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備忘録。モチーフを忘れないための。タグとういう便利なものに気づいたのでもう増えない。

空から降ってくる

雪原に僕たちは足跡を隈なくつけて回った。
醜く踏み荒らしただけだとしても 欲望だけが生きている証だ。
大人たちは公園で 雪合戦を見守っていた。
きっと大人になるとは 雪原を踏み荒らす権利を 譲り渡すことだ。
ただ微笑んで。 転んだら手を差し伸べて。
やがて立ち並ぶ塩の柱を 子供たちが蹴り倒して遊ぶだろう。
それでいいよ。 次の世界を君たちにあげよう。
そうやって世界は ひどく優しい速度で廻る。

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2016-01-19 20:42
  • 素晴らしい…
    大人になったのかな、大人でいいのかな、って二十歳過ぎてからいろいろ悩むことが多かったけど、なんだか吹っ切れた気がします(笑)

    シャア専用ボール
    男性/31歳/岡山県
    2016-01-19 23:03
  • シャアさん
    レスありがとうございます。
    吹っ切る助けになれたなら幸いです。

    ダレカ酸
    男性/24歳/東京都
    2016-01-20 09:34

flower head

人間関係に悩みなんて無いのは 悩むほどの関係がないからだ。
僕の幸せな脳味噌には 僕ひとり分の空間しかない。
さよならの数より はじめましての数のほうがずっと多い。
さよならしないうちに お別れしてたんだろうな。
思い出せないあの人と またはじめましてしてたりして。
いつだって新鮮な気分さ。 空虚。
どうせ空っぽなら せめて花畑を満載にしてたかったな。
かち割れたときに ぶちまけるために。
無意味な僕の人生が まるで美しかったかのように。
さらば現世 嫌いじゃなかったぜ。 来世は別にいらないけど。

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2016-01-18 22:04

らいかろーりんぐすとーん

産声には言語も国境も人種もない。
獣から遠ざかるほどに 神さまからもかけ離れて。
理解し合うには複雑すぎるほど 人間になってしまうのだ。
それだって 許しあってしまおうぜ。
分かり合えなければ 笑い合えないか?
知り尽くさなければ 愛し合えないか?
人生が天国から落下していく過程にすぎないとしてもだ。
下らない人生はあまりにも退屈だから。
坂道を下り続けるのだ。 高らかに笑いながら。

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2016-01-15 21:52

とおくのあしおと

遠くの足音のように 心臓が脈をうっている。
ようこそ僕の暗闇へ 今こそ僕は暗闇へ。
歩いていけるのかもしれない。 心臓を連れて。 心臓を連れて。
魂に酸素をあげよう。 窒息しないように。 燃え続けていられるように。
星が瞬いている。 月が綺麗だ。 散らばった欠片は 乱反射している。
空っぽのこの手も 実は世界と繋がっていて。
光には触れられないだろう。 掴めもしないだろう。 それがどうしたっていうのか。
歩いていけるのさ。 傷跡を連れて。 汚れた足で。 
遠くで足音がしている限り。

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2016-01-04 22:38

ゆりいか

誰も知らなくたっていいし 70億人が知っていてもいいな。
何がどうあれ 僕は僕だ。
深海に沈んでもいいし 宇宙の涯だっていいな。
どこまで行ったとして 僕は独りだ。
水面の朝もや 微かな光 落ち葉を踏む音 ひどく小規模な魔法。
優しすぎて 窒息しそうだよ。 眩しすぎて 暗闇のようだよ。
僕は僕を差し出すだけだ。 愛されようと 蔑まれようと。
この世の果てでも きっと僕は僕だよ。
僕が消えた後も どうせ僕は僕だよ。

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2015-12-28 23:20

ひかり

あんなに美しい星々のさなかに 君が安らかに眠っているなんて。
なんだかとても腹立たしいな。 宇宙開発だ!
あの日、君が放った シュートみたいに。
照れた顔して笑ってた 思い出しちゃうな。
打ち上げ花火 打ち鳴らすのさ 目覚めの時間だ。
芸術的な居眠りの技術 今も発揮してるの?
懐中電灯でスターウォーズごっこ 闇を開こうとした。

宇宙と同じ色の街に あかりが灯って。
寂しがりやの君が 薄目を開くころ。
世界で1番小さな海に 星が瞬いて。

僕らは さながら 星座のようだ。

大冒険を続けようぜ。 君も一緒にだ!

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2015-12-21 20:13

すうさいど

無意味な壁の落書きのような 最高の人生を。 
騒々しい楽団で 体内は埋め尽くされている。 
寂しがり屋の遺伝子 震える指先。 
誰にもつながれず 優しい暗がりで 蹲ったまま。 
心臓は血管に縛られて どこへも辿り着けはしない。 
恐ろしく悲しい喜劇のようだ。 せめて笑えるものにしなくては。 
もはや死ぬまでも無いのは 意味も価値も 端から存在しないからだ。 
音だけ聞こえた花火 砂漠に落ちたエイリアン。 
21グラムの消失 知らぬ間についた傷跡。 
まるで無価値な宝石のような 最高の人生を。

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2015-12-17 22:09

せかいがおわらなかったあさ

やがて空が開き 光に容赦なく苛まれる。 陽だまりで眠る赤ん坊 通学路に弾ける笑い声 揺り篭を揺らす速度で 囀って舞う小鳥。 すばらしい世界。 疑いようも無い。 ありふれた憂鬱を詰め込んで 空っぽが呼吸をしている 許されるだろうか。 生きていてもいいし 生きていなくてもいいな。 愛も平和も戦争も憎悪も どうだっていいよ。 ただ漠然と眠っていたいだけなのだ 永久に 静寂のように。 そして 世界が終わらなかった朝を 繰り返し呪いながら 産まれて生きて死んだ僕の化石を 粉々に踏み潰して 跡形もなく消してくれ。 

ダレカ酸
男性/24歳/東京都
2015-12-16 23:34