グルチャ
無能な男がいた。無能な男にとっての日常は常に非常時。男はしばしばパニックにおちいっていた。
そんな男でも、睡眠中やテレビの視聴時などはつかの間だが、非常時から解放されるのだった。
女性モデルと猫とのツーショットでは女性モデルのほうがどうしても猫の可愛さに負けてしまうところ、ブサ猫をつかうことでバランスをとっているのだな。……身体が大きいイコール細胞が大きい。つまり眼球表面の凹凸が大きい。よって乱視になる。
「やっほー」
「うわあぁぁああ!」
「びっくりした?」
「びっくりしたあ。……あなたは?」
「わたしはいわば地球の創造主です」
「失礼。僕の好きなアイドルにそっくりなんですが」
「それはあなたの願望の投影です。そんなことよりあなたがいまびっくりしたことによって七番目のグルチャが回り始めてしまいました。地球はもうすぐ滅亡します。ではさようなら」
ではさようなら。