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2024年1月1日から31日まで開催した企画「CHILDish Monstrum」のまとめその1です。

CHILDish Monstrum:Introduction

この世界は、謎の怪物“インバーダ”によって侵略されている。
異方からやって来る異形の怪物“インバーダ”は、街を破壊し人類に仇をなす存在だ。
“インバーダ”との戦いが始まったばかりの頃、人類は既存の兵器でそれらに対抗していたが、“インバーダ”の巨大化、多様化に伴い意味をなさなくなっていった。
そのような経緯から、人類は決戦兵器“モンストルム”を生み出した。
一見すると普通のコドモと何ら変わりのない“モンストルム”は、自らの意思で巨大な怪物に変身することができ、“インバーダ”に対抗することができた。
そのため人類は世界各地に“モンストルム”を配備していったのだが、彼らの存在はいいことずくめではなかった。
“モンストルム”はコドモのような姿をしているが故に精神が不安定になることがあり、暴走する危険性が分かってきたのだ。
そういった理由から、“モンストルム”たちは人類の希望であり、畏怖の象徴であるという二面性を持つことになる。
…これは、彼ら“モンストルム”たちの戦いと日常の物語。

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-01 14:28

CHILDish Monstrum 〈企画要項〉

どうも、テトモンよ永遠に!です。
突然ですが企画です。
タイトルは「CHILDish Monstrum」。
異界からやって来る侵略者“インバーダ”に対抗するために作られたヒトの形をした怪物“モンストルム”たちの戦いと日常の物語を皆さんに描いてもらう企画です。
開催期間は〈設定〉が反映されてから1/31(水)24:00まで。
ルールはこの後投稿する設定と公序良俗を守り、投稿作品にタグ「CHILDish Monstrum」を付ければそれでOK!
作品形式・長さ・数は問いません。
皆さんのご参加楽しみにしております!
という訳でお次は設定です!

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-01 15:08

CHILDish Monstrum 〈世界観〉

こちらは企画「CHILDish Monstrum」の〈世界観〉です(さっき次は設定とか言っちゃったけど次は世界観です、申し訳ない)。

〈世界観〉
バイオテクノロジーが発達したいつかどこかの近未来。
世界は異界より来たる謎の存在“インバーダ”によって侵略されていた。
そんな状況を打破するため、人類は叡智を結集し決戦兵器である“モンストルム”を開発する。
しかしそれは“ヒトの姿を模した怪物”だった。
圧倒的な力を以って“インバーダ”に対抗していく“モンストルム”たちであったが、“怪物態”の恐ろしさとコドモに近い精神を持つが故の不安定さから、人々に恐れられるようにもなった。
これはそんな“コドモの姿をした怪物”たちの戦いと日常の物語。

さぁ今度こそ、お次は〈設定〉です!

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-01 15:30

CHILDish Monstrum 〈設定〉

この書き込みは企画「CHILDish Monstrum」の〈設定〉です。

・モンストルム Monstrum
人類の敵“インバーダ”に対抗するために開発された決戦兵器。
ヒトのコドモとほぼ変わらない容姿・人格・精神を持つが、伝説上の生物・妖怪にちなんだ名と特殊能力、“怪物態”を持つ。
基本不老だが致命傷を負えば死にかねない。
軍事転用を防ぐために量産型ではなくワンオフであり、全ての個体がバイオテクノロジー大手企業の“DEM(デウスエクスマキナ/デム)社”によって開発される。
各都市圏に数体ずつ、中心都市の役所の“インバーダ対策課”に配備される。
基本的に“インバーダ対策課”の指示によってのみ出撃し、普段の行動も制限されていることが多い。
戦闘時は刀剣類や銃器などの武器を携行する。
適度な食事と睡眠、それと定期的な“メンテナンス”がなければベストコンディションを保てない。
各個体の意思で巨大な“怪物態”に変身することが可能。
しかし“怪物態”の恐ろしさやコドモのような人格を持つが故の不安定な精神などから暴走する危険があり、そういった面から彼らを恐れる人々も少なくはない。

・インバーダ Invader
異界からやって来る人類の敵。
人間大から高層ビルに匹敵する大きさまで様々なサイズのものが存在するが、総じて恐ろしい姿をしている。
種類によって違う方法で攻撃する。
知能があるかどうかはハッキリしていない。
比較的小さめな個体は通常兵器で対応可能だが、大型個体はモンストルムでなければ対処できない。

・インバーダ対策課 Invader Measuring Section
各都市圏におけるインバーダ対策の要。
各都市圏の中心都市の役所に設置される。
主な仕事はモンストルムの管理や出撃時の援護。
司令室や輸送用ビークル、ヘリコプター、各種武装を持っている。

設定は以上になります。
質問などあればレスください。

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-01 15:45
  • 反映されなかったのでもう一度質問です。
    ・モンストルムの外見年齢の上限、下限。
    ・倒した後のインバーダの挙動(体が残るのか、即座に消えるのか、時間をかけてグズグズ消えるのか等)。
    あと1個何かあった気がするけど忘れた。思い出したらまた質問します。

    何かが崩壊している者
    男性/22歳/埼玉県
    2024-01-02 19:43
  • 質問ありがとうございます。
    まずモンストルムの外見年齢についてですが、10代序盤〜中盤くらいをイメージしていますので上限は16歳くらい、下限は12歳くらいを想定しています。
    次に、倒した後のインバーダついて。
    インバーダは倒すと基本亡骸が残ります。
    特撮みたいに爆散した場合も…まぁ亡骸は残るでしょう。
    ちなみにインバーダの亡骸の処理もインバーダ対策課の仕事です(今思いついた設定)。

    分かりにくくてすまない。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-02 20:24
  • 追記。
    モンストルムたちには生物学上性別がありません。
    ただ人格的に男性より、女性よりと言った方向性は存在します。
    後から追加した設定だから反映するしないは参加者の皆さんの自由にお任せします…

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-02 23:20

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その①

体高約25m。生物とも機械とも取れない奇妙な外見のインバーダの周囲を、様子見するように1台の戦闘用ヘリコプターが飛び回っていた。
「もっと寄せて! もうちょい! そっちのビルの方!」
少女の姿をしたモンストルム、ククルカンがパイロットの背後から組み付くようにしながら呼びかけた。
「3めーとる! 3めーとるくらいの位置まで近付いてくれれば良いから!」
「精一杯やっています! ただ、あまり近付くと奴の攻撃が……!」
パイロットが言ったその時、インバーダがヘリに顔を向け、その中央にはまった眼から光線を発射した。しかし、その光線はヘリの底部に触れた瞬間、反射して空中に飛び去って行く。
「ほら、どうせアイツが何してきてもサラちゃんが何とかしてくれるんだから! もっと近付いて! ちーかーづーいーてー!」
耳元で甲高い声で何度も言われ、パイロットは渋い顔をしながらもヘリを操作し、1棟の高層ビルに、僅かに機体を寄せた。
「よぉーしゴクロウ! あとは私らに任せてさっさと逃げちゃってよ」
「ああ……頼むぞ、〈アウトロウ・レプタイルス〉。君たちは我々にとって、最後の希望だ」
振り絞るように言うパイロットにサムズアップで応え、ククルカンは同乗していたもう2人の仲間と共にヘリから勢い良く飛び出した。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-01 23:33
  • 企画参加ありがとうございます。
    安定のナニガシさん、今回もありがとうございます。
    ここからどのように物語が展開していくのか、楽しみです。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-02 00:05

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その②

先んじて飛び出したククルカンの身体にあとの2人が掴まった状態で、ククルカンは愛用の武器を展開した。折り畳んだ状態では1m弱の長さでありながら、展開することで3m強の長さにまでなる長槍。
それを、自身の真横を下から上へ流れる高層ビルの壁に突き刺すと、ビルの表面が粘土のようにぐにゃりと変形し、3人を優しく包み込んで受け止めた。そのまま、エレベーターのように地面まで下りていく。
「はいとうちゃーく。みんな私に感謝して?」
「はいはい」
「してるしてる」
ククルカンより年上に見える少女のモンストルム、蛟(ミズチ)と、幼さの消えつつある少年姿のモンストルム、ラムトン=ワームは適当に返した。
「我らがリーダーはまだ来ねえのか……っと」
ラムトンが2歩、右に避ける。すると先ほどまでラムトンが居た場所に、少年のモンストルム、サラマンダーが音も無く着地した。
「サラちゃん隊長! サラちゃんは私に感謝しなくて良いよー」
「あーうん。くーちゃん2人を運んでくれてありがとう」
「あれー感謝のことばぁー?」
照れながら身体をくねらせるククルカンを無視して、サラマンダーは大型インバーダを見上げた。
「……いやしかし、デカいな」
「ここまでだとたしかに、モンストルムの出番だよなァ……」
半ば唖然としているサラマンダー、ラムトンに反して、ククルカンとミズチは既に武器を取り交戦する気満々という様子だった。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-02 21:55

CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢

「おはよう、“ロード”」
能力によって展開された触手で埋め尽くされた狭い地下空間。その奥底で1人のモンストルム“クトゥルー”は相方に声を掛けた。
「おはよう、“リトル”」
触手に埋もれて眠っていたもう1人のモンストルム“カナロア”も目を覚まし、相方に挨拶を返した。
「今日の早起き対決はきみの勝ちか。これで何勝何敗だっけ?」
「10回より先はもう覚えてないよ」
「そっか」
2人の肉体は、能力によって各々の肉体から伸びる無数の触手が絡み合い、一つになっている。2人の意思は触手を通して音声言語を必要とせずに共有できるのだが、それでも敢えて、口に出してのコミュニケーションを意識していた。
2人が幽閉されている地下空間には、既に数年もの間、IMS職員も訪れていない。ただ定期的に、給餌用の小さな扉を通して食料と水が届けられる、それだけが外界との繋がりである2人にとって、発話を介するコミュニケーションは人間性を失いただの化け物に成り果てないためにも必要な行為だった。
「………………」
クトゥルーは数十m先に地表があるであろう天井を見上げ、触手を通してカナロアに意思を飛ばした。
(“ロード”、今日は何だか上が煩いね?)
(そうだね。ここに来てから初めてくらいの五月蝿さだ)
(もしかしたら、出番があるかもしれないね)
(そうだね)
2人が念話をしていると、天井がスライドし、金属製の格子と遥か上方に僅かに見える外の光が現れた。
「やっぱり『ぼく』の出番だ」
「うん。『ぼく』の力が必要なんだろうね」
無為に地下空間を埋め尽くしていた無数の触手が、整然とした動きで解かれ、格子の隙間から地上へと向けて高速で伸長していく。
「「平伏せ。『我』は水底の神なるぞ」」
完全に重なった二人の言葉の直後、無数の触手が地上に出現し、交戦していたインバーダ、IMS、モンストルム、それら全てを隙間ない奔流で飲み込み、叩き潰した。
「思ったより数があったね」
「うん。一応人間は潰さないようにしたけど……もしかしたら『ぼく』以外のモンストルムが戦場にいたかもしれない」
「別に良いよ。モンストルムならこの程度で死ぬわけが無い。これで死ぬならどの道インバーダには勝てないよ」
「そうだね」
天井が再び閉まり、2人は触手の中で眠りに就いた。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-02 22:19
  • こ、これはクトゥルフ!
    クトゥルフ神話は昔理解しようとして調べてみたら情報量が多すぎて折れた記憶が…
    ナニガシさんはちゃんと理解できてそう。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-03 00:12
  • 学校掲示板では御世話になりました。
    将棋が出来るなんて素晴らしいですね
    尊敬しますm(_ _)m

    大好きっ子
    女性/15歳/埼玉県
    2024-01-03 18:48

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その③

「今日は誰がやる? 私はこの間やったし、みーちゃんで良いかな?」
「え、良いの? たすかるー」
腰のホルダーから包丁を2本抜き、ミズチは弾んだ声で言った。
「おい待てェぃ女子共。リーダーの意向を聞い」
2人を諫めようとしたラムトンの言葉は、インバーダの放った光線によって、胸の高さで身体を両断されたことで中断された。
「あ」
「あ」
「……てから動けって言おうとしたんだよ」
分断されたラムトンの上半身が、構わず言葉を続ける。
「で、どうすンだよリーダー」
ラムトンに問いかけられ、サラマンダーは即答した。
「うん、みーちゃんに任せようと思う。それが一番手っ取り早いしね」
「はいはいリョーカイ。それじゃ……」
ミズチはインバーダに向けて歩き出しながら、首にかけたストップウォッチをスタートさせた。
「……よし、みーちゃんはスイッチ入ったね。おれはみーちゃんの援護に向かうから、くーちゃんは……」
サラマンダーがククルカンに目を向けると、ラムトンの下半身を引きずり、傷口同士を宛がおうとしているところだった。
「……うん、言わなくても分かってるみたいだ」
サラマンダーは苦笑し、インバーダに向けてクラウチングスタートの姿勢を取った。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-03 20:50

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その④

「はいよーいスタート。さくっとインバーダお料理たーいむあたぁーっく」
独り言を口にしながら、ミズチはインバーダに向かって行った。そのまま足元まで歩いていき、牛刀をインバーダの脚部に思い切り叩きつける。
「うっわ硬い。硬っっっったい! でもきみ、良い外皮してるねぇ! お皿にするね!」
牛刀を再び振り上げ、今度は切っ先を突き立てる。この攻撃は有効打となり、刃が数㎝、インバーダに突き刺さった。更に腰の左のホルスターから和包丁を抜き、その峰を牛刀の柄に叩きつけ、牛刀を更に深く刺し入れる。
そこまでされたことで、インバーダも反応した。単眼をミズチに向け、光線を発射する。
しかしその反撃は、ミズチの前に不意に現れたサラマンダーに反射され、無力化された。
「あ、サラ隊長。ヘルプに来てくれたの?」
「うん、みーちゃん」
続いてインバーダが2人を踏みつけようとしたが、サラマンダーが足裏に触れると、弾かれたようにインバーダの脚が跳ね上がり、勢いのままひっくり返ってしまった。
「今だ、みーちゃん!」
「だいじょぶ見えてる!」
ミズチが軽く跳び上がると同時に、彼女の姿は巨大な一角の龍の姿に変わった。そしてインバーダの腹部に噛みつき、外皮を噛み砕き、体内に頭を突っ込み、再び人型に戻り体内に侵入した。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-04 20:41

CHILDish Monstrum:人造神話隊 その①

深夜、とある都市の上空約200mを、一つの影が高速で飛んでいた。
「ビャキたんもっと飛ばせぇー! いくら我が国のヘータイったって私らがいつまでも居なくて持つかよー」
「ちょっっっと待ったァティーちゃん! その言葉聞き捨てならないヨー⁉ 戦車も戦闘機もつよつよ最新鋭だぞー⁉」
「相手はインバーダだ! 私らがいなきゃ詰みだろーが!」
「わたしの信仰がインバーダごときに負けるとでもー⁉ それはわたしの力を疑うことだヨー⁉」
その影の上で騒ぐ二人のモンストルム、ディープワンとティンダロスを、飛行していたモンストルムの少女、ビヤーキーが諫める。
「うるさいよ、ぷわん。ティー。振り落とすよ?」
「ナンデわたしの名前を先に呼んだの⁉」
「ぷわんのほうが好きだから。あんまりうるさいと高度上げるよ?」
「ゴメンナサイ……。でも好きなのはウレシイ」
「ティーも落ち着け。ぷわんが大丈夫だって言ってんだぞ? 大丈夫に決まってるでしょ」
「がるる……」
唸るティンダロスの顎を、その後ろに控えていた少年のモンストルム、ナイトゴーントが掻き撫でた。
「許してやってくれよ、ビャキ。コイツは暴れたいのと人間が心配なのとが頭ン中でごちゃ混ぜになってトチ狂ってんだ。だから真っ直ぐ飛んでほしい。俺が死ぬ」
「……そんな心配するなぃヤキちゃんよ。もうすぐ着くよ」
ビヤーキーが地上を指差す。街灯の明かりに照らされて、無数の影が蠢いているのが見えた。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-04 20:47

CHILDish Monstrum:人造神話隊 その②

象よりも大きな身体と馬のそれに似た頭部を持つ、悍ましい鳥のようなインバーダの突進が、応戦していた最後の戦車を横転させ、行動不能に陥れた。
這う這うの体で脱出した戦車兵たちを、インバーダが見下ろす。その悍ましい姿に動けないでいる兵たちを食らおうとしたのか、インバーダは大きく口を開けた。その時だった。
「よくやったテメエら! テメエらはギリギリで持ち堪えた!」
威勢の良いティンダロスの声と共に、異形の怪物がインバーダに衝突し、弾き飛ばした。
小柄な競走馬ほどもあるその怪物は、危機を救いに現れたヒーローというにはあまりに冒涜的な外見をしていた。カラスでもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、アリでもなく、腐乱死体でもない、名状し難く見る者に恐怖を与える、邪悪な生物だった。
「ぷわんの力があったとはいえ、よく耐えた。もう逃げて良いぞ。死にたかねーだろ?」
怪物の背から下りたティンダロスに言われて、正気に戻った兵たちは慌ててその場から逃げ去った。
「ン、邪魔者は消えた?」
ディープワンが怪物の背中から下り、立ち上がろうとしていたインバーダの頭部に自動小銃を撃ち込み倒した。
「……上から見えた感じじゃ、あちらさんで2割くらいは削ってくれてたっぽいな」
怪物の陰から、コウモリのような翼を具え、手に大鎌を携えた顔の無い化け物が現れた。
「へー、思ったより頑張ってたっぽいな。そんなにデカくないのが幸いしたか?」
「馬鹿言え、数が狂ってンだろ。面倒だから朝までに終わらすぞ」
「はいはい。相変わらず厳しいタイムスケジュールだねェ、ヤキちゃんよォ」
笑いながら、ティンダロスも腐食した大柄な猟犬のような外見の怪物態に変身した。
「みんな頑張れー」
応援の言葉を述べ手を振るディープワンを、ティンダロスは呆れたように見返した。
「……お前もやるんだよ」
「ちぇー、ショウガナイ」
そうぼやき、ディープワンも半魚人のような外見の怪物態に変身した。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-05 17:42

CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢 キャラクター紹介

・カナロア
性別:?  外見年齢:7~15  身長:可変
特殊能力:触れた『人間』に恐怖を与える触手を展開する
とある都市の地下隔離室に幽閉されているモンストルム。大規模決戦兵器として生み出されたものの、何故か人間に対して有害な能力が発現してしまい、地下深くに隔離された。本当にどうしようもない時は、タコ足の如き触手だけを地上に伸ばしてインバーダをボコボコにする。人間との区別は触手で捕まえた時に硬直するのが人間、振りほどこうと暴れるのがインバーダ、って感じ。
クトゥルーとは能力の性質が酷似していたためか、触手が融合し離れられなくなってしまった。そのためか彼我の境界も曖昧になっていて、一人称は二人合わせて『ぼく』。自分一人だけを指す機会は無い。渾名は「ロード」。

・クトゥルー
性別:?  外見年齢:7~15  身長:可変
特殊能力:触れた『人間』に狂気を与える触手を展開する
とある都市の地下隔離室に幽閉されているモンストルム。大規模決戦兵器として生み出されたものの、何故か人間に対して有害な能力が発現してしまい、地下深くに隔離された。本当にどうしようもない時は、タコ足の如き触手だけを地上に伸ばしてインバーダをボコボコにする。人間とインバーダの区別は、触手で捕まえた時に滅茶苦茶に暴れるのが人間、冷静に振りほどこうとするのがインバーダ、って感じ。
カナロアとは能力の性質が酷似していたためか、触手が融合し離れられなくなってしまった。そのためか彼我の境界も曖昧になっていて、一人称は二人合わせて『ぼく』。自分一人だけを指す機会は無い。渾名は「リトル」。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-06 15:58

CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 1

「こんちゃーっす!」
とある地方都市、クララドルの中心部の路地裏にある駄菓子屋に、バタバタと短髪で赤いパーカーを着たコドモがやって来る。
それに続いて色違いでお揃いのパーカーを着た4人のコドモと、1人の男が店内に入って来た。
「おばちゃん元気かー?」
「こんにちはー」
「こ、こんにちは」
5人のコドモの内4人は思い思いに店の店主に声をかけながら、店内の品物を眺め始める。
それに対し背広を着た大人の男はその様子を店の入り口で鋭い目で見つめていた。
「あ、これ新商品だー」
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜」
コドモたちがどの駄菓子を買うか迷っている中、茶色いパーカーを着て髪を二つ結びにしたコドモがふとあることに気付く。
「ゲーリュオーン?」
二つ結びのコドモが、店に入った所で突っ立っている黄土色のパーカーを着て長い茶髪を高い位置で結わいたコドモにどうかしたの?と声をかける。
ゲーリュオーンと呼ばれたコドモは二つ結びのコドモに目を向けた。
「…別に」
ゲーリュオーンがそうそっぽを向くと、おうおう素っ気ないな〜とオレンジのパーカーを着た金髪のコドモがゲーリュオーンの肩に手を置く。
「ビィのことが気になるのか〜?」
金髪のコドモにそう絡まれたが、ゲーリュオーンは何でもないと自身の肩に置かれた手を払った。

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-08 17:04
  • 参加有難う御座います!
    十二月までやっているので、ゆっくり書いてくださいね。

    猫町やたろう
    女性/15歳/東京都
    2024-01-09 21:14

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その⑤

ミズチの雄姿を見届け、サラマンダーはラムトンとククルカンの下に引き返した。
「くーちゃん、ラムちゃんの様子はどう?」
「ん、サラちゃん隊長。ぜんぜんだめー。あのビームでちょっと蒸発してる」
「そっかー。じゃあみーちゃんが戻ってくるまで待とうか」
「んー。……ねえラムちゃん、土に還る気無い?」
「無い」
駄弁る3人の背後で、倒れていたインバーダが突然爆散した。
思わず3人が振り返ると、燃えるインバーダの残骸から、ミズチがほくほく顔で這い上がってきた。その両手には何かを抱えている。
「はいタイマーストップ」
そう言いながら首にかけたストップウォッチのボタンを押し、画面を確認する。
「3分18秒……30m未満級だとまだ遅いなー。最初っから“怪物態”で行けばよかったかなー」
頭を掻き、抱えていたものを地面に置いた。
「今回は可食部がちょっと少なかったけど、頑張って削ぎ落としたよー。軽く味見した感じ、思ったより甘くて柔らかくて生でも美味しかったから、雑に炙ってたたきにしました。さあ食えラムちゃん」
言いながら、インバーダの外皮を加工した皿に乗った肉片の一つをラムトンの口に押し付ける。
「どうよ?」
「…………」
「美味しい?」
「…………」
「おーい?」
「…………、咀嚼中に声を掛けるな馬鹿」
「あー……それもそっか。で、どうだった?」
「もっとあっさりした味付けを所望」
「オーケー。次は調味料も色々持ってこよう」
戦場跡に、武装車両の駆動音が近付いてくる。
「お、後始末の軍隊が来たな。そろそろ撤退だ。ラムちゃんの身体はくっついた?」
サラマンダーに尋ねられ、ラムトンは自分の身体を見下ろしてから首を横に振った。
「いや、動かせるレベルでは付いてない。表面だけなら繋がった」
「分かった。くーちゃん、お願いできる?」
「まかせろー!」
ククルカンが地面を軽く叩くと、4人のいた場所が僅かに持ち上がり、彼らを乗せてスライドするようにその場を離れた。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-09 00:56
  • インバーダって食えるのか(設定作った本人が言うなよ)…
    そこまで考えてなかったな。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-09 19:40

CHILDish Monstrum:CRALADLE Act 2

店内で量り売りのお菓子を眺めていた短髪のコドモはそう冷やかす。
「…何もないし」
「何かあるってば〜」
短髪のコドモがからかうと、ゲーリュオーンは黙り込んでしまった。
「…まぁまぁ、イフリートもワイバーンも、ゲーリュオーンをあんまりからかわないの」
困ってるでしょう?と二つ結びの少女の傍に立つ青緑色のパーカーを着た長髪のコドモが2人をなだめる。
「ちえー」
「はいはい」
イフリートと呼ばれた金髪のコドモとワイバーンと呼ばれた短髪のコドモはそれぞれそう答える。
「大丈夫?」
ゲーリュオーン、と長髪のコドモはゲーリュオーンに尋ねる。
しかしゲーリュオーンは別にとしか答えなかった。
「お前に心配される筋合いはない」
ゲーリュオーンはそう呟いて店の奥へ行ってしまった。
「…」
長髪のコドモは心配そうに沈黙するが、すぐに二つ結びのコドモにデルピュネー?と声をかけられた。
「なぁにビィ」
デルピュネーと呼ばれたコドモはビィと呼んだコドモの方を向いた。
「どうしてゲーリュオーンのこと心配するの?」
あんなにビィたちのこと突き放すのに、とビィは続ける。

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-09 19:37
  • 冒頭1行、この文を忘れていました。
    と言う訳で脳内補完してね。

    「えー絶対何かあるじゃーん」

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-09 21:06
実はタイトルがちょっと間違ってる。正しくは「CRALADOLE」。

CHILDish Monstrum:人造神話隊 その③

4人が怪物態に変化してからは、戦況は完全に一方的な蹂躙と言えた。ティンダロスの高速の突進に触れた傍から、インバーダたちは腐ったように崩壊していき、動くこともできないほど腐り落ちた残骸を、ビヤーキーとナイトゴーントが轢き潰すように仕留めていく。3体の怪物の突進から逃れた、あるいは致命傷を避けたインバーダも、遅れてついて来るディープワンが三叉槍で1体1体、確実に急所を貫き片付けていく。
4体の化け物は勢いが衰えることも無く只管驀進を続け、東の空が僅かに明らんできた頃、インバーダは数体の小さな個体を残して殆ど全滅していた。
「そろそろ人間どもの時間だな」
残っていたインバーダのうち1体を大鎌で殴り潰しながら、ナイトゴーントが言った。
「ギリギリ間に合ったって感じだね。流石だよみんな」
人型に戻りながら、ディープワンが反応する。
「それじゃ、誰かに見られる前にさっさと帰るか。ほらみんな、私の背中に乗って」
人型に戻ったビヤーキーに言われ、ディープワンとナイトゴーントはすぐにそれに応じた。
最後まで残っていたインバーダを全て蹴散らした後、ティンダロスも遅れてビヤーキーの背中に飛び乗り、4人が飛び立ったのは、日光が戦場跡に届いたのとほぼ同時だった。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-09 23:34

CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その①

近付いてくる足音に、目を覚ました。
兵隊が履いている重くて上質な軍靴のそれじゃない。科学者の革靴を引きずるようなくたびれたそれでもない。スーツ姿のDEM上層部の偉そうなそれでもない。
ぺたぺたと無警戒に鳴るそれは、例えるなら子どもが素足で歩き回るような……。
音はもう1種類。ごり、ごり、とコンクリートがむき出しになった施設の廊下を、何か硬くて重い金属塊でも引きずるような……。
ふと、一つの可能性に思い至り、足元を見る。
私の両脚の枷に鎖で繋がれた、鉄球の重り。もしかして、私と同じようにここに閉じ込められているモンストルムの子?
「……いや、あり得ないか」
そう呟き、首を横に振って希望めいた考えを打ち消す。その理由は、両手を戒め壁に固定している手枷にあった。両手両足を拘束されて、おまけに首にも鉄球付きの枷がはめられていて、独房には監視カメラと遠隔機銃があるから、脱走なんて考えたところでちょっとでもおかしな動きをしたらアウトだ。
足音が、私の独房の前で止まった。
「ここ、誰の部屋だ?」
「ベヒモス」
「へぇ。強いのか?」
「閉じ込めざるを得ない程度にはね」
分厚い金属扉1枚隔てた向こうで、男の子と女の子が話している声が聞こえる。今さっき否定したはずの希望が、再び頭の中に大きく広がっていく。
「っ、たすけて!」
殆ど無意識のうちに、掠れた声を振り絞って外の2人に助けを求めていた。馬鹿なことをした。撃たれてもおかしくないのに。
「……りょーかい。動くなよ?」
扉の向こうの男の子の声が答えた。直後、扉に放射状の亀裂が入り、砕け散った。

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-09 23:39

CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その②

扉の破壊で、埃が舞い上がる。その向こうから、鉄球が独房の天井の方に飛んでいって、監視カメラと機銃を叩き壊した。
「よォ、ベヒモス。ハジメマシテだな」
すぐに晴れた埃の煙幕の中から現れたのは、私より少し背の高いモンストルムの男の子と、その子よりももう少し背の高い、スレンダーな女の子だった。
「俺はフェンリル。こっちはスレイプニル。よろしくな?」
「ぇ……ぁ……」
答えようとしたけれど、動揺が収まっていなかったのと長いこと言葉を発していなかったのとで、上手く言葉が出ない。
「とりあえず、『ソレ』も壊してあげたら?」
「ン、そうだな。ベヒモス、動くなよ? 下手すりゃ死ぬぜ」
フェンリルがそう言いながら、わたしの両手、両足の枷を1つずつ指で軽く突いた。その瞬間、拘束具は全て砕け散り、私の身体は自由になった。長いこと立ちっ放しの姿勢で固定されて疲れ切っていた両膝からは力が抜け、床の上に頽れる。
「…………ぁ、ありがとう、ございました」
さっきは上手く言えなかったお礼の言葉を、改めて口にする。
「あー、礼ならスレイプニルに言ってくれよ。スレイプニルが仲間が欲しいっつーから出してやったんだ」
「……仲間?」
この疑問に答えたのは、スレイプニルの方だった。
「そう。この地下牢から脱走する、そのための仲間」

何かが崩壊している者
男性/22歳/埼玉県
2024-01-10 19:27
  • いいんです、ナニガシさんの投稿率が高くても。
    いつものことのような気がするのでね。
    楽しんでくれれば幸いです。

    テトモンよ永遠に!
    女性/21歳/東京都
    2024-01-10 20:15

CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 3

「そうねぇ…」
だって、とデルピュネーが言いかけた時、店の外でけたたましいサイレンが鳴り始めた。
「⁈」
店内にいるコドモたちはバッと顔を上げる。
「こんな時にお出ましか!」
イフリートがそう言いながら店の入り口に近付く。
「せっかくみんなで出かけてるっていうのに」
インバーダは空気読めないんかなとワイバーンも店のガラス戸から外を見る。
「羽岡(はおか)さん、インバーダの出現地点は?」
デルピュネーが店の入り口に立つ男に尋ねると、羽岡と呼ばれた男は手元のスマートフォンを見ながら答える。
「ヴィアンカ通り周辺…ここからすぐの所ですね」
彼がそう言うとイフリートはよし!と指を鳴らす。
「さっさと行って倒して来ようぜ!」
そう言ってイフリートは扉を開けようとするが、待ちなさい!と羽岡に止められる。
「武器が届いてないのにどうやってインバーダに対抗するんです?」
本部からの武器到着を待ちましょう、と羽岡は淡々と言う。
「なんだよそれ‼︎」
怪物態使えばすぐ倒せるのに!とイフリートは羽岡を睨みつける。
「そうだよ!」
さっさか倒して駄菓子屋さんでお買い物したいー!とワイバーンは頬を膨らませる。
それに対し羽岡はダメです、と真顔のままだった。

テトモンよ永遠に!
女性/21歳/東京都
2024-01-10 20:22
「まとめ2」に続く。