「ねぇ知ってる?」
カフェテリアでスマホをいじっていたメガネの女子大生の目の前に、突然1人の女子大生が座った。
「この大学のこんな噂」
女子学生はテーブルに肘をついて話し出す。
「文学部の建物には時々、謎のゴスロリ姿のコドモが現れるんだって」
女子学生は楽しそうに続ける。
「しかも10年位前から、全く歳を取ってないみたいなの」
不思議でしょう?と女子学生は笑う。
「しかもその子はとある教授の…」
「ちょっと待って」
メガネの女子大生は不意に話を止めた。
「アンタ何なの?」
メガネの女子大生は訝しげな目を向ける。
「見た所わたしの知り合いじゃなさそうだけど…」
メガネの女子大生がそう言うと、突然椅子に座って来た方の女子大生はふふふっと笑う。
「そうね、ワタシ達初対面だもんね」
あなたの言う通り、と女子学生は続ける。
レスありがとうございます。
応援感謝します。
でも共通テストが近付こうが投稿はするんですけどね(笑)
「でもいいじゃない」
大学って色んな人がいる所でしょう?と女子大生は続けた。
「はぁ」
メガネの女子大生は溜め息をついた。
「とにかくアンタ何者なのよ」
ワタシ?と女子大生は自分を指さす。
「ワタシはね」
女子大生は立ち上がる。
「…ワタシは、宝条 すみれ」
文学部よ、と女子大生は付け足す。
「よろしくね、万 寧依」
「え? 何でわたしの名前を…」
突然自分の名前を呼ばれて、メガネの女子大生は困惑する。
すみれはうふふと笑う。
「あなた意外と有名人なのよ」
じゃあね、とすみれはその場から立ち去った。
「…」
寧依は暫くその場で呆然としていた。
とある住宅街の屋根の上。
黒い人物が静かに佇んでいる。
何をするまでもなく黒い人物、もといナツィは白いぬいぐるみを抱えて立っていた。
…と、ちらと背後を見た。
その瞬間、何かがナツィに襲いかかってきた。
「!」
ナツィはすんでの所でそれを回避する。
「…」
見ると何体かの精霊が宙に浮いていた。
「…何で急に」
学会の手の者?とナツィは心の中で首を傾げる。
「とりあえず」
やるしかない、とナツィはぬいぐるみを建物の屋根の上に置いて、どこからともなく黒鉄色の鎌を出した。
「…」
襲いかかってくる獣型の精霊に対し、ナツィは大鎌片手に突っ込む。
精霊達は即座にそれを避けるが、黒い翼を生やしたナツィは空中で方向転換し精霊に斬りかかった。
「=^{${>]$€*]*]>‼︎」
精霊が1体、鎌の斬撃で消滅する。
「…あと3体」
ナツィはポツリと呟いてまた斬りかかる。
「$]$|>|%]^|*|*]+_•[^‼︎」
精霊達はまたそれを避ける。
「ッ‼︎」
精霊達は口から火球を吐いて応戦する。
ナツィはそれを避けながら建物の塔屋の陰に隠れた。
「面倒な…」
そう言いながら次はどう動くか考えていると、ふと背後に気配を感じた。
「?」
思わず振り向くと、そこには精霊がいたー
どこにでもありそうな喫茶店の2階。
その物置で、かすみはせっせと掃き掃除をしていた。
というのも、この物置はかなり汚いのだ。
一応テーブルの周りだけは片付けてあるものの、それ以外の場所はよく分からないアイテムで散らかっている。
ついでに埃も溜まっているため、常に掃除しておかないと大変なのだ。
「…」
かすみが無心になって掃除する中、傍のテーブルではキヲンと露夏が談笑していた。
楽しそうで良いな、と思いつつ、かすみは掃除を続ける。
…と、ばたんと物置の扉が開かれた。
「あ」
かすみがふと見ると、そこには青い髪のコドモがいた。
「ピスケス」
ピスケスと呼ばれた人物は物置に入ると辺りを見回した。
「…あら、アイツは?」
「あぁ、ナツィのこと?」
かすみはそう答える。
「今日はまだ来てないよ」
どうかしたの?とかすみは尋ねる。
「…別に」
ピスケスはそう言いながらテーブルに近付く。
「今日は珍しく来てないのねって」
ピスケスはそう言ってテーブルの上に何かを置いた。
「?」
「ねぇピスケス、それって…」
キヲンがそう言いかけた所でピスケスはふふふと笑う。
「ナツィのぬいぐるみ?」
キヲンがそう言うと、ピスケスはそうよと返事した。
「アイツのぬいぐるみ」
落ちてたのよ、とピスケスは笑った。
「落ちてた…ってどこに?」
かすみが尋ねるとピスケスは住宅街の屋根の上、と答える。
「随分変な所にあったんだね」
「まぁそうね」
ピスケスはそう言ってぬいぐるみの頭を撫でた。
「コイツを連れ出す時はいつも大事にしてるハズなのにねぇ…」
どうしてかしら、とピスケスは首を傾げる。
「何かあった、とか?」
かすみはふと呟く。
「何かって何よ」
抽象的ね、とピスケスは笑う。
「だってそうとしか考えられないじゃん」
かすみがそう言うと、皆は黙り込む。
「…」
暫くの沈黙の後、かすみが口を開いた。
「…ナツィ、探しに行く?」
「探しに行きたい!」
キヲンはにこにこしながら手を挙げる。
「どこに行ったか心配だし」
うさちゃんも届けてあげなきゃ、とキヲンは続ける。
「…仕方ないわね」
ピスケスはそう言ってため息をついた。
「あなた達だけじゃ心配だからついて行くわ」
ピスケスがそう言うと、キヲンはありがと!と答える。
「露夏はどうするの?」
皆行くみたいだけど、とピスケスは尋ねる。
「うーん、行くかな」
暇だし、と露夏は笑う。
「じゃあ決まり!」
ナツィ探しに行こ!とキヲンは楽しそうに言う。
そうだねーとか皆が言う中、ふとピスケスが呟いた。
「…ちょっと待って」
どうしたの?とキヲンは尋ねる。
「アイツを探しに行く前に寄りたい所があるんだけど」
良いかしら?とピスケスは皆に聞いた。
毎回、貴女の小説楽しみにしています。貴女の事を本当に凄い方だなと感じました(*^^*)
レスありがとうございます。
全然すごくないですよ本当に。
正直自分の空想をただ書き連ねてるだけで、まだまだなんです。
大人からはあれこれダメ出しされるくらいなんで…
でも毎回楽しみにしてくれてありがとうね。
「…」
気がつくと見知らぬ部屋にいた。
それなりに綺麗に整頓された誰かの居室。
そんな所にナツィは引っくり返っていた。
「…」
何だよここ、と思いながら起きあがろうとしてナツィは気づいた。
…後ろ手に縛られている。
「…どういうこと、って思ったでしょう」
不意に声が聞こえたので、聞こえてくる方に目を向けると女が立っていた。
「うふふ」
「テメェ何のつもりだ」
ナツィは相手を睨みつける。
「何って…何の理由もないわ」
ただうちの精霊達が捕まえてきたから回収しただけ、と女は笑う。
「精霊って、お前あの精霊達の…」
ナツィは起き上がりながら言う。
「そういうこと〜」
女はそう言って笑う。
「でもまさか“黒い蝶”ナハツェーラーだったとはね」
びっくり、と女は続ける。
「意外とその辺をほっつき歩いてるもんなのね」
そう言われて、ナツィは面倒くさそうな顔をした。
「…”保護者“が自由にさせてるからな」
だからあちこちほっつき歩いてられるんだよ、とナツィは答える。
ふーん、と女は返した。
「それで、これから俺をどうするつもりなんだ?」
”学会“にでも引き渡すつもり?とナツィは尋ねる。
「そうねぇ…」
女は宙を見上げる。
「まだ特に考えてないんだけど…」
女がそう言いかけた時、部屋の扉の方からインターホンの鳴る音が聞こえた。
「?」
何かしら?と女は立ち上がり、扉の方へ近付く。
ガチャ、と戸を開けるとそこには金髪のコドモとエプロン姿のコドモが立っていた。
「でへへへ」
来ちゃったと金髪のコドモは笑う。
「…何」
女がそう呟いた時、視界の外から女の身体に衝撃が走った。
「⁈」
気付くと女は蹴飛ばされていた。
「…油断していたとは、まだまだだな」
お前それでも魔術師か?と赤髪に帽子のコドモが扉の中を覗き込む。
「…あなた」
女は悔しそうに起き上がる。
「後ろに気を付けたら?」
「え?」
赤髪のコドモが振り向くと、そこには獣型の精霊がいた。
「⁈」
突然精霊が吐いた火球を避けようと、赤髪のコドモはアパートの通路の床を転がる。
その時、帽子が落ちて犬のような耳が露わになった。
「人工精霊風情が…」
女はゆっくりと立ち上がりながら言う。
「お前達、やってしまいなさい!」
女がそう言うと、アパートの外に精霊達が何体も集まってきた。
「やべ…」
赤髪のコドモがそう呟いた時、精霊達の内の1体に矢が貫通した。
「⁈」
矢が貫通した精霊は静かに消えていった。
「な…」
女が呟きかけた時、アパートの通路の柵にばさりと白い人影が舞い降りた。
「うふふ」
白い翼が生えた青髪のコドモは微笑む。
「油断しているのはあなたの方よ」
こつ、と青髪のコドモは通路の床に飛び降りる。
「さっさとソイツを返してもらえるかしら」
青髪のコドモはそう言って女に近付く。
「ぐ…」
女は思わず後ずさる。
…と、ここで部屋の入り口からメガネの人物が覗き込んだ。
「あれ?」
アンタ…とメガネの女は呟く。
「昼に会った…」
宝条 すみれ?とメガネの女は続ける。
女は何よと答えた。
「あれ、寧依、知り合い?」
キヲンはメガネの女と部屋の中の女を交互に見る。
「…まぁ、ちょっとね」
寧依と呼ばれた女はそう言ってうなずく。
「あなたの差し金なの?」
万 寧依、とすみれは聞く。
「いや、うちのきーちゃんが行こうって…」
寧依は金髪のコドモに目を向ける。
きーちゃんことキヲンはえへへと笑う。
「何よそれ」
すみれは呆れたように言う。
「ていうか、どうしてここが分かったの?」
すみれが尋ねると、ピスケスはうふふと笑った。
「魔力の痕跡を追いかけてきたのよ」
魔力の塊である人工精霊は動くだけでその場に魔力が残るから、とピスケスは続ける。
「そう言えば…」
すみれは微妙な顔をした。
「…とりあえず」
ナハツェーラーを返せ、と赤髪のコドモこと露夏は、懐から包丁を出してすみれに突きつけた。
「うっ」
すみれは思わず後ずさる。
「ソイツは”学会“の監視対象なの」
何かあれば問題になるわ、と青髪のコドモは部屋に入りながら言う。
「…」
青髪のコドモはナツィの前で立ち止まった。
「何やってるのよ、お前」
青髪のコドモ、もといピスケスがそう言うと、ナツィは不貞腐れた顔をする。
「仕方ねーじゃん」
油断してた、とナツィは答える。
「しょうもない奴」
ピスケスはそう言ってナツィの手を縛る縄を短剣で切ってやった。
「…」
すみれは不満げな顔をする。
「あら、不満そうね」
獲物を取られちゃったから?とピスケスは笑いかける。
「べ、別に」
もうソイツなんかどうでも良いし、とすみれはそっぽを向く。
「…そう」
ピスケスはそう言って部屋から出て行こうとした。
受験大変そうですね。(*^^*)面接官ってカッコいいですよね。レスありがとうございます。
レスありがとうございます。
いやぁぼくにとっては面接官は恐ろしいものです。
何を言ってくるか本当に分からないし。
だから練習をしなきゃなんですけど。
「…なんなのよ、あなた達」
不意にすみれがそう言ったので、ピスケスはぴたと足を止めた。
「学会の差し金?」
それとも…とすみれが言いかけた所で、ピスケスは振り向いた。
「私達はただの人工精霊の集団よ」
学会の差し金なんかじゃないわ、とピスケスは言う。
「何よそれ」
意味が分からない、とすみれはこぼす。
ピスケスはふふと笑った。
「まぁ人間には分からないでしょうね」
人工精霊の集団なんて、とピスケスは続ける。
「でも良いじゃない」
そういうのがいたって、とピスケスはまた歩みを進めた。
「私達はそういう“存在”だもの」
ピスケスはそう言って部屋の外へ出た。
「帰るわよ」
ピスケスがそう呼びかけて、ナツィは慌てて立ち上がる。
そして部屋の外に出ていった。
げっ、タイトルに「Act 16」って入れるの忘れた…
恥ずかしー。
あっ!最新作だぁ(*^^*)今日も1日宜しくお願い致します♪
「ナツィ」
ナツィが部屋の外に出た所で、かすみは思わず呼びかける。
「…」
なんで来てるんだよ、とナツィは文句ありげな顔をする。
「まぁいいじゃない」
きーちゃんが行くって言ってたし、とピスケスは微笑む。
「なんだよそれ」
ナツィはジト目を向けた。
「あ、そうだナツィ」
ここでふとかすみが思い出したように、ナツィに手に持つぬいぐるみを渡した。
「はい、うさちゃん」
ナツィはちょっと驚いたような顔をしたが、すぐに真顔に戻って言った。
「…うさちゃんじゃない」
こいつはジークリンデ、とナツィは言ってぬいぐるみを受け取る。
「何、お前ぬいぐるみにそんな名前付けてんのかよ」
変なの、と露夏は笑う。
お久しぶりです!レスありがとうございます!
体調悪い日もありましたが、元気でしたよ!受験で頭がいっぱいになってしまい掲示板に書き込めていませんでした・・・テトモンよ永遠に!さんも受験真っ只中なんですね・・・
実は私も持っている病気が、受験に響いてしまうんです。。。大変ですよね。。。
色々と大変な時期ですが、お互いがんばりましょうね!
こちらこそレスありがとうございます。
そうですか、病気が受験に響いてしまうタイプでしたか。
お互いに頑張りましょう。
「笑うんじゃねぇ」
ナツィは嫌そうな顔をした。
…と、不意に寧依が呟く。
「…ねぇ、わたしって来た意味あったの?」
みんなはぱっと彼女の方を振り向く。
「急に呼び出されたと思ったら、ナツィを探しに行くって…」
結局わたしがいた意味ってあったのかな、と寧依は首を傾げる。
「そりゃああったわよ」
ポツリとピスケスがこぼす。
「アイツを攫った人が私たちに手を出してこないように、誰かの主人がいた方が安心でしょう?」
それで1番暇そうで動けそうな貴女を呼ぶことにしたの、とピスケスは微笑む。
「はぁ…」
寧依は呆れたようにため息をついた。
「ボクは寧依が来てくれて嬉しいよ?」
寧依の様子を見て、キヲンは彼女にくっ付く。
「さすがはボクの“マスター”!」
キヲンはそう言って笑った。
他の皆はその様子を静かに見ていたが、暫くしてピスケスがこう言った。
「さて、話も済んだことだし」
戻るわよ、とピスケスは皆に呼びかける。
皆はそうだなとかそうだねと言って歩き出した。
〈籠蝶造物茶会 おわり〉
どうも、テトモンよ永遠に!です。
こちらは「籠蝶造物茶会」のあとがき…と言うかおまけです。
よかったらお付き合いください。
「造物茶会シリーズ」はぼくの高1の時の空想から生まれました。
ただ、元々は魔術が出てくるようなお話ではなく、人外達がいちゃいちゃ(笑)するようなお話でしたし、キャラクターもナツィとキヲンしかいませんでした(しかも当時は明確な名前がなかった)。
ただ空想の内容が少々えげつなく(お察しください)、空想している自分が辛くなってしまったために全然違うお話にしました。
それが「造物茶会シリーズ」の始まりです。
でも最初の内はキャラ名やそれぞれの設定がかなり違ったり、ナツィとセットなのはきーちゃんだったりしました。
この辺りは空想を続けている内に自分にとってよりしっくりくる方…現在の形へと変わっていきました。
ちなみにきーちゃんがナツィにくっ付いたりしているのは初期の名残りです(笑)
今回はこれくらいにしておきましょう。
いつになるか分からないけど、「造物茶会シリーズ」第3弾もお楽しみに。
また「ハブ ア ウィル」の新エピソードも絶賛制作中で、3月中の投稿を予定しております。
こちらもお楽しみに。
あと最後ですが、ぼくから質問です。
ポエム掲示板を出入りしているとここで自分以外にも小説を書いている人を度々目撃するのですが、皆さんどういうキッカケで小説を書いているのでしょうか?
ぼくはある人がここで長い長い小説を書いているのを見て、真似したくなって始めたのですが…
みんなはどうなのでしょうか?
よかったらレスから教えてください。
ではこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした〜
私は他の人がやってるのを見て、「あ、やって良いんだ」みたいに考えて便乗するようにやった感じです。
自分はこれからツイッターで書いている小説を編集して書こうかなと思っている。
キッカケは暇つぶしと好奇心の2つかな…
レスありがとうございます。
なるほどね。
理由も人それぞれだね。
自分の場合は、いろいろあってやり取りが出来なくなったとは言え想い人のことがまだ好きなので、いつかあの娘の目に止まって欲しい、、そして「俺はまだ君のことが好きだから、いつまでも待っているよ。」とアピールしたいと思って書いてますね
それなのに作中では想い人といつの間にか結ばれてスピード婚までしているというかなりめちゃくちゃなことやってますがw
レスありがとうございます。
なるほど、あの娘に見つけてほしい、か…
ロマンチックですね~
共通テスト頑張ってください!!
続きはそれまで楽しみにして
この話を何周もします笑