秋の空は澄んで、高い。
こうも綺麗な空を眺めていると気分が良い。
気候もちょうど良いし、特に建物の高い所に立っていると清々しく感じる。
わたしは今、寿々谷駅近くのショッピングモールの屋上にいた。
目的はいつもの”彼ら”を待つためだ。
実を言うとわたしは”彼ら”の連絡先を教えてもらっていないのだが、”彼ら”と連む内にいつもの集合場所、と言う名のショッピングモールの屋上に集まることだけは教えてもらったのだ。
だからわたしはいつも、日曜日になるとショッピングモールの屋上へやって来るのだ。
「…」
今日はまだかな、とわたしは屋上の柵に寄りかかりながら待つ。
このひと時も、ある種至福の時間だった。
しかし、今日は少しだけ違った。
「あら、あなた」
不意に話しかけられたので、わたしはパッと声の主に目を向ける。
そこには奇妙な出で立ちの少女が立っていた。
背中の真ん中辺りで切り揃られた長髪に、銀縁の丸メガネをかけた少女。
背丈はわたしより少し高い位で、彼女が羽織る鮮やかな紫色のスカジャンには蝶の刺繍が入っている。
この寿々谷において目立つその姿は、わたしの目を強く引き付けた。
「…え、誰」
「誰だって良いじゃない」
少女はそうわたしの言葉に答えると、わたしの隣へやって来て屋上の柵に寄りかかった。
「…それにしてもあなた、名前は?」
不意に少女がわたしの方を見て尋ねる。
急な事過ぎてわたしはへ?と答えることしかできなかった。
「あたしは蝶野 穂積(ちょうの ほづみ)」
ただの通りすがりよ、と少女は言って笑う。
「あなたは?」
穂積と名乗った少女がそう聞くので、わたしは恐る恐る不見崎 清花ですと名乗った。
「…そう、サヤカ」
良い名前じゃない、と穂積は微笑む。
「あたしの名前なんかよりずっと華があるわね」
ふふふと彼女は空を見上げつつ言った。
「それでサヤカ」
穂積が上を見上げたまま視線をこちらに向ける。
「ここから見える景色ってどう思う?」
突然の質問に、わたしは目をぱちくりさせる。
「景色…?」
「そう景色」
そう言って穂積はくるりとその場で半回転し、屋上の柵越しに下界を見下ろす。
わたしもつられて後ろを向く。
下界にはショッピングモールの入り口や近くの大きな通り、通り沿いの建物、と様々なものが見える。
「ここからの景色って、素晴らしいと思わない?」
彼女はそう言うが、わたしにはどうにもその意図が分からずはぁ、と答える。
穂積は続ける。
「この街の中心部で1番背が高くて大規模な建物だから、色々なものが見えるの」
人々の営みとか、ねと穂積はわたしに目を向ける。
「だから好きよ、この景色」
これからも大切にしていきたいものね、と穂積は笑った。
「…」
わたしは何なんだろうこの人、と不思議に思いながら彼女を見ていた。
急に絡んできた、と言えば情報屋のミツルと同じだが、そもそも何のためにわたしに話しかけてきたのだろう。
もしかしなくても、彼女もまた異能力者…という考えが頭をよぎった時、少し離れた所から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あーいたいた」
今日もいるんだなと黒いパーカーのフードを被った小柄な少女、ネロがこちらに近付いてくる。
その後ろには耀平、黎、師郎の3人がいる。
「あ、皆」
わたしは明るく手を挙げたが、ここで穂積がこう呟いた。
「…あたし、そろそろ行くわ」
「え?」
わたしは思わず彼女の方を見るが、穂積はもう既にその場から離れようとしていた。
「じゃ、またねサヤカ」
穂積はそう言って後ろに向けて手を振りつつその場から去っていった。
「…」
わたしはつい黙りこくってしまったが、ネロのおいという声で我に返る。
「アイツ誰?」
怪訝そうに尋ねるネロに、わたしはあ、えーと…と答える。
「何か、さっき話しかけてきた子なんだけど」
わたしの言葉にふーんとネロは答えると、ま、行こうとネロは元来た方へ歩き出す。
耀平達もネロに続く。
わたしは、何だったんだろう、あの子と思いながら彼らの後を追った。
不思議な少女に出会ってから暫く。
わたし達はいつものように商店街の裏路地を歩いていた。
目的地は普段と変わらずあの駄菓子屋だ。
ネロ達はいつも通り他愛もない会話を繰り広げているが、わたしだけは少し違った。
さっき出会ったあの少女…穂積の事が頭から離れないのだ。
「…」
あの子は何なのだろう、とわたしは思わず考え込む。
彼女は”ただの通りすがり”を名乗っていたが、普通通りがけの人に話しかけるだろうか。
そもそもの話、彼女は本当に”通りすがり”なのだろうか。
…実際、ミツルのように”通りすがり”と言いつつ意図的にわたしに絡んできた人もいるし。
彼女もまた、何か理由があってわたしに絡んできた可能性も否めない。
それに彼女もミツルと同じく異能力者かも…
「おい」
そこまで考えた所で不意にネロに話しかけられ、わたしはハッと顔を上げる。
「どうしたんだよ、そんな難しい顔して」
考え事か?とネロは不思議そうにこちらを見る。
「あ、あ、うーん」
そうだね、考え事、とわたしは慌てて答える。
ネロはふーんと答えたが、すぐに前を向いてこう言った。
「…黎が気にしてたぞ」
「え?」
わたしが思わず黎の方を見ると、黎は恥ずかしげに師郎の陰に隠れる。
「…」
黎がわたしの事を気にする事もあるんだな、わたしが心の中でそう呟きながらふと上を見上げる。
路地裏は中途半端な高さの建物が所狭しと並んでおり、その上には秋空が広がっている。
しかしわたしはある事に気付いた。
「?」
わたし達が通り過ぎた方を見ると、4階建ての建物の屋上に人影が見える。
よく目を凝らすと、それはさっき出会った穂積のようにも見えてきた。
「…え」
わたしが思わずそう呟いた時、うっふふふふふふと聞き覚えのある高笑いが聞こえてきた。
皆がハッとして辺りを見回すと、さっきまで誰もいなかった進行方向にツインテールで白ワンピースの赤黒く光る目を持った少女が立っていた。
「ご機嫌よう、皆さん」
先週ぶりね、と少女は笑う。
「ヴァンピレス‼」
アンタ、今度は何の用だ‼とネロがどこからともなく黒い大鎌を出しながら怒鳴る。
「何の用って…」
決まってるじゃないとヴァンピレスは細めた目を見開く。
「貴方達の異能力を奪うためよ‼」
ヴァンピレスはどこからともなく白い鞭を出すと、それを思い切り振り回す。
「‼」
こちらに向かって伸びる鞭をネクロマンサーは自身の具象体で受け止めた。
「逃げろ!」
ネクロマンサーがこちらをちらと見てそう呼びかけたので、わたし達は元来た道を走って引き返す。
「あら、逃げるの?」
楽しませてくれるじゃない、とヴァンピレスは呟くと、パッと具象体を消してわたし達の後を追い始める。
「あ、待てっ‼」
ネクロマンサーもまた、彼女の後を追いかけた。
ヴァンピレスに遭遇してから暫く。
わたし、耀平、黎、師郎の4人は路地裏を走っていた。
「ここまで逃げれば大丈夫かな」
ある程度走った所で耀平がそう言って立ち止まる。
わたし達3人も足を止めた。
「多分ネクロマンサーが足止めできてると思うし」
まぁ今回も大丈夫だろ、と耀平は頭の後ろに両手を回す。
「…それにしても、今回の奴の襲撃は随分急だったな」
普段はもっと暗くなった頃にやるイメージがあるのに、と師郎は腕を組む。
「こんな真っ昼間にやるなんて…どういう風の吹き回しなんだか」
師郎がそう言うと、耀平はそりゃあこの間の腹いせだろ?と答える。
「”メドゥーサ”を奪えなくてムカついたからおれ達に襲いかかってきた、それだけだ」
耀平がそう言うと、師郎はま、そんなもんかとうなずいた。
わたしもふーんとうなずきながら何気なく空を見上げる。
上空には高い青空が広がっており、地面からは様々な建物が生えていて…
「?」
わたしはふとある事に気付く。
わたし達が立っている場所のすぐ側の建物の屋上から、誰かがこちらを見ている。
その姿はお昼頃に出会ったあの穂積のようにも見えた。
「…どうしたんだ?」
わたしが上を見上げている事に気付いた師郎がそう尋ねる。
わたしはえっ、と驚いて彼の方を見る。
「あ、ちょっと見覚えのある人が近くの建物の上に…」
わたしがそう言いながらさっき見ていた場所へ目を戻したが、そこにはもう誰もいなかった。
「あれ?」
さっきまでいたのに…とわたしは呟く。
「誰もいなくね?」
「見間違いじゃねーの?」
師郎と耀平も上を見ながらそうこぼす。
「でも確かにいたんだよ」
お昼頃に出会ったあの子が…とわたしは言いかけたが、途中でうふふふふふという高笑いにかき消された。
「ようやく見つけたわ」
声がする方を見ると、ヴァンピレスが白い鞭を持って道の真ん中に立っている。
「さぁ、わらわの餌食になりなさい…!」
彼女がそう言った時、ンな事させるか‼とわたし達の後ろから聞きなじみのある声が聞こえた。
「ネクロ‼」
黒い鎌を持って肩で息をしているネクロマンサーに対し、耀平は声を上げる。
「早く逃げろ皆‼」
ここはボクが足止めする!とネクロマンサーはわたし達の前に躍り出た。
耀平は分かったとうなずくと、行くぞとわたし達に行って走り出した。
その後わたし達は路地裏を逃げ回った。
何とかして大通りに出ようとするが、その度にヴァンピレスに邪魔をされる。
わたし達はそろそろ疲れ始めていた。
「…奴、どれだけおれ達の事を狙ってんだ」
路地の片隅に座り込みながら耀平が呟く。
「今回はちょっと執着しすぎだよなぁ」
師郎も呆れ顔で言う。
「とりあえず、どうにか大通りに出られれば奴を撒けるんだけど」
この状況は難しいぞ…と耀平はうなだれる。
そんな中、黎は静かにわたしの方を見ていた。
「どうした黎」
その女がどうかしたのか?と師郎が黎に話しかけると、黎はちらと師郎の方を見る。
「…ちょっと気になる事があって」
黎がそう言うと、師郎は何だい?と促す。
黎は続けた。
「アイツ、さっきから逃げてる時にちょこちょこ上を気にしてたけど」
何でかなって、と黎はわたしを指さしながら言う。
わたしはえ、と返す。
「た、確かに、わたし上を見上げる事はあったけど…」
気付いてたんだとわたしが言うと、黎はこくりとうなずく。
「それで、何で?」
さっきみたいに上に誰かいるとか?と黎は聞く。
わたしはま、まぁと答える。
実際、わたしはヴァンピレスから逃げている最中に上から視線のようなものを感じていた。
その度に上を見ると、近くの建物の上からあの穂積らしき人影が見えていたのだ。
「知ってる人っぽいのがいたと言うか…」
わたしがそう呟くと、はぁと黎は返す。
「また知ってる奴か」
さっきもそんな事言ってたよな、と耀平はわたしの方を見る。
「結局ソイツは誰なんだよ」
耀平がそう言うのでわたしはこう答える。
「え、だから昼頃に会った穂積だよ」
わたしがそう言うと、耀平は目を丸くする。
「…マジ?」
耀平がそう聞き返すので、わたしはうんとうなずく。
「それがどうかしたの?」
わたしが尋ねると、耀平は下を向いて考え込む。
「耀平?」
わたしがどうしたのだろうと思って彼の名前を呼ぶと、耀平はゆっくりと顔を上げた。
「まさかソイツ、ヴァンピレスと繋がっているんじゃないだろうな?」
思わぬ耀平の言葉にわたしはえ、と驚く。
「な、何で…」
だってあの子は普通の…とわたしが言いかけて、いやと師郎が割り込む。
「あの女からは異能力の気配がしたぞ」
「え」
わたしは思わず唖然とする。
師郎は気にせず続けた。
「ヴァンピレスに協力する異能力者なんて考えられんが…ありえん事はないな」
脅されて協力している可能性もあるしと師郎はうなずく。
黎もうなずいた。
「えー…」
わたしはついポカンとしてしまった。
お昼頃絡んできた穂積が異能力者なんて…
でもそうだとしたら、どんな形でヴァンピレスと協力しているのだろう。
やっぱり、異能力を使って?
「とにかく、どうする?」
耀平は両手で頬杖を突きながら皆に尋ねる。
「その繋がっている奴とやらを放っとくワケにはいかないよな」
耀平がそう言うと、あぁと師郎は返した。
「奴と繋がっているのなら、なおさらだ」
そう言って彼は近くの標識に寄りかかるのをやめる。
「え、で、でも、あの子を見つけてどうするの?」
まさか…とわたしは焦るが、あー平気平気と耀平は手を挙げる。
「別にそこまで手荒な事はしないから」
な?と耀平は師郎と黎に目を向ける。
2人はまぁなとかうんうんとうなずいた。
「えー…」
わたしは何だか心配になってしまった。
「とりあえず、ネロ呼びだすか」
わたしの事はよそに耀平はウィンドブレーカーのポケットからスマホを取り出し、ネロに電話をかけた。
昼頃に出会った彼女がヴァンピレスと繋がっているかもしれないと言われて暫く。
わたし達はネロと合流してあの少女…穂積を探し始めた。
ネクロマンサーとコマイヌの異能力を組み合わせることで、2人にとってはほとんど知らない人物でも何とか探す事ができた。
「本当にこの上にいるのかな…」
わたしは穂積がいると思しき建物の外付け階段を上りながら呟く。
「ま、ネクロとコマイヌの異能力に狂いはないからな」
大丈夫大丈夫と師郎は笑う。
「そうだと良いんだけど」
わたしは不安げに階段を見上げる。
階段の上にはネクロマンサーとコマイヌが既に上っていた。
「…」
とにかく、今は信じるしかないとわたしは階段を上り続けた。
そうこうしている内にわたし達5人は階段を上り切り、屋上に辿り着いた。
そこには屋上の柵に寄りかかってうつむく長髪の少女がいた。
「おい」
ネクロマンサーが彼女に声をかけると、少女は静かに顔を上げる。
その姿は見覚えのあるものだった。
「あら、ここが分かったのね」
異能力者の皆さん、と少女は微笑む。
その目はネオンパープルに輝いていた。
「…穂積」
「今のあたしは蝶野 穂積じゃないわ」
あたしの名前は”チョウフウ”と少女はスカジャンのポケットに手を突っ込む。
「”遠くのモノを拡大して見ることができる”能力の異能力者よ」
チョウフウの言葉に対し。ネクロマンサーはいつの間にか出していた具象体の黒鎌を突き付ける。
「アンタ、ヴァンピレスと関わってるんだってな」
どういう事だ、とネクロマンサーはチョウフウを睨みつける。
「どういう事って…まぁ色々あるのよ」
あなた達が知った事ないわ、と穂積は肩をすくめる。
「何だよソレ」
ネクロマンサーは低い声で言う。
「アンタのせいでボク達困ってんだぞ」
ヴァンピレスに追われる奴の身になってみろ、とネクロマンサーは呟く。
「…そんな事言われても、ねぇ」
あたしもあたしで事情があるのよ、とチョウフウはポケットから手を出し腕を広げる。
「だから事情って何だよ」
ネクロマンサーは一歩前に進み出る。
「そうねぇ…」
チョウフウは考えるように上を見上げる。
…と突然こう言った。
「あ、ヴァンピレス」
「え⁈」
どこ⁈とわたし達が周囲を見回した時チョウフウがにやりと笑った。
「引っかかったわね‼」
鴨所はそう言うと、わたし達に向けて駆けだす。
そしてネクロマンサーやコマイヌを押しのけると後ろの外付け階段を駆け下りていった。
「ア、アイツ‼」
ネクロマンサーは思わず大声を上げると彼女の後を追いかける。
わたし達もその後を追って階段を駆け下りた。
逃げ出したチョウフウを追いかけ始めて暫く。
わたし達4人は路地裏を駆け抜けていた。
わたし達が走る20メートル程先ではチョウフウが走っている。
「アイツ、思ったよりすばしっこいな」
めんどくせぇ!と異能力を使うことをやめたネロがこぼす。
「そうする?」
二手にでも分かれて挟み撃ちにする?と師郎が不意に提案する。
あ、ミス発見。
スマホだと下から2行目
×そうする?
◯どうする?
1字違うだけでこんなに意味が変わるなんて、日本語って不思議。
またミス発見。
スマホだと上から6行目、
×鴨所
◯彼女
気を付けてたつもりなんだけどな〜
「それ良いな」
「じゃあお願い!」
耀平とネロはそれぞれそう言うと、師郎は黎に行くぞと言ってその場から離れた。
3人だけになったわたし達は暫くチョウフウを追いかけたが、やがて彼女が十字路の真ん中で立ち止まったのでわたし達も足を止めた。
「ちょっとあんた達、しつこくない?」
いつの間にか異能力を使う事をやめていたチョウフウこと穂積はそう言って振り向く。
「そういうのメーワクなんだけど」
「それはこっちのセリフだよ!」
アンタがしつこくボクらを追ってたせいでヴァンピレスに狙われてたんだぞ!とネロは怒鳴る。
「そんな事言われても…ねぇ」
穂積は困ったような顔をするがネロは気にせず続ける。
「ええい!」
いっその事アンタを…とネロは具象体の大鎌を出した。
しかし穂積は十字路の右に伸びる道へ向けて走り出そうとする。
だが彼女の進行方向から彼女の頬をかすめるように空のペットボトルが飛んできたことで彼女の動きは止まった。
「⁈」
穂積は驚いて目を丸くする。
彼女の目の前には紺色のパーカーを目深に被った少年が立っていた。
「…あんた」
穂積がそう言うと、彼は冷たい目を穂積に向けた。
「お前、同じ学校の…」
黎がそう呟くと、穂積はそうねと返す。
「たまに廊下で会うわね」
でもそれがどうしたの?と穂積は首を傾げる。
「いや、それ以上は何も」
黎がそう言ってそっぽを向くと、まぁ良いじゃないのと師郎が彼の肩に手を置く。
「知り合いって事は何かの拍子に役立つかもしれないし」
な?と師郎は黎の顔を覗き込む。
黎はそっぽを向いたままだった。
「ま、良いわ」
それじゃああたしは…と穂積は十字路の左に伸びる道へ向かおうとする。
しかし彼女はぴたと足を止めた。
「あ、穂積~」
穂積の元に向かってカラフルなヘアピンで前髪を留めた短髪の少女が近付いてくる。
「何してるの?」
少女が尋ねると、ゆ、雪葉(ゆきば)…と穂積は気まずそうな顔をする。
「…あ、もしかして人様にメーワクかけてる?」
雪葉、と呼ばれた少女はわたし達の方をちらと見るとそう呟く。
「え、え、あー、いや~」
「ダメじゃん穂積」
他の異能力者に迷惑なんて~と雪葉は穂積の腕を掴む。
そしてわたし達の方に向き直った。
「ごめんねー、ウチの穂積が迷惑かけてー」
彼女はそう言うと、ほら行くよと穂積の腕を引いて歩き出す。
穂積はえええと困惑しながら引きずられていった。
「…」
わたし達はポカンとした様子で、その場に取り残された。
〈19.チョウフウ おわり〉
どうも、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」の作者です。
本日2月24日をもって「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は連載再開2周年を迎えました~!
これもひとえに皆さんのスタンプのお陰です。
いつもありがとうございます。
何か書こうと思ったのですが、思いつかないので最近の作者の近況報告をば少し。
ここ数日、我が家は色々とてんやわんやでした。
近所に住むばーちゃんが緊急入院して生死の境をさまよってたり、歳の近い妹が藝大受験直前だったり、今日なんて1番下の弟がインフルエンザで高熱を出してしまって大変なことになっています。
「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」の執筆も実はそんなに進んでなかったり…
まぁ今は執筆どころの騒ぎじゃないんですけどね。
全てがどうにかなるといいんだけど…
ちょっと暗い話をしてごめんなさい。
でも今は書き溜めもそれなりにあるので連載がすぐに止まることはなさそうです。
という訳で今回は短いですがこの辺で。
何か物語についての質問などがありましたら、レスください。
近い内に投稿する「連載開始5周年記念! 作者からのごあいさつ」で回答予定です、お楽しみに。
では次は「連載開始5周年記念! 作者からのごあいさつ」でお会いしましょう。
テトモンよ永遠に!でした~
どうも、テトモンよ永遠に!です。
先日、3月4日をもちまして、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は連載開始5周年を迎えました~!
いやーめでたい(?)ですねー。
これもひとえに皆さんのスタンプやレスのお陰です。
いつもありがとう。
さて、今回はまたですが近況報告をしようと思います。
とにかく最近はてんやわんやでした。
「連載再開2周年記念! 作者からのごあいさつ」でも言った通り、ウチのばーちゃんが生死の境をさまよってたりしましたが、2週間くらい前の日曜日にとうとう亡くなってしまいました。
それで今週の月曜日は葬儀でして、「ごあいさつ」を書き込むことをすっかり忘れてたんですよね…
まぁ無事に見送れたし、「ごあいさつ」も書き込めてるのでよしとしましょう。
あと歳の近い妹が某藝大の受験のため頑張っています。
とりあえずこの間一次試験を突破したので明日あさってで二次試験に挑むそうです。
ぼくは隣で美術予備校や藝大受験の話を聞いてやることしかできないけど、本番の空気に飲まれないでほしいなぁと思ってます(彼女のことだから大丈夫とは思うけど)。
…と、いう訳で今回の「ごあいさつ」はここまで。
次は「20個目のエピソード記念! 作者からのごあいさつ」でお会いしましょう。
ちなみに今はその20個目のエピソードを作りかけで放置してます(笑)
実は「よその小説投稿サイトみたいな所にも自作の物語を載せてみたい!」と最近思ってそっち用に物語を書いてる内に「ハブ ア ウィル」とか「造物茶会シリーズ」の執筆作業がちょっとおざなりになってたんですよ。
「造物茶会シリーズ」は1エピソード分の書き溜めがあるので大丈夫なのですが、「ハブ ア ウィル」の新エピソードは途中で止まっているのです。
一応新エピソードの話の流れはできてるので、あとはそれをアウトプットするだけなんですけどね。
まぁ無理せず頑張ります。
ではこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした~