変貌。
青かった空が、赤く染まる。
「あの」人が、遠ざかる。
出「口」が、なくなる。
見えていたものが、見えなくなる。
またひとり、鳴いた。
いや、叫んだ。
群れが、荒らされた。
柱が、揺らいだ。
失望が、生まれる。
黒いものが、胸を刺す。
でも彼は、優しいままだった。
眼差しは、変わらない。
雑草は、伸びた。
雑音は、勘違いしている。
彼は、自由なんだ。
鎖はもう、いらない。
というより、はなからない。
最終列車は、本当に行ってしまったのか。
いや、乗るべき者は乗った。
兄弟は、わかってる
何も知らなかった、羨ましかった。
優しい、彼。
黄色い帽子を、被っていた。
夜は、辛かったらしい。
彼に必要なのは、雑草でも、雑音でもない。
自由と、傘だ。
もう、終わりにしようか。
世界は、高慢になった。
なあ兄弟、信じてるよ。
青い矢に、負けるな。
白い矢で、貫け。