他愛ない言葉のキャッチボールを重ね、無事に送り届けられた瑛瑠。
「ありがとうございました。」
瑛瑠がお礼を言うと、家に入るよう促される。
「付き人さん、心配しちゃうよ。ぼくのことはいいから、入って。」 そう言われ、チャールズに何て言われるか想像もつかないことを思う。日が落ちてから帰るのは初めてである。
チャールズのお説教は長いから嫌だなあなんて思い、もう一度望にありがとうと伝える。
「帰り、気を付けてくださいね。」
「うん、ありがとう。また月曜日。
次はぼくとのデートに付き合ってね。」
手を振る望に、苦笑しつつはいと応え、手を振り返す。
扉を開き、瑛瑠はほっと息を吐いた。
「遅いお帰りですね、お嬢さま。」
いつもよりキラキラ度増し増しの美しい顔。
そこから先は、覚えていない。
イケメンさんが溢れております…
イケメンしかいないでしょ!
一人くださいよ〜
めめんとさん》
すべては世界観で片付けられちゃいます。笑
でもでも、目線が男性側であれば、なんなんだこの世界の女の子達はってなると思います。笑
りんちゃん》
イケメンは世界観です(笑)
ひとりくらいとんでもないやつ入れてもいいのだけど、余地がねえ…笑
あとあと、いつかりんちゃんの名前をお借りして何かかきたいなあなんて思っていたのだけれど、いいかしら?
わわわ!!
嬉しいです!!!
是非、お願いします!!!
楽しみです!!
「どうして私が怒っているかお分かりですか。」
たぶん、長いお説教後だと思う。
瑛瑠が顔を上げ、向かいにいる付き人の顔を見る。呆れたような表情になっていることから、そうだと思ったのだけれど。
たぶん、なんて言うのは、それまでの記憶がないからで。
あまりに恐かったということだけは、なんとなく覚えているのだが、本能的に記憶から抹消したものとみられる。
ひとつ大きなため息をついたチャールズは、不安げにその瞳を揺らした。
「心配、しました。」
こういうとき、ずるいと思う。そんな顔、そんな声で言われたら、謝るしかないだろうになんて、瑛瑠が頭の片隅で思っていると、自嘲ぎみに微笑まれる。
「自分でも、少し過保護かなと思っているんですよ。
でもね、そしたら、他に誰が過保護になるんですか。」
たったひとりのお嬢さまなんですから。
「ごめんなさい……。」
頭ごなしに怒られるより数倍もの威力にやられた瑛瑠は、素直に謝るしかなくて。
すると今度はチャールズが困ったように笑い、
「まあ、大丈夫じゃなければそもそも行かせないんですけどね。」
なんてさらっと言い放つ。
「帰りが遅くなるであろうことも知っていましたけど。」
なぜ知っている?むしろ、ではなぜ怒られた?
軽く混乱してしまった瑛瑠が絞り出した言葉は、
「わ、私の記憶返して……。」
おおっとぉ?!ここで記憶が絡んできたか...。(相変わらず深読み過ぎるメメント)おっそろしいね、チャールズ。
めめんとさん》
そこに関してはノーコメントで(*^^*)
肯定しても否定しても面白くないものね。笑
「私、怒られる必要あった?」
なぜか瑛瑠たちの動向を知っていたらしいチャールズは、知っていたにも関わらず瑛瑠を叱責。
しかし、チャールズは人差し指をぴんと立てる。
「それは大アリです。私に情報が入ってきたから良いものの、もし何かあったらどうするんです。
ということを踏まえて、今後気を付けましょうねってお話でした。」
穏やかに締め括り、上品なしぐさでお茶に口をつけている。
瑛瑠にはひとつ、気になることがあった。
「あの……花さん、同級生だったりする?」
情報源は彼女なのではないかと思ったのはさっきのこと。そうであれば、付き人が『Dandelion』を知っていたことも、そこを瑛瑠たちに勧めたことも、瑛瑠たちの動向を知っていたことも、やたら人間だと強調してきたのも合点がいく。
ただ、そうすると人間がチャールズたちの正体を知っているということにも繋がってしまうのだけれど。
「えぇ、クラスこそ違いましたが、彼女は同じ学校へ通っていた同級生ですよ。」
チャールズのパプちゃんを思って
怒るところがすごく好き…
みー♪はめっちゃ適当につけたからねー笑
キセは自分で結構考えた名前で、いつラジオネーム変えようか悩んでたところでした~(* ´ ꒳ `* )
キセでも稀星でもみー♪でもどれでもおけです!!!
ううむチャールズよ。何か引っ掛かるんだ(何故に)そして、花さん。まあそうだろうね、そんな気はしていた。さあ、だいぶパズルのピースがはまってきた気はするけど、あとはその上でどう進んでいくかだな
キセ≫順応早いからね(笑)いい名前だと思うよ。しゅっとしてて(大阪弁)
みーちゃん》
だめだ。シェアさん事件再来レベルでみーちゃんって呼び続けるかもしれない。
ごめんね、直した方が良いなら直すから言っておくれ…!
チャールズさんてやっぱり過保護だと私は思うのだよね。まあ、次期王女だから当然と言えば当然なのかなあ…笑
めめんとさん》
ひっかかりの原因とは…。
乞うご期待です。笑
まぁまぁ、誘導に誘導を重ねてますからねえ。ここからどうみなさんを裏切っていけるでしょうか(笑)
あっさり認めてもらえたことに驚きを隠せない。
どこから尋ねていいかわからず、言葉を紡げない。
「情報は花さんから伝わったってことだよね?」
「はい。」
「じゃあ、花さんには私たちの正体はバレているってこと?」
「そういうことになりますね。」
返ってきたのはあまりにも悪気のない肯定で。
「……いいの?」
「よくはないですけどね。」
クラスが違ったのにどのタイミングで知り合ったのだろう。そもそもどうして正体がバレるなんてことになったのだろうか。少なからず瑛瑠たちは今のところそんなことはないと思われるし、今後もとりあえずはないだろう。人間の生活に馴染みすぎている。
チャールズは贔屓目なく優秀だ。それは瑛瑠自身よくわかっているし、チャールズの同級生も優秀だろうことは同然で。
「彼女の場合、色々特殊だったんです。」
特殊、とは。
もちろん、瑛瑠の目に浮かぶ質問の色を汲み取り、チャールズは口を開く。
「出会いや接点はもちろん、彼女自身の性格や生まれが、ですね。」
続けて問おうとするも、チャールズに阻まれる。
「私が彼女についてお話しできるのはここまでです。
気になるのなら、本人に直接聞いてくださいね。」
にっこりと微笑まれ、これ以上の追及は無意味だと悟る。
席を立ったチャールズはの向かう先はキッチン。
そういえば、夜ご飯はまだである。プッタネスカはチャールズの叱責の間に消化された模様。
たしかに、花個人についてチャールズが語るのはおかしなことだ。そう理解し、瑛瑠も立ち上がる。
「チャールズ、私手伝うよ。今日の夜ご飯は何?」
「ボロネーゼですよ。」
エプロンを手に取り思わず苦笑い。
「ボロネーゼ……?」
何の嫌がらせだろう。まだ叱責の途中だろうかと錯覚してしまう。
「それともミートソースが良いですか?」
さすがにこちらの提案には、勢いよく首を横に振るのだった。
部屋が白桃煎茶の良い香りに包まれる。
すぅっといっぱいに吸い込み、思わず笑みがこぼれた。
「良い香り。」
「でしょう?」
チャールズの淹れ方はいちいち上品だから、瑛瑠は好きだ。
「今日は楽しかったですか?」
穏やかに問われ、瑛瑠は苦笑いをこぼす。
「楽しかったけれど、終始真面目で隙がなくて、神経を張り詰めていた方が強かったかな。
一気に脱力して、結構食べてしまった。」
「あぁ……ちょっと前にパスタを食べたはずなのに、夕食のパスタも完食しましたもんね。」
「い、言い方……。」
そんな食いしん坊みたいな言い方をしなくてもと思う。というか、やっぱりパスタを食べたの知っているし……。
せめてもの抵抗に、チャールズをじとっと睨み付けた。
「食べてしまった。」っていう言い方が堅苦しいと思ったのは自分だけだろうか。そして食いしん坊には違いないと密かに確信しているのも自分だけだろうか。
めめんとさん》
そう?結構こういう言い回しはしているのだけどね。食べてしまった(意訳:ちょっと食べ過ぎたかな)ってニュアンスが伝わればいいなと思って。
あと、歌名ちゃんはともかく、瑛瑠ちゃんと望くんは堅いくらいの言葉遣いで調度良いのですよー。
いっぱい食べる君が好きっ!!
レスありがとうございます!!
現実には訪れなさそうな事を理想にぶっこみましたww
可愛らしさを感じていただけたのなら幸いです!
コーンフレークと青ジャージさん》
素晴らしい手法です(拍手)
私は常にそうですよ(笑)
「それも花さん情報?」
「えぇ。美味しそうに食べていたととても嬉しそうでした。」
笑ってそう言うチャールズにはいつもの皮肉の色は見えなくて。
「チャールズは花さんと仲が良いの?」
詮索しようというわけではなかったのだけれど、
「仲、良いですよ。」
だからこそ微笑んで続けてくれたのかも知れない。
「私たちが人間でないとわかってからも態度は変わらなかったですし、距離の取り方が絶妙な女性です。」
やっぱり、素敵な女性だとわかって嬉しくなる。
しかし、
「そういえば、旦那さんがいるって――」
瑛瑠が言いかけると、チャールズは白くて綺麗な指で、瑛瑠の唇を押さえる。
「そこからは、ね?」
なんとなく踏み込んでいいLラインがわかってきた瑛瑠。しかし、こんな真似をしなくてもいいではないか。
顔が熱い。
「そういうところだよ、チャールズの馬鹿。」
PS》
ラインの前のLはいりません…。
ただのラインです。笑
今日の楽しさと程よい疲れで、心地好い脱力感に襲われる。
1日の終わりに、楽しかったと思えることが、これだけ満たされることだとは、思いもよらなかった。
ゆっくり息を吸って、そして吐く。
布団は優しく瑛瑠を包み込むから、ふっと落ちてくる瞼に、抗うことなど到底無理なことで。
そういえば、明日の予定は,なんて浮かんでは、ぱっと消えてしまった。
明日も良い日になればいいと、片隅で生まれた想いは、睡魔によって引き出しへとしまわれた。
レスありがとうございます!!!
学校から帰ってきたら
思ったより伸びていてびっくりしたよ╰(‘ω’ )╯
「おやすみ」っていう名前もホントに寝る前に
ぱぱっと付けたから1番私が驚いております笑
キセちゃん》
そういうものほどヒットするらしいのよね…笑
カーテンを開くと、一気に朝日が部屋に流れ出した。
窓からはまだ、ひんやりとした冷気が伝わってくる。
結局あのまま寝てしまった瑛瑠は、一度うんと背伸びをして、今日の予定は何かとめぐらせる。
すると、良いタイミングで扉をノックする音が聞こえてきた。
「お嬢さま、おはようございます。
今日の予定ですが、私と一緒に出掛けませんか?」
扉越しに聞こえた声。一時停止。
瑛瑠は驚いた。チャールズからの初めてのお出掛けのお誘いである。そして、断る理由はない。
「い、行きます!
ちょっと待って、急いで支度をするから!」
ただ、あまりに急なのと、あまりに驚いてしまったので、慌てる瑛瑠。
その様子に、扉の向こうでは笑った気配がする。
「まずは朝食にしましょう。急がなくてもいいですよ。」
チャールズから初めて外出に誘われた瑛瑠は困っていた。
何がどうなってこうなったのだろう。
居心地悪そうに向かいの席にいる英人と、目で探り合うしかない。
例によってここは『Dandelion』。昨日訪れたときと違うのはいるメンバー。
「謀るような真似をしてすみません。
初めまして、霧英人さん。付き人のチャールズです。いつもお嬢さまがお世話になっております。」
にこやかに話すチャールズに、困惑しつつも軽く会釈を返す英人。瑛瑠にただただ疑問の目をぶつけてくるが、もちろんこちらもわからない。
その英人の隣には、例によって無表情のジュリア。
「双方の誤解をとくために、このような謀を画策いたしました。」
つまり、チャールズに誘われたのは、はなからお出かけなんて楽しい目的ではなかったのだ。
英人がどう連れられてきたかはわからないけれど、とりあえず瑛瑠は一切悪気の色の見えないチャールズに、陰ながらじと目を繰り出すのだった。
「別にジュリアは誤解なんてしてない。」
チャールズの発言に1番に突っ込みを入れたのはジュリアだった。
「してます。むしろ、ジュリアが1番誤解しています。」
「してない。」
「してます。」
「してない。チャールズの馬鹿。」
「なっ…してます。ジュリアの唐変木。」
「チャールズのわからず屋。」
「ジュリアの朴念人。」
にらみ合うふたり。しかし、仲が良いのだとわかる要因として、楽しんでいる目をしていること。
「しかし、来てくれたということは、話をする気でいてくれたんでしょう?」
頃合いを見計らって放たれた柔らかいチャールズの声に、ジュリアはつんとそっぽを向く。
チャールズのこういうところは友人にたいしても相変わらずなのだと思うと瑛瑠は嬉しくなる。
「ジュリアさん、私、聞きたいことがあるんです。」
ジュリアが少し拒む姿勢でいることは、瑛瑠にもわかった。
たぶん、それ自体が誤解の現れだろうと思いながら、瑛瑠は続ける。
「ジュリアさん、私のこと、救ってくださって、ありがとうございました。」
ひとつお辞儀をして頭をあげると、そこには呆けた表情のジュリアがいる。
「どういうこと?」
「ですから、誤解しているんです。」
横やりをいれてきたのはチャールズ。
ジュリアは真っ直ぐに瑛瑠を見つめてきた。
「キミは、ジュリアのこと怒ってるんじゃないの?」
思いもかけない言葉に、今度は瑛瑠が呆けてしまう。
感謝こそすれ、怒る理由は思い当たらない。
瑛瑠はチャールズに助けを求めるも、困ったように、本当に困ったように微笑むだけ。
「……なぜ?」
「だってキミは、ジュリアのせいで記憶を失ったんだから。」
報告!
幼なじみの件ですが…
最近、久しぶりに姿を見掛けまして、今まで彼野球やってて坊主だったんですが、
なんか長髪になってたんですよ~(笑)
それ見て、うぇ~~~って思いました(笑)
だから、もう大丈夫です(笑)
やっと割り切れました!
お話聞いてくれてありがとうございました!
りんちゃん》
吹っ切れたのならよかった…!
いいのいいの、りんちゃん素敵な女の子だからさ、これからもっと自分を磨いて、自分と関わらなかったことを後悔させてやろうよ!断然気持ちいいし、幸せになれるから(体験談)笑
出会いも関わりも、まだまだこれから増えるからね。自分が素敵になればなるほど、まわりもそういう人が集まってくるものよ(*^^*)
はい爆弾発言。
めめんとさん》
えへへ。話が停滞していたからね。笑
自分の記憶が一部抜け落ちていることは感じていたし、これまで話もしたけれど、いざ断言されてしまうと、受け入れ難い事実のように感じるのはなぜだろう。
「ジュリア。」
低い声でそう言ったのはチャールズ。これまでお説教はされてきたが、こんなチャールズを見るのは初めてだった。そんなチャールズに、英人も少し目を丸くする。
「私が、そう指示を出したんです。」
正直、瑛瑠はここでチャールズに突っ込みを入れたかったが、場の空気がそうさせない。
チャールズの声は冷えきっている。しかし、怖じ気づくジュリアでもなくて。
「あのときのジュリアにもっと力があれば、」
「みんな、あのときのベストを尽くしました。」
「誰も傷つけないですんだ。」
「お嬢さまは生きています。」
「でも、」
ジュリアの、でも,という言葉に重ねるようにしてチャールズは身を乗り出し、テーブルの端に用意されているフォークをジュリアへの突きつけた。
「ジュリアのせいにするな。」
(わっコワい…。)
シェアさん》
こんなチャールズを描けて私は大満足でございます。笑
こんな冷えた目のチャールズは見たことがなかったし、ましてフォークを突きつけるなんて。
瑛瑠は困惑するやら動揺するやらでふたりの間に入っていけず、英人と不安げに顔を合わせるしかなかったのだけれど、
「店内でこれ以上騒ぎを大きくなさるようであればお取引願いますが、いかがなさいますかお客様?」
「花さん!」
瑛瑠はこのとき本当に女神が舞い降りたかと思ったほどだ。
チャールズの持つフォークを取り上げて言う。
「マナー違反です。まず、フォークは人を差すための道具ではありません。次に、高圧的な態度は対話においてよろしくないです。さらに、ふたりで事足りる話であれば、それはふたりのときにすること。
10も年下の子達に気を遣わせる大人がどこにありますか。」
瑛瑠と英人の前にそれぞれケーキを置き、花は差し入れだから気にしないでねとウインクを残してカウンターへ戻っていった。
決まり悪そうにため息をつく大人2名。
「あの頃と何も変わりませんね。」
「花のことは怒らせちゃだめ……。」
花さん取引するんですか……?
(誤字脱字委員会案件ですか?)
花さんが強キャラだということは分かった。
花さん強い((
月影さん≫そこ突っ込んじゃダメ。きっとティンクがいたずらのつもりで入れ替えちゃったんだよ(精一杯上手いこと言ってるつもり)
まあ、来るよね~。同級生だもんね~。花さんやっぱりかっこいいわ
月影さん》
お引き取り願います(笑)
ひぇ…これは案件ですね…失礼いたしました、そしてどうもありがとう笑
お引き取り願いますっ!!(訂正)
キセちゃん》
喫茶店の店員さんのテリトリー内でした((
過去、何があったんだろうね…
めめんとさん》
ごめんね、フォローと入れ違いになっていたせいで冷静に返してしまった()
違う、冷静になった今、いたずらされていたことに気付いたわ(突っ込まないで…)。
花さんがかっこよくなっていくの、実は私が一番ビックリしていたりする事実。
自分がはっきり言わねば、チャールズもジュリアも、また口論になりかねない。
そう思った瑛瑠は、ジュリアの名を呼ぶ。
「ジュリアさん。たしかに私はある期間の記憶がないようですが、それをあなたが原因だなんて思っていません。……なぜそんなことを言うんですか?」
チャールズが何かを言いそうな気配がしたため、軽く横を睨んでやる。
――私は、ジュリアさんと話しているの。
圧をかけたつもりはなかったが、ジュリアは顔をひきつらせていて、口を開こうとしない。
「ジュリア、僕はジュリアを擁護するとかじゃないが、瑛瑠は本当に誰のせいだとか思ってない。ジュリアが籠ったあの日、何か悪いことしたかと気に病んでいたくらいの性格だ。」
ふぅと息を吐いて、横から同じ黒い瞳をのぞきこむ英人。
「感情はいらない。事実だけが真実だ。ジュリアがいつも言ってることだろ。」
このやりとりに、英人の性格や生き方、とりまく環境が垣間見えた気がした。
英人の押しのおかげで、ジュリアは口を開いたものの、やはり改めて聞いても、自分の失われた記憶をジュリアが原因だとは瑛瑠は思えなかった。
「キミは、投げ飛ばされたその衝撃で、記憶喪失になったんだよ?」
だからジュリアせいで記憶喪失になった――その考えは好きじゃないなと瑛瑠は思う。
「英人さんとも話していたのですが、たぶん、防衛本能が働いたと思うんです。消してしまいたいくらい恐い想い、悲しい、寂しい、辛い想いがいっぱいになって、それが溢れたタイミングが投げ飛ばされた時と重なっただけで。仮に、引き金がそれだったとして、それはたまたまだったと思うんです。」
押し止めていた想いが決壊した瞬間がそこだっただけで、それ以前に溢れるだけ溜まっていた想いの量の方が問題だと瑛瑠は思うのだけれど。
「つまるところ、お嬢さまは別に怒っても恨んでもいませんよ。」
やっと口を開くことを許されたチャールズの言葉に、瑛瑠は頷く。
「はい!助けられました。」
微笑むと、ジュリアは少し顔を赤らめた。
「誤解が解けたようで何よりです。」
花にフォークを没収されたチャールズは、コーヒーに口をつけてそんなことを言う。
瑛瑠は突っ込むために口を開きかけるが、ジュリアの鋭い声がその先に放たれた。
「策士。優秀バカ。頭の持ち腐れ。気が短いトコロも変わってない。」
済ました顔でオレンジジュースを飲むジュリアはストローでひとつ円を描き、氷の入ったコップは、からんからんとあたたかみのある音を鳴らす?
「ジュリアの万年人見知りも相変わらずですね。」
仲が悪いわけでないのは理解していても、見ていてひやりとしてしまう。
「もうお黙りなさい、優秀な問題児2名。」
やはり間に入ってくれる花は、もはや拝むべき存在である。
「ジュリアが他の誰かとこんなに喋ってるのを見るのは初めてだ。」
そう呟く英人に対して、
「チャールズも、あんな風に言うことがあるんだね。」
瑛瑠は花に顔を向ける。
「花さん、優秀な問題児って、高校生の頃のチャールズってどんな感じだったんですか?」
制止するチャールズお構いなしに、花は楽しそうに口を開いた。
(あ、回数がちゃんと読める…!)
やっぱり女の子が本気になれば、キリ(あぁ今日はなんとコドモに見えることか)はさておきチャー坊まで歯が立たない、これはもう対決ではなく、ここからは茶番もしくは茶飲み話が始まるのね(笑)
シェアさん》
だいぶ騙し騙しの400ですけどね…笑
私の描く物語は基本的に女の子が強いですからね。おねえちゃんだったり、姐さんだったり。妹だって、お母さんやおにいちゃんやおじさんがいなくてもひとりで使命感のまま生きているんだから…(自分で言ってて辛くなってきた…)。
きっと昔からチャールズも女の子には敵わなかったんでしょうねー笑
並んで歩く瑛瑠と英人。
「どうしてこうなった?」
瑛瑠は愛想笑いを返す。
チャールズが、用事を思い出したので先に帰りますね,と放った一言により、ジュリアも帰ると同調し、残されたふたり。念のため花に聞くと、やはりお代はチャールズが持ったようで、英人をなだめるのに骨を折った瑛瑠は『Dandelion』を出て散歩することにした。
「大体予想はついていたが、花さんが僕たちのこと知っていたとか聞いてない。」
苦い顔で呟く英人を憐れに思いながら、私も昨日知りましたと告げる。
付き人の繋がりは強いようなので、明日歌名と望にその話をしても、きっとすぐに伝えられているのだろうと思う。
「どうやって知ったんだろうな。」
そう、ぽつりと呟く英人は、たぶんジュリアを思い浮かべているのだろう。バレるなんてヘマはしないと。
「とりあえずみんなと情報を共有次第、役割を分担して探りましょう。」
「あぁ。」
頷いて英人はちらっと瑛瑠を見る。
「……不可抗力とはいえ、またデートになったな。」
「……そうですね。」
英人くんとパプちゃんのなんとも言えない感じが
応援したくなるなあ。かわゆい。
みーちゃん(やっぱり戻しちゃうっていう…)》
相変わらずやってるよね(笑)
どうしようもないこのふたりを応援してあげて…笑
みーちゃんで全然大丈夫ー!!!
ここ(ポエム掲示板)では
やっぱり前の名前がしっくりくる笑
みーちゃん》
ありがとう…笑
シェアさんのシェアさんみたいなものなんだよねえ(伝わって笑)。
大丈夫!!!伝わった笑
「私、望さんとの約束をすっぽかして英人さんといる気がして、罪悪感でいっぱいです。」
「抜け駆けしてるつもりはないんだがな。」
「またそういうこと言う。」
瑛瑠の失礼な発言をひらりと受け流し、交わす冗談。
瑛瑠は一瞬瞳を揺らし、躊躇うように呟く。
「これはデート、ですか?」
察しのいい英人が深く聞かないのをいいことに、ずるい聞き方をしてしまう。
「お好きなように。……どうした?」
瑛瑠は少し笑う。
「デートなら、他の男性のことを話題にしてはいけないかと思って。」
「長谷川のことか?」
笑って返されたことに、瑛瑠は少し安心する。彼について聞いてほしい話があった瑛瑠だが、ふと気になったことが先に口をついて出てきた。
「そういえば英人さん、望さんとどうやって良好な関係に持っていったんですか?」
はじめは、望に気を付けろなんて言ってみたり、荒々しい感情をお互いに隠していなかった記憶がある。
薄く微笑った英人は、彼にしては珍しくもったいぶった様子で瑛瑠を見る。
「んー……内緒。」
その顔は、腹が立つくらいイケメンだったとか。
レスありがとうございます
そんなことを思ってくれていたとは…嬉しいです……!なんとなーく描けてなかったんですけど、なんとナイスなタイミング笑
タイトルはここだけの話…タイトルはほとんど考えていないというか全く考えていないとか笑笑
あんまり凝ったタイトルを考えられないのでまず本文を描いてから、てきとーに単語を抜き出してます(((((
これからも謎の個性を磨きたいと思うのでぜひぜひ宜しくお願いします!_(._.)_
「まぁいいですけど。」
拗ねた振りをする瑛瑠に、英人は苦笑して尋ねる。
「で、本当に聞きたかったことは?」
その言葉に、思い出したように瑛瑠は目を伏せる。
「私、望さんとの距離感がまだ掴めていないんです。こんな風に冗談を言ったりしたいのですが、どうしても……」
「好きだと言われたことがちらつくのか。」
伏し目がちな瑛瑠の続かなかった言葉を英人が紡ぎ出す。
どうして知っているのだろう。
ちょっと目を丸くした瑛瑠は、英人に問う。
「ふたりで出掛けてもいいものでしょうか……。」
英人にはないこの抵抗が、一体何からくるものなのかわからず、ただただ変化を恐れていることは確かで。
それでも、約束をうやむやにはしたくないと、そう思うのは無責任な欲張りなのだろうか。
ふっと降りた沈黙はあたたかい。
柔らかい沈黙を、優しく破る声。
「それは、見くびりすぎだな。」
「……え?」
英人は目で前方を指し示し、座ろうと言う。
小さな公園だった。ブランコで小さな子どもたちが遊んでいる。ふたりは、緑の葉を鮮やかに身に纏った木の下にある石造りのいすに、並んで腰かけた。
長谷川には黙ってろよ?と自嘲するように微笑む英人。
「長谷川は相当頭の回転はやいし、ああ見えて1番神経質だと思う。ほんと、あんなんだが。」
……ほめている?
「瑛瑠のことも、色々考えてる。フェアじゃないからって、瑛瑠に好きだと伝えたと言われたし、歌名にもそう話していた。
瑛瑠が思ってる以上に、あいつは凄いやつだ。」
石はひんやりとしていて、スカート越しにそれが伝わってきた。
葉の隙間から抜けてきた光が、まばらに降り注ぐ。
「男に肩入れなんてするつもりなかったが、」
不服そうに言う英人だったが、
「瑛瑠が出掛けたいなら、出掛けていいと思う。」
挑戦的に微笑んで、
「安心していい。僕たちの関係は良好にしかならないから。」
なんて。
「……なぜ?」
そう聞くやいなや、英人はぐっと近付き、瑛瑠の耳元に口を寄せて、囁いた。
ちょっぴーさん!!!!
奈良の私立受かってました!!!!!
一安心ε-(´∀`*)ホッ
ちょっぴーさんのおかげです〜〜!!
今日の大阪の私立は自信ない、かな…
英語が難しいかったので…
帰ってすぐ、奈良の結果見てめっちゃ、ほっとしました…
ほんと…ちょっぴーさん、大好き〜〜!!!
お姉ちゃん!
引き続きお願いします♡
りんちゃん》
おめでとう!!ひとまずよかったねー!
でもね、合格できたのは私のおかげなんかじゃなくて、全部りんちゃんの実力だよ。今まで勉強してきたことがちゃんと結果に結び付いたってことなんだよ。
それでも、緊張や不安があって、少しでも私の言葉でそれらが和らいでくれたのなら、言葉を好いて扱う者としては嬉しいことであるし、そういうありがとうであれば、少し照れてしまうけれど受け取らせてください(*^^*)
まだもう少し続くからね、気を緩めずに、本命まで力を尽くしましょう。応援しています!
幼稚園からの幼なじみでございます…。
好きと言っていいのかわからないけど、
なんというか気になる人というか
一緒にいて安心するというか……。
バスケが得意な男の子でございます…。
みーちゃん》
だめだ、にやける……笑
うんうん、これからだねえ、なにか進展があったら私に教えて欲しいなあ!!!!!!
バレンタインはどうするの…?(いやもうにやけすぎておばちゃん大変なんだけど)
バレンタインはあげない!
普通の女の子(?)だったら告白したい!とか
チョコ渡したい!とか思うかもしれないんだけど
私は好きな人と時間を過ごせるだけで幸せというかなんというか…。
私自身もハマりやすく飽きやすい性格だからその男子がいつ好きな人じゃなくなるか分からないの…。
そんな感じだから進展が少ないかもしれないけど、
なんかあったら伝える!!!
ちょっぴーさん…!
大阪の私立も受かりました!
志望してたコースではなかったです…
もともと自信なかったし、落ちたと思ってたんですけど…びっくりです。
とりあえず、落ち着きました。
公立、ほんと頑張らなきゃ…
みーちゃん》
わかるわかるわかるよその気持ち…!
ああお話したい、みーちゃんもこじらせたりしたら私もはや笑ってしまうよ(笑)
今の距離感を大切にしたいやつね。
うんうん、毎日楽しけりゃいいのさ。
可愛すぎるみーちゃんを私は見守っているよ(*^^*)
りんちゃん》
すごい!!おめでとう!!志望したコースじゃなくても、その先どうするかは自分次第だからね。その学校に行けるということだけでもすごいじゃない。
これでもう、大船に乗った気持ちで公立受けられるね。大丈夫、2回も予行練習したんだから!
あまり焦らずね。落ち着け落ち着け(笑)
最後まで頑張ろ(p`・ω・´q)
瑛瑠は、ばっと右耳を押さえる。
「な、何するんですか!
わざわざ耳元で言わなくても良いでしょう!」
顔を真っ赤にしている瑛瑠を見て、さも面白そうに笑う英人。
「想像通りの反応をどうも。」
まだおかしそうに笑っているのを見て、瑛瑠はつんと顔を背ける。押さえた右耳は、まだ英人の言葉が残っていて、じんわりと胸が熱くなる。
隣の英人は立ち上がって軽く伸び、こちらを向いた。
「不安は?」
瑛瑠は見上げて悪戯っぽく微笑む。
「望さんとデートしてきちゃいます。」
そんな様子を見て英人は苦笑し、中指で瑛瑠の額を弾いた。
「!?」
驚きすぎて抗議の言葉すら出てこない瑛瑠に一言。
「なんか腹立った。」
英人くんS説w
というかツンデレ??こりゃモテるはずや…( °◊° )
みーちゃん》
瑛瑠ちゃんも英人くんもSっ気あるよねえ…笑
なんか描いててにやにやしてほんと私って(笑)
もうなんなんだこの二人は...。ついていけんよ、儂は。
めめんとさん》
私も描いていて、こいつら一体何やってんだ((と思わないでいられませんでした。勝手に動くんだもんこの人たち。
非常に楽しかったでございます(笑)
「理不尽じゃありません?」
そこまで痛いわけではなかったが、これ見よがしに額をさすって見せる。
なんかなんていう理由で額を弾かれるなんてと英人を睨むけれど、彼はどこ吹く風である。
「もう行くぞ。送る。」
いつもの調子でそんなことを言うものだから、瑛瑠は苦笑して立ち上がる。
「じゃあ、お願いします。」
そう言って英人を見るが、彼の目はこちらを向いていなくて。
瑛瑠の足元に向けられた視線を辿ると、地面には何かが落ちている。
不思議に思って拾い上げたそれは、どこかで見たような、真っ赤な花の付いた針のようなもので――
「それ!」
小さな女の子。艶やかな黒髪が目に飛び込んできた。髪はふたつの小さなおだんごにされていて可愛らしく、一切の曇りのない瞳を持つ彼女は、5歳くらいの紛れもない美少女であった。
ブランコで見かけた子どもはこの子だったのだろう。
「返して!それ、アカネの!」
泣きそうなその声に、ふたりは顔を見合わせた。
お、新キャラ?
5歳の美少女の言葉の威力凄い。艶やかとか普通5歳に使う? (いや、使わない)(反語)
改めて、美男美女しかいない世界だなあ……。
花のついた針のようなもの??
普通に何かわかりません泣
え、美少女って…5歳から美少女って…
将来どうなんの
変な視点から見てすいません笑
fLactorさん》
はいはい(挙手)。
美男美女についてですが!イケメン描写はチャールズと英人くんのみのはずでございます(英人くんに関しては瑛瑠ちゃんの主観)(のみって言っていいのか)。
望くんは爽やかとかなんとかはあったかもだけど…(あ、でも人気の委員長だから顔もいいことになるのか←)、瑛瑠ちゃんと歌名ちゃんに関しては美人さん描写はないんですね(可愛らしいお顔が台無しですとか良い女とかまわりからの茶々はよく入りますが)。
要は、美少女ってちゃんとした容姿についての表記はこれが初めてなのでって言いたかったんです(チャールズの美しい顔は若干皮肉として用いたりもしていますしね)。 こだわりとかポリシーとかすごく自己満足ではあるんですけど、一応嫌味なく特徴としては初めての表現なんです!(まあみんな美男美女なんですけど←)
りんちゃん》
何か思い出さないかしら?(笑顔)
黒髪の美少女です。私のイメージとしては瞳も真っ黒でくりっくりなんですよね。真っ白なたまご肌で。
私の方が変な目で見ている自信があるので大丈夫よ(何が)。
あれ、黒髪に対する艶やかだから読み方はつややかだけれど、もしかしてあでやかって読んだ人いるかしら?
ああ、嫌な予感(笑)ほんとなんなんだこの世界の男共は(←お前がなんなんだ)