CACAO 70%

2月の雨はネズミ色
静かなバス停を
乾いた心に滲みる朝は
新品のチェックの傘だけが
ささやかな慰めね

2月の空はココア色
泣いている街を
目の前を過ぎ去る車が
残してゆく無機質な音は
せめてもの紛らせね

だれか僕の靴箱に
優しさを置いてくれたら
この気持はどこまでも
晴れる気がする…

2月の君はカカオ色
泣いている僕を
一人残して云ったのは
今日の日が来るからなの
いちばん苦い日ね

だれか僕の靴箱に
優しさを置いてくれたら
この気持はどこまでも
晴れる気がする…

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-02-14 20:24

TOHOKU

分からず屋のあなた
行先も告げず 一人残し
舞い降りたTOHOKUは
私の心にも似て
気まぐれ色 春の空

当たらず屋の天気予報
高原のペンション
窓辺に置いた紅茶は
喧嘩の原因 探るうちに
冷めてしまった…

いろんな形の雲たち
時折、太陽をかくして
気持ちの稜線は翳る
そよ風のインクで
あなたへ手紙を書きたい

March 11 , 2020
"Don’t worry.
I’m in Morioka.
Sorry for my selfishness.
I’ll be back soon!"

雪解け間近の二人にも
もうすぐ春がやってくる
新しいTOHOKUと
この笑顔をお土産に
あなたのもとへ帰る

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-17 21:31

リアス

定期便の汽笛が
"サヨナラ"の合図なら
君の最後の嘆き声が
町中に響き渡るね

複雑に入り組んでた
僕の心の海岸線を
君はあの仕草や態度で
削ってくれたね

深い霧が出れば
愛を乗せた船は戻る
そんな望みは瓶に詰めて
蒼い海に流しましょう

白い波止場では
老人が釣りをしている
ウミネコが叫ぶ
それまでだった恋だと

僕のことは
髪の色さえ忘れても
磯の香り、潮騒の音は
忘れないでね…

僕のことは
髪の色さえ忘れても
磯の香り、潮騒の音は
忘れないでね…

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-19 20:49

スープ・ママ

昔 ママから教わった
特製スープを作りましょう
彼を愛してくれる人に
美味しいスープを作りましょう
誰かのことを想って
野菜をたくさん刻みましょう
細かく 細かく 細かくね

煮込んでしまえば形もなくなる
形のない愛さえも
今ごろ鍋の底で苦しんでる
あなたが見えるわ

昔 ママから教わった
レシピには続きがあるの
彼を愛してくれる人に
美味しいスープを届けましょう
わけを尋ねられたら
"作りすぎちゃった"と云って
笑顔で 笑顔で 笑顔でね

真っ赤なミネストローネは
遅い帰りを待つとき
真っ白なクラムチャウダーは
私 独りになったとき

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-24 19:08

oversleep

眩しさに目が覚めた
流れる景色は白い家ばかり
終点です。降りた私は
見たこともない団地の中
でも何故か懐かしいの
幼い頃 観た映画のような
涙が止まらないの

気づいたときにはもう
戻れない恋になっていた
途中で降りていたら今頃
2人 行先を持ったはず

時刻表は真っ白で
どこの町から来たのかも
何も思い出せないの
帰ってゆくカラスの群れ
灯ってゆく団地の明かり
聴こえてくる 家族の笑い声
涙が止まらないの

優しいあなたが笑った
あの町並と日々にはもう
戻れないのを知っている
1人 私は彷徨っている

眩しさに目が覚めた…

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-10 19:03

春霞み

遠くにつらなる山々も
ぼやけて見える そんな午後
涙目ですれ違ってく
花束や筒を持った人たち
忘れ物 思い出したように
ふと振り返った あの人

どうしてそんなに早歩きで
未来へと向かってゆくの
最後のブレザーが春霞みに
ぼやけてくのがみえた

地味だった私となんて
交わした言葉はア行だけ
目が合えばそらしていたね

目の前がにじんでくのは
春霞みのせいじゃない
いつかこの想い出もぼやけて
他の色と同じになるまで

どうしてそんなに早歩きで
未来へと向かってゆくの
最後のブレザーが春霞みに
ぼやけてくのがみえた

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-02 21:38

私服のとき

黄昏のステイション
向い側のホームに
あの人が立っていた
紺のジャケットが目に新しいのは
卒業したからなの

要らなくなった第二ボタンは
線路に投げるわ 思いきり
叶わぬ夢とご一緒に

私の中のあの人は
学生のままでいて
そのダサい私服より
快速電車があの人 連れ去るように
次の誰かのもとへ

役に立たない第二の私は
心の棚にしまって そっと
楽しい記憶とともに

要らなくなった第二ボタンは
線路に投げるわ 思いきり
叶わぬ夢とご一緒に

役に立たない第二の私は
心の棚にしまって そっと
楽しい記憶とともに

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-23 20:26

AFFAIRE

痛いほど 痛いほど寒いのよ
冬も 終りが近いと云うのに
白い妖精も 散らつき始めて
マフラーで きつく結んでも
隠しきれぬ なげきよりこそ
黄昏の山際 燃えまさりけれ

Affaire ・・ 遅すぎる初雪が
悪い知らせを運んできたのね
目の前が見えなくなってゆく
今夜は積もるかもしれない…

透かす 心の奥にいつも居た
あの人は私より 綺麗なのね
それならそれでいい けれど
あの夜 私にみせた優しさも
ぜんぶ 嘘だと言って欲しい
心から嫌いと 手を振れるわ

Affaire ・・ 遅すぎる初雪が
悪い知らせを運んできたのね
重い雪が心の底に滲みてゆく
想いはつのるかもしれない…

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-02-27 20:53

you are SAKURA

ピンク色の土手の上を
一人歩いている この季節
涙の小川は大河となり
頬を流れている 心の岸辺

こんなにも哀しいのは
優しすぎるから あなたが
新しい未来へと進むの
二度と戻らない この季節

“世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし”と
私はつぶやく サヨナラの代りに

なぜ人は春が来るたび
心待ちにするの その花を
なぜ人は春が来るたび
心をいためるの その花に

ラジオから流れてくる
いつかつないだ あの電話
あなたがくれた全ては
咲き続けている 胸の中で

“世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし”と
私はつぶやく サヨナラの代りに

パラレルスペック
男性/17歳/大分県
2020-03-30 20:47