2

タイトル表記を放棄したこと、お許しください。 加えて、話数表記もただの飾りにすぎないので放棄させてください。 瑛瑠ちゃんが英人くんのデートを目撃してしまって、なんだかふたりともギクシャクしちゃうところから始まり、すれ違い、喧嘩を経て仲直りし、ジュリアと瑛瑠ちゃんがご対面。最終的にジュリアは出ていってしまい、チャールズに過去のことを問い詰める場面まで。

LOST MEMORIES ⅡCⅣⅩⅤ

翌日、放課後の話だ。
「歌名、今日の放課後何も予定がないなら、一緒に帰りません?」
次の日、珍しく瑛瑠が誘ってみると、案の定目をまんまるにして歌名が問いかける。
「いいけど……どうしたの?何かあった?」
瑛瑠は、何でもないと言いかけてやめてみる。少しずつ、自分のことを知ってもらおう。
「柄にもなく妬いてしまったので、慰めてもらおうかと。」
冗談めかしてそれとなく言うと、歌名は一瞬ポカンとして、何それと吹き出す。笑い出した彼女に、瑛瑠もつられる。
「いいよ、傷心の友人には帰りにコンビニスイーツでもプレゼントしたげる。」
コンビニスイーツの言葉に、瑛瑠は目を輝かせた。例のコンビニおむすびの日、歌名は約束通り連れていってくれた。たくさんのスイーツに、どれにしようか迷ったものだった。
「で?英人くんなんでしょ?」
あれだけ避けてればわかるよ、何したの?そうにこにこする歌名の顔は“言え”と言っている。
隠すことでもないかと思い、口を開いた瑛瑠が紡ぎだした言葉。
「英人さん、昨日女の子とデートしてらして。」
「……は?」
可愛い笑顔の歌名の額には青筋が見えるのは幻覚だろうか。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-20 19:32
  • コンビニおむすび再来(笑)カナちゃんが現世女子バリバリ...ホントに変人しかいないな(笑)

    みー♪≫長距離を走るときは心構えが人によって二通り。
    1.距離を区切る。あそこの電柱まで、あそこの木まで、あの前の人について行くぞ、抜かすぞ、とかそんな感じ。5km一気に、よりも1kmずつ、の方が楽だろ?
    2.距離を考えない。こっちは対照的に、吸う、吸う、吐く、吐くの呼吸を意識するとか、今日の夕飯何かなあ、とか、あ、あの看板前無かった、いつできたんやろ、とかてんで違うことを考える。すると、いつの間にか終わっている。

    以上、元陸上部員(幽霊)からの長々しいアドバイス。

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-20 21:19
  • みーちゃん》
    若かりし日の私の華のJK時代を思い出しながら描いています(笑)
    クオリティ高いなんて嬉しい。
    歌名ちゃんはガーディアンだったしねえ…瑛瑠ちゃん大好きでしょうから、彼女を傷つけるものは許さないでしょうね笑


    めめんとさん》
    コンビニおむすび覚えててくれたー!笑
    歌名ちゃんはバリバリJKで突っ切ります。瑛瑠ちゃんがずれている分、ちゃんと女子高生してもらわないと(笑)

    めめんとさん陸部とか…かっこいいかよって感じですねえ…惚れる。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-20 22:24
  • レスありがとうございます!
    素敵な表現だなんて 嬉しいです。
    対義語かどうかわからなかったんですが
    響きが気に入ったので…。
    また考えてみたいと思います!!

    歌時雨
    男性/23歳/長野県
    2018-11-20 22:42
  • みーちゃん》
    JC時代は部活一筋だったから、比較的遊びには行ってないんですよー。
    みーちゃんはまだまだこれからだから、中学生でできる範囲の楽しみを謳歌すべき…!

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-20 23:52

LOST MEMORIES ⅡCⅣⅩⅥ

結局、喫茶店にはひとりで行き、帰りに見かけたのだという説明をする。
「断られた理由がその女の子だと思ったら、少し落ち込んでしまって。私たちの方が、距離が近いと思っていたから。」
肩をすくめると、歌名は深い深いため息をつく。
「瑛瑠は可愛いなあ……ほんと、これでその彼女がお付き合いしてる相手とかだったら許せないな。」
あれだけOTかましておいて,なんてぶつぶつと話す。
お付き合いしている子でなければ、それはそれで複雑だと思うのは私だけだろうかと瑛瑠は苦笑する。
でもね,と神妙な顔をする歌名。
「そういうことする人じゃないと思うんだけどな。」
そういうこと、とは。
「英人くんイケメンだから、女の子に誘われることはあるかもしれないけど、正直私との約束を優先してもらえる自信あるもん。」
瑛瑠も、たぶんその自信があったのだ。だからこそ、一方通行を自覚しての落ち込み。
瑛瑠は、ふぅと息をつく。
「全部知らなくてもいいんです。
でも、ね?妬いちゃうでしょう?」
笑いかけると、素直な歌名は不満げにも頷く。
「さぁさぁ、プレゼントくれるんでしょ。行きましょう。」
歌名の手を引くも、行く手を阻まれる。
目の前に立ちはだかる御仁を、瑛瑠は軽く睨む。
「……どいてください。」
「なぜ今朝から僕を避けてる?」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-20 23:18
  • 御仁ってのが、いい(笑)さあパプちゃん、またとんちんかんなこと言うんだろうな

    最近めっきり筆が進まなくなってしまって(もはや鉛筆すら使ってないですが笑)話が進みません。ゆっくりでもいいよとかなんとか言ってやってください(正当化したいだけ)

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-21 07:54
  • 恋だぁ〜〜〜!
    可愛い!!
    嫉妬。分かるなあ…
    どうか…勘違いであってほしいな…

    私も筆が進んでませんね…
    また、ポエムが載ったら、感想お願いします!!
    ↑おねだり笑
    いつもありがとうございますね!!

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-11-21 15:51
  • 修羅場になるか、お互いの勘違いで済むか…

    誤解だったら良いのにな~

    僕も仲が良いだけの女子と話してるだけなのに
    「付き合っとるだろ?」ってよく言われるし…
    こっちはガチガチの座禅組だっちゅーねん!!

    ヤジウマライダー
    男性/20歳/愛知県
    2018-11-21 16:21
  • めめんとさん》
    表現褒められちゃうとやっぱり嬉しいものですね。
    いつもいつもとんちんかんだと思ってもらっちゃっても困りますよー?笑 今回はぐさっと何か言ってしまうかもしれないじゃないですか((

    ゆっくりでもいいよ(こぴーあんどぺーすと略してコピペ)。
    急ぐ必要なんてないのです。原点回帰ですよぅ、めめんとさん。自分が楽しんで筆を動かさないと。義務と捉えて窮屈に思ってしまっては、自分の満足するものなんてかけませんから。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-21 16:37
  • りんちゃん》
    そうだけど、そうじゃないって感じだねえ…笑
    「愛の定義」リクエストにて、今回恋の定義編と愛の定義編を描いたのだけれど。
    私は、恋と愛の淡いを描きたいんです。詳しくは望くんの気持ちを見て!って感じなのだけれど、瑛瑠ちゃんの気持ち自体は恋とはまだ呼べないんだな。愛なんて程遠い(笑)
    どちらかというと、友だちとしての自分より彼女(かどうかはまだ明らかではないけれど)を優先したことへの嫉妬かな。
    まあ、読み方は人それぞれでまったく構わないので、瑛瑠ちゃんが恋してる体でもオールオッケーです◯
    引き続き楽しんでもらえると嬉しいです(*^^*)

    はい、りんちゃんも急ぐ必要なんてないのです。
    おねだりの件も了解です(笑)作品見つけたら、レスしちゃうね。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-21 16:44
  • ヤジウマくん》
    ふふ、どちらでしょうね。
    今日の夜また、続きを更新します。
    もうちょっとお待ち下さい(*^^*)

    仲良いだけで付き合ってることにしたい中高生の思考回路ね(笑)
    私も言われたことあるなあ。友だちだっての!って感じですよね笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-21 19:25

LOST MEMORIES ⅡCⅣⅩⅦ

「……そんなことはありません。」
「ある。」
「ありません。」
「僕が何かしたか?」
「してません。」
「……送ってく。」
「結構です。」
英人が困ったように歌名を見るから、やれやれとでも言いたげに口を開くことになる。
「英人くん、OTかましている自覚は?」
英人は顔をしかめる。
「何が言いたい?」
「じゃあ、他に送るべき人はいない?」
さらに顔をしかめる英人。
見事に会話から外れた瑛瑠が、見物だななどと思っていることを知る由はない。
「そんな態度をとった覚えはないし、ふたりのことだから送ろうとも思う。」
瑛瑠はじとっとした目で英人を見つめる。
「そういうところですよ……」
すると歌名は何かを悟ったらしい。いきなり笑い出して。
「私たちは結構重症みたいだ。瑛瑠、送ってもらいなよ。コンビニスイーツはまたあとでね。」
そう言ったかと思えば、手を振り、瑛瑠を置いていってしまった。
さて、何かを知った風な潤滑油を失ったふたりに会話は成立するのでしょうか。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-21 23:19
  • やっぱカナちゃんが一番人間らしいとつくづく思うよ(人間じゃないなんて言わない)
    そしてOTがわからない

    ありがとうございます。最近よく詩の方にレスくれるのですごくうれしいです。確かにどっかで義務化してるのかもしれない...。でも、楽しいこと、自分がしたいことをするのって義務だと思う(関係あるようで全然関係ない話)
    This is the way.書いてる自分が一番展開読めてないって言う

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-22 09:13
  • めめんとさん》
    歌名ちゃんがいないと、みんな年齢詐称疑惑出てきちゃうんで、重要な役回りなんです(笑)

    あー…やっぱり?笑 私が高校生のときにはOTは普通に使われていたし、載っける際高校生男子に通じるか聞いてみたところ、使うとの回答だったので省略しちゃったのですが…。今日か明日(か来週)、文章内にちゃんとOTについて触れるシーンがあるので、どんな意味か予想してみてください笑

    いえいえ、喜んでもらえているのなら嬉しい。
    めめんとさんの詩が好きなんです。笑
    なるほど、一理ありますね。でも、私の中の楽しみは、焦燥や苛立ちから解放されるためのものなので、義務とはあまり繋げたくないかな。
    展開について悩むことはありますよ。焦らずいきましょう。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-22 14:59

LOST MEMORIES ⅡCⅣⅩⅧ

「あからさまに避けられると、さすがに傷つくんだが。」
歌名が瑛瑠と英人を置いて帰ってしまってから、先に口を開いたのは英人。避けているつもりはなかったが、歌名にも言われたくらいなのだから、そうなのだろう。
望とのことを思い出す。確かに、いい気はしなかった。
「……すみません。」
一体歌名は、何を察したのだろう。思っていたよりも、私達は重症みたいだと言う。そこには、先にクイズを解かれたような悔しさが残った。
「なぜ避けていたのか、教えてくれないか。」
静かなその問いかけに、瑛瑠は絆されそうになる。
何かを言いたそうにする瑛瑠の様子を見て、英人は苦笑する。
送る,という呼び掛けに、今度は大人しく従った。
正面では言いづらくても、横に並び、顔が見えない状態というのは話しやすい。
生徒玄関にて、ローファーを取り出しながら、瑛瑠は尋ねる。
「昨日はデートだったのですか。」
少しの沈黙のあと、見てたのか,そう英人は呟いた。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-22 19:21
  • なんか今更ながら気づいたんだが、よく見たら読点とコンマ使い分けてたんだね(どうでもいい)

    ああ言っちゃったよ(何回目だろうこれ言うの)しかもキリちゃん否定しないんだねー、デート。荒れるねえ、しかし(勝手に荒らす)

    リクエストしてみたんで、是非是非。

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-22 19:57
  • めめんとさん》
    そうですよー、読点とコンマはしっかり使い分けています。気付いてもらえたのね、嬉しい。
    まあ、英人くん…うん、今はまだぐじゃぐじゃですね、荒れ荒れだよね。

    そう!そのリクエスト、すごく面白そうだと思いました。やります。やりたい。でも、時間かかりそう(笑)
    明日載っけられればいいなあ…。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-22 22:57
  • みーちゃん》
    荒れるのを待っていてね…

    メトロノームは米津さんの曲なら知っております。
    それのカバーとかなのかな?

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-22 22:58

LOST MEMORIES ⅡCⅣⅩⅨ

瑛瑠は英人に顔を向け、冷ややかな視線を送る。
「言っておきますが、見てたのではなく見かけただけです。
生憎、クラスメートのデートを覗く悪趣味は持ち合わせておりません。語弊のある言い方はやめてください。」
嫉妬宣言に他ならない先程の言葉に、恥ずかしさを抑えられない。
悪態をつくと、妙に納得した様子の英人の顔がある。
瑛瑠は訝しげに彼を見る。
「確かに、瑛瑠の誘いを断ったのは、彼女との約束があったからだ。」
「……大切な人なのでしょう?それなら、私を送るなんて、勘違いさせるような真似はしない方がいいかと。」
瑛瑠に、冷静さが戻ってきた。
「確かに、彼女は僕にとっては大切な存在だ。
だが、瑛瑠だって大切だ。同じ天秤ではかれるものじゃない。」
「歌名の言うOTとやらがわからなかったのですが、あなたのことを見ていて、思わせ振りな態度の略なのだと、たった今理解しました。
私とあなたは共有者でしかありません。態度を改めてください。」
まだ言うか、このヴァンパイア。
相変わらず考えが平行線だと睨むけれど、英人も同じように睨んでいて。
「……ふざけるな。」
そう言うなり、信じられない力で腕を引っ張られる。痛い上に、力まで駄々漏れである。歌名がいなくてよかったなど考える余裕は、今の瑛瑠にはなかった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-22 23:01

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩ

瑛瑠が痛いと言っても離してと言っても、英人は無視。道行く人に変な目で見られたくもないので、終いには大人しくついていくしかなくて。
そして英人は、ある家の前で立ち止まる。もちろん、瑛瑠の家ではない。
そこでやっと、強く捕まれていた腕が解放された。
「ここは……?」
恐る恐る尋ねると、あからさまに不機嫌そうな声で、家,と一言。
それは、見ればわかる。文脈上、どうやら英人の家らしいけれど。
なぜ自分が英人の家の前にいるのかがわからない。怒りに触れたために連れ込もうとしているのだろうか。英人に限ってそれはないと思うけれど。
そんなことを考えていると、怒りを含んだ低い声で、こんなことを言ってきた。
「ふざけたことを言うな。」
「……何のことですか。」
英人は、見たことのない眼をしている。瑛瑠は、思わず怯んだ。
「君に対して思わせ振りな態度をとったことはこれまでに1度もない。守ると誓ったのは勢いじゃない。昔も今も、君だから守るんだ。
共有者でしかないなんてふざけたことは言うな。長谷川も、歌名も、君のことも、これっきりの関係で終わらせるつもりはない。
君がもし本気でそう考えているのなら、それは馬鹿だ。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-23 14:22
  • こんにちは。fLactorのPC垢、月影です。
    先日は愛の定義にご参加いただきありがとうございました。
    なぜ突然話しかけたかと言いますと、理由は単純、ロスメモ追いつきました。
    今日の午後いっぱい使って過去遡って読みました。
    皆さんのほほえましい絡みとかも失礼ながらすべてチェックさせていただいていたので通常の二倍の時間かかりましたけれども。
    感想を述べようとすると長くなりそうなので一言だけ。
    とーっても楽しかったです。パプリ可愛くて悶え死ぬ。
    これからも楽しみにしてますね(レス欄含めて)。
    僕もちょくちょくレスするようになると思うので(f垢含めて)どうぞ良しなに。

    余談ですが、絵の方も拝見しました。青い鳥。玄っぽい人フォローしてるのがその痕跡だと思います。
    僕も絵を描いていいですか……?(パプリとか)(下手ですが)

    月影:つきかげ
    男性/22歳/宮城県
    2018-11-23 21:58
  • 月影さん》
    なんと!なんだか色々びっくり情報満載ですね(笑)
    同一人物だったのですか。びっくり。
    ロスメモ追い付いてくださったのですね。びっくり。本当にありがとうございます…!長かったでしょうに(笑)
    いやもう、楽しかったとか嬉しすぎます。パプリちゃん可愛いって言われるのも嬉しいですね。
    ぜひぜひ、気が向いたときにレス欄へもお越し下さい(*^^*)

    もしかしてあの方…?ちょっと確かめてみます笑
    ぜひぜひ!絵を描いていただけるなら描いてください!楽しみにしております…!

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-23 22:59

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅠ

瑛瑠は何も言えなかった。
本気で思っているはずがない。瑛瑠は、この関係をどうしようもなく好いていた。だからこそ、第三者が介入したように思ってしまって、形容できない気持ちになっていたのに。英人こそ、自分の想いに全く気付いてないくせに。
そう思うも、言葉を紡ぐことができない。自分がいかに酷い言葉を投げかけたか、自覚していたから。
英人の眼は、声は、怒りと共にどうしようもない哀しみの色を含んでいた。
言ってはいけないことを言ってしまったと、自分のしたことに涙が出てきたけれど、涙に逃げたくはなかった。今、自分には、泣く権利がない。
俯く瑛瑠に、英人はぽんぽんと2回頭をたたき、
「悪い、言い過ぎた。」
そう、言った。
ますます瑛瑠は、悪者で、惨めだ。
泣いてはいけないと思うのに、そういわれたら最後、熱くて苦しい涙が、次から次へと溢れてくるのを止めることができなかった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-23 21:43

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅡ

目の前にミルクティーが置かれる。
「ありがとうございます……。」
テーブルを挟み、向かいの椅子に座った英人は、しかめっ面で深いため息を落とす。
「連れてきたのは僕だが、もう少し危機感を持つべきだな。
僕だって男だ。」
赤くなった目の瑛瑠は、萎れてはいるけれど、言葉のキャッチボールをする気はあるようで。
「さすがに中にまでお邪魔する気はありませんでした。
……でも、ジュリアさんに呼ばれたら断れません。」
瑛瑠の向かい、英人の隣に座るこのジュリアさんというのが、英人の付き人であり、今回のことの発端。
「改めて紹介するが、彼女が僕の付き人のジュリア。
そして、昨日僕を買い物に付き合わせた張本人。」
つまり、昨日英人と一緒にいた女の子。
そもそも、彼に1番近い女性を想像するべきであったのだが、勘違いの1番の要因は、女の子と形容したくなるような彼女の容姿。彼女は背が低く、学生と言われても通るほどのベビーフェイスだったのだ。
「これで、言っている意味がわかったか?
彼女と瑛瑠では大切の度合いははかれないし、送ることで勘違いするような相手でもない。」
つまり、瑛瑠は盛大な勘違いをしていたということ。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-23 23:49
  • 薄々、と言うか大分そんな気はしてたよ(おおいたじゃないです)相変わらずだね...。まあ誤解が解けたようで何より(。-∀-)

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-24 09:36
  • 良かったぁ〜
    勘違い!
    書きました、ポエム!!
    私には、幼馴染の男の子が二人いるんですけど
    五年生のときから全然話さなくなった…ってことを書きました。
    たまにその時のこと思い出して泣いてます。

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-11-24 20:25
  • 私の幼馴染もイケメンです。一人は。
    彼らがいなくても、楽しくやってる自分もいるからすごい複雑で…
    小学生を見かけたらすごい寂しくなる。
    何を間違えてこうなったのかって思う。
    毎日、外で遊ぶだけの関係だったから、まあこんなもんなのかなとも思ったり…
    うん。特別感は今だにありますね。
    いいとこも悪いとこも知ってるつもりだから。

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-11-26 16:26
  • めめんとさん》
    なんて言うか、どうしようもないふたりだよねえ…英人くんも言い方って感じだし、瑛瑠ちゃんは冷静になれという感じだし。
    まあ、英人くんが彼女持ちの状態で瑛瑠ちゃんの薬指に指輪は事案でしたからね。好感度を下げずに済みました(笑)


    りんちゃん》
    みなさん、瑛瑠ちゃんと英人くんのやりとりを好いて下さっているので、亀裂が入らなくてよかったと私も安心しております(笑)

    先週のうちにレスはしてしまったのだけれど、私にも幼なじみの男子がいまして。
    私も一度離れたんです(たぶん私が一方的に離れたからそこは反省^^;)。離れた理由も、一緒にいるとからかわれるとか、友だちとして釣り合わないんじゃないかなんていう馬鹿な理由なんだよ。相手は全く悪くないの、離れる側の心持ち。
    寂しいかもしれないけど、りんちゃんは悪くない。お互い大人にならなきゃいけないんだよね。
    だから、もしまた話すようになったら、その関係性は大切にしていくべきだと思うな。
    大人になったら、また色々変わるかもしれないしね。悲観しすぎないことよ。新しい関係にも目を向けてね。
    長文失礼しました(*^^*)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-26 16:34
  • みーちゃん》
    これ、気付けなかったの瑛瑠ちゃんだけ説(笑)
    盲目だ…瑛瑠ちゃん、英人くんのこと好きすぎる(作者の戯言です。恋愛要素皆無)。
    まあ、歌名ちゃんも歌名ちゃんだったからね。今後の友人関係に乞うご期待(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-26 23:16

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅢ

「紛らわしい言い方はよしてください……。」
恥ずかしさが限界値を超えた瑛瑠は縮こまるしかない。
そもそもデートという言葉を否定せず、さらに代名詞とはいえ彼女との約束なんて言うから、思考回路もそちらへ繋がってしまうのだ。
瑛瑠がそう言うと、英人はバツの悪そうな顔になる。
「あー……ジュリアとのやりとりがいつもそんな感じだったから、引っかからなかったんだな。」
そして瑛瑠は、チャールズとのやりとりを思い起こす。
彼ともし買い物に行くとしたら、デートに付き合ってとおかしく言うかもしれない。
そんな自分にため息が出る。少し考えればわかる事だ。
そしてもうひとつ。夢が、淡いものになっている。
10年前、彼女と顔を合わせているにも関わらず、気づくことが出来なかったのは瑛瑠の落ち度。
瑛瑠は、目の前にいる金色の髪を持つ彼女へ向き直る。
「挨拶が遅くなってしまい申し訳ありません。
祝瑛瑠と申します。改めて、よろしくお願いします。」
たれ目がちな黒い眼を細めたジュリアは、抑揚のない声で、よろしく,とそう言った。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-26 19:51

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅣ

だいぶ記憶から消えかけている夢を思い起こしてみると、ジュリアは口数の少ない人物だというイメージがあった。抑揚のない声も、感情の出ない表情も、彼女だ。
「お久しぶり、ですよね?」
するとジュリアは、少しだけ目を細める。
10年前は、助けていただき、ありがとうございました。
伝えなければいけなかったことだ。思わぬタイミングではあったけれど、忘れてはいなかった。
しかし、それを伝えると、ジュリアは目を伏せた。
「チャールズの馬鹿。」
開かれた口からは予想もしない言葉が飛び出す。
「あ、あの、」
「ごめん。」
瑛瑠に何か言う隙さえ与えず、そう一言残し、席を立ってしまった。
何か気に触ることでも言ってしまったかと不安になり英人を見るが、彼もわからないようで。
ふたりにだけはされたくなかった瑛瑠は、完全に困ってしまった。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-26 23:17
  • 私事なのですが…本日11/27に
    りんごのおひたしは15歳になりました!!!
    報告したかっただけです笑
    そのせいで、好きな人と歳がずれてしまいました
    そう、年下です。好きな人が。です。
    まあ、気が向いたら祝ってください笑

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-11-27 16:34
  • りんちゃん》
    おお、Happy Birthday

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-27 19:43
  • みーちゃん》
    チャールズさんなんか胡散臭いしね笑笑
    はい、ふたりっきり。どうするんだろうねっ!瑛瑠ちゃん激反省モードだからなあ…英人くんには上手くフォローしてもらいたいところだねえ。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-27 20:26

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅤ

「私、何か良くないことを言いましたか?」
恐る恐る聞くけれど、英人も首を傾げるばかり。しかし、特に追いかけもしなければ弁解するような真似もしないところを見るに、それが普通なのだろう。怒っているようにも見えなかったのは、勘違いではないはずだ。
「さっきの、瑛瑠の付き人の名前か?」
瑛瑠は頷く。そういえば、彼女は夢の中でもチャールズの馬鹿と叫んでいなかっただろうか。
一体チャールズは何をやらかしたのかと、瑛瑠は頭を悩ませた。
沈黙がおりた空気に、英人は息をついて、本日2回目の送っていくという言葉を告げた。
「ミルクティー、ご馳走様でした。」
「いや、大したもてなしも出来なくて。」
英人の家を後にし、今度こそ瑛瑠の家に向かって道を進む。
特に会話もなかったからこそ、瑛瑠はどう謝罪を切り出そうか、悶々と考えていた。
すると、英人がぽつりと言葉を置く。
「これも、見る人によってはデートに見えるんだろうな。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-27 19:53
  • もうなんなんだ。エイト(キリちゃんって呼ぶのやめる)の一言一言が突っかかるんだよな
    二人ともしゃべるの下手すぎ

    いやあ、そんな、素敵だなんて_(^^;)ゞ俺の詩はふと思い付いた言葉たちを順序よく並べてやることだけだから、実は俺にも深い意味はわかってない(笑)タイトルも、良く言えばインスピレーション、悪く言えば適当。そんな感じ。
    あのタグは、█████から███して████████に██して█████ます。結構██だから██████も███して██████いいですよ。辞書登録、と言うやつです(笑)ちょっとふざけすぎました

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-27 20:20
  • めめんとさん》
    喋るの下手すぎ、その通りだと思います。冗談ならあんなにすらすら出てくるのにね…不器用か。

    うん、なんだかそんな気はする、めめんとさんの作品(笑)語感がいいもの。きっと、その時に合う言葉を紡いでいるだけなのかもしれないけれど。
    それってすごいことだと思うのよ、私は出来ないから(笑)
    こう見えても、結構推敲重ねているし、そうでなきゃ納得出来ないのよね。だから、めめんとさんはすごいと思うんです(また褒められなれてないとか言われちゃう笑)。
    そして、それ。酷い…未だにわからないし…笑
    パッと見バグかと思った(笑)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-27 22:22
  • 僕が使ってるS-Shoinというスマホキーボードは辞書登録というものができまして。とあるところで████みたいになってたのをコピーしてきて「くろ」って打ったら出てくるようにしたんです。まあまあ便利ですよ

    逆に俺は推敲とかそういうのが苦手で、あまりよく考えずに投稿しちゃうから後から自分で読んでみて「なんじゃあこりゃ」っていってる回数も少なくないです(笑)ピーターさんの文章はお手本です。

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-28 08:00
  • めめんとさん》
    なるほどー、████ってことですね。
    めんとさんのこの部分をこんな風にコピペしてもできますね。でも、私の作風には合わないや(笑)
    めめんとさんの載っけたやつ見たけれど、見た目の迫力がすごい。
    これで、過激な言葉も(純粋なお嬢さま方に見えないように)使えちゃいますね(真面目)。

    さて、ここで暴露。これの次の話は一切の推敲なしにあげてしまった散文。結果、読んでうわあってなりました。反省。
    そんな嬉しいことを言ってもらえたから余計に(笑)今日載せるやつはちゃんと推敲しました笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-28 17:04

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅥ

瑛瑠が勘違いをしたように。
「さっきは、本当にすみませんでした。」
瑛瑠も、ぽつりと言葉を置く。
大丈夫、紡ぐことは出来る。
「英人さんを、ただの共有者だなんて、思ってはいないです。……酷いことを、言いました。本当に、すみませんでした。」
横に並んでくれていて良かったと思う。今の瑛瑠に、英人の顔なんて見ることはできないから。
すると、ごめんと横から返される。
「手荒な真似をした。」
瑛瑠は少し吹き出す。そこかと笑えてきたのだ。確かに、力だだ漏れ状態で引っ張られた。
英人がそんなことを言うから、それに乗っかることにした瑛瑠。
「痛かったです。痕になって残ってしまうかも。」
腕を擦りながら言う瑛瑠に、英人は目を見開く。
もう、大丈夫。だからまた、元の関係に戻りましょう。
言外の言葉を感じ取り、英人は微笑った。
「僕からの愛だと思ってくれ。」
瑛瑠も微笑む。
「重すぎる男性は嫌がられますよ。」
平行線が、少しだけ傾いたお話。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-27 23:15
  • 最後の一行がとてもいいです…。
    優しい感じ?
    心があったかくなります。

    テスト頑張ります。

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-11-28 22:24
  • りんちゃん》
    これは、推敲なしにあげたやつだから、なかなか納得のいかない部分が多いのだけれど、そう言って貰えると嬉しいです。笑

    テスト頑張れ…!

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-28 23:47
  • なぬっ⁉
    推敲なしだと⁉
    私なんかゆ〜っくり考えなきゃ書けないですよ…
    この場面は、なんかほのぼのというか、
    和む感じがしました。私は。

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-11-29 15:29

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅦ

英人は、丁寧に玄関先まで瑛瑠を送り届けた。
「ジュリアに、少し話を聞いてみる。
気を悪くしないでくれ、悪気はないんだ。」
やはり、あれがいつもの彼女のようだ。瑛瑠は微笑み頷く。
「はい。何かわかったら教えてください。
送ってくださってありがとうございます。」
英人は困ったような笑みを向け、瑛瑠の頭にぽんと片手を置いた。
「目、ちゃんと冷やしてくれ。」
「?はい。」
お願いされた形の言い方に、瑛瑠は疑問を持つ。
冷やしてくれ、とは。
疑問を汲んだ英人は軽くため息をつく。
「瑛瑠を家に連れ込んだ上に泣かせただなんて、洒落にならない。
僕を殺しにくる狼男と透明人間がいるからな。」
ふたりの顔を思い浮かべ、瑛瑠は笑う。ふたりになら、いっそ冗談めかして話してしまう方が面白いかもしれない。
なんて思ったことは今は心に留めておこうと決め、意味深に微笑んだ。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-28 23:40

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅧ

家に入るなり、「節度あるお付き合いを。」とチャールズに言われた瑛瑠は、一体どこまで知っているのだろうと疑問に思うも、言われるだけの瑛瑠ではない。
「チャールズは、ジュリアさんに何をしたの?」
少し顔を顰めた様子のチャールズが問い返す。
「ジュリアに会ったんですか?」
「すぐに逃げられてしまったけれど。……良くないことでも?」
ため息をついて、夜ご飯にしましょうと言うチャールズは、憎いくらい反応がいつも通りで。
「私、聞いているのですが。」
不満を全面に押し出す瑛瑠に、チャールズは苦笑する。
すると珍しく、こんなことを言い出した。
「ちゃんとお教えしますよ、私の学生時代の話でよければ。」
どう言った風の吹き回しだろう。
素直にされたらされたで、何か裏があるのではと思ってしまうくらいには、瑛瑠も期待しなくなっていた。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-29 20:06
  • ここ一番のお話の予感(゚∀゚*)(*゚∀゚)ワクワク
    さあ、開かずの扉がギイッと

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-11-29 21:48
  • みーちゃん》
    チャールズさんだもんね(笑)
    まあ、枕を挟むので、お話自体はまた明日…(笑)
    次回の話に見せかけて焦らすっていうね笑

    めめんとさん》
    さあさあ、彼の学生時代なんて、聞いちゃっていいのかしら瑛瑠ちゃん。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-29 23:16

LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅨ

「私の話の前に、お嬢さまの涙の理由を教えていただけますか。」
静かに言うチャールズに、瑛瑠は困ったように微笑む。交換条件のつもりだったのだろうか。
きっと、「節度あるお付き合いを。」という発言について、瑛瑠が何かしら突っ込んでくると思っていたチャールズは、そこで帰宅が遅くなった理由や赤くなった目の理由を探るつもりだったが、違う話題を振られたために、いつも学校生活について突っ込まないからこそ、自分の話と引き換えに改めてその理由を引き出そうと言うのだろう。
しかし、どうして改めて。そんなに目が赤いのかと考え込む瑛瑠。それとも、
「……本当に、彼らと節度あるお付き合いをしていないとでも思っているの?」
そんな瑛瑠に、チャールズは一言。
「お嬢さまのわからず屋。」
まるで拗ねたような言い方に呆気に取られる。
「まあ、冗談ですが。」
「……冗談。」
「そんなことは思っていませんが、泣いた痕があるんですから、心配もするでしょう。なんせお嬢さまは、溢れるまで溜め込むしょうがない性格の持ち主ですからね。」
瑛瑠は思わず聞く。
「そんなに目赤くなっている?」
チャールズは微笑んだ。
「いつもと様子が違うことくらいわかりますよ、一番傍に居るんですから。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-29 23:18

LOST MEMORIES ⅢⅩ

チャールズには敵わないなあ,そう笑って、瑛瑠は言う。
「私が酷いことを言ったの。自己嫌悪で、涙が止まらなかった。」
その言葉で、チャールズの目に涙が浮かんだ。
思っていたシチュエーションと違ったのかもしれない。
「酷いことを言ってしまったから、謝って、帰ってきました。」
「……つまり、喧嘩して泣いたということですか?」
確かに、口喧嘩の部類に入るかもしれない。掴まれたところが、今も痛いような気がするのは気のせいだろうか。
同年代の子と関わることも少なく、記憶上兄弟がいた覚えもない瑛瑠は、少し感動する。もう一度あんな気持ちになりたいとは思わないが、良い経験だったとは思っていて。
瑛瑠のそんな考えを知ってか、チャールズはため息を吐く。
「泣いたはずなのに妙に晴れやかだったのはそういう事だったのですね。
疲れました。」
やはり、違ったシチュエーションを想像していたらしいく、思っていた以上に規模の小さいもので脱力したのだろう。
「その帰りに英人さんの家へお邪魔して、」
「突っ込みたいですが我慢します。」
「ジュリアさんに会ったの。」
チャールズの目が、口以上に物申している。これは、お説教の目だ。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-11-30 20:16
  • みーちゃん》
    みーちゃん宛のレス返だけれど、みなさんへここで訂正!
    チャールズの目に、疑問の色が浮かんだです!
    目に涙を浮かべる必要性全くなし。本当にすみません。とてもとても恥ずかしい。

    焦らしまくってすみません(笑)
    お説教も長くなるので割愛しまして笑
    尽く期待を裏切るスタイルですね。
    その代わり、意味深なセリフをおきましたので、ぜひぜひ色々考えてみてね笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-11-30 23:01

LOST MEMORIES ⅢCⅢⅩⅠ

英人に言われたことに似たようなことを、倍の文字数で説くチャールズに、瑛瑠はもはや感嘆する。要は、危機感を持てということなのだけれど。
「あまり共有者同士で揺れるのはおやめください。力が漏れるのはよろしくありません。」
最後に言われたこの言葉に引っ掛かりを覚える。以前も、力を無闇に放出することをやめろとチャールズに言われたはずだ。
あとで英人に話してみようと頭の片隅に留めておき、話の転換を図る。
「次はチャールズの番だよ。
ジュリアさんに何をしたの?」
この話を振った時と同じように顔を顰めたチャールズ。
「人聞きの悪い言い方しないでくださいお嬢さま。
ジュリアは何て言っていたんです?」
そう聞くものだから、
「チャールズの馬鹿。」
瑛瑠は続ける。
「私の夢の中でもジュリアさん、チャールズの馬鹿って言っていたの。……反感を買っているの?恨まれているの?」
瑛瑠は列挙していって目を見張る。
「まさか、女性関係?」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-12-01 00:46

LOST MEMORIES ⅢCⅢⅩⅡ

「お嬢さまの中で私は一体どういう位置づけなのですか。」
「……言ってもいいの?」
呆れたようなチャールズの問いかけに、一応尋ねる。傷ついても知らないよ?と微笑んで。
「……やめておきます。」
小さいため息に、ふたりは顔を見合わせて笑う。
瑛瑠がチャールズをどう思っているか、そんなの言うまでもなく信頼しているし、それをチャールズも知っている。
そして、言葉にしてしまうと何か違うような関係。
そんな茶番を経て、チャールズは口を開く。
「お嬢さまの質問は、ジュリアに何かしたのか,でしたね。
とりあえず答えますと、心当たりしかないですね。」
瑛瑠は思わずチャールズの顔を凝視する。否定しないどころが全面肯定である。
「彼女にはたくさんの“何か”をしたので、何を指されているのか分からないというのが正直なところですが。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-12-03 20:01
  • 師匠!!
    遂にわたくし、りんごのおひたし、
    小説デビューでございます!!
    読んでみてください笑

    この二人の関係性とてもほっこりとします。
    色々と明かされていきそうで楽しみ〜〜

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-12-03 23:02
  • りんちゃん》
    ちゃんと読んで、レスも送りました!
    いつもの如く、長文になってしまった。ごめんね(笑)簡潔にまとめあげる力は私にはないみたいです。笑

    嬉しいなあ。みんなの期待は尽く裏切るスタイルな私だけれど、ちょっとは明かさないとね。笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-03 23:42

LOST MEMORIES ⅢCⅢⅩⅢ

「例えば、とか聞いてもいい?」
形式上確認をする。
目ではもちろん話せと圧をかけているため、チャールズは苦笑いである。
彼女のネックが何なのか知っておかないと、次用事があった時に、また逃げられてしまう。
「例えば、そうですね……教室を抜け出した時の言い訳役を押し付けたことがありましたね。」
教室を、抜け出した、と言ったか、目の前の付き人は。
瑛瑠が呆気に取られて言葉を紡げない間も、チャールズは続ける。
「卒倒人を押し付けたこともありましたし、子どもを投げ飛ばすようお願いをしたことも、」
「ま、待って。何?物騒な言葉聞こえてきたよ?」
「無理難題はとりあえず彼女ともう1人の友人に流していたので、その度に彼らからは馬鹿と言われていましたね。」
思い出しているのか、チャールズはとても楽しそうに語る。
たしかに、ジュリアの言う馬鹿という言葉から嫌悪感は感じられなかった。
それなら、
「どうして、私が逃げられたのかな。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-12-03 23:19
  • いやあ、ピーターさんには勝てねえやっていうかまだあの問題序の口だからね?!(謎の弁明)まだまだ作るよ(連載やれよっていう)

    ちょっと二人の会話について行けてないwwwどうしたもんかね
    冬は寒くて嫌いです

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-12-04 00:00
  • めめんとさん》
    はいはい、楽しみにしております(笑)
    連載の期待をしちゃってもいいのかしら?笑

    あらまー、どうしたものでしょう(笑)
    彼らもまた、お互い察しながら生きているものね。言葉無しに分かり合えるのは素敵だけれど、そうするとすれ違いも起きるので、適度に気持ちは伝えるようにしましょう。
    というわけで、ちょっとだけ要約しちゃうね。
    ⬇(ここ数話の要約)
    ジュリアが「チャールズの馬鹿」と言って退出したことに、瑛瑠は疑問を持つ。
    ジュリアが席を立ったのは、チャールズのせいではないかと考えた。
    そこで、チャールズはジュリアに何をしたのか聞く。すると、彼女にはたくさんの迷惑をかけていたことが判明するが、どうやらチャールズが原因ではなさそうだという考えに至る。
    では、なぜジュリアはいきなり席を立ったのか。

    と、こんな感じでしょうか。
    わからないことがあればまたどうぞ。
    ごちゃごちゃしてしまって申し訳ないです^^;
    私も冬は好きじゃないです(嫌いっていうと本当に億劫になりそうだからここら辺で止めておきます笑)。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-04 14:54
  • ちょっと、笑っちゃった…
    話の中身が面白い…
    流石でございます!

    レス、ありがとうございました!!
    いやぁ〜褒め過ぎですよぉ〜
    難しくて、めっちゃ考えてあれです。
    師匠の言葉、めっちゃ嬉しかったです。

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-12-04 15:19
  • ジュリアさんは人見知りで無口なんじゃないですかねー(棒読み)

    て云うかチャー坊…想像以上のワルさ(笑)いい友達だなぁ〜。
    いっそ四人でお茶しましょうよ。楽しそう!

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-12-04 17:21
  • りんちゃん》
    この2人の会話は基本おかしなテンションが多いので、そう言って貰えるととても嬉しいねえ…笑
    ぜひぜひ笑ってあげてください(笑)

    いやいや、素晴らしかったよ!初めてであれはすごいねえ…私、初めて物語を描いたのが小五なのだけれど、あの頃の話は読めない。鳥肌が立つ(笑) 色々挑戦してみてね。
    レスも、こう見えてちゃんと推敲しているので、喜ばれると嬉しいものです(*^^*)

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-04 18:47
  • シェアさん》
    シェアさんっ…お久しぶりです…!
    レス欄にいて、わーい!って思ったのに、1行目でスンッってなりました。笑
    そう、シェアさんはこういうこと言う人だった…。

    そうなんですよね、チャールズさんなかなかやらかしている方です。それも常習(笑)
    彼らの学生時代もいつかあげてみたいですねえ。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-04 18:50
  • いえいえ本当にありがとうございます!!
    私も黒髪、白い肌に憧れます。
    私の髪の毛は茶色いし、肌も白くないし…
    絶対、美少女ですよね〜
    黒髪、白い肌は。

    りんごのおひたし
    女性/20歳/奈良県
    2018-12-04 20:39

ⅢCⅢⅩⅣ

無茶を言っていたのはチャールズで、それも10年も前の話。
関係は良好なようであるし、逃げられる理由がない。
チャールズは少し考え込む。
「ジュリア、他に何か言っていませんでしたか?」
「他に?」
思い出す限り、3言しか話していない。瑛瑠が首を振るも、チャールズは 何でもいいんです、他に,と珍しく追及する姿勢を見せた。
だから、瑛瑠は不思議そうな表情をするも、答える。
「よろしくって言葉と、チャールズの馬鹿、あと、ごめんって。」
チャールズがぴくりと反応する。
「ごめん……?」
「でも、席を外す時の言葉だよ。だから、そういう意味だと、思ったの、だけれど……。」
消え入るように言葉を終息させる。チャールズが、顔を顰めているから。
そうして、苦しそうに彼が呟いたのは、
「ジュリアの馬鹿……。」

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-12-04 18:51
  • ついに数字だけになった(笑)数字おっきくなってきたからね

    要約ありがとうございました。でも、思わず「あれ、俺読めてるやん」って言っちゃいました(笑)まだまだわからないことだらけってことですね...。一言一言が大事な言葉過ぎてどこに注目すべきかわかんない

    memento mori
    男性/23歳/大阪府
    2018-12-04 19:24
  • スンッ(笑)どゆこと(笑)
    別に俺はごく素朴な感想を呟いているだけですので(笑)

    お互いにバカって云い合える友達ってすごく素敵だと思いまーす。
    キリのバカっていつか云わせたい←

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2018-12-04 23:34
  • めめんとさん》
    違うんです、入力ミス(笑)
    私が1番びっくりしちゃった。次回からは元に戻ります笑
    でももはやみんな分かってくれるなら、数字だけでも悪くは無いよね…笑

    なんだ、読めてるんじゃん(笑)自分の読解力と理解力を信じて…!
    そうなんですよー、結構進んでないんです。笑
    大事じゃない言葉はスルーしますからね。大切なことは、その裏返しです(広範囲すぎてカバーしきれない笑 未回収メモが、手元には沢山あります←)。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-05 00:26
  • みーちゃん》
    はいきた!そうです、そことシンクロしてますね。
    なんでしょうね、どうして似たような事言っているのかしらね。
    なんて言うか、みんな重要なところを喋らなすぎて…笑

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-05 00:28
  • シェアさん》
    的を得た発言というか、重箱の隅をつつくような発言というか、痛いところばかりついてくるからシェアさんのレスは油断なりません(笑)素朴な感想が、時としてこの話の根底をぐさってするから…。笑

    それは、「英人さんの馬鹿。」ってやつですか…!?よろしくないですね、瑛瑠ちゃんが犯罪的に可愛い想像しかできません。
    歌名ちゃんあたりなら、自然に馬鹿と言ってくれると思います。

    ちょっぴり成長したピーターパン
    女性/24歳/秋田県
    2018-12-05 00:35

LOST MEMORIES ⅢCⅢⅩⅤ

暗い部屋、ベッドの上で、夕食の席でのことを思い起こす。
チャールズは、苦しげにジュリアの馬鹿と呟いた。その様子から、彼女が席を立った理由が分かったのだろうと察するも、あの感じでは教えてくれないだろうことも想像出来た。
馬鹿とは、何とまあ良くない言葉なのに、苦しげなその中に愛情を含んで放てるものなのだなと瑛瑠は思う。ジュリアも同様、嫌悪感や怒りのない、英人に言われたものとは種類の違う言葉に感じた。もっとも、英人言葉も罵倒よりかは非難の意が強かったけれど。
そして、チャールズが想像以上におかしげな学校生活を送っていたと知ることが出来た。
自分もいつか、冗談めかして、愛情をちゃんと含んだ、馬鹿なんて言葉を言えるようになるのだろうか。
思い浮かんだのは、今日瑛瑠を馬鹿だと諌めた彼。
そういえばと思い出す。掴まれた部分が赤くなっていた。力の差を感じたと共に、真実の言葉でないとはいえ彼を一瞬でも傷つけたのは事実で、その代償というにはあまりにも軽い。
彼が愛だと言ったその痕を、瑛瑠はそっとなぞる。
「本当に、いけない人……。」
そうして、眠りについた。

ちょっぴり成長したピーターパン
女性/24歳/秋田県
2018-12-05 22:33