戻れぬ過去を指でなぞることが 大人になることの証なら もう二度とそんなことしないように きつくきつく縛り付けて
手を伸ばしても触れられない距離は 伸ばしても良いと知った 手を伸ばしたら触れられる距離は 決して伸ばしてはいけないと知った 私は大人だから 今日も手を伸ばさない
相変わらずねって笑って 少し馬鹿にしたような声で
泣き尽くしたら出ないと聞いていたのに やっぱり出てきてしまうのか 泣き尽くしたら海に帰ると聞いていたのに やっぱり私に帰ってきてしまうのか もういっそのこと 私が水になれないものか
眠りながらいってしまうくらいなら 初めから私だけ見てよ
あなたがいないと生きられないなんて そんな訳ないけれど もし誰かと共に生きることが許されるのなら あなた以外に思いつかない
あなたが楽しそうにしている姿に とても目も当てられないけれど もっと生傷を抉ってほしい 今はまだこの傷を癒したくないの
きみとの日々は、いくつあっても足りなくて
一徹の身であなたを想った あなたは私に伝えてきた 聞こえない聞き取れないフリしてた 備え付きの想いは解くことできず 今できることを思うよりも 今やりたいこと思うほうが 実のある日々を送れるけれど 私はまた同じように あなたを思うのでしょう
しゃぼん玉に燥ぐ少年を横目に 私は自然と大人のフリをしていた 気づいたとき、少し恥ずかしくて もっともっと大人のフリをした 私は子どもだから