僕だけの島が頭の中にある。 そこに辿り着くためにはボートとオールが必要だ。 でもね、泳いでも行けるんだ。別に行かなくてもいいんだけどね。 ただ、そこへ行くとなぜだか、現実がどうでもよくなるんだ。
宿題めんどくさい。 動くのめんどくさい。 アイツと話すのめんどくさい。 くさくていいものなんかありゃあしない。 でも、納豆だけは特別な。
色んなひとがいる。よくしゃべるひと。よく寝るひと。静かなひと。面白いひと。うざいひと。嫌われてるひと。どれも味があっていい色。 別に色同士が混ざりあう必要はない。 ひとつひとつがいい色だから。
僕は嫌われ者だ。 食べてもらっておいしいと言われたことがない。 いつもお皿の隅っこへはじかれる。 だけどね、僕のいないお皿はさみしいと言われるんだ。いなくなって初めて気づかれる、そんな存在。だから、僕は別に食べてもらわなくてもいいんだ。そこにいるだけでいいんだ。