もういちどだけでいい。 あの日を繰り返したい。 君にもう一度逢いたい。 あの日存在していた君。 今は存在していない君。
現実と幻想。遠い世界にありながら。 脳内で描き上げた世界。 存在こそはしないものの。 とても近く感じたりする。
ほら、空をみあげてみよう。 世界ってかなり広いんだ。 君らの世界なんて狭いんだ。 ほら、全部ひっくるめて。 現実のいやなことをよ。 思いっきり走れ。 あの太陽へ。
夏休みがきたというのに。 君がいるというのに。 スマホ、部活、勉強の繰り返し。 最後の夜 君から届いたメッセージ。 パジャマのままで、がむしゃらにはしる。 終電にのる君に向かって。
音楽室から響く吹部のメロディ 野球部の掛け声 軽音部の部室から響くギター 剣道部の発声 さまざまな音が 重なり合って 青春の1シーンになる。
君と作った秘密基地 まだあるのかな。 さびれたバス もう撤去されちゃった。 おじいちゃんちのなや もう違う家 時代は変わってゆく。
あの夜、君と見た星 あの夜、歌った歌 あの夜、君がいた夜 あの夜、君が教えてくれた星 君は星になった。
誰もいない図書室 静まり返った体育館 誰もいない教室 君がいるだけで色が変わった。
君の走る姿 君の笑顔 君が落としたボール わたしは、小さな窓からみてるだけ
この世界では常になにかがなくなっている。 そして常にうまれている。 でも、なくなってから うまれるものもあるのかもしれない。
桜がすこし散っていた。 振り返ると、桜のじゅうたんの道が続く。 きれいなものはなくなってもまた違う美しさがあるんだ。
いつからか 君は私の心の中にいる。 君の心の中に私もいますか?
君は一人になろうとしている。 なぜなんだろう。なぜなんだろう。 一人ってなんだろう。
パンクしかけの自転車 君の横顔 破れかけのスニーカー それでも。