「めぐちゃん聞いて!」
と、呼ばれたのは昼休み。
「何」という返事もつかのま 教室のカーテンにひきこまれる。
みゆきが小声で言うには、なんと哲くんから花火大会に誘われたらしい。花火大会は2ヶ月後だ、まさか先手を取られるとは思っていなかった。
「ねえ何きていこうかな」「やっぱり浴衣かな」
みゆきは嬉々と花火大会への想像をふくらましている。
浴衣のみゆきなんてかわいいに決まっているじゃないか。そもそも誘いをOKする前提なのもさみしい。
みゆきと花火大会へ行くのはわたしだ。
「めぐちゃん聞いてる?」
少し上目づかいになりながら。困った顔もかわいい。こんな顔も、哲くんとやらに見られてたまるものか。
「みゆき、」
呼んで 手を握る。
「花火大会、わたしと行こう。」
なんだなんだ( ゚Д゚)小説も唐突だが話の展開も唐突だな(゚д゚)続き待ってる
すごいかわいい話。実際にこんなことがあればよかった...
...また、気が向いたら書いたりしようかなぁ
>>ピーターパンさん!レスありがとうございます(^○^)
めぐちゃんにたくさんお言葉嬉しいです!!自分も、哲くんに負けるな!と思いながら書いてました^ ^
>>めめんとさん!レスありがとうございます(^○^)
単発の予定だったので、、、もし続きが書けたらそのときはまた楽しんでいただけたらと思います^ ^
>>まっつーさん!レスありがとうございます(^○^)
めぐちゃんみたいにハッキリ言えたらいいのに…ってことばかりです。
まっつーさんの新作も楽しみにしてます^ ^
ハリネズミのお話は、無理(断言)。ファンシーなお話書いてたら頭ぶっ飛んじまうよ
>>めめんとさん!
ハリネズミ無理ですか、、( ̄▽ ̄)
ときにはぶっとんだ話もどうでしょう、なんて^ ^
小説楽しみにしてます^ ^
おいっす( ゚Д゚)ゞ
てか気づいたんだがいつの間にか二十歳になってません?気のせいか...。
「実はね、めぐちゃん」
急にみゆきの声が小さくなったので、思わず唐揚げを持つ箸が止まる。
「何」「花火大会はめぐちゃんと行くって言ったら、哲くん、次の土曜日遊びに行こうって」
「次の土曜?」聞くと、うん、と頷く。「返事したの?」「えっと、、」
ごまかすように口にものを入れ続けるみゆき。ってあれ、そのたまごやき。
「みゆき食べてるのわたしのお弁当だよ」「えっ!」なんて動揺っぷり。「うわああああごめん!」かわいい。
「OKしたの?」「うん、、」
なんだって!
今度はわたしがひたすらお弁当を食べ続けなければならなくなった。「めぐちゃんそれわたしのお弁当だよ」「嘘」「わざとでしょう」「違うって」
いつもみたいに笑いあってから、少しの沈黙が流れる。
「めぐちゃんどうかしたの」どき。
言おうか言うまいか迷ってたけど。
「次の土曜までなんだ、『ときめいてZUSHIO展』」「え」「みゆき誘おうと思ってたけど、」「行く!」みゆきはぱっと前に乗り出して、きらきらの瞳。箸をつかんだままのわたしの手を両手でつつんだ。
「いいの、哲くんは」「うん!一緒にいこうね、いつもの神社のとこで待ち合わせする?」さくさくと予定を決めていくみゆき。
どうか決断のきっかけが、ZUSHIOじゃなくてわたしでありますように。
「目黒河」
廊下で名前を呼ばれた。あ、噂の哲くん。
「何」「ちょっといいかな」
哲くんの身長はわたしと同じくらいだった。みゆきの話によるとバレー部のレギュラーだという。みゆきはこのひとのどこが良いのだろう。
「あのさ、目黒河は知ってると思うけど、俺、みゆきのこと好きで、いろいろ誘ってるんだけど、断られ続けてて」「はあ」知り合って数十日で「みゆき」と呼ぶなんていい度胸だ。
「なんでだと思う?花火大会もおまえと行くって言ってるし」「うん」「目黒河、あいつのすきなものとかしらない?」そんな大事なこと、教えるはずがない。
「自分でききなよ」「そんな冷たいこというなよ、な?」「いやだ」「なんでもいいからさ、教えてよ」「……めぐちゃん?」みゆきだ。え、なんでそんな顔してるの。
「めぐちゃんが、哲くんのことすきだったの?」「は?」「だからわたしが哲くんと遊びに行くの妨害したの」妨害だと、思っていたの。
「みゆき、」泣いてる。待って、泣きたいのはこっちだ。
「わたし、花火大会、哲くんと行くから!」走り去っていくみゆき。
あれから『ときめいてZUSHIO展』へ行って、遠くの映画館に近くの商店街、みゆきの家でのテスト勉強会(という名の小さなお茶会)、わたしの家でのテスト見直し会(という名の小さなお茶会)……全部全部みゆきが、哲くんが誘う予定よりわたしといたいって選んでくれてるものだと思っていたのに。
「何があったんだよ」と口の端を上げていう哲くんとやらに返事をする気力も残っていない。嫌われてしまったんだ。
ーーー今日、いつもの場所で待ってます。
めぐみ
「みゆき」
めぐちゃんからのメッセージを読んでいた顔をあげると、私服姿の哲くんがみえた。「遅れてごめん!」「大丈夫」
ぱたぱたと駆けてきた哲くんの目が、にっと細くなる。「浴衣じゃん、かわいいね」ほめられると、嬉しい。
でも現実じゃないみたい、めぐちゃんのことで頭がいっぱいだから。
哲くんの話から、わたしが誤解してたんだってわかったけど、あの日から気まずくて、めぐちゃんとは教室でもあまり話さなくなっていた。
「みゆきは何たべたい?」「なんでもいいよ、哲くんは」めぐちゃんも怒ってるだろうな、と思っていたら、たった今メッセージが届いたのだ。「じゃあ焼きそばたべよ」青のりつくのにな。「うん」左手が、哲くんの右手に連れていかれる。
「あ、金魚すくいでもする?」「え」わたし、小さい魚がこわくて、そのせいで小学校のとき教室に入れなかったくらいで
「なにこれ行列だ、やめとこっか」「うん!」その話をしたとき、めぐちゃん、わたしも黒板の色がこわくて慣れるのに時間がかかったって言ってて
「あれ、哲じゃん」バレー部のひとたちだ。「ほんとにデートしてるよ」「あのこ超かわいい」「ずるいぞ哲」小さい魚と黒板じゃ、こわさが全然同じじゃないよって言ったら
「もうすぐ花火はじまるって」「ふたりも一緒にみようよ」哲くんがてをのばす。「だって、行こうかみゆき」
めぐちゃんと3時間くらい口論になったっけ。
「ひょえーもうみゆきとか呼んでんの」「哲ったら、すみにおけないな」
なんでわたし、ここにいるんだっけ。
「あれ、みゆき、なんで泣いてるの」わたし、泣いてるんだ。
「なに泣かせてんの」「いや俺なにも、」言わなきゃ。「ごめんなさい!」「え」「花火大会行くの、OKして」祭りの喧騒が、わたしの周りだけ消えていくのがわかる。
「わたし、行かなきゃならないところがあるの」「みゆき、」わたしのこと、大切にしてくれるひとがいるのに
わたしはちっとも大切にできていなかった。「ほんとうに、ごめんなさい!」
バレー部のひとたちが、哲くんをからかう声が遠くなる。
慣れない下駄は、からころからころ、神社までまっすぐに、わたしを連れていく。
「めぐちゃん!」
神社の階段に、めぐちゃんはいた。わたしをみて、ぱっと立ち上がる。「みゆき!」そして
わたしの顔をのぞきこんで、
「泣いてるよ、どうしたの、大丈夫?」めぐちゃんは優しいめぐちゃんのままだった。「めぐちゃんごめんね」わたしひどいこと言ったのに。「いいよ」「でも」
「ほんとは妨害しようとしてたのかもしれない」「え」めぐちゃんの着てるTシャツのZUSHIOがはたはたと揺れる。
「だからおあいこね、みゆき、 ーーー」
花火の音が響いた。そのせいで何も聞こえない。「聞こえなかったよ」言うと、頬のあたりをかきながら
「聞こえなかったなら、いい」だって。
それなら。
ヒューーの音に耳をすまして、今だ。
「めぐちゃん、ーーー
明るい彩りがめぐちゃんの顔をくるくると照らす。太鼓の音も混ざって、わたしの声が闇に溶けていく。
聞こえた?」めぐちゃんは首をふる。「おあいこってことでしょ」「うん」
ヨーヨーがほしいと言ったら、その後りんご飴がたべたいと言う。かき氷も綿あめもたべよう、ここ数日お話できなかった分、他にも他にも。
「でも、みゆきがなんて言ったかわかるよ」前髪の間から、めぐちゃんのきらきらした瞳がのぞいた。「わたしも、」
手を握る。
「めぐちゃんがなんて言ったかわかるよ」
もう離れないように、はぐれないように。
夏の夜、打ち上がる花と花がいつまでも、ふたりの影を照らして。
めぐちゃんがかわいい…笑
めぐちゃんを応援したいです。めぐちゃんのポジション大好きです。哲くんに負けるな!
小説ですね!珍しい…!
女の子が可愛いです、続き楽しみにしてます(*^^*)