ポケットの中の声
お母さんに会いたい。
物心ついたときにはもういなかった。
幼稚園の送り迎え、お弁当作りはお祖母ちゃんだった。
小学校の運動会の時、父と姉と自分で昼食を食べていた。そのとき友達に「お母さんは?」と聞かれた。そんな話をしてないからき聞いてくるのも無理はないがそのときは『仕事』と嘘をついてしまった。嘘をついたときの気持ちはなんとも言えなかった。今でも風景も空気感もはっきりと覚えている。
幼稚園の送り迎えや学校行事にお母さんが居て、来てくれたら何かが違うのかな、と幼いながらに考えたこともあった。
今でもそんなことふと思うことがある。
私は、お母さんの声を知らない。お母さんが作ってくれた料理の味も知らない。お母さんの匂いも感触も分からない。けど、写真は残っているから顔だけはわかる。お母さんと一緒に写っている写真。4人で写った写真。それが私とお母さんを繋いでいる。
お母さんは、今でも私のことを覚えているのかなぁ。
文章力の無い長文失礼しました。