machine human&human

僕はリビングでのんびりくつろいでいた。
テレビから陽気なナレーションが聞こえてくる。
『人間と機械人間が幸せに暮らす街。
さぁ、貴方もぜひー』ブチッ
テレビを切ったヒノが「そんなワケないっての!」と大声で叫ぶ。
「ど、どうしたの?ヒノ...」
僕はバクバクしている胸を押さえつつ尋ねてみた。
ヒノはぷりぷり怒っていて、しばらくの間は僕の問いに答えてくれなかった。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-07-25 18:50
本編スタート

machine human&human ~日常~

「そんなワケないってどういうこと?」
ヒノが落ち着いた時に僕はもう一度尋ねてみる。
「『人間と機械人間が幸せに暮らす街』だなんて、嘘ばっかり!そうやって幸せに暮らしてる所なんて片手で数えられるくらいしかない!」
「うん。確かにそう、だね...」
機械人間は「モノ」として扱われることが大多数だ。
そこを突かれると何とも返答しづらい。
「ヒノは最近怒ってばかりですヨ。もう少し冷静になりましょウ?」
ネムがひょっこりとリビングに顔を出した。
「はあ!?そんなことないし!」
「ほら、今も怒ってル」ネムが静かに返す。
「うるッッッさい!!!」
どうやら喧嘩が始まったようだ。やれやれ...。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-07-26 22:11
タイトルが単調だったので~日常~を追加

machine human&human

「全く、あの二人は...」
言い争いを続ける二人を横目に、“上”から届いた資料を読むことにした。
「ファントムという街で出没している謎の影の正体を調査し、報告せよ」とのことだ。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-07-28 23:59
~日常~をタイトルにつけ忘れている

machine human&human ~日常~

依頼自体はかなり前から来ていたけれど、僕はそれを長期間無視していた。
当然のことながら、“上”から催促の手紙が届いたよ。え?無視してた理由?
僕が極度の怖がりだからっていうちっちゃな理由だよ!
だって!散々ヒノとネムから「頼りない」って言われてるのに、ビビってる所なんか見せたら何て言われるか!
「機械人間は絶対に依頼に同行するべし」っていう謎のルールがあるせいで、うぅ...。
胃がキリキリする...。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-07-29 18:37

machine human&human ~日常~

「ベルディ、そんなモノをどうして読んでいるのですカ?」
ネムが資料をペラペラめくりながら聞いてくる。
「依頼が再度来ててね...。喧嘩はもう終わったの?」
いつも2~3時間は喧嘩が続く。
「ヒノの好物のアップルパイをあげたら、すぐに機嫌が直りましたヨ」
「はは、いかにも彼女らしいね」
「旦那も食べるか?」
ヒノがキッチンからパイを持ってやってきた。
食べる!と即答したいところだけど...。
一旦2人に依頼の詳細をかくかくしかじかと説明する。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-08-02 16:54

machine human&human ~日常~

依頼の内容を話し終えた後。
ヒノは「それいーじゃん!ファントム街一回行ってみたかったし!」とぴょんぴょん飛びはねている。
おい待て、観光に行く訳じゃないんだぞ。
そんな喜ぶことでもない。
「ファントム街は『怪しさ濃厚凝縮の街』と呼ばれてますし、摩訶不思議なモノが出没してもおかしくないですネ」
ネムは納得したようにウンウンうなずいている。
何だその語呂の良い呼ばれ方は。
そんな呼ばれ方してること、初めて知ったぞ。
心の中でツッコミを入れつつ、話を続けることにした。
「かなり長期間ファントム街に滞在しなきゃいけないと思うんだ。その間、家はどうしよう?」
2人に尋ねてみる。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-08-03 23:59
  • 影の名前がファントムじゃなくて、街の名前がファントムなのね。
    勘違いしてた…

    テトモンよ永遠に!
    女性/20歳/東京都
    2022-08-04 22:44

machine human&human ~日常~

ヒノの提案「留守用ロボットを使えば?」
「いや、無理だよ。あれはお金が莫大にかかる」
ネムの提案「ご近所さんに頼むのはどうでしょウ」
「ご近所さんっていっても、僕たちの家の近くには誰も住んでないし...」
「「「う~~~ん...」」」
3人で頭をひねって考えてみても、何もアイデアが出てこない。
「そんな時は、この“便利屋”オリヴィアにお任せあれ!」
いきなり背後から声が聞こえた。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-08-04 23:19

machine human&human ~日常~

「「「ギャー!!!」」」
3人の叫び声が見事にハモった。
「オ、オリヴィア!?何でここに?」
僕はずり落ちたメガネをかけ直しつつ、久方ぶりに会う友人に話しかける。
「なぜって?オレが便利屋だからさ!」
オリヴィアはこう答えた。
いや、職業で便利屋やってることは知ってるけどさ...。
「なんで」の理由になってないよ...!

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-08-09 23:31
ベルディはメガネかけてます。どうでもいい補足

machinehuman&human ~日常~

「...まあいいや!オリヴィア、来てくれて早々悪いんだけど、お願いがあるんだ」
「なんだい?」
「家の留守を頼みたいんだ」
「OK!依頼でファントム街に行くんだろう?」
便利屋は情報収集力が高いのさ、とウインクするオリヴィア。
「ありがとう、助かるよ!」
とりあえず留守番の問題はどうにかなってホッとする。
「旦那のお友達、変わった人ね!」
ヒノが驚いたように言う。
僕は「まあ、そうだね...ハハ」と苦笑いするしかなかった。

ネコ69(ロック)
ー/18歳/兵庫県
2022-08-11 23:10