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彼女のいる友人との会話

「俺の彼女は小学校就学前まで、サンタクロースが実在すると思っていて、就学後間もなく、同級生にフィクションだときかされたとき、ショックで泣いてしまったそうだ」
「通過儀礼だよね」
「かく言う俺は小学校就学前まで、トナカイはフィクションだと思っていて、ある日、動物番組を見て実在すると知ったとき、とても嬉しかった」
「それはちょっとないな」
「ところでトナカイはアイヌ語起源の日本語である。英語圏ではカリブー、レインディアと二つの呼称があるが、サンタクロースのそりを引いているのはどちらで呼ぶのが主流なのかはわからない。ただ、赤鼻のトナカイの原題は、Rudolph the Red-nosed Reindeerなので、英語圏の人に説明するときはレインディアと言ったほうがいいのかもしれない。ちなみに、ドレミの歌のもとの歌詞は、ドは鹿、雌鹿なのだが、Doe, a deer, a female deerと、ディアが使われている。カリブーは鹿、ディアは鹿さん、みたいな柔らかいニュアンスで使用されているのではないか」
「へー」
「個人的には、トナカイを食肉用に飼育し、そりを引かせる文化は北欧のものだから北米語のカリブーよりヨーロッパ語のレインディアのほうがふさわしいように思う」
「なるほど」
「まあどちらでもいいっちゃいいんだけどね」
「いいんかい」