肩を控えめにトントンっと叩く人差し指。 もう「授業中なのに何?」、なんて思わない。 面倒くさそうに後ろに手を伸ばす、 1枚の薄っぺらい紙が指に触れて、 2人の秘密のやり取りに胸を踊らせる 淡い思い出、叶わなかった恋。 これから持つ生徒達にもそんな思い出が出来たりするのかななんて考えながら、私は塾の講師になる。