昼休み=憂鬱。
いつから当たり前になったのかはもうあんまり覚えていない。
机をくっつけて弁当を広げるクラスの奴らをぼんやりと眺め、溜息を一つ。息を吐くと楽になるとか言ったのはどこの誰だ?全然気分は落ち着かない。むしろどんどん苦しくなる。溜息をつくと幸せが逃げるっていう言葉の方が正しい気がする。
「お前の卵焼き美味そうじゃん、一個くれよ」
自分の食えばいーじゃん。
「ねぇねぇ、みっちゃんって、岡部先輩のこと好きらしいよ?」
「うそっ、告っちゃえばいいのに。絶対お似合いだよ!」
好き「らしい」んだろ?勝手に告白しろとか言うなよ。
「数学のあいつさぁ、なんかキモくね?」
「あの新任の?分かるわ、なんか気合入りすぎてて引くよな」
人のこと簡単にキモいとか言うなっつーの。
……なんで俺いちいちツッコミ入れてんの?
かなり寂しい奴になっている。ていうかすでに寂しい奴なんだけど。
なんとなく心地が悪くなり、視線を窓の外に移した。
水色の絵の具をぶちまけたみたいな空がパッと目に飛び込む。まさに絵にかいたような空。俗にいう秋晴れ。見ていて何だか空っぽな気分になる。雲がないからか、単に腹が減ってんのか。それとも……。
なんだっていいや。とりあえず弁当を食おう。
ぱんぱんの箱に蓋を押し被せるように無理やり考えるのをやめる。
腹が減っては戦ができない。まぁ腹が膨れても勝てるか分からない戦いだけど。
ランチバックを引っ掴み、足早に席を立つ。
中二、秋。俺、堤圭二郎は戦っている。
姿を一切見せず、それでいてつねに近くにいるソイツの名は「コドク」という。
不定期で小説を書きこみたいと思います。
真面目かつゆるーいペースでやっていこうと思います。
「なんか書いてんなー」くらいの温かい目で見守って頂けると助かります。