夢みたいだ、なんて君は言うの
はらり、
この日を迎えられて嬉しい
はらり、
幸せになろうな
はらり、
月並みな言葉でほんとごめんだけど、
はらり、
「愛してるよ」
「…ばいばいだね」
はらり。
「え…?」
花びらがなくなったから、この恋はおしまい。
花嫁のいない式場に、まっしろい花びらがふりそそぐの。
ざんねん。時間切れだった
そんな恋もあるの。花びらまかせのそんな恋も。
愛していた
愛していたの
服のテイストが変わってしまったから信じてもらえないでしょうけど
愛していたのよ
そうね、きっと海よりも深かったわ
愛してはいたの
どうせなら私から捨ててやれば良かったのになんて
思っているから私、綺麗になれないのかしら
あなたが欲しいと言ったの
おそろいのもの、女の子っぽいものでも構わないからって
お花のついたヘアゴム
ブルースターっていう花知ってる。
ううん。
この飾りの花にそっくり。花言葉はね…
そんなのとっくに忘れてしまったわ
笑わせないで
手の中で欠片になった青いガラクタ
几帳面な接吻よりも
貴方の存在を感じられる温もりをひとつ、
いただけないかしら。
地に植えて、貴方の吐息で育まれていつしか
白百合から滴る朝露となって
貴方の喉を潤すように焦がしたいの。