窓辺のカフカ

悲しくなんてないよ
日記にも書けない時間が増えてくこと
雨がこの街を浸すまで

愛しくなんてないよ
信号の点滅時間すら惜しくなったこと
光が僕の闇を見ないフリした

引っ張ればすぐに千切れてしまいそうな
そんな線路の向こう側へ行く

難しいことだ、なんて何故言う?
君は意外と強いんだぞ

今なら見たい景色の全て
目を閉じてでもピントを合わせられるだろ
窓辺から身を乗り出して
踊れ、今なら壊れてもいいだろう

嬉しくなんてないよ
この唄も誰かの真似事になってしまうの?
ならこんなもの要らない

寂しくなんてないよ
だって君にはもう一つ手があるから
それならもう必要ないでしょう?

押し込めて潰してやりたくなるほど
身勝手で惨めな五次元の空

微笑って指差した先の点と
君と僕を繋げば怖くなんてないよ

今なら触れたい明日一つのみ
ヒントなんて無くても嗅ぎ出せるだろ
海辺に憧れていたんだよ
描け、恥ずかしいものだらけだろう

声がほら、こだまする
僕の言葉の一つ一つ 何もかもが
ノイズと化してしまう前に

疾れ、今なら怖くなんてないだろう

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-04-01 21:13

LOVERS

目深にかぶった帽子で
隠したビー玉みたいな心の穴

いつかの日の僕へのかくれんぼ 
宣戦布告 「もういいかい」

あの日 あの時 僕らが1つだった頃
一体、何が2人を編んだんだろう?

それでも何故か君の匂いがする

山折り、谷折り
移りゆく日々
君と僕のあいだのキリトリ線
なんなら少し破けてる
不恰好だけど糊でくっつけてみる

正しいラブソングへの革命
「歌にすらなれないアタシへ」

握った手の隙間にある大宇宙
ブラックホール 悲しみも吸い込んで

奇跡って呼んでみたいだけ、
落としたら壊れてしまいそうなこの瞬間を

それでも何故か桜が北風に舞う

指折り、アイボリー
君のために燃ゆる街
額縁で彩ったふたつだけの永遠の
ほつれた糸目をただ
編み直してゆく

もしも僕らに3つ目が生まれたとして
僕らは決して破れないでいれるかな

ほつれて壊れたりしないかな
雨で流れていったりしないかな  

山折り、谷降り
回り廻る僕のための秒針
ぎこちないかもしれないけれど
笑ってみせるんだ 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-02-18 17:18
  • 好きです。この詩!
    君のために燃ゆる街っていいね、最高。

    サクラボーズ
    男性/20歳/埼玉県
    2022-02-21 22:50

Dive?

夢も希望も未来もない君に
紙とペンをやるから
思った通りに書き乱せよ
制限時間は一世紀

コンクリートの地面にダイブする
愛されてるのか試したんだ
回答は○でも×でもなく△になりました
あー今日がまた死んだみたいだ

350mlの幸せよりも
500mlの惨めさを選んだの
苦いほうが実は甘いって気付いたの

Dive? Dive? Dive?

愛も野望も奇跡もない君に
神とハサミをやるから
思った通りに掻き乱せよ
制限時間は一世紀

アスファルトの地面にダイブする
本当の事を知りたかったんだ
けど少し哀しくなっただけでした
あー君も世界を信じるの?

36.4℃の永遠よりも
35.8℃の一瞬に賭けたんだ
痛いのが嫌いなのはみんな一緒でしょ

Dive? Dive? Dive?

こんな世界でも、君が飛び込むなら
僕は止めないよ

こんな世界を、君が美しいと言っても
僕は認めないよ 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-04-05 18:58

4分33秒

今 70億の悲しみを涙として
僕のこの小さい瞳から流してあげる
あなたを誰かの悪意が狙っていようと
あなたが何も知らず笑っていられるように 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-03-18 17:36

スポットライト

美味しいものが食べたいだとか
君と何処か遠くへ行きたいだとか
増えていくばかりなのに
僕はただ減っていくばかりで

綺麗な景色を見に行きたいだとか
君と僕のいる写真を撮りたいだとか
恐らく僕には10本じゃ足りない
625本でようやく事足りる

僕には1つあるよ、なのに
君には1つもないかい
不良品のストップウォッチが
愛しくて、愛しくて

理不尽だろ、おい、なんか文句あんのかよ
足掻いたってお前ら笑ってるだけだろって
いつだってそんな顔するだけだろって

悟った気になんなって

神様のご機嫌取りならなんだってやるよ
それで貰えるもんならやってみるよ
でも、僕らには空が高過ぎた
でも、君には空が白過ぎた

半分こしましょ、半分こしましょ
僕の心臓きれいに4等分されてるじゃないか
だからそのうち2つを君に
愛されてたんだ、僕が君にその痕をつけるよ

悲しそうな目をして
なんなら少し涙を浮かべた目をして
みんな去っていく、サヨナラが聞こえないよ
そんな気遣いなら要らないよ

君に1つあったんだ
けど僕にそれは1つもなかったんだ
傷の一つもない重々しい掛け時計が
痛すぎて、痛すぎて

神様のご機嫌取りならなんだってするから
そんで上手くいくならそうするよ
でも、あの雲は僕には厚すぎて
でも、あの空は君には四角すぎて

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-03-14 21:39

サイテー

俺は前からアイツが嫌いだった
一年のころ、クラスが一緒で席が前後ろ
そんな偶然に振り回されてしわくちゃに
身も蓋もあったもんじゃねぇよ神様

愛されていたんだろな、アイツは
そういう類の、目には見えない系の
嘘つくやつはよっぽど嫌いだけど
何故かって、僕によく似てるからさ

「最低」お前に言われた言葉だ
俺が世界で一番愛しくて、
世界で一番嫌いな言葉だよ
心臓がまた鼓動を打ち始める合図

それがなんだよ、今日は
ちょっと酔ったフリか?それともシラフ?
それならもっとヤバい
だって、「サイコー」なんて

アンタが一番言っちゃいけないよ

なぁ俺、今は泣いちゃいけないよ
泣くのはアイツが結婚した時と死んだ時
どっちの方が多く泣くのかな俺は
幸せだって泣くのか、悲しいなって泣くのか

まぁ、そんなこと今気にすることじゃねぇ
とりあえずそん時のために取っておく
熱い もはや痛いほどの涙

魂胆が見え見えで、それでいて適当で
夢に出てきたんだよ
お前まだ生きてんのに出てくんなよ
お前絶対そんなセリフ言わないだろ

未練タラタラで手ェ振って
いつか運命とやらが繋ぐんだろうか
必然とやらが引き寄せた相手愛すよりは
よっぽどお前がいいんだわ

でもさ 未練よりも鼻水タラタラで
蹲って足掻いたビル街に1人

でも今は
泣いてはいけない 泣いてはいけない
泣いてはいけない 泣いてはいけないよ

泣いてはいけない 泣いてはいけない
泣いてはいけない 泣いてはいけないよ

泣いてはいけない 泣いてはいけない
泣いてはいけない 泣いてはいけないよ

ソレ取っておけよ でも拭いちゃいけない
乾くだけくらいが丁度いいって

ねぇアンタ今どこで何してんだい? 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-03-23 21:04

アウトバーン

国道508号線を駆け抜ける
狂った世界に狂った僕
青いトマトに君の真っ赤なウソ
狂った未来に追い付くんだ

エイトビートを嫌う君に告ぐ
睨んだ地球は僕に告ぐ
「シンプルイズベスト!!!!」
泣きたい心と泣けない僕に贈る 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-03-06 20:08

革命

君の長いスカートが今、風になる
君の短い髪が今、空になる

かからないブレーキ 狂ったアクセル
BPM196 叶わず死んだ夢たちの呪い

いつだって声を枯らして叫んでんだ
だけど僕らには声が足りないんだ

踏み潰して、喧騒
コドモのままでいられたら
蹴り飛ばして、群像
オトナが作ったアレやコレ壊して

僕の揺らぐ瞳が今、星になる
僕の言葉の全てが今、雨になる

少しイビツな平和 小さすぎる鍵穴
BPM125 砕けた光、売ったらナンボかな

いつだって触れることすらままならぬのだ
なのに僕らは傷つけ合うんだ

蹴散らして、愛憎
何もならぬなら辞めてしまえ
切り裂いて、滑空
僕らショーウィンドウ壊して駆けてゆく

どうか人類よ、滅んでください
僕のポケットの時限爆弾が弾ける前に
ねぇ、 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-02-22 18:17

僕の卵

僕の大切な卵
大事に大事にしてたのに
この手でずっと温めていたのに
いつか来るその日を待って

でも何かがおかしいな
何故だか寒気がするんだ
僕と世界の隙間に吹く風
名前も無き者たち

けれども少し不条理すぎないか

世界は僕から卵を奪って
殻を割ってフライパンに落として
目玉焼きして食べちゃったんだ

ねぇやめて、やめて
奪わないで、引き剥がさないで
あぁ、僕の全てが滅んでゆく

僕の大切な心臓
大事に大事にしてたのに
この手でずっと温めていたのに
これからの日々を託して

でも何かがおかしいな
耳も塞いで目も瞑っているのに
ヘッドフォンは爆音で唄うのに
聞こえる鼓動

けれども少し理不尽すぎないか

世界は僕から心臓を奪って
冷蔵庫で少しばかり冷やしてから
ストローを刺して飲み干しちゃったんだ

ねぇやめて、やめて
奪わないで、盗まないで
あぁ、僕の全てが滅んでゆく

そして僕は祈る、全てが滅んだ夜に
そして僕は祈る、全てが終わる夜に

あぁ、僕の全てが滅んでゆく
木っ端微塵に、バラバラと

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-02-17 20:07

戦争

冗談抜きで君がそう思ってるなら
僕にできることはただ一つ
その背中を押してやることだ

目隠しをして耳栓をして
かつての表彰台から降りられない
アンタらに何が分かるんだい
その子のために死ねるのかい

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-02-16 22:16

アストランチア

この世のものとは思えないほど
美しく身勝手な魂 ポケットに突っ込んで
一等星より眩い三等星 うずくまる

あの天の川をつくる星々
きっとあの子たちは僕らの兄妹
叶えてもらえなかった夢の亡霊

形あるものに、振り回され
形なきものに、突き動かされ
揺られ また揺られ しがみついた

気付けばもう銀河系は遥か彼方

「届け、届け」と僕らは
必死に光を掴もうとするけど
来世でもしも出会えたら抱きしめるよ
全長165センチメートルの大宇宙

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-02-15 18:16

ステルスナンバー

聞き流してくれ
ただの僕の独り言だから

愛されないのは分かってるよ
若すぎたんだと分かっている

「マメは潰れて血が出て
 夢が膨れるたびに大きくなった」

そんなのに憧れてた
不器用なクセに華奢なこの手が嫌いだった

誰かの足音が聞こえた気がして
振り向いても誰もいないのに

いつだって僕らは欲しがって
なんだって掴みたがるけど

僕には僕の歌しか歌えないから
僕には君の歌は歌えないから

産声をあげたとき君は叫んだんだ
誰も知らないステルスナンバー 

空色アスファルト
男性/17歳/福岡県
2022-03-10 20:42