自分が泣いていたことを自覚する。
「何でだろう……」
寝ていただけだ。
「夢でも見たのかもしれない。」
何も思い出せないが、そう口にするとそんな気がする。それに、チャールズの心配の色が深まるばかりだ。夢のせいにしてしまえば楽である。
「すみ、ません……」
そんな瑛瑠の気持ちとは裏腹に、チャールズは項垂れる。
今度驚くのは瑛瑠の番だ。
「……どうして謝るの。」
謝られるようなことをした覚えはない。泣いて起きたことが、チャールズのせいだとでもいうのだろうか。
伏せる碧い眼は雲って見える。
もちろん、背は断然瑛瑠の方が低いので、覗きこんでみた。
瑛瑠の顔に、チャールズの影がかかる。
視線がぶつかる。否、瑛瑠が視線をぶつけにかかる。
「私は、大丈夫だよ。」
雲って見えたその眼に、瑛瑠の顔が映り込む。
すると、ふっと表情を和らげたチャールズは、再びくしゃっと頭を撫でた。
「それなら、安心です。」
うん、戻った。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-03 22:56
  • え〜、あんな素敵な夢、飛んじゃうなんて残念すぎて泣ける…(;_;)

    あ…魔力!夢だけ視させて忘れさせる力?
    待って、ピ…チャールズってなに族になるん?



    (あ、わかった!ピーターパンのピとピエールのピが無意識で繋がってるかも…笑)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-03 23:18
  • シェアさん》
    lostしちゃってる記憶たちは、そう簡単に取り戻させませんよ?笑
    瑛瑠ちゃんには綺麗さっぱり忘れていただきました(笑)まあ夢なんで、本当かどうかもわかりませんよ…?瑛瑠ちゃんの理想だったり…ふふ。

    ピエールとピーターパンもだいぶ苦しいけどなあ…笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 07:49
  • みーちゃん》
    チャールズかっこいいよ!?
    絵が神級に上手な友達に、この話の登場人物かいてもらったことあるんだけど。…ねえ?笑 素敵過ぎて。

    あああ昔の絵はだめだ笑
    昔の絵は昔の話以上に開けてはいけないパンドラの箱(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 07:57
  • PS》
    はい、誤字を発見いたしました。
    雲って→曇って ですね。
    眼が曇るに実際の雲がかかっててどうするんでしょう。空を見上げているシーンであれば、意図的にそうするのもまた良いのかもしれませんが…。
    失礼いたしました。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 10:56
  • みーちゃん》
    やめて笑 趣味に留めておくのが一番楽しいから笑
    でもみーちゃんがイラスト描いてくれるならみてみたいなあ!

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 19:25

LOST MEMORIES ⅩⅤⅨ

「夜ご飯できてますよ。食べましょう?」
改めて、随分と眠っていたのだと自覚する。寝起きであまり食欲がないけれど、それを言うには忍びない。リビングへ向かうなか、チャールズが口を開いた。
「午後はあまり動いてないですし、軽いものにしたので大丈夫ですよ。」
完全復活らしい。心を読んできた。思わず笑みがこぼれる。
扉にてをかけて、チャールズが言った。
「何か思い出したら教えてくださいね。」
この言葉にひっかかりを覚えないわけではなかったが、はい,と応える。
入ると、中は美味しそうな香りでいっぱいだった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-04 14:22
  • みーちゃん》
    嬉しいのよその言葉が本当にっ!
    はやく学校いけってな(笑)まだヴァンパイアの名前すらわからんじゃないのー。

    この話のすぐ上のみーちゃんの詩が好きだけ。そういうの、すごく好きなの。日常を切り取ったみたいなさ。
    この話は瑛瑠ちゃんもチャールズも人間離れしてるから(人間じゃないけど)、ただのJK書くのが意外と好きだったりする。笑 日常のひとこまっていいよね。(ここにレスるっていう笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 21:55
  • う〜…もどかしい(;_;)
    チャールズってもしかしてドSなの(笑)

    この夢になにかキィが隠されているのは確かなんだけどなぁ。
    いやいやピーたんのことだから大事なことは伏せていそうな気がするぞ(疑いの目)…

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-05 12:09
  • シェアさん》
    探ってもらえるのが嬉しいので、ちょっとだけ話しちゃおうかなー。あ、ネタバレじゃないです。本編に影響はない書いていた上での訂正箇所を。

    私、あの夢のなかに、入れようと思っていた言葉というか、単語があったんです。それを、直前に消しました。すると、どういうことでしょう。みなさんからのレスを見て、いれなくて正解だったなあと。疑いの目、めちゃくちゃ鋭いですね(笑)

    チャールズさんはSっ気ありますね。
    ほんと、いじわる。笑
    でも、好きな子にはめちゃくちゃ甘やかしちゃう性格ですよ。ふふふ。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 14:35

LOST MEMORIES ⅥⅩ

ご飯、お風呂、歯磨き、すべてを済ませ、あとは寝るだけ。困っているのが、全く眠くないということだ。そりゃ、あれだけ日中に寝てしまえば眠くないはずである。そして、そもそも夜行性なのだ。
寝る準備万端の状態で人前に出るなどしたいことではないが、部屋にいても気が晴れないどころか目が冴えてくる一方なので、寝ようとすることを放棄した。
いるのはチャールズだからというのも理由のひとつである。
アイボリーのカーディガンをひっかけ、リビングへ行く。
明かりが漏れている。起きているのだろうと思って行ったものの、予想通り過ぎて笑えない。
「お嬢さま、起きてらしたんですか。」
少し驚きを滲ませるチャールズの横に座る。
「眠れないの。」
納得したように苦笑して、ちょっと待っててくださいねと言う。
立ち上がるチャールズから目を離し、置かれた本を手に取る。本というより、手記に近いような冊子。タイトルはない。開けてもいいものかと躊躇っていると、チャールズがカップをひとつ持ってきた。もう一方の手に持っていた蜂蜜の小瓶を置くと、その手でそのまま本を取り上げられる。
「人のものを勝手に探るような無粋な真似はするものじゃありません。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-04 21:50
  • 精神的ダメージ...?何でしょう。なんとか回復してほしいものです...。聞ける話があればいつでも聞きますよ。

    遅れなんてそんなそんな。焦らされるのは辛いですがそれもまた魅力と言えば魅力で(なに言うとるんかわからんくなってきた)とにかく頑張ってほしいです。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-04 22:14
  • めめんとさん》
    惚れます。笑
    PSでお伝えしようと思っていたのですけれど、失礼してあなたへのレス返しでお伝えさせていただきますね。
    大したことではないのです。相変わらず本が好きでして。大好きなシリーズものの本の斜め上から鈍器で殴られるような結末に、精神がやられたというだけの話なのです。笑 いまだに受け入れがたいその結末が、何をするにも引きずってしまい…お恥ずかしい話です。

    ふふ、病んでいるわけではないので大丈夫でございますよ(笑)元気は元気です!ありがとうございますね。
    それさえも魅力だなんて嬉しいですよー。頑張ります!

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 22:54
  • みーちゃん》
    わー、思っていた以上にご心配をおかけして…申し訳ない。笑
    え、待って。嬉しい(笑)
    風邪をひいてやけに心配されてちょっと嬉しいみたいな気持ち笑

    ごめんねー、大丈夫よ!そのとき読んでいた本に精神状態が左右されるのよ私(笑)感情移入しすぎが引き起こすのね…明日からまた頑張るわ。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-04 22:58
  • そうですか。ならいいのですが...。

    て言うかそんなこと言われたらなんの本か気になるじゃあありませんか。
    せめてタイトルだけでも...。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-05 06:31
  • めめんとさん》
    題名は失楽園のイヴですね。藤本ひとみ先生がかかれた本で、表紙は大炎上しています。私の心も大炎上しています。
    シリーズものっていけないですよね。最初の頃が平和だったよななんて考えてしまう。受け入れなければならないのに、成長してからの方が拗れていくんだよなあ…。

    みーちゃん》
    今日も、この本知らない友達にあらすじから説明して私のぐじゃぐじゃの気持ちをひたすらきいてもらった(笑)
    私がそういう本しか選ばないのか、私の選ぶシリーズものが最終的にそういう方向に行くきらいがあるのかはわからないけれど、最近は本を読んで辛い思いしかした覚えがない。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 14:51

LOST MEMORIES ⅥⅩⅡ

どうやら、触れていいものではないらしい。
だから、ここは素直にごめんなさいと謝っておく。どうやら、小説というわけではないようだ。
聞こうか迷っていると、
「ホットミルクです。蜂蜜はお好みでどうぞ。」
と出されてしまう。そうとう触れられたくないらしい。だから、なかったことにして、ありがとうと伝えた。
チャールズは、元いたところ、瑛瑠の隣に腰を下ろす。
「今日は寝るのやめますか?」
悪戯めいた瞳が揺れる。その、とてつもなく澄んだ碧を見つめながら、瑛瑠も乗っかる。
「何をするの?」
ちょっと考えたチャールズは、静かな声で、昔話を,と言った。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-05 14:28
  • 昔話...。語りタイプの回想入りました(^^)
    ああ、まだ始まったばっかやのに情報量が多いぃ!やのにその割にはわかることが少ないぃ!どないしてくれるんですか!(どないもできひんやろ)

    いい流れ、来てます。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-05 18:57
  • みーちゃん》
    昔話で・す・が!笑
    こうしてみなさまの期待を裏切るスタイル(笑)
    あれ、時間とんでない??ふふ、とんでるんです。
    なんかもう精神的におかしくなっているのはすべて本のせい。

    えええ、バッドエンドものばかり…?無理だ…私には無理だよ。最後は幸せになってほしいもん…。だからといってハッピーエンドらしいハッピーエンドは読まないな(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 19:33
  • めめんとさん》
    回想入るかと思いきや、ですね(笑)
    次の話には持ってこないという裏切り。
    ですねー、情報量は多いのに何にもわからない笑
    あ、でももうそろそろ学校へいきますよ…?また何かしらわかることがあるかも、ですね。ふふ。

    色んな予想してくださいね。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 19:38

LOST MEMORIES ⅥⅩⅢ

「お嬢さま、おはようございます。」
目の前にはチャールズの端正な顔。
「おはよう……? 」
寝ぼける頭をどうにか起こし、思い出そうとする数時間前の記憶。眠れなくて起き、確かチャールズの言う昔話とやらを聞くことになったはずだった。
なんの話だったろう。
「昨日、私どこまで起きてた?」
昨日といってもいいか疑問ではあったが、とりあえず昨日として聞いてみる。
なんだか、不思議な話だったような気がする。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-05 19:34
  • みーちゃん》
    ふふ、ちゃんと次は昔話(笑)
    でも、内容量少なめだけどねえ…。
    ありがとう、嬉しいわっ!笑

    恋愛系もってないっ…!笑 恋愛っていっていいのかわからない、夏目漱石のこころとかは持ってますが…(笑)好んで読まないなあ…もっぱらミステリか妖怪系か…あれ、でもジャンルにこだわりは特にないかも笑
    好きな本紹介し合うのも楽しいかもね。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 20:59
  • うそ、昔話も忘れちゃうの…(;_;)
    いったいなんなの、こいつの魔法って!

    (それはズバリ、パプリが「○○」に呼び掛けることばですね!)
    (ちなみにパプリって名前も夢の中では呼ばせないのかと思ってました)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-05 21:56
  • ハイ焦らしていく~。マジか。いい意味でウザいわwwwちくしょ~、ニクいぜ

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-05 22:03
  • 好きな本紹介してほしいです。ピーターパンさんのおすすめの本とか作家さんとか。知りたい!

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-05 22:05
  • シェアさん》
    忘れませんよ、途中までは(笑)
    寝落ちです(真顔)

    さすがですねー、生きてる時間が違う。
    余計なこというと墓穴掘りそう(笑)シェアさんにはもう何も言わない方が身のため…!?←

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 23:52
  • めめんとさん》
    誉め言葉をありがとう(笑)
    でもちゃんと夢、出しましたよ ウフフ
    こういうことする。笑

    私の好きな作家さんですか。敬称略でいきますね。
    たぶん一番好きなのが宮部みゆきです。たぶんというのも、たくさんありすぎて(笑)一番読んだ作家さんです。あとは京極夏彦。
    基本、純文学好きでもあるので、有名な文豪の作品はひとつはふれているはずです。梶井基次郎の檸檬は一番好きな作品といっても過言ではありませんね(高校の授業で扱うかな?)。
    読みやすいので紹介するなら、階段島シリーズとかおもしろいですよ。まだまだありますが、とりあえずぱっとでてきたものを。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-05 23:59
  • 宮部みゆきさんはいいですよね。ブレイブ・ストーリーですごいはまりました。京極夏彦さんはルー=ガルーしか読んだことはないですが...
    またこんな話したいですね。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-06 07:34
  • めめんとさん》
    そうですね。本の話は大好きなので止まらなくなってしまう。
    ビブリオバトルに高校のうち1度は参加したいと思っていたのですが結局出られず。
    だから、憧れなんです、ビブリオバトル。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 12:40

LOST MEMORIES ⅥⅩⅣ

*

ある女の子がいました。彼女には母親がいました。彼女の母親は凄い方でした。しかし、突然姿を消したのです。
彼女はとうとうひとりになってしまいました。
歩き探し回るも、彼女の味方になってくれるような者は現れません。それどころか、周りの景色は目まぐるしく変わっていくばかり。まるで、自分だけが取り残されるかのように。

*

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-05 21:00
  • お母さんって、女の子にとっても男の子にとってもほんと特別な存在なんだよね〜。そう云えばお城にお母さんらしき存在は見当たらなかったなぁ。

    ん?凄い母親が突然…オニってことばが急に頭のなかに浮かんだけど!?

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-05 23:20
  • シェアさん》
    お母さんて特別なんですよね。母の日はちゃんと覚えてるのに、父の日は忘れちゃうし…(お父さんごめんね)。

    あー…ここと鬼ノ業をつなげられたらってもうちょっとはやく思い至ってればそうしたのに…!笑
    今回はそういうことじゃありません(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 00:35

LOST MEMORIES ⅥⅩⅤ

随分と冒頭で寝落ちてしまったようだ。チャールズの声が心地よいのがいけない。
そして、ここから先は思い出せなかった。
「だいぶ序盤でお休みになりましたね。女の子に協力者が現れたところで、私の肩にお嬢さまの頭がのりましたよ。」
「……そこの話知らない。」
「まあ、昔話なので。」
ほら、起きてくださいね,とベッドから離れる。どうやらリビングのソファからここまで運ばれてきたようだ。思った以上に恥ずかしいそれを頭から振り払うように部屋を出た。
随分と細かい昔話だ。どこに伝わるものだろうか。
準備をしてリビングへ入る。席につき、先ほどの昔話について聞いてみる。すると、チャールズは笑う。
「寝る前の読み聞かせですよ。次の日に内容を聞きたがるだなんて。忘れてるものだと思っていたのに。」
すごい子供扱いされた気がする。そう思い、拗ねたように言う。
「だって、あまりにも詳しいんだもの。どこで聞いた昔話なの。」
探りを入れようと思っているわけではない。純粋に興味があるだけだ。この質問を、チャールズがどうとるかはわからないけれど。
「では、また眠れない夜にでもお話ししてあげますね。」
少々むっとするけれど、また聞けることに今は満足しておこう。今日は遅めに起きたから、時間的余裕は昨日よりない。いただきますと手を合わせるのだった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-05 23:37
  • みーちゃん》
    ぎゃん。返信されてない。笑

    まってまって、私そんな魔法使えるなんて一言も言ってない(笑)
    シェアさんの解釈には肯定も否定もしてません笑
    もー突飛な設定をいうんだからシェアさんてば。困った人だわ←
    魔力は攻防一辺(二辺?)倒なのよー。
    昔話をまた聞かせてくれるかは別問題だけれど、途中まではちゃんと瑛瑠ちゃん覚えてるからね笑

    チャールズは一家に一台欲しい。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 18:41

LOST MEMORIES ⅥⅩⅥ

「……おはようございます。」
「おはよう。」
例のヴァンパイアと対峙。まさか今日も玄関で会うとは。せざるを得ない挨拶を交わす。そのあと先に口を開いたのはヴァンパイア。
「昨日の忠告、聞いていなかったのか?」
唐突だ。
ローファーを棚にいれる。
昨日の忠告とは。前の席に気を付けろというやつだろうか。
「お言葉ですが、それは言いがかりです。」
彼は少し目を丸くする。思っていなかった返答なのだろう。
「好い人でした。」
視線がきつくなる。これは、怒り だろうか。
「僕を誰だと思って言っている。さすがにわかっただろ?」
何のことだろう。いちいち主語がない。さすがに瑛瑠も顔をしかめる。
なぜ怒りの感情を持ったのかがわからない。
「瑛瑠さん、おはよう。……瑛瑠さん?」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 09:21
  • わくわく…こりゃあ面白いほうに拗れてきたぞ(性格が悪い)

    不親切すぎる彼にも、親切すぎる彼にもなにか裏があるんじゃないかと思って目が離せない(笑)
    いきなり直接対決よりじわじわと見え隠れして悩ませて欲しい気持ちと、ええい何者だ!って気になる気持ちと…
    ったく、腹立たしい(笑)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-06 18:43
  • シェアさん》
    ふふふ。にやにやしちゃいますよね(笑)
    どっちもはやく本性出せよと言いたくなる笑
    まあ今回はヴァンパイア雲隠れですけどね。笑
    あ、やっと名前がでますよ。ヴァンパイアなんていう三人称とも言いがたい(もはや種族名)はとりあえずおしまいですね。

    あ、シェアさん。あなたの考察のおかげで惑わされてる子が出てきてます(笑)
    この場を借りてお伝えしますと、本編とシェアさんはまったくの無関係なのでどうか惑わされないでください。笑
    ただ、私は楽しんで毎回レスを読んでいるので、やめていただく必要は一切ございません(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 19:16

LOST MEMORIES ⅥⅩⅦ

望である。だから、とびっきりの笑顔で振りかえる。
「おはようございます。」
背中からは彼の声。
「お気楽で羨ましい限りだ。」
振り返るとそこに彼の姿はもうない。
何が何だかさっぱりわからない。彼は何と言った?
『僕を誰だと思って言っている。さすがにわかっただろ?』
ヴァンパイアだ。それも、かなり優秀な。
わかったの示す主語は、瑛瑠だろう。では、目的語は。彼の正体?
"さすがに君でも僕の正体がわかっただろ?"
わかっている。あれだけの残り香でわからない者はいないだろうの意でのさすがに,だろう。
とすれば、あの怒りは何だ。彼の忠告に従わなかったから。ヴァンパイアのアンテナを馬鹿にしたから。そのつもりはなかったが、結果的にそう捉えられたのだ。
優秀なアンテナより、魔力に気付けなかった自分自身の感覚を信じたことに関して、彼は怒っていたのではないか。
そこで少し思考を止める。
なぜ、忠告したのだろう。仮に望が瑛瑠にとって危険だったとして、自分の感覚を信じようと、彼には助ける義理もない。いや、そういった義理があるから忠告もし、怒り、彼のアンテナを信じろと言いたかったのだろうか。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 14:29

LOST MEMORIES ⅥⅩⅧ

「瑛瑠さん!」
「はい!」
すぐ横で望の声。さすがに驚く。
「大丈夫?」
彼の表情は心配を語っている。
「どうしたの?何か言われた?」
「いえ……。」
自分で確かめればいいのだ。なぜ彼は望のことをそこまで意識しているのか。望が本当に気を付けるべき人なのか。
「何でもないです。行きましょう、長谷川さん。」

変わったことは特にない。相変わらず後ろを振り返ってくるだけだ。
そもそも席が前後でいて近付かないことは不可避である。……近付くなと言われているわけではないが。
やはり訳がわからない。前の席に気を付けろとは。いっそ、席に何かあるのか。
「瑛瑠さん、今日は心ここにあらずって感じだね。」
悟られてはいけないような気がして、咄嗟に微笑む。
「そうですかね。夜更かししたからかも。」
嘘ではない。チャールズのいう昔話も気になるし、どうしてくれよう。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 18:19
  • ビブリオバトルですか。一度だけ学校杯(規模ちっさい)でクラスの代表に出たことがあるのですが...。そのときは住野よるさんの「よるのばけもの」を紹介した気がします。運良くグランプリを取ることができたのですが、まあ本が良かったからですよね。

    新しい1日。進展が楽しみです。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-06 19:42
  • めめんとさん》
    うらやましいです…そんなことをしてくれる学校があるだなんて…。
    たくさん紹介したい本あります。笑

    こんかいは時間の流れはちょっとはやめに(笑)
    頑張ります

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 20:50

LOST MEMORIES ⅥⅩⅨ

「今日は委員決めがあるね。何かやりたいのはある?」
「実は私、よくわからなくて……」
チャールズに説明を仰いだとき、メイドのやるようなことですよと言われた。そのときはそうかと納得してしまったが、雑すぎる説明だと今更ながら気づく。
「長谷川さんはやりたい役職とかあるんですか?」
望は少し照れるように言う。
「実は、学級委員長がやりたいんだ。」
名前からして、クラスのリーダーなのだろうと思う。メイドはそんなことしない。チャールズはそういうとこあてにできないと、瑛瑠は改めて自分に言い聞かせた。
「立派なお仕事ですね、応援します。」

始まった一時間目は自己紹介から。ヴァンパイアの彼の名を、やっと知ることができた。霧 英人(きり えいと)というのだそう。その名を数回反芻する。
二時限目は委員決め。とりあえず委員長 副委員長を立候補で,と鏑木先生。
その2つの役職は、瑛瑠が思っていたよりもずっとはやく決まった。それぞれひとりずつ立候補したからだ。
朝の会話通り、委員長は望になった。副委員長は、ショートカットの女の子だ。名前は伊藤 歌名(いとう かな)。自己紹介の様子を思い出すと、元気で愛想のいい印象だった。笑顔が愛らしい。
ふたりに仕切られて、委員会 係は少しずつ穴を埋めていった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 20:13
  • みーちゃん》
    なんもだよ、お疲れ様!
    眠るの好きなのね(笑)

    うん、いやらしいとこついてくる笑
    もう余計なこと言えないなー。

    わーい!万能な人にしたくて、英って優れたとか優秀って意味があるのね。だから、英人は優れた人、優秀な人って意味だよ。私の愛が感じるね笑
    これから出番増えるはずだから!笑 かっこいい姿楽しみにしてて!

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 22:24
  • チャールズの説明ざっくり加減(笑)

    (うわ、あいつ名前もキレッキレww)
    (コワいけど面白そうでも…うむうむ)

    惑わされてる子(笑)楽しい←
    ええ、これからも無責任に茶化していくスタイルで遊ばせてもらいますよ(笑)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-06 22:36
  • みーちゃん≫あ、ぼくは無責任に遊んでるだけなので(笑)
    あれやこれや細かい点を突っついて楽しんでます(´▽`)またピーたんが面白がってくれるもんで楽しくって←

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-06 22:39
  • シェアさん》
    シェアさんっ!今NHK見てて。岡山県大変なことになってるみたいじゃないですか…!私心配してたんですよ。いつも通りのレスきて安心しました…。無事であることを祈っています。

    かっこいいでしょー?笑 今週は英人くんの登場諦めますが(笑)
    みーちゃんを筆頭に、読んでくれてる方々の力が洗練されますね笑
    これからも突っ込み入れていきまーす(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 23:17

LOST MEMORIES ⅦⅩ

二時限目だけでは決まりきらず、10分休憩の後再開ということになった。
今はその休憩時間。
黒板の前にいた望が戻ってきた。
「おめでとうございます。有言実行、すごいですね。」
微笑むと、望は嬉しそうな表情を見せた。
「ありがとう、頑張るよ。」
そうして会話を続けていたとき、明るい声がかかる。
「いんちょー、これ見てくれる?」
歌名だ。
呼ばれた望は、歌名の持ってきた紙を見る。クラスの何かだろう。しばらく二人を眺めていると、どうやら解決したようで、歌名はその紙を持ち直す。
「OK!ありがと。」
そういった後、瑛瑠を向く。
「瑛瑠ちゃん、お話の邪魔してごめんね。」
ウインクをして去っていった。何らかの含みがあるようにも思えたが、この勘は当たるだろうか。
そして、またもや名前を覚えられていた。自己紹介は確かにしたけれど。
瑛瑠が歌名の名前を覚えていたのは、早い名字で、何より副委員長だったから。
「そういえば、伊藤さんも高入りでしたよね?」
そこでチャイムが鳴る。
望は立ち上がって答えた。
「うん、そうだったね。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 22:19

LOST MEMORIES ⅦⅩⅠ

放課後、確認しておいた図書室へ行く。
今日は残りの時間はもっぱら説明。明日からの授業についても触れられた。頭も特に使っておらず、疲れはまだない。
だから、自分の采配で少しずつ探っていこうと考えた。一番手っ取り早いのは、情報が集まるところに行くこと。だから、図書室を選んだ。
情報というものは蓄積されていくもので、特に紙媒体は強い。正確さや量について右に出るものはないと思っている。
今一度、目的を思い出す。自分は、"何らかの判断を下す目的で実状を知るために実際にこの地へ来た"。
そしてそれはサミットが関係している。
自分の思考のなかにいきなり現れた大きな存在に身震いをする。とりあえず置いておこう。
図書室をざっと見渡す。
瑛瑠はふと思った。ここは、違うことが多すぎる。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 22:20
  • みーちゃん》
    本当に。たまにうっ…ていうレスくるから丁重にスルーさせていただいています…(笑)
    素敵な詩を書く人だもの。自分とは違う感性をもっていて、考えさせられることが多いな。
    私、みーちゃんの目も気にしなきゃならない!?笑

    名前をつけるときに、いちいち漢字辞典引くからね(笑)ふふ、物知りでしょ。笑
    今週は英人くん諦める。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-06 23:10

LOST MEMORIES ⅦⅩⅡ

瑛瑠が読んだことのある人間界にまつわる童話には、いただきますの挨拶や、屋内で靴を脱ぐ行為は聞いたことがない。もしあの童話が実話だとするのなら、なぜ食事シーンや帰宅シーンでその描写がない?
そこまで思って立ち止まる。考えすぎかしら。
チャールズが、そういう文化だと言うから納得していたけれど、やはりおかしい。
ひとつの事実に思い至る。
「私が読んだ童話には、その文化がないんだ……」
チャールズの言葉を思い出す。私たちは、ここでは西洋妖怪と呼ばれている。ということは、ここはいわゆる西洋ではない。しかし、西洋もまた存在する。それでは、西洋の人間界へ送られるのが普通ではないか。
地域文化の文字が目に留まる。
私はどうやってここまできたのか。
父の部屋の隠し扉から地下へ行き、そこにあった木の枠としか言い様のない扉をくぐって。扉というのは一般に1ヶ所としか繋がっていない。人間界と魔界を繋ぐあの扉が、あの地下とこの地しか繋げないのだとしたら。
人間界なんていう大きなくくりではなく、この地域だけに関する何らかの情報が求められているのではないか。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-06 22:35
  • そっかー、確かになんで東洋に来てるんだろ。考えもしなかったわw
    だんだんと深みを増していきますね。更に何か分かりそうで楽しみです。

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-07 06:51
  • みーちゃん》
    シェアさんたまにめっちゃ恐いからね(尊敬)。
    ふふ、じゃあ気を張らずに楽しむ。笑
    今週はやっと英人くんでるからね、私も楽しみ。
    今週も頑張りましょう。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 16:44
  • めめんとさん》
    あくまで物語なので、っていういいわけでもいいのでしょうけれど、もしかしたらそんなこと言われるかもなんて保険はっちゃいましたね。笑
    私はこういう身ですからあれですけど(指事語の濫用)、瑛瑠ちゃんはやっぱり選ばれた身ということで。賢いですし、聡いんだよなあ…。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 16:47
  • わざわざ日本にねぇ…謎はふかまる。
    (西洋妖怪なんて呼ばれてる上に、そのことを公然と知っていると云う…)
    (しかも日本語の読み書きが完璧にできるなんて←じわじわイジメてみる)


    そしてみーちゃん(笑)こんな処で褒め殺してもなんにも出ませんよ(笑)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-09 16:55
  • シェアさん》
    ふふふ、そもそも日本とは公言しておりませんよ??笑
    日本語の読み書きに関しては、それこそシェアさんに突っ込まれるかと思って、瑛瑠ちゃんに説明させております(下書きinルーズリーフ)。もうちょっとお待ちくださいね(笑)
    西洋妖怪と知っているのはチャールズ氏担当なので、こちらもしばしお待ちを笑

    ここまで想定内で来られると恐いです(笑)私の把握しきれていないところの質問こられたら大変←

    大事なことなのでもう一度、ここが日本とは公言していません。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 20:09

LOST MEMORIES ⅦⅩⅢ

我ながら良い仮説だと思う。人間界というなら、こんな狭い範囲に自分たちを送り込む意味がわからない。
ただ、そうしてまた立ち止まる。この地域とは、どこからどこまでの範囲をいうのだろうか。隣の学校にも同種がいるなんて言われてはたまったものじゃない。
速まる鼓動を抑えたがるように言い聞かせる。焦るな、祝 瑛瑠。
ゆっくりと深呼吸をする。どうしてここまで焦って考えているのだろう。そう思うけれど、それはわからないものに操られている恐怖なんだろうと思う。
やはり、共有者が欲しい。一緒に考えてくれる人。
霧 英人の顔がちらつく。あの漆黒の瞳。正体が割れているのは彼だけ。しかし、思いきりがつかない。
「瑛瑠さん?」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-09 08:41

LOST MEMORIES ⅦⅩⅣ

いきなりの呼び掛けに、それはもう心臓が止まってしまうかのごとく驚いた瑛瑠。
「は、長谷川さん……」
止まりかけた心臓は、慌てたようにすごい勢いで動き出す。
瑛瑠は思わずしゃがみこんだ。
「びっくりしたー……急に後ろから声かけないでください。」
恨みがましく見上げる。昨日チャールズに止められたうわめづかだということには気付かない。
望は一瞬固まり、困ったように微笑んで、ごめんねと手を差し出す。瑛瑠は、ありがとうございますと、手をとった。
「どうしたんですか?」
瑛瑠が聞くと、望は少し肩を竦める。
「先生に頼まれちゃって。瑛瑠さんは?」
学級委員長の仕事だろうか。
「ちょっと調べものを。」
あながち間違いではない。
「終わった?」
何も調べてはいないが、なんだかよくなってしまった。私、どこまで考えていたっけ。
「はい、もう大丈夫です。」
望は重ねて聞いてくる。
「じゃあ、途中まで一緒に帰ろう?」
断る理由はない。頷くと、後ろに華が舞う勢いで笑顔になる。
「教室から物とってくるから待ってて!」
「ちょっと、長谷川さん!」
瑛瑠の呼び掛けには振り返らずに行ってしまった。先生からの頼まれ事はいいのだろうか。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-09 17:58
  • ようやく気がついた、これ少女漫画だったんか!二人の男に振り回される育ちのいい女の子(笑)

    みーちゃん…笑
    仕方ないなぁ、飴玉ぐらいなら←

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-09 19:27
  • みーちゃん》
    久しぶりだねえ。今週出すとか言ってるけど、もしかしたらヴァンパイア登場週末になるかもしれない疑惑。笑 うん、ゆっくり…。

    なつかれてるシェアさん。私もあめっこ欲しいです。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 20:14
  • シェアさん》
    と見せかけて。笑
    あんまり言うとまた突っ込まれるからこれくらいにしておきますけどー…( ・ε・)
    一応、ラブコメにはしないつもりです。要素が入るのは否定しませんが…笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 20:16
  • PS》
    あああ……誤字発見、いや脱字と呼ぶべき?
    上目遣い、ですね。ここ間違うのはやめたかったのに…。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-10 07:29

LOST MEMORIES ⅦⅩⅤ

このまま待っていてもしょうがないと思い、その地域文化のコーナーから1冊取り出してみる。目次を見ると、この地区の地図や、地域にまつわる言い伝えが載っているようであった。
言い伝え。なんとなく気になって、一旦目次からそこへとんでみる。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-09 20:10
  • みーちゃん》
    そんなこと言われたらラブコメに転向しちゃうから!いやしないけど!笑
    ここで恋愛要素取り入れたことなかったからなあ…ちょっとだけきゅんきゅんしちゃうようなのいれちゃおうかな?笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 20:53
  • え、調べ物…と思ってたらこっから再開(笑)
    「この地区」ね、なるほどナルホド…(にやにや)
    個人的に綾辻ミステリと有栖川ミステリが大好きなんだけど、文章ならではの大がかりな「仕掛け」と漫画的笑いの要素やコマ割り、期待してるよ〜!

    云っても云わなくても突っ込む処は突っ込みます(笑)
    謎解きの才能はないけれど、スポーツやレースを観ていてもわーわー喋る(ここで動かさんと!とかもうちょっと頑張りどころやで〜とか)ほうなので、作者に届けられるのが楽しくって大声でヒトリゴトを喋ってると思ってね(笑)


    仕方ないなぁ、みーちゃんとピーちゃんに一つずつ(笑)
    ( ・・)づ⌒(アメちゃん)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-09 21:10
  • シェアさん》
    わー、ミステリ界の大御所(笑)
    ほんと、あくまで趣味なのであんまり持ち上げないでくださいね??笑

    では、大きなヒトリゴトをお待ちしています笑
    私もあまり深く考えずに返しましょう。

    わーい!あめっこじゃないあたりギャップを感じる(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-09 23:03

LOST MEMORIES ⅦⅩⅥ

良いのか悪いのか、タイミングは重なるもので。
「祝。」
本日2度目。瑛瑠の心臓は、今日は労働過多である。
「せ、先生……」
振り返ると同時に、思いきりねめつける。
「先生まで急に声をかけないでください。心臓が止まってしまいます。」
そう思う一方、昨日と同じ意味で驚く。やはり、チャールズ以外の大人にこんな態度をとったことはなかった。
「すまん。でも、俺の他にも同じことする奴がいたんだな。」
面白そうに笑って受け流される。
「何してる?」
「調べものを。」
そこで瑛瑠は聞いた。
「先生は、何しにここへ?」
「そうだ。長谷川を探してたんだ。見なかったか?」
きっと、先の頼み事の件なのだろう。
「ついさっき出ていきましたよ。
先生、長谷川に何を頼んだんですか?」
すると、訝しげな顔をされたのだ。
「放課後はまだ長谷川に会ってないぞ?」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-09 21:27
  • いやあ状況が状況で状況ですね(意味不明)
    ここでいきなり長谷川の策略が...。更なる進展に期待大です。

    みー♪、シャア≫お前らなあ...。飴を投げるな

    memento mori
    男性/22歳/大阪府
    2018-07-09 22:26
  • 尊敬語と謙譲語をしっかり使い分ける高校一年生…!!
    …あ、日本語じゃなかったのね(笑)←イヤミなヤツ

    色んな意味でなんとなく拗れていく物語がほんと愛おしいと云うか、もどかしいと云うか…もう!笑
    そしてエル可愛い←おっさん

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-09 22:36
  • めめんとさん》
    いやーもう、ねえ?(こちらも意味不明)
    長谷川くんは一体なんなんでしょう。ふふふ。

    めめんとさんっ、あめっこほしいなら素直に言わないとっ…!←

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-10 00:01
  • シェアさん》
    です。日本語にとてもよく似た作りの言語らしいですねっ!笑
    瑛瑠ちゃんの育ちの良さが言葉遣いを物語っております。…私が頑張らないと(笑)

    うんうん、瑛瑠ちゃんかわいいんですよ。…え"、私おばさんですか←
    拗れさせます。ひたすら拗れさせます。もどかしい感じを見守ってあげてください。青春ど真ん中です。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-10 00:04
  • みーちゃん》
    ふふ。ふふふ。我ながら瑛瑠ちゃん可愛すぎて問題だわ…。
    結末はもう変わらないものを用意してるんだ、だから、どんなのになるか予想してみてね。

    めめんとママか(笑)あめっこほしいのかと思ったらママかー。そりゃ怒る笑 みーちゃん末っ子だね。
    てかあれなんだな、もとはといえば私がシェアさん公認の名前ミス犯しているのがいけない(笑)
    こんなとこに堂々とシェアさん!とかやるから間違える人出てくるんだよなー(でもやめない)(なぜなら許してもらったから!)(シェアさん》態度悪くてごめんなさい)(反省)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-10 00:11
  • モリくんにも!ポイ( ・・)っ⌒飴玉


    みーちゃん、大丈夫。ピーたんも間違いで定着してるから(笑)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-07-10 00:34

LOST MEMORIES ⅦⅩⅦ

「え?」
思ってもみなかった返答に一瞬つまる。
その一瞬の沈黙を破ったのは先生。
「さっき長谷川に会ったのか?」
様子は いたって普通。
だから、そう言っているではないか。
「はい。」
すると、これまた いたって普通に、
「あれ頼んでいたの忘れてたな。」
踵を返した。
扉の前で振り向く。
「図書室で調べものなんて殊勝な心がけだが、ほどほどにな。」
言い終えたと思うと、思い出したように瑛瑠の名を呼ぶ。
「あと、祝。」
一気に言えばいいものを。
「はい?」
瑛瑠の頭は絶賛混乱中である。
「体調管理、しっかりしろよ。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-09 23:04

LOST MEMORIES ⅦⅩⅧ

何だろうこの先生。先生が去り、ひとり残された瑛瑠。
おかしい。とりあえずどちらかはおかしい。いっそ、どちらもおかしい。
先生に頼まれて図書室に来たという望と、望を探していた先生。これだけではおかしくない。
瑛瑠は言葉を探る。
頼まれ事のために図書室に来たのに何もせず教室へ戻ってしまった望と、頼み事をそもそも忘れていた先生。どちらもボケるには程がある。そもそもそんなものはなかった、とすると。
加えて、先生はわざわざ瑛瑠のことを呼んでまで言う台詞だったのだろうか。あの単刀直入簡潔大先生が、意味の無いことを口にするとは思えなかった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-09 23:56

LOST MEMORIES ⅦⅩⅨ

間もなくして望が戻ってきた。
「待たせちゃってごめんね。」
瑛瑠は足元に置いていた鞄を肩にかけ、大丈夫ですと微笑み望の横に並んだ。
聞いてもいいものかと思いつつ口を開く瑛瑠。
「さっき、鏑木先生がここに来たんです。長谷川さんを探していました。」
「うん。」
その相槌には何の感情もない。
「長谷川さん、図書室へ何をしに来たんですか?」
「もしかして瑛瑠さん、ぼくに何かしらの疑いをかけたがってる?」
冷たいその声に思わず立ち止まる。1歩先へ踏み出しかけていた望は、その力で振り返る。
昨日今日のやりとりでは見たことのない顔だ。口角は上がっているが、眼が笑っていない。
「霧に何言われたか知らないけど、瑛瑠さんには、他人の眼からぼくのことを見てもらいたくないかな。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-10 14:37

LOST MEMORIES ⅧⅩ

気を付けるべき人物かどうかの探りを入れていたというのは事実。しかし、怒らせるつもりではなかった。
ここは、言い返してはだめ。本能がそう言っていた。
「ごめんなさい、そういうわけではなかったんです。ただ、先生が長谷川さんを探していたから。仕事に支障がでてはいけないと思って。」
我ながら良い返事。
望はふっと雰囲気を和らげた。
「ぼくは、頼まれ事の用事が済んで、図書室には通りかかっただけなんだ。」
確かに、自分が調べものだからといって、図書室に来る人がみな調べものだとは限らない。
「瑛瑠さんを見つけたから入ってきただけだよ。」
微笑む望に先程の冷たさはない。

ほぼ確信に近い疑いは残ったものの、それが何なのかわからない。
「帰ろう?」
とりあえず刺激をしてはいけない。はいと微笑み、横へ並ぶ。

ここまでに散りばめられていた手がかりに気付くのはもう少し後の話。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-07-10 17:44
  • みーちゃん》
    あ、みーちゃん直した(笑)
    ラブコメにしないとか言ってちょっとそっち転がるとすぐにごろごろいっちゃうこれをどうにかしたい(現時点では意味不明でしょうけれど…)。
    望がでしゃばりすぎだと思います←

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-07-10 19:42