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たったひとつの空咳、
どこか遠くの談笑の声、
甘い甘い錠剤の糖衣、
頬に落ちた霧雨、
深夜のラジオ、
折れてしまったカッターの刃、
迷い猫の雨宿り、
捨てられたビニール傘、
水面に浮かぶ熱帯魚、
保健室の真っ白なベッド、
見つからない文庫本、
誰かがドアを叩く音、
あなたの言葉、
片耳の聞こえないイヤホン、
雑踏の匂い、
マッチ売りの少女、
仔猫の赤い首輪。
早朝5:47 フィルター越しの青白い世界
ノイズをかけてピントを合わせて私の世界
空飛ぶカラスの羽が落ちた
液晶を爪で叩く音
何にも見たくないの話しかけないで
イヤホンで耳を塞いだ
汚い汚い汚い汚い汚い世界は指ひとつでブロック
高速道路をタイヤがすべる音
自販機で買ったレッドブル
知らない知らない知らない知らない知らない通知はオフにした
髪に漂うシャンプーの匂い
画面の向こうの誰も抱きしめてくれないの?
誰もあたしを見てくれないの?
あたしはあなたの大事な大事なおともだち
切れ味抜群5人入りで110円
お手軽価格でおひとついかが?
ドンキホーテで脱出ゲーム
神社のおみくじ大凶でした
あなたの死相に1いいね
踏切の遮断器が降りる
あなたのメランコリーに1リツイート
お気に入りのスカートを履いたらたのしい毎日
眠れない夜に息を吐く
暗い日曜日を口ずさみ
水の底から夢をみる
瑠璃色の瞳が転がった
ただひと粒の天露が
街灯に落ち死んでいく
苦しいほどに貴方は綺麗
息をすれば消えてしまう
雨月に照らされ夢をみる
公園のベンチに腰掛けて
ずっとずっと朽果てない夢を見てるよ
排水口に絡まった髪の毛みたいな夜
あの日を糸で手繰り寄せるように
切れかけの街灯に高速道路
愛して止まないアルミ缶ひとつ
もう二度と解けやしないから
ハサミでぷつんと切ってしまいたいけれど
それにすら怯えてずっと泣いているの
どうか僕のこと愛してくれないか
悪戯に傷つけたりしないで
目一杯抱きしめて欲しいだけさ
手を繋いでどこか
遠く遠くの田舎町にでもゆこうか
遮断機の向こう側でも水の底でも
どこへだって構わないけれど
ほら怪我をした指には僕が
絆創膏を貼ってあげるから
だからどうか君のこと愛させてくれないか
目一杯抱きしめさせて欲しいだけさ
ひび割れたスマホの画面も
深夜にこだまする秒針の音も
すすり泣きを慰めてくれやしないんだよ
どうかあの日のお前も幸せになれますように
出口のない廃墟のなかずっとずっと昔から
彷徨っては歩き疲れ泣き疲れ
今はもう歩くことさえやめてしまった
春の日暮れにひび割れた階段の隅
上から7段目俯いて膝抱えて
ああもうどれくらい経ったのでしょう
もう幾度も夜の繰り返し
流す涙はもったいないから泣かないの
きっともう泣き方も忘れてしまった
だって私が死んだって
あなたは泣いてくれやしないんでしょう
夢をみた次の朝はいつだって最悪の目覚めだ
顔も知らないだれかの残骸抱きしめて
記憶を喰べて育っていく
だってその一升瓶で私の頭
殴って殺してくれる人はいないから
真っ白なネグリジェの裾が揺れて
寂寥 永訣 懊悩 呻吟
水をいれたガラスの花瓶に造花を活ける
握ってくれた手の体温さえ忘れてしまったな
もう私はどこかで死んでしまったのだろう
抜け殻だけが取り残されて
もう何もかも赦してくれやしない
このまま溶けてしまいたいと願っても
神様はこの上なく意地悪で
たったひとつ僕の欲しいものだけくれないで
投げて寄越すどんな宝石もガラクタばかり
月光を反射した水面の下
息も出来ずに暗闇に足掻く
仄かに照らされた横顔の陰影に
爪先さえも触れることは叶わなくて
夜光蟲に纏われた世界
夜が明けてしまうのがどうしようもなく怖いんだ
朝になって何もかも忘れてしまうことが
ただ何もかも知らぬままにまた生きていくことが
夜が明けてしまえば僕はもう
きっと僕でなくなってしまうのだろう
その銀河を宿した瞳の向こう側
白い雨雫がひとつ落ちては消えた
綺麗な月が思い浮かぶ詩ですね!
素敵です!私も朝にならないでって思う時が多いです。日々少しずつ変わっていく自分がいる、それが少し怖いというのも分かる気がします。
レスを返していただきありがとうございます!
確かに、夜は自由な感じしますよね。上手く言葉にできませんけど…最後の、白い雨雫っていうのが勝手ながら天の川の一雫かなとか思いました。私は星が好きなので、夜にならないと目に見えない星や月(まあまあ見える時あるけど)を上手に表現しているこの詩が大好きです!
*紫乃(しの)*さんのレスを読んでも思いましたが、表現する力が凄い笑
これからも作品楽しみにしてますね♪
詩のお題も募集しているのですか?
長文と質問、失礼しました。
爪先を穿つ雨雫
泣きたくなるような石畳と雨の匂い
雑踏で名前を呼ばれたような気がして
振り向いてしまうような
ほんの刹那夢を見せてあげる
楽しい夢でもとびっきりの悪夢でも
ほんの刹那夢を見せてあげる
この上なく安っぽいその夢を
雨に打たれて燃え尽きて
灰も残らず左様なら
次には忘れてしまえるほどの
ほんの刹那夢を見せてあげる
深夜二時雑音だらけのラジオスピーカー
宵闇に吸い込まれていった少女
それでも変わらず日が昇る
排気ガスに吹かれ揺られるロングヘア
片耳の聞こえなくなったイヤホン
何にも聴かず耳に差しているだけ
あの子の縫い目はほつれたまんま
自分でさえ手が届かなくって
夜海の奥底にたったひとり蹲って泣いている
私はひとり山椒魚
みんな早足私をすり抜けて雑踏
また日が昇り夜が来る
誰も知らないメランコリックガール
なるほどです!*紫乃(しの)*さんの言うように色々想像してみますね!
この詩も素敵な作品だと思います。
これからも掲示板で見てますので、頑張ってください!!