病み上がりだからと言うあなた
本当はカナヅチなの知ってるの
サンダルで足跡を追いかける
ふくらはぎのとこ蹴ってみれば
くすり指だけマニキュアの色
青に変わったの気づくかしら
何色の夏が2人を待ってるかな
小さな変化にも気づいてあげて
セミの鳴き声 聞こえ始めた
7月の第3月曜日
慣れない自転車でついてきた
ビーチに着くまでのあいだずっと
シャツからのぞく背中見ていた
どこか懐かしさを感じながら
時々こっちの方振り向くあなた
わたしのペースに合わせるの
何色の夏が2人待ってるかな
近づきすぎずに 離れすぎずに
なまぬるい風 顔にあたる
7月の第3月曜日
終業式が終わった放課後
人目を盗み立ち寄った
静かな路地裏の喫茶店
なつぞら色に輝くソーダには
真っ白なアイスクリーム
その上には甘酸っぱいチェリー
ソーダ越しの君が微笑む
愛しくて 恋しくて
ストローで空っぽにしたいぐらい
クリームが溶ける前に
泡がはじける前に
ふたりが混ざりあう前に
チェリーは最後のお楽しみ
ソーダ越しの君が微笑む
愛しくて 恋しくて
ストローで空っぽにしたいぐらい
僕のクリームが溶け
君の泡が弾けた
でもその瞬間が、一番幸せ
人ごみでもすぐわかる
白いワンピースがまぶしい
暗闇でもはぐれない
ずっと一緒だと思ってた
かき氷を突かせながら
9月に留学するのと言った
君のブルーハワイが
何故かいつもより青かった
hyu〜 don parapara…
ー 図書館 ビーチ 喫茶店
君との夏の思い出が
夜空に咲いては消えてゆく
段々激しくなる音は
9月までのカウントダウン
hyu〜 don parapara…
終わりを告げる一輪花火
そっと目を閉じると
ぼんやり残像と火薬の匂い
まぶたの中の花火は
実物と違って 青くみえた
I ask for the "New Moon"
月が隠れた真っ暗な夜空に
「会わせて」とないものねだり
I promise the "Crescent Moon"
「月末には絶対会おう」と
叶えられそうにない約束をした
I bark at the "Waxing Moon"
「今から会いに行くさ」と
できもしないことを騒ぎたてた
Man in the "The 14th Moon"
明日が来るのが待ち遠しくて
「月のうさぎ」が君にみえた
Once in a "Blue Moon"
長い間待ってた僕は君と
月明かりの下でひとつになった
Over the "Full Moon"
満月を超えるほどの幸せと
明日からかけてゆく月と日々
ーここで見た虹を覚えてる
バンコクのドンムアン空港
終了間際の保安検査場
姿なくなるまで手を振った
このスコールが過ぎた頃
あなたははるか空の上
2人の距離が縮めたローソク
今にも消えそうな火
授業を抜け出して
タクシーに飛びのった
フロントガラスを叩く雨
ワイパーと心の鼓動はMAXに
doku doku dok dok dododd…
ー 私は今、虹を見ている
バンコクのドンムアン空港
滑り込んだ保安検査場
ラゲッジの波に飲まれるだけ
面と向かって言えずごめんね
ラーゴーン カップ(さようなら)
休みの電話を入れた 雨の月曜日
いつもと逆向きのバスに乗った
行き先には見覚えのある文字
ガラガラの車内 一番後ろに座る
曇ったガラスに震える手で描いた
似顔絵でしか見れないあの人の顔
いびつな輪郭につぶれた目と鼻
お手本がないと上手く描けないよ
休みの電話を入れた 雨の月曜日
いつもと逆向きのバスに乗った
着いた先は見覚えのある図書館
あの人が好きだった本を手に取る
青いしおりに震える手で書いた
「今でも好き」と名前を明かさず
あの人の開きクセがついたページに
そっとはさんで本棚にもどした
もしかしたら もしかしたら……
似顔絵じゃなく会えるかもしれない
わずかな望みを青いしおりに託して
私は帰った 何も変わらぬ日常に
ポスターの前で待ってる間
君に会うのが待ち遠しかった
上映前の予告 見てる時のように
悲しいシーン となりを見ると
暗闇に輝くサファイアが
君の清いあの涙は忘れない
「続編も一緒に観に行こうね」
でも、その願いは空しく
2人はエンドロールを迎えた
1人で訪れたあのエーガ館
去年の恋 忘れたつもりだった
チケットの半券 ちぎるように
悲しいシーン 滲むスクリーン
右手に落ちたサファイア
こんなにも清い涙は初めて
君も今頃何処かのエーガ館で
同じ続編 観てるだろうか
同じシーン 泣いてるだろうか
2人とも去年の恋を思い出して
茶色い髪に破れたジーパン
近所の夏祭りで見かけたとき
声をかけることができなかった
握る手の先には一回り年上の
一回り背の高いmatureな女の子
人は皆、自分の抜け殻を
夏の片隅に忘れてしまう
2年前の夏祭り一緒に行ったね
クラスメートを見つけると
少し離れたところ歩くあなた
手を繋ぐのが恥ずかしくて
私の着物の裾ぎゅっと握ってた
人は皆、自分の抜け殻を
夏の片隅に忘れてしまう
イヤリングに真っ赤な口紅
ラムネの底に自分の顔が映る
気づけば私も変わってしまった
中のビー玉のように輝く瞳
あなたは今でもgenuineな男の子
電停に立つふたり
"時のトラム"が通過した
愛だけを奪って
乗り遅れたふたりは3年後、
"時のトラム"にのった
きっと、3年前も今も
ふたりは手を繋いで歩く
ただ一つだけ違うのは
そこに愛はない
今では気心知れたfriend
展望台に立つふたり
一緒に行った街のエーガ館
今では跡形もなく
オフィスビルが建っている
台風一過の空を写して
きっと、74年前も今も
頭の上には一面のAoi空
ただ一つだけ違うのは
2羽の白いハトが
平和な時を運んでること