少年パート
声をかける勇気すら無くて
後ろの席から君をじーっと見る
そんな僕の視線に気付いたのか君は僕を振り返って微笑んだ
そんなのずるいよ
また僕のハートをひっぱっていく
痛いよ
少女パート
背中に視線感じる
私の事好きなのかなーって
都合よく妄想膨らませてしまうんです
だからお願い期待だけはさせないで
でもごめんなさい
私には大切なものを増やしたくないの
失う痛みを知っているから
少女パート
少女漫画の恋愛なんてあるわけ無いじゃん
一生寄り添える人を探すのは高校生になんかできるわけ無いでしょ
大切なものは無くさないように
大切に大切に心の奥に仕舞って鍵をかける
自分の気持ちに嘘をついて蓋をするの
私の得意分野
今まで失敗した事無かった
のに
のに
少年パート
知ってるよ
君はどうせあいつのことが好きなんだろう?
君が僕に興味ないのも知っている
振り向いてくれたりとかそんな優しさ要らないから
夢で見たんだ君が自分の心の引き出しに鍵をかけようとしているところを
もしその引き出しがあいつへの想いで閉まらないというのなら
手伝ってあげるよ
君に恋焦がれて狂いそうなんだ
もう僕だけを見てくれ
更新が亀さんですみませんm(__)m
読んでいただければ幸いです♡
少女パート
嘘だ
なんで鍵が閉まらないの
早く閉めないと
想いが溢れてしまいそうだというのに
なんで私なんかのことを見てくれるの
誰の視界にも入りすぎないように
今までこんなに気を付けてきたのに
鍵穴に鍵が合わないのはなんで
早くしてよ
ふと遠くから足音がした
ああ鍵を直してくれるんだわ
振り返って
きょとんとする
なんであなたが鍵を持っているの?
その鍵で何をどうするの?
少年パート
なんであなたなの
君のその言葉に心がまた傷つけられる
目を潤ませている君を無性に抱きしめたくなる理性を抑えてできるだけ優しく言う
この引き出しの鍵は世界で一つしか無いんです
閉めるのをお手伝いしましょうか
そうしたら楽になるのでしょう?
なのに君は
あなたの前ではできない
と泣きそうな顔で言う
そう言われる理由がわからなくて心が締め付けられる
俯いて声を絞り出して僕は言う
なぜですか?
少女パート
きっと神様は最後にいい夢を見せてくれているんだろう
そうじゃないとあなたに会えるわけがない
引き出しを閉じてしまったら私は彼のことを忘れてしまうから
神様は最後に私にも目をかけてくれたようだ
そうなのならば
せめて最後には言わないと
「あなたのことが好きです。」
「はい?」あなたに聞き返される
「いえ。」やっぱり言えるわけ無いじゃん
ガチャッ
「先程なんと言ったんですか?」目の前の男の人に聞かれる
少し眩しくて顔が見えない
「ごめんなさい。」
この人知っているのに、大切なのに、思い出せない
何回目なんだろう、この気持ち
でも、この気持ちに付ける名前は一つも思いつかない
「どちらさまですか。」
またそう口にしてしまう
fin
なんだろう、
シンプルにココロを打つ。
上手ですね〜