あなたは誰にでも優しい。
どうしてあなたはこんなに優しいの。
好き。
心が叫んでる。
でも、ダメ。
だって、あなたは付き合っている人がいるから。
あなたを見るだけで好きがどんどん大きくなっていく。
ダメだよ、私。
好きになっちゃダメ。
やめて、これ以上私に優しくしないで。
好き。好き。好き。
ああ、もう、抑えられない。
あなたが幸せなところ見たくない。
見たら好きな分、辛いから。
なんで?
信じられない。
誰か嘘って言ってよ。
誰かテッテレーって出てきてよ。
私がどれだけあなたのこと好きだったか
知らないでしょう?
そう簡単に振らないでよ。
こんな私でも、いいところ1つぐらいあるでしょ。
期待していた私が馬鹿だった。
告白なんてしなきゃよかった。
でも、いいよ。
あなたよりもいい人、見つけるんだから。
あの時、振んなきゃよかったって後悔させてやるんだから。
久しぶりに見た君
想像以上に焼けてなかった
夏休み前と全然変わってない
再び始まる
君と会える日々
想像しただけでニヤけてしまう
学校なんて君に会いに行くために行っているようなもんだもん
同じクラスでよかった
同じ班でよかった
大好き
夏休み前よりもっと好きになった
窓から吹いて来た風が私達を通り抜けた
「かわいい!」
友達は神社のお守りに夢中だ。
修学旅行中。私達は京都府のとある神社にいる。
で、今は自由時間で友達と一緒にお守り売り場であっちを見たり、こっちを見たりと忙しい。
私も見ようかな。ずっと友達といるのも疲れる。
ふと、視線を下に降ろす。
"縁結び"
私の目に飛び込んだ。
急に鼓動が上がる。
ドキドキドキドキ
もし・・・もしこれを買ったら・・・。
顔がりんごのように真っ赤になる。
「何見てるの?」
「!!///」
時が止まった、一瞬。
だって・・・・・・君がいたから・・・。
※前回を読んでから来てください
「なんでいるの!?」
「いや・・・友達がお守り買おうって言われたからついて来ただけ。」
「そうなんだ・・・。」
ドキドキドキドキ
どれだけ時間が経ったんだろう。緊張しすぎて何も喋れない。
君は今、何を考えているんだろう。
そういえば、友達は・・・?
辺りを見回す。ぐるりと360度。
なんか・・・違和感な気がする・・・。
そして、私は衝撃的なことに気づいた。
「ねえ、誰もいないよ!私達、置いて行かれたかも!」
今すぐみんなのところへ行かなきゃ。そう思って走ろうとしたその時
「待って!」
君が私の袖をつかむ。
「なあ、買わないのかよ。その・・・縁結び・・・。」
※1.2を読んでからきた方がよいです。
!?!?
顔が真っ赤になって沸騰したお湯みたいに熱くなった。
「ち・・・違うの。ただ・・・かわいいなって見てただけ!」
慌てて言った。嘘を。きっとバレてるだろうけど。
「じゃあ、お前好きな奴いないのか。」
「え・・・。」
信じられない。まさか、君からこんなことを言われるなんて。
これは・・・言うべき?でも、全然気持ちの準備が出来てないよ。
「あんたは好きな人いるの?」
思ってもないことを言ってしまった。
「好きな人がいるんだったら、あんたが買えばいいじゃん。」
何言ってんだろ。自分でも意味がわからない。
本当はこう言いたいんじゃない。
「・・・・・・」
え・・・本当に言おうといているの?やめて。どうせ私じゃないんだから。
「えっと・・・」
・・・これは期待しちゃっていいの?よく見ると、君の顔が真っ赤になっていた。下向いて腕で隠そうとしているのがバレバレ。でも、やっぱり聞きたくない。耳を塞ごうとしたその瞬間
ギュッと暖かいものに包まれた。
「お前が好きだ!」
答えはもう決まっているー。
お守りがなくたって私達の思いは変わらない。
「お願い、別れてくれる?」
君は驚いていた。そりゃそうだもん。
私達は周りからお似合いと言われてきた。
君から告白されたとき、すっごく嬉しかった。
だって叶わないと思っていた恋だもん。
ライバルがたくさんいた。
それでも、付き合うことが出来た。これって運命じゃない?って思ってたのに。
趣味が全然違う。
話が合わない。
私達、顔で選んでるだけだった。
ここまでは耐えたんだよ。
でも、これらより辛かった。
Aちゃんにいじめられてたこと。
Aちゃんも君のことが好きだったんだって。
私と君が出会う前から。
だから、私達が付き合い始めたとき、私の悪口ばっかり言ってた。
私に聞こえるように。
毎日が辛かった。
だから・・・ごめんね。こうすることしか出来ないの。
本当は君ともっと夢を見たかった。
ぶわっと熱いものが溢れる。
後悔してもいい。これでよかったから。
君の笑顔は天使だ。
君の優しさも天使だ。
でも、こんな私にたくさんドキドキさせるところはちょっと小悪魔っぽい。
君が天使でも小悪魔でもずっと私は君を好きでいる。
「それでは、お待ちかねの席替えでーす!!」
先生が言った瞬間、ワーッ!とみんなが喜び出した。
でも、私は全然楽しくない。
もし君がいたら私もみんなと同じように喜んでいたはずなのに。
どれだけ席替えをしたって君とクラスが違うという事実は変わらない。
・・・悲しい。
気がついたらみんなが順にくじを引いていた。
私の番だ。
ゆっくりと引く。
・・・後ろから二番目の一番窓側。
嬉しくも悲しくも何にもない感情になる。
・・・・・・・・・
ここが今日から私の席の場所か。はぁ、とため息をつきながらふと、窓の外を見る。
!?!?!?
えっ・・・待って・・・。
今まで窓側の席になったことないから気付かなかった。
君が外にいるのが見えたから・・・。
ここは他のクラスの人が外にいるのを見れるってこと・・・?
・・・嬉しい。
そしてまた、窓を見る。
!?!?どうしよう・・・目があった!
ここからきっと・・・始まると感じた。