UFOが庭に落ちてきた。初めてみた。テレビや本の挿し絵で見るような形のアレ。私は、唖然としてしまった。
夏休みまっただ中、ひぐらしが鳴く頃。私は祖母の家にいて、暑さのあまり居間でへばっていた。うちわ片手に大の字に仰向けとなり、花の女子高生と呼ぶには苦しい、あられもない姿だ。
そうやってごろごろしているときに、ガンというかゴンというか、物音がした。決して、ドカーンとかバーンではない。低くて、金属がぶつかるような音。そうして庭へ出ると、一般的にUFOと呼ばれるような形をした物体が落ちていた、というわけである。
続く
わ、面白そう!
この頃寒くなってきたので、夏の話を敢えて読むのもいいと思います(笑)
続き、楽しみにしていますね!
ラジオネームがなんかうらやましい!!!
Key-towerさん))
ありがとうございます!UFOの形はご想像にお任せということで(笑)
楽しんでいただけると嬉しいです‼
同い年同士、この掲示板を楽しんでいきましょうね。
シェア専用ボールさん))
ありがとうございます!とっても励みになります‼
本当に季節感無いです…暖かい気持ちで読んでもらえると嬉しいです(¨;)笑
カチョフのしゃちほこさん))
ありがとうございます。カチョフのしゃちほこさんも、お茶目なかわいい名前だと思いますよ‼
どんな由来なのか知りたいです。
Key-towerさん))
レスありがとうございます‼UFOの形はご想像にお任せしますということで(笑)
同い年同士、お互い楽しんでいきましょうね‼
シェア専用ボールさん))
面白そうって言ってもらえて本当に嬉しいです!
最近寒いですし、暖かい気持ちで読んでもらえると嬉しいです
カチョフのしゃちほこさん))
ありがとうございます。カチョフのしゃちほこさんっていうラジオネームも、お茶目なかわいい名前だと思いますよ!
由来が知りたいです。
すみません、レス載ってないなーって思って2回やってしまいました(¨;)
大きさは軽自動車くらい。大人二人は簡単に乗れそうである。……やはり、UFOには宇宙人が乗っているのだろうか。私は、頭でっかちで大きい目を持つ、いわゆるヒューマノイドという宇宙人を想像して、扉が開くのを待った。
しかし、扉はびくともしないどころか、中から物音すら聞こえない。さっぱり訳のわからない物体に、私は好奇心をくすぐられた。縁側から裸足で外に出て近寄った。しばらくは観察のみだったのだが、あまりにも何も起こらないので、つい触ってしまう。
…ひんやりとしている。夏の日差しに当たっていた温度には思えなかった。
(3話目、載ってなかったですね)
ちょっぴり力を入れて叩く。カンカンという音がする。もう少し力を入れて叩く。今度はパンパンという感じだ。もっと強く叩く。鈍い音だ。金属ではない。叩いた感触も違__
「ったいなぁもう!手、どけろよ!」
そこには、宇宙人なんてよべる存在はどこにもなかった。明るい茶色の柔らかい髪を持つ年下の男の子。黒い目は、吸い込まれそうなくらい深い。背は、私より随分と低かった。
「君は、宇宙人なの?」
今思えば、随分と馬鹿な質問をしたものだ。他になかったのか自分。すると、男の子は憎たらしい顔で嘲笑った。
「姉ちゃん、馬鹿だろ。もっとマシな質問無いワケ?」
……一言目がそれかい。いや、自分でもそう思ったけど、こんな小さい男の子に馬鹿にされた屈辱。一体、どうしてくれようか。
「君は、どこからどうやって来た、どこの何君なのかなー?」
頬がぴくぴくと張っているのが分かる。こんな子供にムキになるなんて大人げない。そう思って、我慢して優しく聞くよう努める。だが、
「見ればわかんじゃん。これに乗ってきた。やっぱ馬鹿だな、姉ちゃん。」
無理だった。こいつ、可愛いげがない上に生意気だ。優しいお姉さんはやめよう。
「質問に答えきれてないじゃない。まず、名前は?」
男の子は、少し間をおいた。
「宙(そら)。宇宙の宙で"そら"。」
私は驚いた。
続く
__私と同じ名前。もっとも、私は青空の空で"そら"だけど。だが、それで少し親近感が湧いた。
「宙君、どこから来たの?」宙は答えない。
「宙君、これを運転してきたの?」宙は答えない。
「宙君、どうしてここに来たの?」宙は、だんまりを決め込んだようだ。先ほどまでの威勢はどこへいったのだろうか。
態度や様子を見ると、どうやら宇宙人ではないようだ。だとすると、この年頃は難しいのかもしれない。私は小さくため息をつき、宙を引っ張る。
「さっきは叩いて悪かった。痛くない?」
くしゃっと頭を撫でて。
続く
だいぶ歩いたかな。そう思って、ふと上を見上げる。真っ赤だ。
「……どこへ向かっているの、とかきかないの?」
宙はあくまで平然としていた。
「じゃあ、どこにいくの?」
……ほんと、かわいくないやつ。私は、自分で振ったくせに無視。宙はまたもや憎たらしい顔をして嘲笑った。
「姉ちゃんチケた!その歳でチケた!」
そう言って逃げる。今度は笑いながら。
「ちょ、こら、待ちなさい!宙‼」
叫ぶ私も笑っていた。何だか、弟が出来たみたいで、とっても楽しかった。
続く
ついた場所は海。宙を連れてきた場所。宙に見せたかった場所。なぜだかわからなかったけれど、宙と接するうちに、ここだけは見せたいと、頭のどこかで自分が叫んでいた。__それはきっと、もうすぐお別れなのだという虫の知らせだったのだろう。
燃え輝く赤色の夕日は、闇に飲み込まれていく。そんな様子を、しばらく黙ってみていた。だが、そろそろ帰らなければ、祖母が心配する。宙に声をかける前に、宙が口を開いた。
続く
「どうして……ここに連れてきたの……?」
感情の読み取れない声だった。不思議そうな、それでいて哀しげな、切ないともとれる声のトーン。
「なんとなく……そう、なんとなくよ。でも、どうして?」
そのトーンがあまりにも私の胸に突き刺さるので、思わず質問に質問で返してしまった。
「ここだったんだ……。」
「え?」
「ここ、見たことがあるんだ。来たことがあるんだ、何回も。小さいとき、僕の姉ちゃんがよく連れてきてくれた。」
幼い、とても幼い顔だった。だから、言ってやったんだ、この生意気で憎たらしい男の子に。
「今も十分小さいよ。」
続く
なんだろ、星の王子様を彷彿とさせるような素敵なお話…
好きです、この子(笑)
シェア専用ボールさん))
ありがとうございます、嬉しいです(T∀T)
あと少しなので、もう少しお付き合いください!
「もー、ごめんねってば。」
帰り道、宙はむくれている。まだほのかに残る赤に照らされ、その色に染められながら。
結局、この宙という少年について、名前と、お姉さんがいるということくらいしか分からなかった。そういえば、宙はずっと、私のことを"姉ちゃん"と呼ぶ。
「どうした"姉ちゃん"?」
ほら。名前なら、いつでも聞く機会があったろうに。そう言うと、宙はひとこと。
「…知ってるから。」
それが私には分からなかった。ただ、宙があまりにも真剣で。
「…宙?」
「ぼく、そろそろ行かなきゃ。楽しかったよ、姉ちゃん。」
「待って!」
宙は、私が初めて見る無邪気な顔で笑った。
「またな、姉ちゃん。」
「宙!」
「…また、すぐに会えるさ。」
そう言い残して消えたことだけは覚えている。
続く
走った。祖母の家まで、走って走って走って走った。まだUFOがあるかもしれないと。だが、庭には既に何も残っていない。破片や跡など、何一つ。そんななか、まだ状況を飲み込めていない私に、一本の電話が入った。
「「はやく病院へ、ばあばとくるんだ!」」
父からだ。病院へは歩いて五分程度。私はこの偶然の奇跡に、胸の鼓動が高まるばかりだった。
はやく、はやくいかなきゃ。
祖母へは伝えたので、後から来るだろう。私は、一刻もはやく行きたかった。
着いた。四階の304号室。病院の扉を開く。
「お母さん!」
疲れているような、それでも嬉しそうに微笑む母の腕のなかには、小さな小さな男の子。私の、弟がいた。覗き込むと、先ほどまでの男の子の顔とダブった。茶色い髪と、深くて黒い目。私は息を飲んだ。
続く
えっ…そうきましたか!
すごい。これは思いつかなかったなぁ…江國さんのデュークみたいな話かと思ってた(笑)
完結編、楽しみにしていますね!
(レス返ありがとう。此処にいると載らないこともあるので焦りますよね。笑)
(失敗したときとか、ちゃんとコピーとったときに限ってちゃんと載るんだけど)
東京FMで放送されてるミッドナイト劇場〜杉崎智介ドラマで放送されてそうなストーリーですね。面白かったです。
デューク、知ってます。切なすぎて辛いです…。
私はどちらかというと、ハッッッピーエンド(笑)にしたい人なので。
そうなんですよね、ちゃんと載っちゃうんですよ、そういうときに限って(笑)
次回で最終回です‼それまで、もう少しお付き合いください。
京浜東北線209系快速蒲田行きさん))
ありがとうございます!面白かったという言葉、本当に嬉しいです。
次回で最終話なので、もう少しお付き合いください‼
「この子の名前、何にしようかしら。」
母の言葉に、強く反応する。
「"宙(そら)"がいい。宇宙の宙で"そら"。」
母は笑う。
「それじゃあ、あなたの名前を呼ぶときと、聞き分けがつかなくなるわ。」
そんなの、ニックネームでも何でもつけてしまえばいい。
私の気迫におされたのか、ちょっと間をおいた母は、そうね、と呟き、
「この子の名前は"宙(そら)"にしましょう。空ちゃんが名付け親ね。」
と母がいい、にっこり笑ってくれた。
私は嬉しかった。
この子を、あの海に連れていかなくては。「馬鹿」ばっかり言わないよう伝えなくては。あと、UFOを勝手に操縦しないように言うことも。言いたいこと、伝えたいことが山のようにあって。
それでも、一言目は決まっていた。
「また会えたね、宙。」
宙は笑った。
「ほら、いった通りだろ、姉ちゃん。」
そういってる気がした。
おしまい。
そんなの、ニックネームでもなんでもつけてしまえばいい。
この一行がなによりもナイスです!
口になんて出さなくたって、伝わることはたくさんあるんだから。ね、
(江國さんもだけど、いろいろ読みすぎてなんだかバッドエンド趣味になってしまっていたけれど…)
(ほんわかしました。こう云う話も素敵ですね!有難う。)
終わらせてしまいました(笑)
読んでくれていた方々、ありがとうございます。
今度は冬を題材に…また読んでもらえると嬉しいです。
早ければ明日には新しいのを載せたいなあ。
また戻ってきたらよろしくお願いします(笑)
シェア専用ボールさん))
ありがとうございました‼お気に召す言葉があって良かったです。
バッドエンド趣味ですか…いつか挑戦したいものです。シェア専用ボールさんが、本当に本が好きだということが伝わってきて、手を抜いたような話は書けないと思いました(手を抜くつもりは無いですが…(¨;))。
次回の物語も、よければ読んでくださいね。
なんともほっこりとした終わり方で^ ^
毎話楽しく読ませていただきました。
キラキラした夏がいいなー!と、
裸足で縁側にでてくところがすきです^ ^
次回も楽しみにしています!(^○^)
カチョフのしゃちほこさん))
ありがとうございます‼裸足で出ちゃうとことか、JK感がまるでなくて個人的にも気に入ってます(笑)
いつもありがとうございます!
はぁぁぁぁ(;_;)
なるほどー!!いい話ですー!
ロマンチック…
いちごたると。さん))
ありがとうございます!そう言ってもらえて本当に嬉しいです
なかなか可愛らしい話ですねぇ。
UFOにも色々と形があったりするのでここのUFOはどんな形をしているんでしょう、一般的な形も色々とありますし。
いやぁ想像が膨らみます。
同い年ですし、続いて欲しいので支援です。