誰?
「君は誰だ?」
「お前こそ誰だ、突然」
「何だって良いだろう。僕は僕だ。で、君は何者だ?」
「僕は■■■■だ」
「ふむ。ところで、ここに君の戸籍謄本と戸籍抄本がある」
「うん…て何故!?」
「そしてライターもある」
「何をする気だ…まさか!止めろ、よせ!」
「火をつける。これで君の名前は意味を失った。改めて聞こう。君は誰だ?」
「そんなことしたって、データは世界中に残っている。インターネットを舐めるなよ?あいも変わらず僕は■■■■だよ」
「案ずるな。全ての君に関する情報はデジタルアナログに拘らず完全に消した。少しだけ苦労したがな」
「だ、だとしても!人の記憶には残っているはずだ!」
「すべての君を知っている人間やその他生物、人工知能には催眠術やその他諸々の手段を用いて君を忘れてもらった。大分大変だった」
「そんな馬鹿な……」
「さて、もう一度問おうか。君は誰だ?」