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2023年8月6日から9月30日まで開催した企画「Metallevma」のまとめ。 今回は期間外に投稿された作品もまとめました。

Metallevma:水晶玉は流星を見通す その⑩

「……! もう1人……!」
攻撃の実行者を確認しようと振り向こうとするローズだったが、それも叶わず刃に触れた腹からローズの肉体は爆ぜ飛んだ。
「…………⁉」
辛うじて残った胸より上が地面に転がり、ローズの目に敵の正体が映る。
蹄が生え、地面に力強く踏ん張る四肢、背中側がより強固に武装された重厚なプレート・メイル、何より、額から生える湾曲した刀身。
(リノセラス……? ……いや、これは……!)
ローズの目が見開かれる。一見、犀のようであったその生き物は、武装によって猛獣に似た姿を得たメタルヴマであった。
「ふむ……我が異能で殺してやりたかったが……まあよくやった、“隕鉄刀”」
”天鉄刀”から『隕鉄刀』と呼ばれた犀のようなそのメタルヴマは唸り声をあげ、ローズの頭を蹄を模した長籠手で踏みつけた。そのまま踏み砕こうと力を入れたその時。
「貴様アァッ! ローズちゃんに、何をしているッ!」
ルチルの怒号と共に叩きつけられた最大威力の水晶柱によって、“隕鉄刀”は轢き飛ばされた。
「ルチル……“流星刀”は……?」
「追い払った。アメシストは動けなくなってる。もう喋らなくて良い、すぐ逃がしてあげるから待ってて」
「うん……“天鉄刀”と“隕鉄刀”だ。ルチルでも勝てるか怪しい。……気を付けて」
消え入りそうな声でルチルに伝え、ローズはそのまま気を失った。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-18 17:51

Metallevma:GRANDIDIERITE Ⅻ

「この子は、当分あたしらが預かるよ」
んで今度ミクロコスモスの有力者でどこの一族のナワバリに住ませるか話し合おう、とルビーは顔を上げる。
「そうすればクリスタルの思惑通りにはならないでしょ」
ルビーがそう言うと、エメラルドはそうねと頷く。
「その方が争いは避けられそうだし」
やたらめったら争うのも、疲れちゃうしねとエメラルドは微笑む。
「…てな訳で君は今日から当分の間あたしらのトコで暮らすことになったから!」
よろしく〜とグランディディエライトにルビーは笑いかける。
「え」
ちょっと…とグランディディエライトは唖然とする。
「じゃ、あたしらはこの辺で」
行くよサファイア、“グラン”とルビーは元来た道へ戻ろうとする。
「うん」
サファイアはそう頷いてルビーの後に続く。
「ぐ、“グラン”?」
“グラン”と呼ばれたグランディディエライトは困惑する。
「ほら、行くよ」
ルビーがそう振り向きざまに言ってきたので、グランはあ、うんとその後を追った。
エメラルドとゴシェナイトはその様子を静かに見届けた。

〈おわり〉

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2023-09-19 16:35

Metallevma:水晶玉は流星を見通す その⑪

「さて……」
凄まじい殺気を放ちながらローズを自分の背後に庇い、ルチルは二人に相対する。
「ローズちゃんは、本来ならこんな簡単にやられるような奴じゃない。貴様らがどんな卑怯な手を使ったのかは知らないが……肉片の一片すら残ると思うなよ?」
「ふむ、何をそこまで激怒しているのやら……我が同胞を2対1で下しておいて、卑怯はそちらだろう?」
“天鉄刀”テーナイトは呆れたように言い返す。
「黙れ! 私の仲間をあんな目に遭わせておいて!」
ルチルの放つ水晶柱を、テーナイトは隕鉄で迎撃し、1発残らず叩き落す。
「アメシストは! 両腕と片脚を失って“流星刀”に手傷の一つも負わせられなかったんだぞ! あれが『卑怯』であってたまるか!」
最大出力の水晶柱を3発生成し、超高速で叩き込む。
「ほう! 我らの鍛造技術はそこまで圧倒的だったか! 嬉しい事実が聞けたなァ?」
テーナイトは高笑いし、巨大な隕鉄塊1つで全てを押し返した。
それでも落下運動を続ける隕鉄塊に引き続き水晶柱をぶつけ続けるが、隕鉄塊の硬度と質量に弾かれ、その威力は全く減少しない。
隕鉄塊は全てを粉砕して尚止まること無く、落下地点にいたルチルとローズをも巻き込んで地表に衝突した。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-19 19:36

Metallevma:水晶玉は流星を見通す その⑫

「ふぅ……危ないところだったね、ルチル」
来たる衝撃に備え反射的に目を閉じたルチルだったが、危惧したそれが襲い掛かってくることは無かった。かけられた声に恐る恐る目を開くと、アメシストがニタリと笑いかけている顔が目に入った。
「あ……アメシスト⁉ お前、身体は……!」
「シトりんにもう少しだけ動かさせてもらってる。大丈夫、この戦いが終わったらしばらく療養するさ」
アメシストの言葉に合わせて、アメシストの手足や損傷を補い埋めるように燃えていた黄金色の炎が揺れ動く。
「ローズもこんなに小さくなっちゃってまあ……」
分裂した炎の細腕でローズの残骸を抱え込み、アメシストはそれを眺めながら呟く。
「ローズちゃんはダメージで疲れてるんだ。構わないでやってよ」
「私もルチルも同じだってのに。あいあい」
アメシストは頷き、“天鉄刀”“隕鉄刀”の両名に背を向けて駆け出した。
「アメシスト⁉ 何故逃げるんだ! あいつらに一撃返してやらなきゃ気が済まない!」
炎の腕から逃れようともがき始めるルチルを、アメシストは炎の腕を分裂させることで強引に抑え込んで走り続ける。
「馬鹿言え! 私とルチル、ついでにローズ。私ら3人、全員生き延びればそれが私らの勝利だ。傷さえ治せば何度でも挑めるんだぜ、相棒!」
「ッ……! ……悪かった、熱くなってた」
「良い子だ、ルチル」
駆けるアメシストの背後から、“隕鉄刀”カマサイトが追いかけるように突進してくる。
「逃げられると思ったか馬鹿め!」
「逃げられるさバカめ」
抉れた腹部を埋める黄金の炎に“隕鉄刀”の刃が突き刺さり、衝撃波で一瞬炎が吹き飛ばされる。
「うおっとシトりん、無事かい?」
黄金の炎が枝分かれし、小さくサムズアップを作ってみせる。
「アッハハハハ! 私も無事だ、こっちの身体は“流星刀”にやられて殆ど空っぽだからね。そして“隕鉄刀”の弱点は『ここから先』にある」
炎の脚を大きく伸ばし、アメシストは“隕鉄刀”から距離を取る。しかし、カマサイトはそれを追うことができず歯を食い縛って地面を踏みしめている。
「奴の能力は『自身の持つエネルギー全てを刃の先から対象に注ぎ込む』もの。『全て』だぜ。攻撃の直後、奴は絶対に立ち止まる。立ち向かえばまず勝てないが、『追われる側』にさえ回れれば、まず負けないんだよ」

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-20 16:25

Metallevma:GRANDIDIERITE おまけ

「Metallevma:GRANDIDIERITE」のおまけ…というかキャラ紹介編です。

・ルビー
コランダム一族のリーダー格。
赤髪で赤い鉱石が額から生えており、設定上はサファイアとお揃いのスカジャンを着ている。
リーダーシップのあるメタルヴマだがきょうだいのサファイアには甘い。
その辺で行き倒れていたグランを拾った。
敵対的な存在は「アンタ」と呼ぶ。
ベリル一族やクリスタルとは知り合い。

・サファイア
コランダム一族の1人。
青髪で額から青い鉱石が生えており、設定上はルビーとお揃いのスカジャンを着ている。
大人しく口数が少ない。
その辺で行き倒れていたグランを見つけた。
ベリル一族やクリスタルとは知り合い。

・グランディディエライト
通称グラン。
青緑色の髪を持ち、額から青緑色の鉱石が生えている。
その辺で行き倒れていた記憶のないメタルヴマ。
しかしクリスタルの発言より記憶喪失ではなく作られたばかりでそもそも記憶がなくて当然の最新のメタルヴマだった。
どうやら未来予知能力を持つようだ。
今後についてはミクロコスモスの有力者たちによる話し合いで決めるそうな。

・エメラルド
ベリル一族のリーダー格。
緑髪に黒いロングワンピースを着ており、設定上は緑の鉱石が背中に生えている。
優雅な立ち振る舞いをする。
コランダム一族やクリスタルとは知り合い。

・ゴシェナイト
ベリル一族の1人。
銀髪で背中から透明な鉱石が生えている。
気が強いが根は真面目。
コランダム一族やクリスタルとは知り合い。

・クリスタル
ある王によって作られた“原初のメタルヴマ”。
額から透明な鉱石が生えており、白いワンピースを着ている。
気分屋で度々ミクロコスモスを引っかき回すようなことを起こしている。
今回もミクロコスモスのナワバリ争いを活発化させようとして“最新のメタルヴマ”グランディディエライトを生み出した。
コランダム一族やベリル一族とは知り合い。

以上です。
何か質問などあればレスください。

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2023-09-20 16:47

Metallevma:水晶玉は流星を見通す その⑬

「……“天鉄刀”はどうする? 隕石の雨を、どう防ぐつもりだ?」
ルチルが見上げる先、その上空には、天球をほぼ埋め尽くすように大量の隕鉄塊が出現していた。
「私の能力と、シトりんの壊れない炎の身体。恐れるものがどこにある?」
アメシストはニヤリと笑い、炎の脚を深く折り曲げ、大きく前傾した姿勢のまま勢い良く飛び出した。
無数の隕鉄塊が不規則に降り注ぐ中を、アメシストは僅かな隙間を縫うようにして正確に回避しながら進んでいく。
アメシスト自身の能力によって極限まで鋭敏化された感覚能力が辛うじて生存ルートを導き出し、本質的に不壊の流体である、シトリンの能力による炎の脚を、一般的なメタルヴマの身体には耐え切れないほどの速度で稼働することで、ルートの発見とほぼ同時にそれを辿りようやく成し得る荒業である。
「よっしゃ、このまま奴の能力の範囲外まで逃げ切るよ」
「あ、ああ……」
あまりの速度と乱暴な挙動に、ルチルも簡単な相槌を返すことしかできない。
「……っと、その前に」
突然急ブレーキをかけてアメシストが立ち止まる。
「うわぁっ⁉ アメシスト、何を……⁉」
「ルチル、さっき言ってたよな? 『一撃返してやらなきゃ気が済まない』って」
「ああ、けど……」
「せっかくだし、それも叶えてから逃げ切ろうか。シトりん、ちょっと切り離すけど良いね?」
黄金の炎の塊が右脚から分離し、球体の形でアメシストの目の前に浮かぶ。
「よしよし。それじゃあこいつを……お見舞いしてやる!」
掛け声とともに回し蹴りに蹴飛ばされた火球は、隕鉄塊の隙間を器用に回避しながらテーナイトに迫り、下半身の核を僅かに溶かして火花と散った。
「はい全部叶えたから私らの勝ち。そーれ逃げろー!」
アメシストがからからと笑いながら逃げ去って行くのを、テーナイトは攻撃を受けて僅かに溶けた核を気にしつつも、それ以上は何もせず見送った。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-21 17:17

Metallevma 部族紹介

クォーツ族:クォーツ(水晶)のメタルヴマ達。そのスタンスはどちらかというと専守的である。これは煙水晶のスモーキーと黒水晶のモリオンの2名のメタルヴマの特殊能力による土壌生成・地形干渉によって、少ない面積により豊かな地形を用意でき、ナワバリの面積の重要性が低いため。今あるナワバリと仲間を守ることを重視している。
弱点は戦闘面で特に強い人員(かつ表に出ることができる者)がアメシスト、ルチルの2人しかおらず、攻勢に回りにくいこと。

クリソベリル族:感覚能力に特化した特殊能力を持っている傾向が強い、ナード気質の集団。自身の興味の対象以外にはほぼ無関心であり、ナワバリ争いにもあまり積極的では無い。そもそも戦闘能力もかなり低く、戦ったら死にかねない。その弱さゆえに脅威度も低いことからナワバリ争いにおける討伐優先順位も低かったことで、辛うじて生き残っている。

隕鉄一派:鉄隕石を核に持つメタルヴマの集団。『鍛造』と呼ばれる技術によって自身の核である隕鉄を含む全身を改造し、戦闘力を只管に追い求めている。その行動理念の全ては「自分達“の方が”強い」であり、ナワバリ争いとは無関係に各方面に喧嘩を売ってはその圧倒的戦闘力で蹂躙している。一人でも他派閥のメタルヴマが生き残っている限り、彼らの侵略が止まることは無い。また、「相手が死ぬ」ことは彼らにとっては分かりやすい強さの証明でしかないため、殺傷行為への忌避感も他のメタルヴマより乏しい。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-21 19:37

苦礬柘榴

あたしはざくろ。
ここらへんの地域は赤い目をしたメタルヴマたちがたくさん住んでいる。
みんな仲が良くて優しい人達ばかり。あたしはそんなみんなが大好きだ!
あたしは、お父さん、お母さん、妹と暮らしている。
父は小さなお店を開いていて、人間の住む世界のモノを売ったりしているお店だった。
ある時、流れ着いたモノを整理していたら、あたしたちが知らないヤツが流れてきた。
「本で見たことがある…ヤツはニンゲンか?」
するとヤツは起きて周りを見渡している。一体何者なんだろうか。
**********************************
〈ヤツ視点〉
俺はごくごく普通の学生レン。だが少し変わったところがある。
俺のご先祖様が”アルケミスト”錬金術師だったことだ。
ご先祖様は宝石の需要を満たすため、模造宝石を作る試みを何世紀もの間続けてきた。だが、宝石の化学組成を解明する事はできず、ご先祖様が宝石を合成することはなかった。
だが錬金術のDNAは残り、少しだけでも錬金術の能力が使える家系なのだ。
「それにしてもここはどこなのだろう…俺はいつものように通学路を帰ってきてたはず…無意識のうちに何処かにワープする呪文を唱えたのか…そんなわけ無いか…」
「お前何をブツブツ言っている?」
急に燃えているような目をした女の子が声をかけてきた。どう見ても人間じゃないよな…
「ごめん。あの、ここってどこ…?」
「ここはミクロコスモスのガーネット地域。ここは人間達の住む世界のモノが流れ着く場所なの。多分あんたもここに流れ着いちゃったんでしょうね。」
「そう…だったのか…」
女の子は俺が人間だから、みんな俺を嫌う可能性がある。早く帰った方がいい。そう言われたが、帰り方がわからない。
一体俺は帰れるのか。自分の世界が恋しい。

追記:小説初心者の私が、初めて小説を書いてみました。やっぱり小説書くの難しいですね…(^o^;
アドバイスなどくれると嬉しいです。m(_ _)m

からみだいこん
女性/16歳/宮城県
2023-09-21 20:56
  • 企画参加ありがとうございます。
    苦礬柘榴だなんて難しい言葉、よく知ってるね(自分は中学の時に図鑑を読んで知った)…!
    ウチも小説に関しては自己流だから他人にアドバイスできる人間じゃないんだ。
    本気で小説を書きたいのならガチの小説をたくさん読んでインプットするのが1番いいらしいのは分かってるんだけど(という割には忙しさを理由に全然本を読めてない人)…

    続き、楽しみにしてます。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2023-09-21 22:00

Metallevma キャラ紹介①

・クリスタル
鉱石:水晶  核:後頭部から生えた水晶柱
能力:世界の境界面を認識する
能力の由来:占いに使う水晶玉のイメージから
クォーツ族の末っ子的ポジション。戦闘力は無いが、見ているものが他のメタルヴマ達とは違うようで、戦線にも構わずふらふらと出て来てしまう。一度戦火に巻き込まれ核となる水晶柱を半分ほど砕かれたショックで頭の中もふらふらのふあふあになってしまった。周囲からは戦えないことで時には厄介に思われながらも、比較的平和な時には「クリスちゃん」の愛称で可愛がられてもいる。本編後、何やら進化を遂げたそうな。

・ルチル
鉱石:ルチルクォーツ  核:胸元に埋もれた針水晶球
能力:水晶の針を生成し射出する
能力の由来:和名が『針水晶』なので
クォーツ族の戦士。ローズとは同じ日に生まれた関係で兄弟姉妹のように親しくしている。アメシストとは戦士としての相棒の関係で、共闘時は中後衛として前衛向きのアメシストを支えている。しかし2人ともとても強い上にまともな戦力が少なすぎて人手を無理やり割かなければならないので、共闘することは滅多に無い。あったらそれはクォーツが滅ぶかどうかの瀬戸際である。
特に親しいローズとアメシストに対しては距離感と感情がちょっとアレなところがあり、ついたあだ名が「同期と相棒限定感情激重病めたるヴマちゃん」(シトリン命名)。

・ローズ
鉱石:ローズクォーツ  核:左の鎖骨の辺りに生える3本の短い紅水晶柱
能力:他のメタルヴマを自身の手元に引き寄せたり跳ね退けたりする
能力の由来:ローズクォーツは女神アフロディテの石とされ、恋愛の守護石としても知られている。愛する者同士が引き合うように、恋破れた者同士が自然と距離を取るように、ローズクォーツの能力はメタルヴマ同士の距離を操る。
クォーツ族の医務官。ルチルとは兄弟姉妹のように親しくしている。戦線においては傷ついた仲間を素早く回収し、襲い掛かる敵は撥ね退ける、救護班として活躍することが多い。育ちの悪さが隠しきれていない言葉遣いや行動が見られる。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-22 18:46

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その①

「クリスチャン、クリスチャン!」
「んぇぁ、ねこちゃん!」
クォーツ領の外れにて待ち合わせていたネコメとクリスタルは、定刻1時間前には既にお互いやって来ていた。
「随分早かったじゃないの戦友よォ、そんなにボクと会いたかった?」
「うん」
「ボクもだよォクリスチャン! さ、ボクたちの戦いを始めようか。今日は普段行かないところに行きたいな」
クリスタルを抱き上げ、ネコメはその場でしばらくくるくると回っていた。
「にぇぁー、ねこちゃん。いこー」
「ああそうだね。今日は入り口の反対側、あっちの方を探りに行こうと思うんだ」
「はぁん?」
「あっちの方にねェ、なァーんかワクワクするものが見えてんのヨ」
「にゃぁ……」
「それ、一日は思ったよりも短いんだ、さっさと行こうぜ、相棒!」
ネコメはクリスタルを素早く肩車し、軽い足取りで駆け出した。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-22 19:27
  • 蘇るの早いな(まだまだ企画に参加してくれるの
    嬉しい)…

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2023-09-22 21:04

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その②

クォーツ領は半径2㎞程度の凡そ円形の高い泥塀に囲まれて守られており、出入りが可能な関所は、東側の1か所にのみ存在する。
関所の門から反対側、西の辺の周囲には日本庭園のような広大な敷地が存在し、ネコメとクリスタルはその庭園に向かっていた。
「見て見てクリスチャン。見えるかい? ボクには『素敵なモノ』ってことしか見えない」
「にゃん、きれーなとこ」
「そうかい。それじゃあ突撃ィー!」
駆け出そうとするネコメの足首が何かに引っかかり、ネコメは勢いのままつんのめった。転倒し額を地面に打ち付ける直前、何者かに身体を支えられる。
「はいストップ。ここには入っちゃ駄目」
「うげぇえ? 誰?」
ネコメの見上げる先、眼球の無いネコメには見えなかったが、白拍子の水干に身を包んだメタルヴマが鋭く睨みつけていた。
「ワタシはガーデン・クォーツ。この『庭』の管理者さ。悪いがここは、ワタシ以外の者に入ってもらっちゃ困るんだ」
「なんでぇ? 庭なら見せておくれよぅ」
「そいつは駄目だね」
ガーデン・クォーツは短く断り、ネコメを立ち上がらせた。
「だからなんでなんだよぅ」
ガーデン・クォーツは指を1本ずつ立てながら理由を述べた。
「理由は3つ。一つに余所者の貴様がいるから。二つに無暗に他人に入られて、意図的にしろそうでないにしろ荒らされてはワタシが悲しいから。そして三つに……」
そこで言葉を切り、一瞬躊躇してから、再び口を開いた。
「……これは貴様をクリスちゃんの友人であり闘争に関心を示さないクリソベリル族と見込み、疑念を敢えて放棄して説明することだが」
「うん」
「この庭の存在意義がただの『庭園』ではなく、『監獄』、或いは『封印』であるからだ」

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-25 20:25

Metallevma キャラ紹介②

・アメシスト
鉱石:アメシスト  核:左のこめかみから頬にかけて線状に走る紫水晶の筋
能力:感覚の鋭敏化・鈍化
能力の由来:『酒に酔わない』の意味を持つアメシスト。アメシストの能力は、アルコールの中毒症状に飲まれる事無く、逆にそれによって引き起こされる感覚の鈍化と過敏化を自在に引き起こす。
クォーツ族の戦士。ルチルとは相棒の関係で完全に信頼しきっており、万が一共に戦うことになれば、死角への注意が完全に無くなる。知覚能力を鋭敏化し、恐怖や自衛本能を鈍化させることで発揮される高い格闘能力は、クォーツ族はおろか周辺の他部族でも勝てる者がいないほど。能力の使い方ゆえに負傷することも多い。
シトリンに憑依してもらうと壊れない上に拡張性が極めて高い身体が手に入るのでとても強いのだが、アメシストは身体の部位が少ない状態での戦闘には慣れていても多い状態での戦闘には慣れていないので、必然的に部位欠損を補う形で能力を発動する外無く、条件を満たしにくいという事情もあり、”バーント”は飽くまでも最終兵器。戦士の人手が足りなさ過ぎて基本的にソロで戦うことが多い。

・シトリン
鉱石:シトリン・クォーツ  核:額に2本生えた黄水晶の短い角
能力:親和性の高いメタルヴマに炎の形で憑依する
能力の由来:焼黄(やきき)から。焼黄とは人工的にシトリンを作り出す手法であり、紫水晶や煙水晶を加熱処理することで、その色を黄水晶のようにすることができるそうな。紫水晶由来だと「バーント・アメジスト」、煙水晶由来だと「バーント・スモーキークォーツ」というらしいですよ。
クォーツ族の護衛官。能力は自身を黄金色の炎に変え、仲間に憑依するというもの。炎は対象の部位欠損を補い、実体としてシトリン自身または憑依対象の意思のままに動く。ある程度の親和性が必要で、現状能力が適用されるのはアメシストとスモーキー、モリオンの3名のみ。ルチルのことを苦手に感じており、それとよく一緒にいるアメシストのことも警戒している。
アメシストに憑依した時の強さは本当に凄まじいのだが、では何故最強コンビがシトリン&アメシストではないのかというと、シトリンが戦闘力が低いにも拘らず重要度の高いスモーキーの護衛に就かなければならないこと、シトリンの能力では、実質的な人手が二人分にはなれないことが理由。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-26 15:33

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その③

「……フーイン?」
「そうだ」
「……Who in?」
「ふざけているのか?」
「すんません正直ちょっとフザケマシタ……でも何を封印しているのかは知りたいでつ」
「まったく……封印しているのは我々の同胞、ライトニング・クォーツ。過去の大罪により、私の能力にて永劫封じることになったのだ」
言いながら、ガーデン・クォーツは庭園内部を指差した。
「あれが見えるか?」
「見えないんだって」
「……む、貴様眼球がどちらも無いではないか」
「ちょいと諸事情あって抉り取っちまってまして」
「ならばクリスちゃん、何が見えるか言ってみてくれ」
ネコメの頭に顎を置き、クリスタルは目を細めて庭園を見据えた。
「……おにわ!」
「ああそうだなすまなかった。君に聞いたワタシが悪かった。今の貴様らの向きから11時の方向。およそ70mの位置だ」
「ん……? あー……何かすごいオーラのあるものは見えるッスね。いやお庭全体すごい感じではありますケド」
ガーデン・クォーツが示す先には、小さくもよく管理の行き届いた朱塗りの社が建っていた。
「あの場所に封じている」
「はぇー。で、なんでそれを『クリソベリル』のボクに教えたりしちゃったんで?」
「む?」
「自分の興味至上主義のクリソベリル族に、そんな面白い情報教えちゃってくれて良いんですかい? 行っちゃいますぜ?」
「……構わん。行ったところで貴様程度、死ぬだけだ。それに、いざ貴様を止めるだけなら、ワタシにもできる」
「はぇー……ガーデンのひと、一つ無謀な頼みがあるんだけど」
クリスタルに頭を揺さぶられながら、ネコメが言う。
「何だ? 聞くだけ聞いてやる」
「クリスチャンがめっちゃ行きたがってるんだ、行かせてくれない?」
「もちろん許さんが」

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-26 19:00

Metallevma キャラ紹介③

・スモーキー
鉱石:スモーキー・クォーツ  核:右肘から生えた煙水晶の柱状結晶
能力:悪意を祓う泥を生成する
能力の由来:古代より「悪霊を追い払う石」とされてきた歴史と、グラウンディング(地に足を付ける力)からの連想。
本編未登場。クォーツ族の一員。能力は足元から生成した泥を自在に操るというもの。泥は両足が地面についていなければ生成できないが、これが付着したものを悪意を持って破壊しようとすることはできない。存在するだけで精神に干渉する物質の生成という特殊性の高い能力を使い、クォーツ族の土木関係を統治している。建造物の大部分はスモーキーの生み出す泥が原料の一部になっているので、守りはかなり堅い。

・モリオン
鉱石:モリオン・クォーツ  核:へその辺りに埋め込まれた黒水晶の球体
能力:スモーキーの泥と周囲の物質を混ぜ、変形させる
能力の由来:スモーキークォーツのより色濃いものがモリオンであるというのと、グラウンディング以下略。
本編未登場。クォーツ族の一員であり、スモーキーとは兄弟分かつ上司部下の関係。モリオンが弟分で部下。能力はざっくり言うと、『スモーキーの生み出した泥を材料の一つにして建物を造る』もの。スモーキーとモリオンの2人がクォーツの豊かさを作っている。この二人は何としても守らなければならない。

・ネコメ(猫目石)
鉱石:クリソベリル・キャッツアイ  核:額の猫目石
能力:自身にとっての危険と関心の種を知覚する
能力の由来:キャッツアイの石言葉「未知の将来を見通す目」。あとは「好奇心は猫を殺す」あたりが混ざってる可能性もある。
クリソベリル族の一員。ナワバリ争いに全く興味を持たず、それ故に他種のメタルヴマに対しても全く悪感情を抱かない。その関心はほぼ全てがミクロコスモスの外側に向いており、自分と同じくミクロコスモスの外を見ることができるクリスタルのことは戦友と思っている。目玉は諸事情あって合意の末に抉り取られた。クリスタルのことを『クリスチャン』と呼んでいるのは、他のクォーツ族が『クリスちゃん』と呼んでいるのを聞き間違えたから。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-27 15:57

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その④

「そっかー残念」
無感情に呟き、ネコメはクリスタルに目をやる。
「クリスチャン」
「んっ、んぅー……りゃっ!」
ネコメに声を掛けられ、クリスタルは軽く頷いた後、大きく勢いをつけて重心を後方に移動させた。無抵抗のネコメの身体もそれに釣られて、仰向けに地面に倒れ込む。
クリスタルの後頭部に生える欠けた水晶柱が地面に衝突すると同時に、地面に板ガラスが割れた痕のような罅と穴が生じ、2人の身体はその中へ吸い込まれていった。
「…………⁉ 馬鹿な、何が起きたッ⁉」
ガーデン・クォーツも穴に駆け寄るが、中に見えるのは禍々しく淀んだ虚空のみで、二人の姿は既にどこにも見えない。
不意に気配を感じ、ガーデン・クォーツは咄嗟に頭を上げ、庭園に建つ社の方に目をやった。
そこには、並んで社を観察するネコメとクリスタルの姿があった。
「おい馬鹿共、そこを離れろ! 冗談抜きに死ぬぞッ!」
慌てて二人を呼び戻そうとするが、二人はガーデン・クォーツに対して手を振るばかりで、従う気配が全く見られない。
「クソ、馬鹿共が……ワタシはもう知らん! 精々死なんでくれよ!」
ガーデン・クォーツの捨て台詞に親指を立て、ネコメとクリスタルは社の戸を開け、内部に侵入してしまった。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-28 00:00

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その⑤

社の内部は薄暗く、道具や依代の類すら存在しない、がらんとした寂しいものだった。
「クリスチャン、何か見える?」
「んーんー」
「そっかー……でもさァ、絶対何かあるんだよね。ボクの『眼』はビンビン反応してるんだもの」
「ほぇぁ」
2人は壁や床を叩きながら探索を続ける。数分ほど続けていると、不意に室内に低くしわがれた、まるで渇き死ぬ直前のような、それでいて異様な生命力を感じさせる声が響き渡った。
『おい、誰か居るんか。ガーデンの奴じゃァないよな? ちょいと下りてきて、儂を出しちゃァくれねえかイ』
「わぁ誰。これが正体かな」
ネコメの言葉に、声が反応を返す。
『おお、ヴマが居るじゃあねェか。儂の言う通りにせえな。まず、床の中央辺りを探れ、木の節が穴になって有るはずだ』
「ねこちゃんねこちゃん」
床に座り込んだクリスタルに呼ばれてネコメが床に伏せると、クリスタルがネコメの手を引き、床に開いた小さな穴に宛がった。
『見つけたか? 見つけたよなァ? そこに指でも突っ込んで、力いっぱい引け。板がずれる筈だ』
「あいあい。そォー……れえっ!」
ネコメが従うと、床板の1枚が僅かに動いた。板に手をかけて慎重にずらすと、板1枚分、小柄なネコメやクリスタル程度であれば辛うじて通り抜けられそうな隙間ができた。
『通れるなら抜けて来ぃ。ちと天井が低かろうが、直に楽になる』
「なるほどね? クリスチャン、先導してくれる?」
「ん」
まずクリスタルが床板の隙間に足から潜り込み、続いてネコメが頭から滑り込む。
子ども程度の背丈の二人でも四つん這いにならなければ進めないほど低くなった床下の暗闇を、クリスタルが時おり声をかけ先導しながら、二人は社の面積から大きく外れるほどの距離を進み続け凡そ1時間。不意に天井が高くなり、周囲が明るくなった。
「何だイ、こんなガキ共だったのかい」
社の中に響いていたのと同じ声が、今度は直接的に二人の耳に届いた。
2人が立ち上がり、正面を見やると、目の前の座敷牢のような狭い空間の奥に、ぼさぼさの銀髪を地面に垂れるほど伸ばし、ひどく汚れ破れた着流しの和装に身を包んだメタルヴマが座っていた。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-28 20:27

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その⑥

「だれ?」
クリスタルが尋ねる。
「ライトニング・クォーツ。気軽に雷神様とでも呼んでくれ。時にお前ェさんら」
「何さね雷神様」
ネコメが反応する。
「儂をここから出しちゃアくれねえか」
「なんで? 捕まってるんでしょ?」
「まアそうなんだがな。儂はいつまでもこの場所に居るわけにャアいかねンだ」
「外でやりたいことでもあるの?」
「まァな」
そう言って、ライトニング・クォーツは懐から水晶の塊を取り出し、自身の足元に静かに置いた。
「それなに?」
クリスタルが尋ねる。
「儂の相棒だ。大昔、戦の最中に核を6割砕かれ死んだ。その核を精密に取り出したものがこいつだ」
「はぇ」
「儂はこいつを蘇らせる。こんな場所に押し込められていちゃア、それもままならねェ」
ライトニング・クォーツは再びその核をしまい、檻に手をかけ二人を睨みつけた。
「だから頼む。儂をここから出してくれ」
ネコメとクリスタルは目を見合わせ、ライトニング・クォーツに視線を戻し、同時にきっぱりと答えた。
「「いやだ」」

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-09-29 20:45

Metallevma キャラ紹介④

・トロイライト
鉱石:鉄隕石  核:右手と一体化した流星刀の刀身
能力:高威力・長射程の斬撃を放つ
能力の由来:『流星刀』とかいう実在するクソかっこいい武器と隕石の持つエネルギーの大きさから。
『隕鉄一派』の一員にして大幹部三人衆の3番手。“流星刀”の異名を持ち、自身の核を加工した武器を用いて強力な斬撃を放つ。その一撃は、刀が僅かに前方に触れただけで数十m先まで届き、その根元から先端まで鋼鉄でも容易く斬り裂けるほどの威力を持つ。

・テーナイト
鉱石:鉄隕石  核:下半身の大部分を飲み込んだ形の八面体の金属結晶
能力:鉄隕石を狙った場所に落下させる
能力の由来:“天鉄刀”とかいう実在するクソかっこいい武器。シンプルに隕石。
『隕鉄一派』の一員にして大幹部三人衆のトップ。“天鉄刀”の異名を持ち、下半身の代わりに巨大な鉄の結晶が生え、磁力反発によって空中浮遊している。
能力は隕鉄の塊を狙った場所に落下させるもので、落下時の衝撃は操作可能。衝撃波で破壊を起こすのは“天鉄刀”の名に恥じるとしてあまり好んでいない。隕鉄そのものが対象を破壊してくれなくてはと思っている。軽減された衝撃のエネルギーはテーナイト自身に吸収され。磁力浮遊のための電磁力を生み出すエネルギーに変換されるので無駄が無い。

・カマサイト
鉱石:鉄隕石  核:頭部から生えた角のような隕鉄刀の刃
能力:自身の持つエネルギーを刃に触れたものに全て伝える
能力の由来:“隕鉄刀”とかいう実在するクソかっこいい武器と隕石が与える被害の甚大さ。
『隕鉄一派』の一員にして大幹部三人衆の2番手。“隕鉄刀”の異名を持ち、蹄を模したサボ(木靴)と前脚を模した杖というか籠手というかな感じの武装、背面が重厚に補強された金属鎧を身に付けており、その姿はリノセラス(犀)のようでもある。能力は突進や落下によって生じる運動エネルギーや位置エネルギーの全てを、額の隕鉄刀を通して衝撃として伝える能力。対象は固体または実体のあるものに限られる。受けたダメージすら隕鉄刀を何かに当てておけば回避できる。唯一の弱点は、能力を発動するとその性質上、動きが完全に停止してしまうこと。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-10-02 18:15

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その⑦

「……そうかい」
ライトニング・クォーツは落胆したように肩を落とし、何気ない所作で二人に片手を向けた。
「聞いてくれると、嬉しかったんだがなァ」
ライトニング・クォーツの言葉と同時に、二人の間を電撃が走り抜けた。
「言うたろ、雷神様ッてよ。ここまでノコノコ来た時点で、お前らァ儂に従うか死ぬしか無ェんだぞ?」
「……だってよ、クリスチャン。どうする?」
ライトニング・クォーツを見つめたまま、ネコメが尋ねる。
「んにゃぁー……やー……」
電撃がぶつかった足下を見ながら、クリスタルが反応する。
「ふーむ……今、見えてる?」
「みえてる」
「オーケイ」
じりじりと後ずさるクリスタルの足元に、牽制するように電撃がぶつかる。
「オイオイお前さんら、こんな目の前で逃げようって腹づもりかイ? 言っておくがなァ、儂の電撃は相当な速度でお前さんらを殺せるぞ? 核程度なら容易く焼き砕ける」
「……いやァー、逃げようだなんてそんなもんじゃァ無いやい」
クリスタルを庇うように数歩前に踏み出したネコメの胸の辺りに、電撃が直撃する。
「ぐぇっ」
「何を企んでいるのか知らんが……ガキ一人で儂の異能を止められると思うなよ?」
「痛てててて……止めようとか、クリスチャンだけ逃がそうとか……そんなんじゃないノヨ、雷神様……」
クリスタルが倒れ込んだネコメに心配そうに駆け寄り、抱き起す。
「あー、大丈夫、ダイジョウブよクリスチャン。熱くて痛くて痺れてるだけだから……」
「んにゃぇ、そーゆーのダイジョブくないっていうの……」
「そうかな、そうかも?」
2人の様子を眺めていたライトニング・クォーツが、不意に電撃をクリスタルに向けて放った。
「……ボクらの『勝ち』ですぜ、雷神様」
ネコメが呟いた。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-10-02 20:03

あー(´;ω;`)

皆さんこんにちはからみだいこんです!
Metallevmaの続きを考えたり、勉強したりしてたら
あっという間に体調が少し崩れてしまいました、、、
Metallevmaの続き、書けるのか少し心配です。
そこでみなさんにお願いがあります!
私の代わりに少しMetallevmaの続きを書いてくださいませんか…?
もちろん私も続きを考えて投稿します!
皆さんだったら続きをどう書くか、気になったからと体調が悪くてかけるか心配だからです。
よろしくお願いしますm(_ _)m

追記︰私が書く続きは少し遅くなるかもしれません。
申し訳ないです(тロт)
私が書いた1話は私のページから飛ぶとあると思います。

からみだいこん
女性/16歳/宮城県
2023-10-03 16:36
  • そんなあなたにピッタリの企画があってですね。
    晴結さん主催の「続きが知りたい。」って企画なんですけど……
    1話をコピペし、#続きが知りたい。のタグをつけて再投稿するのです。

    何かが崩壊している者
    男性/22歳/埼玉県
    2023-10-03 17:21
  • 続きねぇ…書いてみたいのは山々だけど、こっちはリアルが大学の学園祭実行委員会の活動で忙しくなりそうだから今は難しそう。
    他にも企画用に書いてる小説があるし(笑)
    まぁ余裕があれば書くかもね。

    P.S.最近は急に涼しくなってきて体調を崩す人も増えてきているし、コロナもインフルも流行っているからね。
    からみだいこんさんも無理せず、体調にはお気をつけて。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2023-10-03 18:25

Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その⑧

電撃を食らったクリスタルは大きく仰け反り吹き飛ばされたが、ネコメを助け起こした時から手を握り合ったままだったこと、そして、後頭部の水晶柱が世界の『境界面』を直撃したことで、その場から大きく後退することは無かった。
代わりに水晶柱が虚空に衝突すると同時にひび割れを発生させ、発生した穴に二人の身体が吸い込まれる。
「だッ、逃げンなガキ共!」
ライトニング・クォーツは二人に向けて電撃を放ったが、2つの世界の境界上で弾かれるようにかき消され、2人には届かなかった。
淀んだ空間を二人は落ち続け、遂に落下した場所は庭園の一角、小さな池の畔だった。
「……助かったのかな?」
「にゃっ」
「ありがとね、クリスチャン。立てる?」
「たてにゃい……」
「だろうね、ボクも身体がまだ痺れてるもの……」
2人が電撃のダメージで転がったまま動けないでいると、ガーデン・クォーツがやって来て二人を見下ろしながら話しかけてきた。
「……驚いたな。まさか生きて戻ってくるとは」
「およ、ガーデンのひと。たすけて、動けないの」
「ワタシの言うことを聞かなかった罰と思ってしばらくそのままでいろ。外に放り出すくらいはしてやる」
「うげぇ助かりマス……」
未だ動けない状態の二人を抱え、ガーデンはその場を離れて庭園の外に二人を放り出した。
「動けるようになったらすぐ帰れよ。ワタシは封印の確認をしなければならないんだ。これ以上手間をかけさせるなよ」
「あい了解……」

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-10-03 17:19

Metallevma キャラ紹介⑤

・ガーデン・クォーツ
鉱石:ガーデンクォーツ  核:背骨の上に等間隔に生える苔入り水晶球
能力:『庭園』を支配する
能力の由来:和名では『庭園水晶』ともいうそうなので。横文字でも『ガーデン』だし
クォーツ族の刑務官。すっごく陰陽師。能力は自身が管理する『庭園』(クォーツ領の奥に位置する。自力かつ独力で整備した)を支配するというもの。ここに入った客人は悪いことができない。閉じ込められた罪人は自分の手で脱出することができない。また、一度完成させておけばすぐに修復できる。

・ライトニング・クォーツ
鉱石:ライトニングクォーツ  核:両の掌に肉球状に生えた雷水晶球
能力:電撃を発射する
能力の由来:こちらも名前そのままです
クォーツ族の元技術者。昔相棒を失い、現実を受け止めきれずに色々のいざこざの末ガーデン・クォーツに封印された。ちなみに近接戦闘能力はクソ雑魚だったので、4人がかりぐらいで簡単に取り押さえられた。死者は出た。

・レーザー・クォーツ
鉱石:レーザークォーツ  核:額から生えたレーザー水晶の角
能力:指先から各種光線を発射する
能力の由来:名前の通り
本編未登場。クォーツ族の元技術者でありライトニング・クォーツの相棒。既に死亡している。能力で発射できる光線は可視光線の身に留まらず、赤外線や紫外線、各種放射線なども対象範囲内。生前、この能力はさまざまな化学的実験に役に立った。

・クリスタル
鉱石:水晶  核:後頭部に生えた水晶柱
能力:世界の境界面を認識し、突き破る
能力の由来:進化しました
ご存じクリスちゃん。境界面を突破する方法を模索し続けた結果、「自分の身体の中で一番硬い核のところを思いっきりぶつけたら上手く行くのでは?」という結論に至った。上手く行った。
ちなみにクリスちゃんが通った=見ていたあの世界はネコメちゃんが見ていた世界とは違う、もっとヤバいどこかです。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2023-10-04 19:39
  • 企画参加ありがとうございました。
    クリスの「進化」って、そういう意味だったのね…
    あと公開予定のないアイデアって作りがちですよね。
    自分も作り過ぎてどうしようもなくなってることが多いです。
    投稿お疲れ様でした。
    改めてになりますが、企画への参加ありがとうございました。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2023-10-04 20:43

Metallevma あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
開催期間はとりあえず9月いっぱいまでと言ったので、企画「Metallevma」のあとがきです。

「Metallevma」は今までのぼくの企画と同じで、ぼくの空想から生まれた企画です。
元々宝石をモチーフにした空想は昔からよくやっていたのですが、高校に上がる頃にはそこまでやらなくなっていました。
でも大学に上がってふと、「また宝石モチーフで空想したいな」と思って色々ひねっていたら思いついたのがこの企画の元になった物語でした。
ちなみにメタルヴマたちが暮らす「ミクロコスモス」はかの有名な東方projectの「幻想郷」が元ネタになっております(笑)
他にも様々な勢力がいるという点も「幻想郷」を意識していますね。

さて、今回はこれくらいにしておこうと思います。
実はこの企画が終わったらもうこの手の企画を開催するのはやめようかな、と思ってたのですが…
ある人から「また企画を参加した時は参加できたらな…」というレスをもらったので、考えてみようと思います。
ネタはあるんだけどねぇ、それをアウトプットする労力があるかどうか…(笑)
まぁその内やるかもしれないってことなので、気になる方は待っててください。
ではこの辺で。
遅刻投稿も待ってるよ!
あとぼくが描く小説シリーズもお楽しみに!
テトモンよ永遠に!でした〜

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2023-10-09 19:53
  • 企画引退を考えていたとはたまげた。
    たしかに企画案出して、自分の想定した世界観から他の人が書く作品が大きく外れ過ぎないように設定詰めて、書き込みにまとめて、ついでに自分でも書いて、ってやるとそれなりに手間かかるから気持ちは分かりますけど、まさかフェードアウトとかではなく意志を持って辞めようとしていたとは……。
    企画は飽くまでも掲示板をちょろっと盛り上げるためのスパイスみたいなもんだと思っているところがあるので、思いついてやる気が足りてたら開く、そうでないなら無かったことにする、くらいのノリで気楽にやりましょう。

    何かが崩壊している者
    男性/22歳/埼玉県
    2023-10-09 20:29
  • レスありがとうございます。
    まぁ企画案出して設定詰めて…ってのも大変なんですけど、正直な所参加者が少ないのでやる気が落ちてきてたんですよね。
    最初に企画を開催した時はそれなりに参加者がいたんで楽しかったんですけど、2回目以降はかなり参加者が少なくて正直つまらないな…と思うようになっちゃったんです。
    まぁぼくが作る企画は小難しいものが多いので、参加者が少ないのは仕方のないことなんですけどね。
    でも参加者が自分以外に2人しかいないだなんて寂しいじゃないですか。
    それで寂しい思いをするくらいなら企画開催を続けるのをやめた方がいいかな、と思っていたんですけど、何気に楽しみにしてくれる人がいたりするので頻度は落ちるけど続けてみようかなと思います。
    気分によりますけど(笑)

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2023-10-09 22:31
企画に参加していただいた皆さん、ありがとうございました。