序章-はじまり-
・・・・・・常氏江の森(とこしえのもり)
それは、木々が鬱蒼と繁り、昼でも薄暗く不気味な場所。人は誰一人として近付かない、そんな場所。
そこでは、1人の少女がお悩み相談室を開いている。
予約必須の相談室には、野生動物や森の精霊たち、時には人間も、様々な者たちが悩みを抱えてやってくる。
日々怠惰を絵に描いたような少女が繰り広げる、ゆるゆるな世界。
「・・・・・・悩み事があるなら聞いてあげる、どうせ暇だし。ただし事前に連絡くれないとやる気出ないから、そこんとこよろしくねー」
僕が森のなかに住んでいたら――